JPS626193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として、バルコニー、物干し台、露
台等の床材として用いられるデツキ材の溝部にカ
バー材を装着した状態で使用するところの床板に
関する。

デツキ材は溝部の下底面を根太材上に載せ、こ
の溝部内から根太材に対してビス止めして固定し
ている。従つて、このままではビス頭部が露出し
て美観を損なうだけでなく、溝部に足の指等をひ
つかけて危険なものであつた。

このため、溝部を閉塞するカバー材を用いて床
面を平坦にすることにより、美観及び安全を図つ
ている。ところが、デツキ材の溝部にカバー材を
単に嵌入しただけでは温度変化等によつてカバー
材が外れ、反り上がりを起すことがある。また、
カバー材の両脚片の下端と、デツキ材に設けた溝
部両側壁とに凹凸状の係合手段を設けても、温度
変化の影響を受けてカバー材両脚片が内方に収縮
する場合には反り上がりを防止することができな
いものである。

本考案はかかる点に鑑み、温度変化の影響を受
けてカバー材の両脚片が内方に収縮しようとして
もそれを積極的に阻止してカバー材の反り上がり
を確実に防止し得る床板を提供するものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。第１図及び第２図において、１はデツキ材、
２はデツキ材１の溝部６に嵌入装着されたカバー
材である。このカバー材２は断面略逆Ｕ字状をし
ている。天板９の両端部から突設している両脚片
３，３の下端部には互いに外方に向いた係止片
４，４を形成している。カバー材２の内部には、
カバー材の両脚片を内方向に収縮させようとする
収縮力に対し、これを打ち消すべく作用する弾性
材５が充填されている。両脚片３，３の間隙は両
脚片の先端に向けて漸拡状に成しておくとカバー
材を床材の溝部に強固に装着することができる。
弾性材５としては、ゴム、軟質合成樹脂、発泡樹
脂材等を用いる。尚、弾性材５内に導電性物質を
混入しておけば静電気防止の効果をも得ることが
できる。

デツキ材１の中程には前記カバー材２を嵌合装
着する溝部６を形成している。この溝部６の両側
壁７，７の下端部には、カバー材の両脚片の下端
部に形成した前記係止片４，４を係止する凹陥部
８，８が形成されている。尚、デツキ材１とカバ
ー材２とを分離している状態において、カバー材
の両脚片に形成した係止片４，４間の幅ａはデツ
キ材の溝部に形成している凹陥部８，８間の幅ｂ
よりも若干幅広となしている。このような構成に
よつて、カバー材２をデツキ材１に確実に装着で
きるものである。

カバー材２及びデツキ材１は合成樹脂材、アル
ミ材、鋼材あるいは鉄材等によつて成形される。
カバー材内部に充填した弾性材５はカバー材２の
長手方向に沿つて一連に埋設するのが望ましい
が、例えばデツキ材１の長手方向に沿う両端部及
び中央部の３ヶ所に適当長さの弾性材５を充填す
る等、一定間隔ごとに充填してもよい。また、弾
性材５はカバー材２内部に挿脱自在に設けてもよ
く、このように設けると従来のカバー材にも使用
できるものである。

床板を組立てるには、カバー材２をデツキ材１
の溝部６に強制嵌合するだけでよい。つまり、カ
バー材の両脚片３，３の対向間隔をデツキ材の溝
部６の幅に対応させてせばめ、第３図中央矢印ｘ
で示す方向に強制的に押圧するだけでよい。所定
の位置までカバー材２を押し込むと、両脚片の下
端部に形成されている係止片４，４がデツキ材の
溝部６に形成されている凹陥部８，８内に嵌入係
止される。この状態でデツキ材１の上面とカバー
材２の上面とが面一となり、溝部６はカバー材２
によつて完全に閉塞される。

一方、カバー材の係止片４，４がデツキ材の凹
陥部８，８内に嵌入係止された後は、弾性材５の
復元力によつてカバー材の両脚片３，３が拡開さ
れ、両脚片３，３は溝部６の両側壁に密着される
と共に、係止片４，４は凹陥部８，８内に強固に
係合される。この弾性材５の復元力はカバー材２
をデツキ材１に装着した後は継続して作用する。
従つて、装着後に、温度変化によつてカバー材の
両脚片３，３が内方向に収縮しようとしても弾性
材５の復元力によつてその収縮力が打ち消され、
カバー材２が反り上がることはない。

第４図ａ，ｂはカバー材の他の実施例を示す。

本考案に係る床板は上記の如く構成したため、
従来においてみられたカバー材の反り上がりとい
う欠点を確実に阻止できるという効果がある。す
なわち従来例においては、カバー材の両脚片が内
方向に収縮して係合が外れ反り上がつていたので
あるが、本考案によれば、両脚片が内方向に収縮
しようとすれば弾性材の復元力によつてこれを阻
止することができるのである。よつて、温度変化
の激しい屋外において効果のある床板である。加
えて、デツキ材の溝部には何らの加工も施す必要
がないから、既存のデツキ材に対しても本考案を
適用することができるものである。また、弾性材
をカバー材内部に挿脱自在に設けると、既存のカ
バー材に対しても本考案を適用できるという利点
がある。さらに、弾性材は直接光や風雨に曝され
ることがなく、その復元力を長期間持続し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図はカ
バー材の要部拡大斜視図、第２図はデツキ材の要
部拡大斜視図、第３図は床材として組立てた状態
を示す要部拡大斜視図、第４図ａ，ｂはカバー材
の他の実施例を示す要部拡大斜視図である。 １……デツキ材、２……カバー材、３，３……
脚片、４，４……係止片、５……弾性材、６……
溝部、７，７……側壁、８，８……凹陥部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端部に外方に向いた係止片を形成してなる脚
   片を天板の両端部からそれぞれ突設すると共にこ
   の両脚片間に弾性材を充填してなるカバー材と、
   下底部の両側にカバー材の前記係止片を嵌入係止
   する凹陥部を形成した溝部を設けてなる床材とか
   らなる床板。