JPS6227368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はワークに角孔を穿孔加工するための
角のみ盤等における刃物昇降装置に関する。

従来、穿孔加工時に過大操作力を要する角のみ
盤等において、刃物の昇降を手動で操作する場合
には穿孔操作のために過重労力を要する一方、刃
物を手動に変えて油圧で昇降させる場合には操作
労力を軽減しうる反面、刃物を任意位置で停止し
たり、昇降速度を自在に調整する等の操作性が低
下する欠点があり、また、刃物を油圧で手動と同
様に操作するためには機構が複雑化して機械設備
コストやメンテナンスコストが高騰する欠点があ
つた。

本考案の目的は、上記欠点にかんがみ、穿孔加
工時の操作労力を軽減しうるとともに、刃物を昇
降するときの操作性や作業性を良化しうる角のみ
盤等における刃物昇降装置を提供することであ
る。

続いて、本考案の一実施例を図面にしたがつて
説明すると、図中、１は角のみ盤Ｋのベース、２
はベース１上に立設されたコラムであつて、その
前面側には横断面がアリ状のガイド部３ぎ垂直状
に形成されている。

４はコラム２の下部に対しガイド部３を介して
上下スライド可能に装設されたニー、５はニー４
上に対し前後方向への水平移動可能に横置された
サドル、６はサドル５上に対し左右方向への水平
移動可能に並置されたテーブル、７はニー４を昇
降操作するためのハンドル、８はサドル５を移動
操作するためのハンドル、９はテーブル６を移動
操作するためのハンドル、１０はワーク１１をテ
ーブル６の後端壁との間でクランプするためにテ
ーブル６上に設置されたクランプ装置である。

１５はコラム２の上部に対しガイド部３を介し
て上下のスライド可能に装設された昇降体であつ
て、こほ昇降体１５を駆動するためにコラム２の
上端に対し下向き状に取着された油圧シリンダ１
７のロツド１７ａに連結され、その前面側上部に
は刃物１２のドリル１２ａをドリルチヤツク１４
を介して回転駆動するためのモータ１６が装着さ
れる一方、その前面側下端にはドリル１２ａに外
嵌される角筒状のケース１２ｂをクランプするた
めに横出されたケースホルダ１３が固設されてい
る。

次に、油圧シリンダ１７のシリンダロツド１７
ａとともに昇降体１５を昇降するための油圧回路
について、第３図、第４図にしたがつて説明をす
ると、３２はコラム２の下端付近に設けた油圧ユ
ニツト、１７はコラム２の上端付近に設けたマニ
ホールド、２６はマニホールド２７に取着された
切換弁であつて、この切換弁２６の一方の供給接
続口ＰはＰポート配管３０を介して油圧ユニツト
３２の供給側に接続されかつ他方の供給接続口Ｔ
はＴポート配管３１を介して油圧ユニツト３２の
戻り側に接続され、さらに、その一方の負荷接続
口Ａはロツド側配管２９を介して油圧シリンダ１
７のロツド側に接続され、かつ、他方の負荷接続
口Ｂはヘツド側配管２８を介して油圧シリンダ１
７のヘツド側に接続されている。また、切換弁２
６には各接続口Ｐ，Ｔ，Ａ，Ｂを開閉するための
３つの案内弁３３〜３３と、外部に露出されたプ
ランジヤ２６ａとを備えかつスプリング３５で常
には下方へ付勢されたスピンドル３４が上下方向
への進退動可能に嵌挿されていて、プランジヤ２
６ａが解放されてスピンドル３４が下動端に進動
したときには切換弁２６の供給接続口Ｐと負荷接
続口Ａとが連通されかつ供給接続口Ｔと負荷接続
口Ｂとが連通され（第３図イの状態）、油圧シリ
ンダ１７のシリンダロツド１７ａは退動端に保持
されかつ昇降体１５は上昇端に保持される。そし
て、プランジヤ２６ａを押動して各案内弁３３を
後退させたときには各案内弁３３が両供給接続口
Ｐ，Ｔを無段状に閉止してシリンダロツド１７ａ
を停止する中立状態（第３図ロの状態）を経て、
供給接続口Ｐと負荷接続口Ｂ、および、供給接続
口Ｔと負荷接続口Ａ、がそれぞれ無段状に連通さ
れて切換弁２６内の流路が転換され（第３図ハの
状態）、シリンダロツド１７ａが進動して昇降体
１５が下降する。プランジヤ２６ａを退動端から
進動させたときには逆に第３図ハの状態からシリ
ンダロツド１７ａが停止する第３図ロの中立状態
を経て切換弁２６内の流路が再び転換し、シリン
ダロツド１７ａが退動して昇降体１５が上昇し、
プランジヤ２６ａの進動端で第３図イの状態に復
帰する。

次に、切換弁２６のプランジヤ２６ａを変位し
て昇降体１５を昇降操作するための操作機構につ
いて説明すると、２０は昇降体１５の下端付近に
取着されたブラケツト１８に対しピン１９を介し
て揺動可能に支持された手動操作用のハンドルで
あつて、ブラケツト１８に設けたピン２１とボル
ト２２で揺動範囲が規制され、常には自重でＲ方
向（図示時計方向）に付勢されている。

２４はハンドル２０の揺動を切換弁２６のプラ
ンジヤ２６ａに伝達するためにマニホールド２７
に対しピン２５を介して揺動可能に支持された制
御レバであつて、切換弁２６の下方に対しプラン
ジヤ２６ａとの対接可能に対置され、ハンドル２
０に対向して前方へ延出された先端部には当りボ
ルト２３がハンドル２０の先端との対接可能に止
着され、ハンドル２０の操作量をプランジヤ２６
ａに減縮して伝達するために、即ち、制御レバ２
４とハンドル２０との前作用接点ａの揺動量を減
縮した比率で制御レバ２４とプランジヤ２６ａと
の後作用接点ｂを変位するために、後作用接点ｂ
と制御レバ２４の揺動支点ｃ間の間隔を前作用接
点ａと揺動支点ｃ間の間隔より減縮し、後作用接
点ｂの揺動半径を前作用接点ａの謡動半径に対し
て適度に減縮してある。

次に、上記した構成をもつ実施例の作用と効果
を説明する。

さて、昇降体１５が上昇端に保持された穿孔作
業前の状態でハンドル２０をＬ方向（図示反時計
方向）に揺動すると、制御レバ２４の当りボルト
２３が押上げられて制御レバ２４が上傾し、進動
端に突出したプランジヤ２６ａが押上げられて切
換弁２６内の流路が中立状態を経て転換するた
め、退動端のシリンダロツド１７ａが前進して上
昇端の昇降体１５が下降を開始する。このとき、
ハンドル２０のＬ方向への揺動速度に対応してシ
リンダ１７に対する油量が変化するため、昇降体
１５の下降速度を無段状に増減することができ
る。

そして、昇降体１５の下降中にハンドル２０の
揺動操作を中止すると、ハンドル２０は昇降体１
５とともに下降するため、当りボルト２３がハン
ドル２０と離隔して制御レバ２４が若干下傾し、
プランジヤ２６ａが進動して切換弁２６が第３図
ロの中立状態となり、シリンダロツド１７ａとと
もに昇降体１５が下降途中で停止する。そして、
ハンドル２０をそのままの状態で保持すると、途
中停止状態が継続する。

さらに、ハンドル２０をＲ方向へ揺動若しくは
放置して原姿勢に保持すると、制御レバ２４が原
位置に復帰して水平状に保持され、プランジヤ２
６ａが進動端に復帰してシリンダロツド１７ａが
退動端まで後退するとともに、昇降体１５が上昇
して上昇端に復帰する。このとき、ハンドル２０
のＲ方向への揺動速度に対応して昇降体１５の上
昇速度が増減するとともに、ハンドル２０の姿勢
を反転して昇降体１５を上昇途中の任意位置で停
止することができる。

なお、昇降体１５の下降時にハンドル２０をＬ
方向へ継続的に付勢するとハンドル２０が下降端
付近でボルト２２に当接して下降を継続するた
め、ハンドル２０が下降途中で制御レバ２４を解
離して制御レバ２４が下傾し、プランジヤ２６ａ
が解放されて進動する結果、昇降体１５の下降端
を一定位置に規定することができる。

従つて、昇降体１５の昇降状態がハンドル２０
の操作および操作停止、揺動姿勢、揺動速度等に
追従して倣い制御され、１つのハンドル２０の操
作によつて昇降体１５を手動で直接昇降するとき
の感覚と同様に昇降操作して昇降体１５の位置と
昇降速度とを任意に制御しうる特長がある。

また、昇降体１５を油圧で駆動するため、穿孔
時の操作労力を軽減しうる一方、操作機構を簡略
化してコストを節減しうる効果がある。

とくに、ハンドル２０の揺動量が減縮されてプ
ランジヤ２６ａに伝達され、プランジヤ２６ａが
ハンドル２０の微小揺動では変位しないため、油
量の急変が防止され、シリンダロツド１７ａおよ
び昇降体１５の移動状態を円滑化して振動を防止
しうるとともに、高精度の切換弁が不用となる効
果がある。

さらに、昇降体１５の昇降速度を無段状に増減
しかつ昇降体１５を昇降途中の任意位置で停止し
うるため、刃物１２の大小に対応して穿孔速度を
調整したり、ワークの穿孔位置を調節するために
刃物がワークに接近した位置で昇降体１５を停止
したり、ワークの穿孔深さを変更するために昇降
体１５の下降端を任意に変位する等の各操作を容
易に遂行しうるとともに、昇降体１５の停止位置
を正確化しうる効果がある。

すなわち、本考案はベース上に立設されたコラ
ムに対し刃物を昇降するために流体圧に駆動され
る昇降体が上下スライド可能に装設された角のみ
盤等において、前記コラム側には流体量を無段状
に増減しかつ流路を遮断および転換するために取
着された切換弁と、この切換弁のプランジヤを変
位して前記昇降体の昇降速度と移動方向とを制御
するために揺動可能に支持された制御レバとを対
置する一方、前記昇降体側には前記制御レバを揺
動するために同制御レバに連係されたハンドルを
揺動可能に取着し、さらに、前記制御レバと前記
プランジヤとの作用接点の揺動半径を前記制御レ
バと前記ハンドルとの作用接点の揺動半径に対し
て減縮したことによつて、刃物を昇降するための
操作労力を軽減しかつ操作性を良化向上しうるた
め、角のみ盤等における刃物昇降装置として極め
て実用的に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は角のみ盤の全体側面図、第２図は操作機構の動
作を説明する要部の拡大側面図、第３図は油圧回
路図、第４図は切換弁の縦断面図である。 １……ベース、２……コラム、１２……刃物、
１５……昇降体、１７……油圧シリンダ、２０…
…ハンドル、２４……制御レバ、２６……切換
弁、２６ａ……プランジヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース上に立設されたコラムに対し刃物を昇降
   するために流体圧で駆動される昇降体が上下スラ
   イド可能に装設された角のみ盤等において、前記
   コラム側には流体量を無段状に増減しかつ流路を
   遮断および転換するために取着された切換弁と、
   この切換弁のプランジヤを変位して前記昇降体の
   昇降速度と移動方向とを制御するために揺動可能
   に支持された制御レバとを対置する一方、前記昇
   降体側には前記制御レバを揺動するために同制御
   レバに連係されたハンドルを揺動可能に取着し、
   さらに、前記制御レバと前記プランジヤとの作用
   接点の揺動半径を前記制御レバと前記ハンドルと
   の作用接点の揺動半径に対して減縮したことを特
   徴とする角のみ盤等における刃物昇降装置。