JPS6226384Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は特殊な形状の事務用機器又はその部
品若しくはその他の機器類の包装用として用いる
折畳み式包装材に関する。

〈従来の技術〉 近時複写機やタイプライター、事務所用フアク
シミリ、ワープロ等の事務用機器が盛んになりそ
の普及台数も増加の一途をたどつているが、それ
に伴いメーカーや搬送業者にとつては出荷に当つ
て多数の機器類の迅速確実且つ堅牢でさらに低コ
ストな包装が求められて来ている。そしてこれら
の包装に際しては、主として機器類を折目を付し
た段ボール紙（例えば実公昭39−6077号公報に示
されるもの等）でカバーし、さらにその段ボール
紙の内面には機器類の形状に応じて段ボール紙が
所定の折曲げ形状を保ち且つ機器類が動かぬよう
に緩衝材を兼ねた所定形状の発泡樹脂材等がクツ
シヨン材として複数個所に貼着される場合が多
い。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしこれらの従来の方法では段ボール紙のほ
かに発泡樹脂材等を必要とし、さらにこれらを貼
着する工程や貼着材が必要となるほか、上記クツ
シヨン材は包装材の搬送や保管時に多大なスペー
スを必要とする等多くの不経済を伴つていた。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案はこれらの問題を解消するために包装
される機器類の包装材への固定と外部衝撃からの
保護及び搬送のための定形的な（例えば立方体や
直方体のような）包装形状の確保を、段ボール紙
の裁断形状と折目の付設及びその後の折曲げ（又
は折畳み）によつて行う包装材を提供せんとする
もので、底板１２上に左右のサイドカバー８，９
を突設し、該サイドカバー８，９上の後半部に左
右方向のロールカバー１０を突設して上記底板１
２の上面と各サイドカバー８，９の内面及びロー
ルカバー１０の下面とにより周囲に一定幅の差込
空間を形成している機器に、複数の折目を付した
段ボール紙を上記折目で折曲げて筒状に巻装する
包装材において、周壁を形成する側部２４と底部
２９との間に、谷線の折目３１，３２を付し、該
折目３１，３１の間に山線の折目を付して前記差
込空間に対応した幅を有するひだ部３０を介設
し、上記ひだ部３０が前記機器の底板１２で覆う
ように前記底部２９上に折畳まれた状態で、前記
差込空間に差込まれる構造とし、該ひだ部３０に
より包装される機器の移動止めを行わしめる構造
としたことを特徴する。

〈実施例〉 第１図はこの考案の包装材によつて包装される
べき機器類の１例を示す斜視図で、この例では普
通紙複写機におけるコピー用紙ストツク用のカセ
ツト（図示しない）を差込んでそこから用紙を順
次取出して複写機本体（図示しない）に送り込む
給紙機２を示している。

給紙機２には左右両端に台状のサイドカバー
８，９が前後方向に向けて設けられ、その上部後
半位置にはロールカバー１０が架設状態で設けら
れている。そして該ロールカバー１０内には複数
本のロールからなる紙送り用のロールユニツト
（図示しない）が回転自在に軸支され、サイドカ
バー８，９内には上記ロールユニツトを駆動させ
る駆動部（図示しない）が内蔵されるとともに、
サイドカバー９の先端位置には上記駆動部と連系
作動するローラー又は歯車等を軸支するブラケツ
ト１１が突設されている。

またサイドカバー８，９間には底板１２が設置
され、該底板の上面とサイドカバー８，９の内側
面及びロールカバー１０の下部とでカセツトの先
端を収容する空間、即ちカセツト差込部１３を形
成している。

上記のように給紙機２はサイドカバー８，９か
らなる台状部の間にカセツト差込部１３を形成す
る空間部を有し、両側台状部の上にはロールカバ
ー１０のような突出部を有し、さらにその先端方
向にはブラケツト１１の如き突出部を有すること
を特徴としている。

第２図は前記給紙機のような特徴を有する形状
の機器を包装する包装材の展開図で、第３図〜第
５図はそれぞれその包装状態を示している。第２
図中実線は切断線、破線は谷線（内面からみて谷
状の折曲部を形成する）の折目を、また斜線部分
は切抜部を、一点鎖線は段ボールに内面から一定
深さの切込を入れた切込線をそれぞれ示してい
る。

図示するように包装材２１は全体として長方形
の段ボール紙の外周の一部を切欠き、それにその
短辺側を縦方向とすれば、最小限必要な折目は、
所定間隔毎に設けられた谷線の折目をなし後述す
るひだ部の切込線のみが山線（内面側に突出する
山形をなす）の折目となつている。そして第４図
及び第５図に示すようにこの例では機器類の本体
を収容する本体筒Ａと、これに沿つて本体から突
起部を差込収容せしめる補助筒Ｂとを１つの本体
底部上に並べて固定している。

上記本体筒Ａは、この例では右側に設けられ、
本体上部カバー２２は給紙機２の幅に対応した幅
で、その両端には本体筒の両側を覆う側部２３，
２４が谷線の折目２５，２６を介して設けられ、
右端の側部２３の端部には給紙機背面への差込形
状に合わせて突起部等を収容する切抜孔２７又は
切欠部２８等が適宜設けられている。

２９は本体底部で上記上部カバー２２、側部２
３，２４をチヤンネル状に折曲げたものを下向き
に載置してここに本体筒Ａを形成するとともに、
これと並んで補助筒Ｂをも載置する幅を有してい
る。本体底部２９は本体側部とひだ部３０，３０
ａ，３０ｂを介して接続しており、各ひだ部３０
ａ，３０ｂはそれぞれ谷線の折目３１，３２を介
して本体側部２３又は本体底部２９と接続してお
り、その略中央には山線の折目をなすような切込
線３３が付設され、このひだ部３０ａ，３０ｂは
切込線３３を折曲げて畳み重ねられて１つのひだ
部３０を構成し、使用時には第４図に示すように
本体底部２９に沿つて折畳まれている。

そして上記ひだ部３０は給紙機２のカセツト差
込部１３の幅と略一致し、該差込部１３に差込ま
れて包装状態における給紙機２の長手方向の移動
を止めるべく機能する。したがつてひだ部３０の
幅を差込部１３の幅と一致させ且つその上下方向
の位置関係を対応させるために、ひだ部３０の上
下は底部２９や側部２４の幅より狭く切欠部３
４，３５を設けている。また折目３２は厚みのあ
る段ボール紙をスムースに折曲げ且つひだ部３０
を差込部１３に確実に差込ましめるように一定間
隔を介した２本の折目となつている。

本体底部２９の左端には折目３６を介して補助
筒Ｂ部の各部が連設され、補助筒Ｂ部はさらに３
本の折目３７，３８，３９を介して補助筒Ｂ用の
外側部４０、上部カバー４１、内側部４２、底部
４３を連設して構成されている。４４は該内側部
４２と底部４３の端部にまたがつて穿説された切
抜孔で、給紙機２のブラケツト１１を挿入せしめ
るものである。（第３図、第４図参照）。

第５図は上記包装材２１で給紙機２を包装し、
１個の段ボール４５に収納される状態を示し、給
紙機２は最終的には第５図の包装状態で荷造り搬
送される。なお、給紙機２は包装材で包装される
前にポリ袋等で内部包装されるが図面上では省略
されている。

〈考案の効果〉 本考案は以上の如く構成される結果１枚の段ボ
ール紙を所定形状に裁断して折曲げるだけで、複
雑形状の機器のまわりに突出部や突起等を有する
場合でもその包装が特に第１図に示すように周面
に一定幅の差込空間を有する機器では、ここに対
応した幅のひだ部を差込むことにより、機器類は
当該幅方向のガタや移動がない状態で包装できる
という効果がある。そのほか従来のようにクツシ
ヨン材やその接着を必要としないので製造コスト
も安価となり、取扱い保管時もクツシヨン材によ
つて拡大されていた収納スペースが節約されるほ
か、包装材の製造及び包装作業もきわめて能率的
に行われるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の包装材によつて包装される機
器類の１例を示す斜視図、第２図は本考案の包装
材の展開図、第３図〜第５図はその使用状態を示
す斜視図、中央断面図及び梱包前の包装状態を示
す一部破断斜視図である。 Ａ：本体筒、Ｂ：補助筒、２：給紙機、８：サ
イドカバー、９：サイドカバー、１０：ロールカ
バー、１１：ブラケツト、１２：底板、１３：カ
セツト差込部、２１：包装材、２２：本体上部カ
バー、２３，２４：本体側部、２５，２６：折
目、２７：切抜孔、２８：切欠部、２９：本体底
部、３０，３０ａ，３０ｂ：ひだ部、３１，３
２：折目、３３：切込線、３４，３５：切欠部、
３６〜３９：折目、４０：外側部、４１：上部カ
バー、４２：内側部、４３：底部、４４：切抜
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板１２上に左右のサイドカバー８，９を突設
   し、該サイドカバー８，９上の後半部に左右方向
   のロールカバー１０を突設して上記底板１２の上
   面と各サイドカバー８，９の内面及びロールカバ
   ー１０の下面とにより周面に一定幅の差込空間を
   形成している機器に、複数の折目を付した段ボー
   ル紙を上記折目で折曲げて筒状に巻装して包装す
   る包装材において、周壁を形成する側部２４と底
   部２９との間に、谷線の折目３１，３２を付し、
   該折目３１，３１の間に山線の折目を付して前記
   差込空間に対応した幅を有するひだ部３０を介設
   し、上記ひだ部３０が前記機器の底板１２を覆う
   ように前記底部２９上に折畳まれた状態で、前記
   差込空間に差込まれる構造とし、該ひだ部３０に
   より包装される機器の移動止めを行わしめる構造
   とした折畳み式包装材。