JPS6228358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の車体製造時に使用されるも
ので、一台で数種の異なつた被加工物を加工でき
るクランプ装置に関するものである。

従来において、大部分の車体製造設備は、一つ
の被加工物を製造するのが常であり、数種の異な
つた被加工物を製造する場合は、被加工物の形状
毎に、該被加工物の形状に応じて専用の形状を有
する支持部材、クランプ部材を配置していた。従
つて、一つの被加工物の専用支持部材及びクラン
プ部材は、他の被加工物の加工時は邪魔になり、
そのため、必要としない支持部材およびクランプ
部材は、そのクランプ部材作動源のアクチユエー
タ共々、邪魔にならない位置まで逃がす必要があ
り、このため、作業能率が著しく低下すると共
に、設備が大型化してコスト高になるという欠点
があつた。

本考案の目的は上述した欠点に鑑みなされたも
ので、作業能率が良く、しかも小型かつ安価な汎
用型のクランプ装置を提供するにある。

このような目的を達成するために、本考案は、
回動ベースに固着されかつ２種以上の被加工物に
対応した形状のワーク支持部を有するワーク支持
部材と、該ワーク支持部材と相対して２種以上の
被加工物に対応した形状のクランプ部を有して回
動ベースに設けられたクランプヘツドと、該クラ
ンプヘツドを開閉させるシリンダと、前記回動ベ
ースに固定されたシヤフトに取り付けられかつ該
シヤフトを介して前記回動ベースを前記被加工物
の種類に対応するワーク支持部及びクランプ部を
被加工物の加工位置であるクランプ位置に移動す
るように回動させる回動シリンダとからなる構成
としたものである。これにより、各種被加工物が
その加工位置となるクランプ位置に順次供給され
てくるのに対応して、それらの被加工物の被クラ
ンプ部位の形状に対応した形状のワーク支持部及
びクランプ部を対として回動シリンダにより前記
クランプ位置に移動して被加工物をクランプして
加工を行ない、同時に他のワーク支持部及びクラ
ンプは加工作業の邪魔にはならない位置に移動す
るようにし、その被加工物の加工が終了した後、
クランプ状態を解除し、次の被加工物が前記クラ
ンプ位置に到達したら、その被加工物に対応した
ワーク支持部及びクランプ部をそのクランプ位置
に移動し、前記と同様の工程にて加工作業をする
ようにしたものである。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第１図は本考案に係わるクランプ装置の一実施
例を示す一部破断正面図である。同図に於いて、
符号１は回動ベースで、この回動ベース１上には
ボルト２によつてワーク支持部材３が締結されて
おり、また回動ベース１の突出部１ａに挟み込ま
れ、ピン４によつて垂直方向に回動可能に取り付
けられた板材５の上部には、ボルト６によつてク
ランプヘツド７が締結されている。また、前記板
材５の後端部には、ピン８によつてシリンダ９の
ロツド９ａの上端部が回動可能に連結されてい
る。さらに、該シリンダ９はその本体部９ｂがピ
ン１０によつて前記回動ベース１の下端部に回動
可能に取り付けられている。そして、該シリンダ
９のロツド９ａの縮小、伸長によつて前記板材５
を介してクランプヘツド７を開閉するようになつ
ている。即ち、前記ロツド９ａが伸長した状態に
於いては、クランプヘツド７は第１図に実線で示
すように閉じた状態にあり、これによつて、被加
工物１１（１１′，１１″）が離れないように前記
ワーク支持部材３に押え込んでいる。一方、この
設備に於ける所定の作業（例えば、点溶接等）が
終了して、前記ロツド９ａが縮小されると、クラ
ンプヘツド７がピン８を中心に符号７′で示す位
置まで回動し、これによつて、被加工物１１から
離れ、該被加工物１１が取り出せるようになつて
いる。

尚、本実施例に於けるワーク支持部材３、クラ
ンプヘツド７はその平面視形状が第２図、要部斜
視図が第６図に示すように三股状に分岐形成され
ており、被加工物１１の被クランプ部位が第２図
および第３図に於いて１１Ａの形状をしている場
合は、クランプヘツド７のクランプ部７ａと、こ
れの下方に位置するワーク支持部材３のワーク支
持部３ａが対応しており、また被加工物１１の被
クランプ部位が１１Ｂ，１１Ｃの形状をしている
場合は、クランプヘツド７のクランプ部７ｂ，７
ｃと、これの下方に位置するワーク支持部材３の
ワーク支持部３ｂ，３ｃがそれぞれ対応してい
る。

また、符号１２は設備本体に締結されている本
体ブラケツトで、該本体ブラケツト１２の下部１
２ａにはボルト１３によつて第１の回動シリンダ
１５が固定されていると共に、該第１の回動シリ
ンダ１５のロツド１５ａ側にピン１６によつて固
定された取付板１７にはボルト１８によつて第２
の回動シリンダ１９が取り付けられている。ま
た、この第２の回動シリンダ１９のロツド１９ａ
には、前記本体ブラケツト１２に回動可能に嵌合
されたシヤフト２０の下部がキー２１を介して連
結されており、さらに、このシヤフト２０の上端
部はピン２２によつて前記回動ベース１に固定さ
れている。また、前記第１、第２の回動シリンダ
１５，１９は、第４図に示す如く、ロツド１５
ａ，１９ａに設けられた回転子１５ｂ，１９ｂ
と、側壁１５ｃ，１９ｃに設けられた突起１５
ｄ，１９ｄとから構成されており、被加工物１１
Ａを加工する場合に於ける第１、第２の回動シリ
ンダ１５，１９の状態は、第４図ａに示す如く、
その回転子１５ｂ，１９ｂが前記突起１５ｄ，１
９ｄに押圧された状態にある。従つて、今、被加
工物１１Ｂを加工する場合には、第２図に於ける
クランプヘツド７のクランプ部７ｂとこれに対応
するワーク支持部材３のワーク支持部３ｂの位置
を、現在のクランプヘツド７のクランプ部７ａの
位置まで移動させる必要があるが、その時は、第
１、第２の回動シリンダ１５，１９を第４図に於
けるｂの状態にする。即ち、この時は第２の回動
シリンダ１９の回転子１９ｂが今まで押圧されて
いた方向と逆方向へ動くことになり、これによつ
て、前記回動ベース１と一体となつて、シリンダ
９、クランプヘツド７およびワーク支持部材３が
シヤフト２０を回動中心として移動を開始して、
第５図に示す状態となる。尚、この第５図に於い
て符号２２は本体ブラケツト１２から突出された
ストツパで、クランプヘツド７、ワーク支持部材
３の移動量を規制するためのものである。

一方、被加工物１１Ｃを加工する場合は、第２
図に於けるクランプヘツド７のクランプ部７Ｃと
これに対応するワーク支持部材３のワーク支持部
３Ｃの位置を第２図のクランプヘツド７のクラン
プ部７ａの位置まで移動させる必要があるが、そ
の時は、第１、第２の回動シリンダ１５，１９を
第４図に於けるｃの状態にする。即ち、この時は
第１の回動シリンダ１５の回転子１５ｂが今まで
押圧されていた方向と逆方向へ動くことになり、
これによつて、前記第２の回動シリンダ１９を介
して回動ベース１が先程とは逆方向に回動するこ
とになり、これと一体となつて、シリンダ９、ク
ランプヘツド７およびワーク支持部材３がシヤフ
ト２０を回動中心として移動を開始して、クラン
プヘツド７のクランプ部７ｃおよびこれと対応す
るワーク支持部材３のワーク支持部３ｃの位置
が、クランプヘツド７のクランプ部７ａの位置に
来ることになる。本実施例によれば、ワーク支持
部材３、クランプヘツド７を水平方向に回動させ
る駆動源を、同一の回動シリンダ１５，１９で兼
用しているので、機構の有する面積を小さくで
き、従つて、設備の小型化を図れると共にコスト
の低減を図れるという種々の効果を有する。

以上説明したように本考案によれば、１台のク
ランプ装置で数種の異なつた被加工物の製造に使
用することができる。また、２種以上の被加工物
の被クランプ部位の形状に対応した形状のワーク
支持部、クランプ部をそれぞれ有するワーク支持
部材、クランプヘツドを水平方向に所定量回動さ
せるだけで、数種の異なつた被加工物に対応で
き、従来のようにある１つの被加工物を加工して
いる時に他のワーク支持部材、クランプヘツドを
邪魔にならない位置まで逃がすという煩雑な作業
をする必要がないので、被加工物製造時に於ける
作業能率の大幅な改善を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるクランプ装置の一実施
例を示す一部破断断面図、第２図は被加工物とク
ランプヘツドとの関係を示す図、第３図は被加工
物のそれぞれの種類を示す図、第４図ａ乃至ｃは
第１、第２の回動シリンダの動作説明図、第５図
はクランプ装置の動作説明図、第６図は要部斜視
図である。 １……回動ベース、３……ワーク支持部材、７
……クランプヘツド、９……シリンダ、１１，１
１Ａ〜１１Ｃ……被加工物、１５……第１の回動
シリンダ、１９……第２の回動シリンダ、２０…
…シヤフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回動ベースに固着されかつ２種以上の被加工物
   の被クランプ部位の形状に対応した形状のワーク
   支持部を有するワーク支持部材と、該ワーク支持
   部材と相対して２種以上の被加工物の被クランプ
   部位の形状に対応した形状のクランプ部を有して
   回動ベースに設けられたクランプヘツドと、該ク
   ランプヘツドを開閉させるシリンダと、前記回動
   ベースに固定されたシヤフトに取り付けられかつ
   該シヤフトを介して前記回動ベースを前記被加工
   物の種類に対応するワーク支持部及びクランプ部
   を被加工物の加工位置であるクランプ位置に移動
   するように回動させる回動シリンダとから構成さ
   れたことを特徴とするクランプ装置。