JPS6226919B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は被印刷体がたとえば、紙繊維あるいは
ガラス繊維の入つたフエノール樹脂、エポキシ樹
脂などの積層板あるいはセラミツク基板などの剛
体であつてもその上に直接印刷できる回路基板用
の円筒形弾性グラビア版を提供しようとするもの
である。

従来グラビア版材としては、銅円筒面が大部分
で、鉄の心棒に銅円筒または厚く銅電鍍した銅円
筒をはめ込んだもの、鉄円筒の表面に厚く銅電鍍
したもの、また円筒の重量を軽くするため鉄に代
りにアルミニウムやアルミニウム合金を使用した
ものなどがある。これらのシリンダーにカーボン
チツシユを用いた拡散腐食法でコンベンシヨナル
グラビア版を作成したり、あるいは、フオトレジ
ストを用いた直接腐食法で網グラビア版を作成し
グラビア印刷機にかけてグラビア印刷を行つてい
る。しかし、第１にこのグラビア版では、被印刷
体が紙の様なものかまたは、版胴に傷が入らない
程度の柔軟性のあるものでなければならない制限
があつた。このため特に電気部品によく用いらる
紙繊維あるいはガラス繊維の入つた樹脂質基板や
磁器質の基板などの剛体の上に印刷することは、
従来この方法ではできなかつた。樹脂質基板や磁
器質のような剛体基板には、特公昭46―26529号
公報、特公昭46―26531号公報、特公昭46―26532
号公報にみられるように熱可塑性ゴム状物質を用
いたいわゆるフレキソ印刷、あるいは、特公昭46
―6226号公報にみられるように版胴に可撓性のあ
る弾性体を用いたグラビア印刷が紹介されてい
る。グラビア印刷のオフセツト方式あるいは、グ
ラビア印刷ではないがスクリーン印刷方式による
方法は工業的にももちいられている。

しかし、熱可塑性ゴム状物質を用いたフレキソ
印刷あるいは版胴に可撓性のある樹脂弾性体を用
いたグラビア印刷では、版のドクターに対する耐
摩耗性が非常に悪く、また用いる樹脂がインキ中
の溶剤に対して弱く、溶剤の種類によつては使用
できないものがあるなど耐刷性、耐溶剤性に対し
て非常に大きな問題が残されていた。またこの方
法では、グラデーシヨンのあるボガシの作成ある
いは細かい網点形成は困難である。また、ただ単
に厚いゴムロールの上に金属平板のグラビア版を
巻きつけただけでは、ローラー間の圧力のために
ゴムが伸び精度の高いきれいな印刷はできなかつ
た。

次に、版より一度ゴムロールやゴムシートに、
インキを転写させた後、これを被印刷体に印刷す
るグラビアオフセツト方式というものも一般化さ
れているが、これは、ゴムより転写させるため、
パターンが押しつぶされたり、インキがゴム面に
残つたりして、再現性に乏しい欠陥があつた。ま
た、剛体への印刷は、工業的には、スクリーン印
刷が行なわれているが、間欠式印刷法であるため
スピードが遅く生産性が非常に悪いという欠点が
あつた。

本発明は、以上の点を考慮して改良したもの
で、第１に紙繊維あるいはガラス繊維の入つた樹
脂質基板や磁器質の基板などの剛体にもインキの
転移性が良く高精度に、また、磁器質のように非
弾性体で圧力をかけることにより破壊しやすい電
気絶縁基板の上にも直接自由に印刷し、電子部品
（たとえば可変抵抗器）などを作成することがで
きる円筒グラビア版を提供しようとするものであ
る。以下本発明の実施例について説明する。

第１図は本発明の一実施例における円筒形グラ
ビア版の断面図である。これにそつて本発明の詳
細な説明を行なう。鉄などの金属円筒１の上に、
天然、合成の各ゴムや膠質コンポジシヨンなどの
ゴム状物質さらにはナイロン、ポリプロピレン、
ビニールなどの合成樹脂などの可撓性のあるゴム
状弾性体層２を形成し、その上に、燐青銅、ステ
ンレス、バネ鋼など反撥弾性のある薄い金属平板
上に、拡散腐食法あるいは直接腐食法でパターン
をエツチングし、その後製版面の保護、強化を図
るためその上にクロームメツキ層４を設けた平板
のグラビア版３を円筒加工しスポツト溶接５した
ものである。従つて表面が、金属のグラビアシリ
ンダーであるため、耐溶剤性、耐摩耗性にもすぐ
れている。

第２図は、本発明の円筒形の弾性グラビア版を
用いてグラビア印刷をするためのグラビア印刷機
の断面図である。７は、円筒形グラビア版胴、８
はゴムブランケツトを巻き弾性をもたせたもの
か、またはゴム状のシリンダーからなる圧胴、９
はインキかき取りドクター、１０はインキローラ
ー、１１はインキ入れ皿、１２はインキである。
そこでこの印刷機に本発明の円筒形弾性グラビア
版を取りつけ印刷したところ、従来のものにくら
べ圧力を加えることにより破壊されやすい磁器質
のような基板上でも、また柔軟性に乏しい樹脂質
基板のような上にも、インキの転移性が良く、し
かも精度よく印刷できることがわかつた。そして
この場合、本発明の版胴で、金属円筒と薄い金属
グラビア平板との間に構成しているクツシヨン材
は、実験によると反撥弾性のある天然ゴム、シリ
コンゴム、ウレタンゴムなどが良く、硬度も50゜
〜70゜（厚さ10mm以上で測定）が特に良かつた。
しかし、これらの材料でなくても、ゴム状の弾性
体であれば本発明の効果は、かなり期待できる。
また高精度の印刷を行なうには、クツシヨン材の
厚さは、２〜５mmの間が良い。

さらに第１図に示すように、本発明は１ケ所だ
けのスポツト溶接で円筒加工しているため、第１
図に示す位置にインキかき取りドクター６を置
き、第１図に示すようにシリンダーを回転させる
ことにより、スポツト溶接部にインキがたまつた
り、ドクターの摩耗がはやくなることなくスムー
ズに回転する。

以上のように、本発明の円筒形弾性グラビア版
を用いると従来のものと比べ紙以外の被印刷体で
あるベークライト基板や電気絶縁性基板のような
剛体状のものの上にもインキの転移性が良く、し
かも、被印刷体が破壊されることもなく、高精度
に印刷することができるものである。

またオフセツト方式でなく直接印刷方式を採用
できるためインキの膜厚が厚く、再現性があり、
精度の良い印刷ができるなどその効果は大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における円筒形弾性
グラビア版の断面図、第２図は本発明の円筒形弾
性グラビア版を用いて印刷するためのグラビア印
刷機の断面図である。 １……金属円筒、２……可撓性のあるゴム状弾
性体層、３……平板のグラビア版、４……クロー
ムメツキ層、５……スポツト溶接。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属円筒に可撓性のあるゴム状弾性体層を形
   成し、その上にグラビア製版を行なつた薄い金属
   層を円筒状に設けたことを特徴とする回路基板用
   の円筒形弾性グラビア版。 ２ 弾性体層として天然、合成の各ゴムや膠質コ
   ンポジシヨンなどのゴム状物質さらにナイロン、
   ポリプロピレン、ビニールなどの合成樹脂を用い
   た特許請求の範囲第１項記載の回路基板用の円筒
   形弾性グラビア版。 ３ 弾性体層は、硬度が40〜80゜（ゴム状弾性体
   の厚さが10mm以上で測定）で、ゴム状弾性体層の
   厚さが２〜５mmであることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の回路基板用の円筒形弾性グラ
   ビア版。 ４ 金属層が、燐青銅、ステンレス、バネ鋼など
   の反撥弾性のあることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の回路基板用の円筒形弾性グラビア
   版。