JPS6228467B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、静電潜像担体、例えば、電子写真感
光体ドラムの表面に担持させる静電潜像を磁性現
像剤（以下、現像剤という）を用いて現像する磁
気ブラシ現像装置に関するものである。

前記磁気ブラシ現像装置としては、内部に磁石
を有する現像スリーブを備えたものが広く実用化
されており、現像時に現像スリーブあるいは磁石
を回転駆動することにより、現像スリーブの外周
面に沿つて現像剤が現像領域へと搬送される様に
なつている。そして、この様な磁気ブラシ現像装
置に関しては、現像時に、前記現像スリーブ外周
面に形成された現像剤（たとえば、１成分の現像
剤にあつては磁性トナー，２成分の現像剤にあつ
ては磁性キヤリア）のチエーン（磁気ブラシ）が
感光体表面と物理的衝撃をもつて接触するため、
このときチエーンの破壊が生じて、チエーン（現
像剤）の一部が外れ、この外れた現像剤は落下す
る。そして、この落下する現像剤には、第４図に
示すように、重力（1/2ｇ^２）と磁石３ｂによる
磁気的吸引力（ｍ）が作用し、現像剤はその合成
力（ｆ）の方向へ落下する。ところで、一部の現
像剤は、Ａで示すように、落下の途中で現像スリ
ーブ１の外周面に捕捉されるが、ほとんどの現像
剤はＢのように落下する。すべての現像剤をＡの
ように現像スリーブ１の外周面に捕捉されるよう
にすることが好ましいが、そのためには磁石とし
て磁力の大なるものを使用しなければならない。
このようにすると、磁気ブラシの腰が強くなつて
満足すべき現像が得られない。また、穂高規制を
十分に行なうことができないという問題が生じ
る。したがつて、大部分の現像剤は合成力（ｆ）
によつてＢ方向に落下し、現像剤槽と静電潜像担
体との間の間隙から外部へと漏出する虞れがあ
り、その結果、現像装置周辺が汚染される等の不
具合が経験されている。

ところで、前記不具合を解消する方策として
は、第１図に示される如く、感光体ドラム２の表
面と現像スリーブ１の外周面とが近接対向してい
る現像領域の下方位置、即ち、現像槽１０の感光
体ドラム２側の端部近傍に現像剤溜１１を設け、
現像スリーブ１の外周面から離れて現像領域より
下方に落下する現像剤をこの現像剤溜１１で捕集
することが先ず考えられる。

しかしながら、この方策を実施するうえにおい
ては、現像装置のスペース的制約から現像剤溜１
１の容積には一定の限界があり、現像剤溜１１内
に捕集された現像剤を頻繁に廃棄せざるを得ず、
保守面で負担が増大する等の問題がある。

本発明は、この様な現状に鑑みてなされたもの
であり、前記方策を実施するうえでの問題点の改
善された磁気ブラシ現像装置を提供することを主
目的とするものである。

以下、本発明に係る磁気ブラシ現像装置につ
き、第２図，第３図を参照しながら説明する。な
お、以下に説明する実施例は、現像領域において
現像スリーブ１の外周面上に磁気ブラシを形成す
るため磁石として、感光体ドラム２に磁極を指向
させた状態で配設された磁石３ｂを内部に有する
現像スリーブ１を備え、現像時に現像スリーブ１
を回転駆動することにより、現像スリーブ１の外
周面に沿つて現像剤を現像領域へと搬送する形態
の磁気ブラシ現像装置として例示したものであ
る。

第２図，第３図中、現像スリーブ１は、内部に
現像剤を収納している現像槽（図示せず）内に回
転可能に設けられており、現像時に回転駆動され
るべく、図示されぬ駆動系に連結されている。ま
た、現像スリーブ１の外周面は、現像領域におい
て、適時回転駆動される感光体ドラム２の表面に
近接対向されている。

そして、前記現像スリーブ１の内部には、支持
体４により一体的に支持されている複数個の磁石
３ａ，３ｂ，３ｃが固定されており、磁石３ｂの
磁極が感光体ドラム２に指向されていることか
ら、現像領域において現像スリーブ１の外周面上
に磁気ブラシが形成される様になつている。

加えて、現像領域手前側の現像スリーブ１の外
周面に対向しては、現像スリーブ１の外周面に沿
つて現像領域へと搬送されて行く現像剤の量を規
制する機能を果す穂高規制板５が設置されてお
り、穂高規制板５の先端縁は現像スリーブ１の外
周面と一定の間隙を保つて平行状態に維持されて
いる。

ところで、現像スリーブ１の外周面と感光体ド
ラム２の表面とが近接対向している現像領域の下
方位置には、現像剤溜８が設けられている。この
現像剤溜８は、現像スリーブ１の外周面から離れ
て現像領域より下方に落下する現像剤を捕集する
機能を果すものであり、非磁性部材６によつて前
記現像剤溜８が形成されている。例えば、本実施
例においては、一対のマイラー板６ａ，６ｂによ
つて前記現像剤溜８が形成されている。ここで、
第３図に示される如く、前記現像剤溜８は現像領
域の直下であつて、現像スリーブ１の外周面に近
接して設けられており、現像剤溜８の設けられて
いる位置には、磁石３ｂの磁力が十分に作用する
様にされている。

このことは、現像剤溜８によつて捕集された現
像剤を磁石３ｂの磁力で現像スリーブ１の外周面
に吸着して現像槽内へと回収させるために重要で
ある。本実施例においては、現像時に、現像スリ
ーブ１の外周面から離れて現像領域より下方に落
下する現像剤は、現像剤溜８によつて捕集されて
現像装置外部への漏出が阻止される一方、現像剤
溜８内に捕集された現像剤は重力加速度を有しな
いため、第４図に示すように、磁石３ｂの磁力で
現像スリーブ１の外周面に吸着、あるいは現像剤
が現像剤溜８内に捕集され、堆積して行くと、そ
の下側方部の現像剤は磁石３ｂの方へ徐々に近ず
いて、つまり、磁気的吸引力（m′）が大きく作
用し、磁石３ｂの磁力で現像スリーブ１の外周面
に吸着されて現像槽内へと回収されるため、現像
剤溜８内の現像剤が増加してオーバーフローする
こともなく、現像剤溜８内の現像剤を適時廃棄す
る等の保守は実質的に不要である。

加えて、本実施例に関しては、第２図に示され
る如く、現像装置の側板９に対し、非磁性材から
なるシール板７が取付られている。このシール板
７は、現像スリーブ１の端部外周面を被覆すると
共に、前記マイラー板６ｂの先端部に当接する状
態にあり、現像スリーブ１の端部で飛散される現
像剤を現像剤溜８へと導く機能を果す。これは、
現像スリーブ１の両端部において磁石３ｂの磁力
が弱まつていることに起因し、現像剤搬送の際に
生じる遠心力を受けて現像剤が容易に飛散し、そ
の飛散に伴う弊害が発生することを防止するため
に効果的であり、本実施例においては、これらの
飛散される現像剤も現像スリーブ１の両端部にお
いて現像剤溜８に捕集された後、現像槽内へと回
収される様に配慮されている。このため、本実施
例においては、前記現像剤の飛散に伴う弊害発生
も付随的に防止されることとなつている。

なお、前記実施例において、現像剤溜８がマイ
ラー板６ａ，６ｂで形成されているものを示した
が、現像剤溜８は、別途、真鍮、アルミニウム等
の非磁性材を用いて形成されても良いものであ
る。

以上の説明か明らかな様に、本発明に係る磁気
ブラシ現像装置においては、現像スリーブの外周
面から離れて現像領域より下方に落下する現像剤
を捕集する現像剤溜が、現像領域下方であつて、
現像スリーブ内の磁石の磁力の及ぶ位置に設けら
れていることにより、前記現像剤溜内に捕集され
た現像剤は再び前記磁石の磁力で現像スリーブの
外周面に吸着されて現像装置内へと回収される。
このため、現像スリーブの外周面から離れて現像
領域より下方に落下する現像剤は現像剤溜によつ
て捕集され、現像装置の外部へと漏出して現像装
置周辺を汚染する等の不具合は生じない。加え
て、現像剤溜内に捕集された現像剤は再び前記磁
石の磁力で現像スリーブの外周面に吸着されて現
像装置内へと回収され、現像剤溜内の現像剤を適
時廃棄する等の保守も実質的に不要であり、保守
面での負担も増大することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の欠点を解消する目的で本発明者
らによつて提案された磁気ブラシ現像装置の一例
を示す断面図である。第２図，第３図は本発明に
係る磁気ブラシ現像装置の一実施例を示し、第２
図は斜視図、第３は第２図のＡ―A′線断面図、
第４図は現像剤の落下現像および磁石による吸引
状態を示す図である。 １……現像スリーブ、２……感光体ドラム、３
ａ，３ｂ，３ｃ……磁石、６……非磁性部材、６
ａ，６ｂ……マイラー板、８……現像剤溜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 静電潜像担体と現像スリーブ外周面とが近接
   対向する現像領域下方であつて、現像スリーブ内
   の磁石の磁力が及び得る現像スリーブ外周面に近
   接した位置に、現像スリーブの外周面から離れて
   現像領域より下方に落下する磁性現像剤を捕集す
   る非磁性材からなる現像剤溜を設け、前記現像剤
   溜内に補集された磁性現像剤を再び前記磁石の磁
   力で現像スリーブの外周面に吸着して現像装置内
   へと回収することを特徴とする磁気ブラシ現像装
   置。