JPS6226502B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はラベル等の記録媒体に印刷されたバー
コードを物品等とともに流通させるようなシステ
ムにおいて、そのバーコードを自動走査にて読取
る読取センサを用いたバーコード読取方法および
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、バーコードの長手方向に垂直な方向、す
なわち平行バーに交わる方向へ手操作により走査
（スキヤン）させるものとして、ライトペンがあ
る。しかし、ライトペンなどに使用されているセ
ンサは自己走査型でない為に、読取精度が手操作
のスキヤン速度に大きく影響を受ける。また、自
己走査型のイメージセンサを用いた電子走査型の
バーコード読取装置では、バーコードの長手方向
に垂直な方向へのスキヤンを電子的に行うため、
手操作を行う必要はなかつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

また、電子走査型のバーコード読取装置では、
レンズを使用している為に、ある程度湾曲してい
る部分に付いたバーコードを読取る場合、どうし
てもレンズの焦点深度以上湾曲したラベルのバー
コードはイメージセンサ上の像がぼけやすくな
る。さらに、両端のバーの幅が実際の幅よりも狭
く像を結んでしまう。従つて、湾曲部分についた
バーコードは、読取り困難であり、誤まつて読取
つてしまう。また、イメージセンサ上に像を結ぶ
ことのできる一視野範囲よりも幅の広いバーコー
ドがあると、読取りは不可能であつた。

また、バーコードの長手方向に垂直な方向へス
キヤンするものとしてライトペンがあるが、手操
作だけで湾曲した表面を一定速度でスキヤンする
ことはむずかしく従つて、デコードがむずかしく
かつ誤まつた読取りが多くなるという欠点があつ
た。

本発明は上記の欠点を解消するもので、電子走
査で読取るセンサを用いて湾曲部に付された湾曲
バーコードを適切に読取ることを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで、本願の第１番目の発明では、曲面上で
かつその湾曲方向とコード化方向が一致する湾曲
バーコードを少なくともそのコード化方向に２分
化し、その一方の第１領域に読取センサを内蔵し
た手持ケースの読取口を対向させる第１読取操作
による第１の読取データを一時記憶し、この一時
記憶後に前記第１領域からそのコード化方向に前
記読取口を相対移動させるとともに角度を変更し
て前記湾曲バーコード中の他方の第２領域に対向
させる第２読取操作による第２の読取データを一
時記憶し、前記第１、第２の読取データを合成し
て前記湾曲バーコードを読取るようにしている。

また、本願の第２番目の発明では、曲面上でか
つその湾曲方向とコード化方向が一致する湾曲バ
ーコードの全体領域にイメージセンサを内蔵した
手持ケースの読取口を対向させた際の前記イメー
ジセンサよりの信号に基づいてその湾曲バーコー
ドの中央部と周辺部の映像変化による読取可否を
判定する判定手段と、この判定手段の判定が読取
不可の場合に、前記湾曲バーコードを少なくとも
そのコード化方向に２分化し、その一方の第１領
域に前記読取口を対向させる第１読取操作による
第１の読取データ、および前記第１領域からその
コード化方向に前記読取口を相対移動させるとと
もに角度を変更して前記湾曲バーコード中の他方
の第２領域に対向させる第２読取操作による第２
の読取データをそれぞれ一時記憶する記憶手段
と、この記憶手段よりの前記第１、第２の読取デ
ータを合成して重複したデータを除去し、前記湾
曲バーコード全体の読取データを求める演算手段
とを設けている。

〔実施例〕

以下本発明を図に示す実施例について説明す
る。第１図の全体構成図において、１１はバーコ
ードを印刷したバーコードラベルで、円筒形状の
物品１１ａに貼付されており、その表面に平行バ
ーの濃淡パターンとしての白バー、黒バーを用
い、その幅の大小にて「０」、「１」をコード化し
たバーコードを印刷している。このバーコードの
一例は第２図に示す形態になつており、スタート
バー１ａと、４本の白、黒バー信号にて「０〜
９」の数字をコード化した６桁の左側データキヤ
ラクタ１ｂと、左側データおよび右側データを分
離する分離バー１ｃ、４本の黒白バー記号にて
「０〜９」の数字をコード化した５桁の右側デー
タキヤラクタ１ｄと、パリテイチエツクのための
チエツクキヤラクタ１ｅと、エンドバー１ｆとを
平行に連続配列している。このバーコードを印刷
したバーコードラベル１１は第３図の如く円筒形
状の物品１１ａの湾曲部に貼付されている。

１２はバーコード上を照明する棒状の照明光源
で、その照明光が蒲鉾形レンズ１３を通してバー
コードを照明している。また、この棒状の照明光
源１２の背後に曲面反射ミラー１２ａを配置して
照明光を強めている。１４は反射ミラーで、バー
コードよりの反射光を特定方向に反射するもので
あり、その反射光がレンズ１５、読取線に直交す
る偏平スリツトを有する絞り部材１６を通り、読
取センサをなすイメージセンサ１７の走査線上に
バーコードの走査用映像を結像させている。

この読取センサ１７はその走査線上の走査用バ
ーコード映像を電子スキヤン作動にて電気信号に
変換する一次元イメージセンサを用いている。１
８はハンド式読取器の手持ちのための合成樹脂製
のケースであり、照明光源１２、曲面反射ミラー
１２ａ、蒲鉾形レンズ１３、反射ミラー１４、レ
ンズ１５、絞り部材１６、イメージセンサ１７な
どを適宜配置固定している。そして、第１図中の
光学系における一点鎖線は光の軌跡を示してい
る。

１９は駆動回路で、各種駆動パルスを発生して
イメージセンサ１７に加え、そのスキヤン作動を
行なうものである。２０はイメージセンサ１７よ
りの電気信号を増幅するアナログ増幅器、２１は
その駆動パルスに対応する離散的な増幅信号を波
形整形して連続信号に変換整形する波形整形回
路、２２はコンパレータで、波形整形回路２１よ
りの整形信号を設定値と比較して黒バーおよび白
バーに対応した高（Ｈ）レベルと低（Ｌ）レベル
の２値化信号に変換するものである。２３は反転
検出回路で、上記２値化信号の立上り時点および
立下り時点の反転時点を検出してその都度ラツチ
パルス２３ａおよびそれより若干遅れたリセツト
パルス２３ｂを発生するものである。２４は一定
の高周波数のクロツクパルスを発生するクロツク
ジエネレータ、２５はカウンタで、前記リセツト
パルス２３ｂを受けてリセツトされた時点毎にク
ロツクパルスの計数を繰返しており、その計数値
が上記バーコードの各バーの幅に対応した値を示
している。２６はラツチ回路で、前記ラツチパル
ス２３ａによりカウンタ２５のリセツト作動直前
の計数値を記憶するものである。

２７はマイクロコンピユータで、予め定めた演
算プログラムに従つて演算処理を実行し、前記バ
ーコードのスタードバー１ａから分離バー１ｃま
でを含む第１視野領域の読取作動による第１の読
取データと、分離バー１ｃからエンドバー１ｆま
でを含む第２視野領域の読取作動による第２の読
取データとを一時記憶し、分離バー１ｃ近辺の各
バーの重複したデータを除去して第１、第２読取
データを合成し、前記バーコード全体の読取デー
タを求めている。

次に、上記構成においてその作動を説明する。
今、円筒形状の物品１１ａの湾曲部に貼付された
バーコードラベル１１のバーコードを読取るため
に、その物品１１ａおよびハンド式読取器のケー
ス１８をそれぞれ左手、右手に握り、ハンド式読
取器の照明光源１２を点灯させて作動状態にした
後、物品１１ａのバーコードのスタートバー１ａ
から分離バー１ｃまでの第１領域を中央にしてハ
ンド式読取器をその平行バーに直交する方向に配
置する。

このとき、照明光源１２の照明光および曲面反
射ミラー１２ａよりの光が蒲鉾形レンズ１３を通
つてバーコード上を照明する。これにより、バー
コードの白バー、黒バーに従つて反射率が異な
り、光の強さ分布がバーコードに対応している反
射光線を、反射ミラー１４、レンズ１５、絞り部
材１６を通してイメージセンサ１７の走査線上に
バーコードの走査用映像を結像させる。このと
き、絞り部材１６の読取線に直交する偏平スリツ
トにより焦点深度を深くするとともに、イメージ
センサ１７への走査用映像の光量を多くし、読取
精度を高めている。

そして、イメージセンサ１７の走査線上にバー
コードの走査用映像が結像するため、駆動回路１
９よりの一定周波数の駆動パルスを受けるイメー
ジセンサ１７が電子スキヤン作動によりバーコー
ドの第１領域を含む第１視野領域の白バーおよび
黒バーのそれぞれに対応した電圧レベルの異なる
電気信号に変換する。

このイメージセンサ１７よりの電気信号はアナ
ログ増幅器２０で増幅した後に、波形整形回路２
１によりサンプルホールドによる連続信号に整形
し、コンパレータ２２に加え、白バーおよび黒バ
ーに対応した２値化信号に変換する。そして、こ
の２値化信号のＨレベルとＬレベルの長さを、反
転検出回路２３、クロツクジエネレータ２４、カ
ウンタ２５により計測する。

つまり、Ｈレベルの間カウンタ２５でクロツク
パルスをカウントして計測し、Ｈレベル→Ｌレベ
ルに反転するとその計数値をラツチ回路２６にラ
ツチし、直ちにカウンタ２５をリセツトし、前記
ラツチ回路２６の値をマイクロコンピユータ２７
内にストアし、再びＬレベル→Ｈレベルに反転す
るまでカウンタ２５でクロツクパルスをカウント
し、同様にラツチ回路にラツチさせ、マイクロコ
ンピユータ２７内にストアする。これらの動作を
繰返してバーコードの各バーの幅データをマイク
ロコンピユータ２７内に入力する。

そして、マイクロコンピユータ２７のメモリに
蓄積されたバーの幅の数値データを第４図のフロ
ーチヤートに従つた演算処理により読取データに
変換する。つまり、バーコードラベルがあるか否
かを反射光の有無により判定し、ラベルが検出さ
れたときに前に述べた方法で、バーの幅のデータ
をストアする。普通印刷誤差により黒バー、白バ
ーのどちらかが太めに出る為に、ストアしたデー
タを補正する。続いて補正したバーの幅のデータ
から、まずスタートバーを見つけ出す。そして、
スタートバーが検出されたならば、ストアしたデ
ータをデコードステツプ１０２で順次デコードし
て行く。そして、分離バー１ｃが検出されたなら
ば、スタートバー１ａと分離バー１ｃ間のデコー
ド値をストアステツプ１０４でＮ＝０に対応する
番地に第１視野領域の第１の読取データとしてス
トアし、Ｎ＝Ｎ＋１に更新してバーコードの左半
分の読取作動を終える。以上の読取作動はハンド
式読取器を第１領域に配置すると直ちに、すなわ
ち1/10秒以内の極く短時間で完了する。

そして、第１領域への配置に続いてハンド式読
取器をバーコードの平行バーに直交する方向に移
動させて分離バー１ｃからエンドバー１ｆまでの
第２領域を中央にする位置に配置する。その間、
Ｎの値を更新しつつ１回のスキヤン作動毎に上記
と同様の演算を繰返しており、そのスキヤン作動
によりストアしたデータ中にエンドバー１ｆに対
応するデータがあるか否かの検出も繰返してお
り、エンドバーのデータを検出するとラツチ回路
２６よりの値の取込みをやめ、合成ステツプ１０
６に進んでその直前のデコードステツプ１０２に
てデコードしたデータを第２視野領域の第２の読
取データと定め、この第２の読取データとメモリ
のＮ＝０に対応する番地にストアされた第１の読
取データとを合成し、バーコード全体の読取デー
タを求め、フオーマツト判定によりフオーマツト
が正しいときに演算処理を完了する。

以上の如く、円筒形状の物品１１ａの湾曲部に
貼付されたバーコードラベル１１のバーコードを
読取る場合に、そのバーコードの両端の各バーが
イメージセンサ１７に対して斜めになり、そのバ
ー幅が見掛上狭くなつて読取不能、或は誤読取に
なるのを防止するため、バーコード全体を複数領
域に分け、個々の領域の読取データを合成してバ
ーコード全体の読取データを高精度、かつ正確に
求めることができ、しかも平面上に貼付された通
常のバーコードを読取る場合と同じ形状のハンド
式読取器を用い、その演算処理の一部変更という
小改良を施すのみでよい。

次に、第５図は本発明の他の実施例を示すフロ
ーチヤートであり、分離バーを有していないバー
コードに対し、２回の分割による読取作動のみで
読取ることができるものである。

この実施例によれば、全体構成は第１図に示す
ものと同じであり、マイクロコンピユータ２７の
演算プログラムのみが異なつている。

まず、ラベルがあるかないかを判定し、ラベル
が検出されたら、各バーの幅のデータを順次スト
アし、このデータを補正する。そして、スタート
バーの検出を行い、スタートバーが検出された
ら、１回のスキヤン作動による各バーの幅のデー
タを格納しておく。もし、スタートバーが検出さ
れなかつたら、再びバーの幅のデータを順次スト
アし、スタートバーが検出されるまで行う。そし
て、スタートバーが検出されたらそのときの読取
データを保持し、今度はエンドバーが検出できる
までスキヤン作動毎に各バーの幅のデータをスト
アする。そして、スタートバーを検出した時の各
バーの幅のデータと、エンドバーを検出した時の
各バーの幅のデータを結合させる。このとき、予
めバーコードのバーの数がわかつている為に、そ
れぞれのデータがどこで重なつているかがわか
り、重複しているデータを除去して簡単にバーコ
ードの各バーの幅のデータを合成することができ
る。よつて、この合成されたデータからバーコー
ド全体をデコードした読取データを求めることが
できる。

なお、上述の実施例では第１視野領域での読取
作動の完了の有無について、ハンド式読取器の使
用者が確認するものが示されていないが、マイク
ロコンピユータ２７より第１視野領域における読
取完了の信号を受けてそれを表示する発光ダイオ
ードなどの表示器をハンド式読取器に付加しても
よい。

また、バーコードとして中央部に分離バー１ｃ
を１つ有するものを例示したが、分離バーを複数
設けた桁数の多いバーコードに対し、多数領域に
分割して読取り、その読取データを合成してもよ
い。

さらに、上述の実施例ではハンド式読取器をバ
ーコードの平行バーに交わる方向に手操作で移動
させるものを示したが、物品を移動させてもよ
く、また自動的に相対移動させるようにしてもよ
い。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本願の第１番目の発明によ
れば、湾曲部に付された湾曲バーコードに対して
その湾曲方向に少なくとも２分化し、その湾曲バ
ーコードの一方の第１領域の読取時と他方の第２
領域の読取時に読取センサとその湾曲バーコード
との角度をそれぞれ変更して分割読取しているた
め、簡単な読取操作により読取不良を防止し、容
易、高精度にその湾曲バーコードを読取ることが
できるという優れた効果がある。

さらに、本願の第２番目の発明によれば、上記
の効果に加えて、電子走査型の読取作動を行うイ
メージセンサを用いたハンデイ型の簡単な構成で
湾曲バーコードを読取る装置を提供することがで
きるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体構成図、
第２図はそのバーコード形態の説明図、第３図は
バーコード付きの物品の斜視図、第４図はマイク
ロコンピユータの演算を示すフローチヤート、第
５図は本発明の他の実施例を示すフローチヤート
である。 １１……バーコードラベル、１７……読取セン
サをなすイメージセンサ、１８……ハンド式読取
器のケース、１９……駆動回路、２０……アナロ
グ増幅器、２１……波形整形回路、２２……コン
パレータ、２３……反転検出回路、２６……ラツ
チ回路、２７……演算手段をなすマイクロコンピ
ユータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 読取線上の電子走査により電気信号に変換す
   る読取センサを手持ケースに内蔵し、この読取セ
   ンサの視野領域に対応するこの手持ケースの読取
   口をバーコードに対向させる読取操作によりその
   バーコード映像を前記読取センサ上に結像させ、
   そのバーコードを読取るバーコード読取方法にお
   いて、 曲面上でかつその湾曲方向とコード化方向が一
   致する湾曲バーコードを少なくともそのコード化
   方向に２分化し、その一方の第１領域に前記読取
   口を対向させる第１読取操作による第１の読取デ
   ータを一時記憶し、 この一時記憶後に前記第１領域からそのコード
   化方向に前記読取口を相対移動させるともに角度
   を変更して前記湾曲バーコード中の他方の第２領
   域に対向させる第２読取操作による第２の読取デ
   ータを一時記憶し、 前記第１、第２の読取データを合成して前記湾
   曲バーコードを読取る ことを特徴とするバーコード読取方法。 ２ 一端に読取口を有する手持ケースと、この手
   持ケース内の前記読取口よりのバーコードの映像
   が結像する位置に配設し、その映像の読取線上の
   電子走査により電気信号に変換するイメージセン
   サとを備え、前記手持ケースの前記読取口を前記
   バーコードに対向させる読取操作によりそのバー
   コードを読取るバーコード読取装置において、 曲面上でかつその湾曲方向とコード化方向が一
   致する湾曲バーコードの全体領域に前記読取口を
   対向させた際の前記イメージセンサよりの信号に
   基づいてその湾曲バーコードの中央部と周辺部の
   映像変化による読取可否を判定する判定手段と、 この判定手段の判定が読取不可の場合に、前記
   湾曲バーコードを少なくともそのコード化方向に
   ２分化し、その一方の第１領域に前記読取口を対
   向させる第１読取操作による第１の読取データ、
   および前記第１領域からそのコード化方向に前記
   読取口を相対移動させるとともに角度を変更して
   前記湾曲バーコード中の他方の第２領域に対向さ
   せる第２読取操作による第２の読取データをそれ
   ぞれ一時記憶する記憶手段と、 この記憶手段よりの前記第１、第２の読取デー
   タを合成して重複したデータを除去し、前記湾曲
   バーコード全体の読取データを求める演算手段と を設けたバーコード読取装置。