JPS6227632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は床材に設けられた溝部に断面略逆Ｕ字
状に形成したカバー材を装着して用いる床板に関
する。

この種の床材は、バルコニー、物干し台、露台
等の床板として屋外に施工されるもので、床材の
中程に形成した溝部の底板と床桟等とをビス等に
よつて固着するように成している。この溝部はカ
バー材にて閉塞する必要がある。ところが、バル
コニー等は屋外に設置されているものであるか
ら、カバー材を単に溝部に嵌合しただけでは、温
度変化によつてカバー材が溝部から外れたり、反
り上がりを起したりする虞れがある。この点を考
慮して、従来、カバー材の脚片の下端に係止部を
形成し、床材の溝部にこの係止部を係止する係止
溝を形成し、両者を嵌合係止する構造の床板があ
る。ところがこの従来例では、温度変化の影響を
受けてカバー材の脚片が内方に収縮する場合、カ
バー材の反り上がりを防止することができない。

本考案はこのような事情並びに問題点を鑑み
て、温度変化を受けてカバー材の脚片が内方へ収
縮しようとしても、それを積極的に阻止してカバ
ー材の反り上がりを確実に防止し得る床板を提供
することを目的としている。

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図において１はカバー材、２は作用部材、
３は床材を示す。カバー材１は断面略逆Ｕ字状を
している。天板４の両端部から突設している両脚
片５，５の下端には互いに外方に向いた係止片
６，６を形成している。また、両脚片５，５は下
方に向つて若干広がりを持つよう構成している。
床材３はその中程において幅方向あるいは長さ方
向に前記カバー材１を嵌合する溝部７を有してい
る。この溝部７の両側壁８，８の下端には前記係
止片６，６を嵌入係止する凹陥部９，９が形成さ
れている。作用部材２は弾性を有する板体からな
り、断面略Ｕ字状をしている。底板１０の両端部
から突設している両作用片１１，１１はそれぞれ
その中程を外方へ屈曲１２，１２させ、先端に向
つて互いの方向へ傾斜するよう構成している。つ
まり、両作用片１１，１１を断面くの字形に屈曲
させている。この作用部材２の屈曲部１２，１２
間の幅ａは、施工前の状態において床材３の溝部
両側壁８，８間の幅ｂより幅広に構成している。
このようにａをｂより幅広にするのは、作用部材
２を溝部７内に挿入し床桟等に対してビス止めす
る際、作用部材２のずれを防止するためと、より
強力な外方への弾性復元力による拡開力を得んが
ためである。また、両作用片１１，１１の長さ
は、前記床材３の溝部７の深さより、カバー材１
の天板４部肉厚分だけ差し引いた長さに等しい
か、やや短かく形成する。

第２図及び第３図は前記カバー材１と作用部材
２と床材３とを組み合わせてなる床板を示す。こ
の床板を組み立てるには、床材３の溝部７に作用
部材２の底板１０を下にして挿入し、作用部材２
内から床材３の溝部底板１３に対してビス止め等
して固定し、カバー材１の嵌合部を構成してい
る。このビス止めを床材３を支持する床桟１４に
対して行なうと、作用部材の固定と、床材の固定
とが同時に行なえるものである。この嵌合部にカ
バー材１の両脚片５，５を嵌入するだけでよい。
カバー材１を床材３の溝部７に装着するには、カ
バー材１の係止片６，６を溝部側壁８，８に摺接
させ、第２図中矢印Ｘで示す方向に挿入すればよ
い。この場合、作用部材２の両作用片１１，１１
はカバー材１の両脚片５，５によつて互いの方向
に押し寄せられる。一方、カバー材１の両脚片
５，５が溝部７に嵌入された後は、カバー材１内
部に侵入した作用部材２の両作用片１１，１１の
拡開力によつて両脚片５，５は拡開され、溝部７
の両側壁８，８に密着される。同時にカバー材１
の係止片６，６は溝部７の凹陥部９，９内に係合
される。この装着状態において床材３とカバー材
１の天板４部とは面一となる。この作用部材２，
２の拡開力はカバー材１を溝部７に嵌入した後は
継続して作用する。従つて嵌入後、温度変化等に
よりカバー材１の両脚片５，５が内方向に収縮し
ようとしても、カバー材内部に侵入した作用部材
２の拡開力によつて阻止され、カバー材１が外れ
ることがない。尚、カバー材１及び床材３は合成
樹脂材、鉄材、鋼材等で形成される。作用部材２
は弾性を有するバネ鋼その他金属、又は合成樹脂
で形成されている。更に合成樹脂の場合に金属
粉、カーボン等の導電性物質を混入して導電性を
付与することが望ましい。

以上説明した如く本考案に係る床板によれば、
カバー材が床材の溝部に一旦嵌入された後は、カ
バー材の両脚片が内方向に収縮しようとする力に
対し、作用部材の弾性復元力による拡開力がこれ
を確実に阻止し、カバー材が不測に外れたり、反
り上がつたりすることがない。また、作用部材を
バネ鋼等の金属材、又は金属粉、カーボン等の導
電性物質を混入した合成樹脂材により形成すると
静電気の発生を確実に防止でき足さわりのよい床
板を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は各部材
の要部を示す斜視図、第２図はカバー材を床材の
溝部に嵌入する状態を示す正面図、第３図は床板
として組立てた状態の要部を示す斜視図である。 １……カバー材、２……作用部材、３……床
材、４……天板、５……脚片、６……係止片、７
……溝部、８……側壁、９……凹陥部、１０……
底板、１１……作用片、１２……屈曲部、１３…
…溝部底板、１４……床桟。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端部に外方に向いた係止片を形成してなる脚
   片を天板の両端部からそれぞれ突設してなるカバ
   ー材と、このカバー材を嵌合する溝部の下底部両
   側にカバー材の前記係止片を嵌入係止する凹陥部
   を形成してなる床材と、床材の溝部内に嵌入して
   同じくこの溝部内に嵌入する前記カバー材の両脚
   片を内側から溝部の両側壁に押圧可能な弾性復元
   力を有する断面略Ｕ字状の作用部材とからなる床
   板。