JPS6228518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、シートクツシヨンおよびシートバツ
クの横幅を変更できるようにした自動車用等のシ
ートに関するものである。

従来の技術 従来の自動車の運転席等のシートにおいては、
着席者の体型に合わせてシートの横幅を変更する
機構として、特開昭56−63311号公報に示される
ように、シートクツシヨンとシートバツクとサイ
ドホールドをを行なう側部のみがシート幅方向に
進退する構造のもの、あるいはサイドホールドを
行なう側部を側方へ回動させる構造のもの等が存
する。

考案が解決しようとする問題点 上述の特開昭56−63311号公報に示される構造
では、サイドホールドを行なう側部のみがシート
幅方向に進退するものであるから、体格の小さい
着席者に対応できる寸法にシート寸法が設定され
ているとすると、体格の大きい着席者に対応する
際は、シートクツシヨン中央部と側部との間なら
びにシートバツク中央部と側部との間に間隔が広
く形成されるため、サイサポート性、サイドホー
ルド性、クツシヨン性等が劣化する欠点がある。

また前述のサイドホールドを行なう側部が側方
へ回動される構造のものでは、外側方へ拡がるよ
う回動させたときには、側部のでつぱりしろが少
なくなり、体格の大きい着席者ほど、サイドホー
ルド性が低下するし、シートクツシヨン自体の幅
は変化しないので、体格の大きい人に対しては前
記側部が腰を側方から圧迫する現象が生ずるとと
もに、体格の小さい細身の着席者に対しては、前
記側部がシートクツシヨン内方へ回動されて前方
へ突出した形態となるため、身体の動きを阻害
し、運転操作の邪魔になる等の欠点がある。

上述の現状に鑑み、本考案は、種々の体格の人
すべてに対し、十分なサイドホールド性、サイサ
ポート性、クツシヨン性を満足させ、また腰に圧
迫感を与えることが無く、良好な座り心地を与え
うる横幅を調節できるシートを提供することを目
的として考案されたものである。

問題点を解決するための手段 上述の目的を達成するため、本考案では、シー
トクツシヨンが、略中央後部に位置するメイン部
と、該メイン部の前方から側方に亘つて配置され
た左右両側のサイド部とで構成され、該サイド部
は、メイン部の前方に位置し、シートクツシヨン
の略前半部分を幅方向において左右に２分割した
形状の前部と、これに連続し、メイン部の左右側
方に位置する側部とで平面形状が略Ｌ字状および
逆Ｌ字状に形成されており、シートバツクは、略
中央下部に位置するメイン部と、該メイン部の上
方から側方に亘つて配置された左右両側のサイド
部とで構成され、該サイド部は、メイン部の上方
に位置し、シートバツクの上部を幅方向に左右に
２分割した形状の上部と、これに連続してメイン
部の左右側方に位置する側部とで、正面形状が略
倒Ｌ字状および略倒逆Ｌ字状に形成されていると
ともに、前記各サイド部は、シート幅方向に移動
できるよう各メイン部のフレームに支持されてお
り、各サイド部のサイドフレームは、中央のねじ
部で、各メイン部のフレームに保持されているア
ジヤスタシヤフトの両端の互いに逆ネジとなつて
いるネジ部に螺合され、アジヤスタシヤフトの中
央に設けられた方向変換歯車装置が操作ノブに連
続する回転ワイヤに連動連結されているという構
成を採用している。

作 用 本考案は、上述の構成であるから、着席者は、
自身の体格あるいは好み等に合致するまでシート
クツシヨン１のサイド部３，４と、シートバツク
９のサイド部１１，１２を外側方へ進出させる
か、あるいは内側方へ後退させるべく操作ノブ２
５を回わすと、その回転が回転ワイヤ２６を経て
方向変換歯車装置２４に伝達され、アジヤスタシ
ヤフト２１を回転させる。

アジヤスタシヤフト２１の両端の互いに逆ねじ
となつているねじ部２２，２３には、各サイド部
３，４，１１，１２のサイドフレーム１７，１８
に設けられた中央のねじ部１９，２０が螺合させ
られているので、上記アジヤスタシヤフト２１の
回転に伴なつて、各サイドフレーム１７，１８
は、共に外側方へ進出したり、内側方へ後退した
りする。

上述の結果、各サイド部３，４，１１，１２は
外側方へ進出し、あるいは内側方へ後退するの
で、希望する位置となつた時点で操作ノブ２５の
回転を中止することにより、各サイド部３，４，
１１，１２は選ばれた位置に安定、保持される。
すなわち方向変換歯車装置２４の介在により、各
サイド部３，４，１１，１２にその進退方向に向
かう外力を作用させても、該装置２４は作動され
ないものである。

上述のように各サイド部３，４，１１，１２の
位置が決つた状態において、通常の着席姿勢で
は、ヒツプポイントはシートクツシヨン１のメイ
ン部２に位置し、両脚の大腿部はサイド部３，４
を形成する前部５，６によつて常に支持されるの
でクツシヨン性、サイサポート性は十分に発現さ
れる。またサイド部３，４は、設計姿勢を保つた
まま、シート幅方向に平行移動するのみであるか
ら、そのサイドサポート性は設計通りの機能を維
持しうるものである。

またシートバツク９のメイン部１０により腰部
背面が支持されるとともに、サイド部１１，１２
を形成する上部１３，１４は常に左右両肩の肩甲
骨まわりを支持するし、サイド部１１，１２は設
計姿勢を保つたままでシートバツク幅方向に平行
移動するのみであるため、クツシヨン性、サイド
サポート性は設計通りの機能を維持できる。

実施例 図面は実施の一例を示しており、シートクツシ
ヨン１は、略中央後部に位置し、着席時のヒツプ
ポイントを含む臀部を支承するメイン部２と、メ
イン部２の前方から側方に亘つて配置された左右
両側のサイド部３，４とで構成されており、該サ
イド部３，４は、メイン部２の前方に位置し、シ
ートクツシヨン１の略前半部分を幅方向に左右に
２分割した形状とされて着席者の左右両脚の大腿
部を支承する前部５，６と、これに連続してメイ
ン部２の左右の側方に位置する側部７，８とで形
成されており、平面形状において、サイド部３は
略逆Ｌ字状形状とされ、サイド部４は略Ｌ字状形
状とされている。

シートバツク９も、略中央下部に位置し、着席
者の腰部背面を支承するメイン部１０と、該メイ
ン部１０の上方から側方に亘つて配置された左右
両側のサイド部１１，１２とで構成されており、
該サイド部１１，１２は、メイン部１０の上方に
位置し、シートバツク９の上部を幅方向に左右に
２分割した形状とされて着席者の左右両肩の肩甲
骨まわりを支承する上部１３，１４と、これに連
続してメイン部１０の左右の側方に位置する側部
１５，１６とで形成されており、正面形状におい
て、サイド部１１は略倒逆Ｌ字状形状とされ、サ
イド部１２は略倒Ｌ字状形状とされている。

上述のシートクツシヨン１のサイド部３，４
と、シートバツク９のサイド部１１，１２とは、
それぞれのサイドフレームが各メイン部２，１０
のフレームに幅方向に移動できるように支持され
ているが、その構造は、サイド部３，４とサイド
部１１，１２とで、寸法上の差は存するものの、
技術思想的には全く同一構造であるので、以下、
第２図に示されるサイド部３，４のサイドフレー
ムとその取り付け構造を代表して説明する。

サイド部３，４のサイドフレーム１７，１８
は、中央部分にねじ部１９，２０を形成されてお
り、メイン部２を支承する図示を省略したフレー
ムに支持されているアジヤスタシヤフト２１の両
端の互いに逆ねじとなつているねじ部２２，２３
に螺合されており、該ねじ部２２，２３の軸方向
長さの範囲内で、各サイドフレーム１７，１８は
進退できる。

上述のアジヤスタシヤフト２１の中央には、カ
サ歯車、ネジ歯車あるいはウオームギヤ等よりな
り、倍力装置を兼ねる方向変換歯車装置２４が配
置され、そのギヤボツクス２７はメイン部２のフ
レームに固定されている。

アジヤスタシヤフト２１と直交するギヤ２８は
回転ワイヤ２６に連動連結され、該ワイヤ２６は
操作ノブ２５で回転動を与えられる。

上述のサイドフレーム１７，１８の前後方向の
両端にはスライド部２９，３０，３１，３２がシ
ートクツシヨン１の内方、すなわち方向変換歯車
装置２４側へ向かつて突設され、既述のメイン部
２の図示を省略したフレームに固定されているス
ライドガイド３３，３４の内孔に摺動自在に嵌入
され、サイドフレーム１７，１８が互いに平行状
態を維持して進退できるように構成されている。

第２図中符号３５，３６，３７，３８は、ねじ
部２２，２３の内外両端に設けられたストツパフ
ランジでサイドフレーム１７，１８の移動範囲を
制限している。

第３図には、操作ノブ２５と回転ワイヤ２６と
が２組示されているが、一方の組はシートクツシ
ヨン１のサイド部３，４の操作用のものであり、
他の組はシートバツク９のサイド部１１，１２の
操作用のものであり、既述のごとく、サイド部１
１，１２は、第２図に示すものと同一機構の横幅
可変機構によつて位置調節される。

また第１図および第３図に示されるヘツドレス
ト３９は、シートバツク９のメイン部１０のフレ
ームに支持されている。

上述の構造であるから、操作ノブ２５を手動あ
るいはモータ駆動でまわすと、回転ワイヤ２６の
回転は、方向変換歯車装置２４を介してアジヤス
タシヤフト２１に伝達される。なお、回転ワイヤ
２６をフレキシブルなワイヤとすることにより、
着席姿勢で操作ノブ２５を操作できるようシート
横の床上に配置することができる。

アジヤスタシヤフト２１の回転は、両端の互い
に逆ねじとされているねじ部２２，２３を介し
て、サイドフレーム１７，１８に伝達され、該サ
イドフレーム１７，１８はねじ部１９，２０の移
動に伴なつて、互いに遠ざかつたり、近寄つたり
し、サイド部３，４がシートクツシヨン１の外側
方へ進出したり、内側方へ後退したりする。

このとき、加工精度、応力等の関係でサイドフ
レーム１７，１８にゆがみが生じ、円滑に移動し
ないケースの発生を防止するため、既述のスライ
ドガイド３３，３４とスライド部２９，３０，３
１，３２とが有効に作用し、サイドフレーム１
７，１８従つてサイド部３，４の円滑な移動を保
証する。

シートバツク９のサイド部１１，１２について
もその操作、作用は同一である。

効 果 本考案は、以上説明した構成、作用のものであ
つて、着席者のヒツプポイントは、シートクツシ
ヨン１のメイン部２に支持され、腰部背面はシー
トバツク９のメイン部１０で受支されるととも
に、シートクツシヨン１のサイド部３，４とシー
トバツク９のサイド部１１，１２とは、着席者の
体格の大小または好みに適合した位置に平行に移
動できるので、着席者の腰回りに圧迫感を与える
ことなく、十分なクツシヨン性、サイドサポート
性を発現できる効果を奏する。

特にシートクツシヨンのサイド部３，４はシー
トクツシヨン１の略前半部分を幅方向に２分割し
た形状の前部５，６を有するので、調整する着席
者の大腿部の位置に順応した位置に移動でき、十
分なサイサポート性を発現するし、シートバツク
９のサイド部１１，１２も、該着席者の体格に合
致した位置に、シートバツク上部を幅方向に２分
割した形状の上部１３，１４が移動させられるの
で、圧迫感なしに十分な上半身に対するクツシヨ
ン性、サイドサポート性を発現する効果を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の一例の平面図、第２図はシート
クツシヨン内に組み込まれた横幅可変機構の平面
図、第３図は本考案を適用したシートの略示斜視
図である。 １：シートクツシヨン、２：メイン部、３，
４：サイド部、５，６：前部、７，８：側部、
９：シートバツク、１０：メイン部、１１，１
２：サイド部、１３，１４：上部、１５，１６：
側部、１７，１８：サイドフレーム、１９，２
０：ねじ部、２１：アジヤスタシヤフト、２２，
２３：ネジ部、２４：方向変換歯車装置、２５：
操作ノブ、２６：回転ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨン１が、略中央後部に位置する
   メイン部２と、該メイン部２の前方から側方に亘
   つて配置された左右両側のサイド部３，４とで構
   成され、該サイド部３，４は、メイン部２の前方
   に位置し、シートクツシヨン１の略前半部分を幅
   方向において左右に２分割した形状の前部５，６
   と、これに連続し、メイン部２の左右側方に位置
   する側部７，８とで平面形状が略Ｌ字状および逆
   Ｌ字状に形成されており、シートバツク９は、略
   中央下部に位置するメイン部１０と、該メイン部
   １０の上方から側方に亘つて配置された左右両側
   のサイド部１１，１２とで構成され、該サイド部
   １１，１２は、メイン部１０の上方に位置し、シ
   ートバツク９の上部を幅方向に左右に２分割した
   形状の上部１３，１４と、これに連続してメイン
   部１０の左右側方に位置する側部１５，１６と
   で、正面形状が略倒Ｌ字状および略倒逆Ｌ字状に
   形成されているとともに、前記各サイド部３，
   ４，１１，１２は、シート幅方向に移動できるよ
   う各メイン部２，１０のフレームに支持されてお
   り、各サイド部３，４，１１，１２のサイドフレ
   ーム１７，１８は、中央のねじ部１９，２０で、
   各メイン部２，１０のフレームに保持されている
   アジヤスタシヤフト２１の両端の互いに逆ネジと
   なつているねじ部２２，２３に螺合され、アジヤ
   スタシヤフト２１の中央に設けられた方向変換歯
   車装置２４が操作ノブ２５に連続する回転ワイヤ
   ２６に連動連結されている横幅可変機構付きシー
   ト。