JPS6227596Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は密閉型機械シールド機、詳しくはシー
ルド機を用いた掘進作業時において切羽に玉石等
の障害物があるような場合、その障害物を除去す
べく容易に切羽へ出られる構造を持つ密閉型機械
シールド機に関する。

従来、この種の密閉型機械シールド機において
は、第４図イ，ロに示すように、シールド筒１′
の開口部近傍に設けた隔壁２′にマンホール２
a′が開閉自在に設けられており、掘進作業時に切
羽面に障害物が出現した場合、マンホール２a′を
開けて機内から切羽へ人が出て除去作業を行うよ
うに構成されていた。

しかしながら、上記のように隔壁２′にマンホ
ール２a′を設けて切羽面へ出る構造となつている
密閉型機械シールド機においてはシールド機の径
が小さくなるに従つて機内の空間が狭くなり、よ
つて隔壁２′にマンホール２a′を設けることが困
難となる欠点を伴つていた。

本考案は上記の点に鑑み提案されたもので、比
較的小口径の密閉型機械シールド機にあつて隔壁
にマンホールを設けることが不可能な場合でもシ
ールド機内から切羽へ容易に出ることのできる密
閉型機械シールド機を提供することを目的とする
ものである。

上記目的を達成するために、本考案はシールド
筒と、このシールド筒内に形成された隔壁の前方
部に設けられ、かつ略中央部に設けられたボスに
シヤフト先端の嵌合部が嵌入する凹部を形成した
回転掘削具と、この回転掘削具と駆動伝達フレー
ムを介し連結された、正逆回転自在な中空状の回
転駆動軸と、この回転駆動軸の内側に位置し、か
つシールド機後部の土砂搬出装置に分離可能に接
続された中空状のケーシングと、このケーシング
内においてその軸方向に延び、かつ先端の嵌合部
が前記回転掘削具の中央部に設けられたボスの凹
部に対し抜き差し自在に、かつ回転方向には拘束
されて連結されていると共に、外周に搬送兼練混
ぜ翼を設けたシヤフトとを備え、ケーシングから
土砂搬出装置を取り外し、同時に回転掘削具のボ
スよりシヤフトを引き抜き、ケーシングの外へ取
り外すことにより、シールド機内側から切羽への
人の出入りを可能とした密閉型機械シールド機
を、考案の要旨とする。

以下、図面に沿つて本考案を説明する。

第１図イ、ロは小口径の密閉型機械シールド機
における本考案の一実施例である。図中１は鋼板
からなり、かつ略円筒状を呈するシールド筒、２
はシールド筒１の開口部近傍に設けられた隔壁で
あり、特に図示していないが必要に応じ土圧計が
適宣この隔壁２に設けられるものである。また、
３は中空状の回転駆動軸で、その後端部に取り付
けたギヤ機構４を介して駆動用モータ５により正
逆回転可能に構成されている。６は回転掘削具で
あり駆動伝達フレーム７により回転駆動軸３と接
続され、正逆回転して地山を掘削する。回転掘削
具６は、ロ図に示すように、例えば３本の放射状
に延びるカツターウイング８と、このカツターウ
イング８の略中央部において地山方向へ突設され
た中央掘削刃９と、カツターウイング８の長さ方
向において適当な間隔を介して配列された複数個
の掘削刃１０とよりなり、さらにカツターウイン
グ８の後端には練混ぜ翼１１が設けられている。

１２は隔壁２を貫通してシールド機後部の土砂
搬出装置１３まで続く中空状のケーシングであ
り、このケーシングの内部中央部には、先端部が
回転掘削具６に連結されたボス１５に後述する如
く先端部が着脱自在に設けられたシヤフト１４が
設けられ、かつこのシヤフト１４の後端部は例え
ばスイベルジヨイント１６のような部材で支持さ
れている。シヤフト１４の内部にはその先端から
後端まで続く粘性附与剤の注入管１７が通つてお
り、外部には搬送兼練混ぜ翼１８を備えている。
１９は中央掘削刃９の近傍に設けられた粘性附与
剤の注入孔である。２０は、回転掘削具６、シー
ルド筒１の先端部内周壁、隔壁２およびケーシン
グ１２等によつて区画形成される作泥土室で、回
転掘削具６によつて掘削された土砂はこの作泥土
室２０内に取り込まれ、かつ注入された粘性附与
剤と共に練混ぜ翼１１，１８等によつて練混ぜら
れて掘削土砂は高粘性で単位体積重量が地山にほ
ぼ等しい泥土に変換されるものである。

第２図はシヤフト１４とボス１５との接続状態
の一例を示すもので、シヤフト１４の先端部には
嵌合部１４ａが形成され、かつこの嵌合部１４ａ
がシール材２２を介してボス１５の凹部内に嵌入
されている。第３図ａ，ｂ，ｃはシヤフト１４の
先端部形状の種々の態様を示すもので、ボス１５
にはシヤフト１４の先端部の形状に対応した凹部
が形成されることは言うまでもない。しかして、
シヤフト１４の先端部はいずれも回転トルクは伝
達するが、シヤフトの軸方向には拘束されない構
造となつている。

従来、シヤフトとボスとは溶接またはボルト接
合等によつて一体的に固着されているため、シヤ
フト１４を回転掘削具６と分離するのに溶接部を
切り取つたり、ボルトをはずす等の処置をしなけ
ればならず、シヤフト掘進開始後においては実際
取りはずしは不可能であつた。しかしながら、本
考案のようにシヤフト１４の先端接合部を第２図
に示した様に軸方向に拘束されない形状とすれ
ば、内部に回動可能なスクリユーを有する土砂搬
送装置１３とケーシング後端部とのフランジ接合
部２１の箇所で分離することにより、シヤフト１
４をシールド機内側へ引き抜いたり、あるいはそ
の逆に接続する事も可能である。このように本考
案においては、シヤフト１４はシールド機内側へ
引き抜くだけで、回転掘削具のボスから取り外せ
るので、シヤフト掘進開始後においても、切羽面
に障害物があるような場合、ケーシングから土砂
搬出装置を取り外し、シヤフトを引き抜くことに
より、空洞になつたケーシング内を、人が切羽へ
出て容易に点検・除去等をすることができる。

以上の通り本考案によれば、回転掘削具の略中
央部に設けられたボスに対しシヤフトを着脱自在
に連結して構成したから、シヤフト掘進中におい
て切羽面に取り込み不可能な障害物に遭遇した
り、あるいは掘削具の修理もしくは交換が必要と
なつた場合等に、シヤフトおよびこのシヤフトに
附設された搬送兼練混ぜ翼１８を損傷することな
く回転掘削具から容易にシヤフトを引き抜くこと
ができ、ケーシング１２内を空洞とし得、比較的
小口径でマンホールを取り付けることが不可能な
密閉型機械シールド機であつてもシールド機を損
傷させることなく切羽へ人が出て障害物除去、掘
削具の交換等を行い得る利点がある。

なお、本考案を小口径以外のシールド機にも適
用し得ることは勿論であり、また、第１図に示し
た密閉型機械シールド機以外の掘削装置にも適用
できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本考案にかかる密閉型機械シールド
機の一実施例を示す説明図、ロ図は同上の正面
図、第２図は本考案の要部拡大説明図、第３図ａ
〜ｃは夫々本考案に用いられるシヤフト先端の嵌
合部の異なる態様例、第４図イ、ロは従来例を示
す。 １……シールド筒、６……回転掘削具、１４…
…シヤフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド筒と、このシールド筒内に形成された
   隔壁の前方部に設けられ、かつ略中央部に設けら
   れたボスにシヤフト先端の嵌合部が嵌入する凹部
   を形成した回転掘削具と、この回転掘削具と駆動
   伝達フレームを介し連結された、正逆回転自在な
   中空状の回転駆動軸と、この回転駆動軸の内側に
   位置し、かつシールド機後部の土砂搬出装置に分
   離可能に接続された中空状のケーシングと、この
   ケーシング内においてその軸方向に延び、かつ先
   端の嵌合部が前記回転掘削具の中央部に設けられ
   たボスの凹部に対し抜き差し自在に、かつ回転方
   向には拘束されて連結されていると共に、外周に
   搬送兼練混ぜ翼を設けたシヤフトとを備え、ケー
   シングから土砂搬出装置を取り外し、同時に回転
   掘削具のボスよりシヤフトを引き抜き、ケーシン
   グの外へ取り外すことにより、シールド機内側か
   ら切羽への人の出入りを可能とした密閉型機械シ
   ールド機。