JPS6226261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリートミキサ車の操作装置に関
するもので、その目的とする所は、構造の簡易化
と操作性の向上を図り、廉価に而かも機能の向上
と耐久性に富むこの種装置を提供するにある。

一般にコンクリートミキサ車においては、車輌
のエンジンより動力を取出し、油圧ポンプ・モー
タによりドラムを回転させ、ドラムの回転を正転
にすることにより生コンクリートの投入，混練お
よび運搬時の撹拌を行う一方、ドラムを逆転する
ことにより生コンクリートの排出をを行うように
してあることは周知の通りである。

また、ドラムの回転速度が任意に変えられ、最
良の生コン品質を得るための混練，撹拌及び排出
現場の状況に見合つた適切な排出速度が得られる
ようにしてあることも夙に周知である。

これらのドラムの回転制御は、油圧ポンプとエ
ンジンを操作することによつて行われる。

即ち (1) ドラムの正逆転制御は、油圧ポンプの吐出方
向を変えることによつて行われる。

(2) ドラムの回転速度制御は、ａ）低速回転域に
おいては、油圧ポンプの吐出量を変えることに
よつて行われ、ｂ）高速回転が必要なときに
は、エンジンの回転速度を上げることによつて
行われる。

これらの油圧ポンプとエンジンの操作は、車輌
の後方に設けた操作レバーにより遠隔操作が行わ
れるようにしてあるもので、一般的な操作装置の
構造を第１図の斜視図において開示してある。第
１図において、１及び２は左後方操作レバーと右
後方操作レバーとを夫々示し、両者はリンク機構
３によつて互に連繋され、何れか一方の操作によ
り油圧ポンプ４及びエンジン５を作動するように
してある。

この操作レバーの操作パターンを、例えば左後
方操作レバー１について述べれば、操作レバー１
は、その中立位置Ｎから左右方向の操作、即ちＬ
方向で油圧ポンプの正転（投入）を行い、Ｌ位置
で最大となり、Ｒ方向で油圧ポンプの逆転（排
出）を行い、Ｒ位置で最大となるようにしてあ
る。

また上下方向即ちＵ方向でエンジン５を高速に
変えるようにしてある。

即ち、操作レバー１の矢標に示すようなコ字型
の操作による二次元の操作パターンを有するもの
である。

このような二次元方向の操作は、リンク機構３
で油圧ポンプ操作とエンジン操作とを分割し、
夫々ロツドリンク６，７を介して伝達されるよう
にしてある。

尚８は油圧ポンプ用の車内操作レバーである。

之を要するに従来の装置においては、操作レバ
ー１又は２の操作は二次元方向の作動を必要とす
るため、それだけ操作が厄介となるのみならず、
カムリンク等のリンク機構が複雑となり、それだ
けコスト高となると共に整備に労力を要し、故障
も多くならざるを得ない。

本考案は上述のような従来のこの種装置におけ
る欠点を排除すべく構成したもので、操作レバー
の操作を一次元方向の操作に替えると共に構造の
簡素化を図つたものである。

このため本考案においては、一端を一次元操作
レバーに連繋し且つ他端にローラを有する中間リ
ンクを軸設すると共に一端を油圧ポンプに連繋し
他端に前記ローラを遊嵌する摺動溝と弧状溝とを
連設したカムレバーを軸設する一方、一定作動範
囲内では作動を伝達しないスライドリンクをエン
ジンと中間リンクとの間に配設したことを特徴と
するコンクリートミキサ車の操作装置を提供せん
とするもので、第２図以下に示した実施例に基い
て本考案の要旨を説明する。

第２図は本考案装置の要部の構成を示す略図
で、第３図及び第４図は油圧ポンプの正回転（ド
ラムの正回転）状態を、第５図及び第６図は油圧
ポンプの逆回転（ドラムの逆回転）状態を夫々示
す要部の略図である。

図面において、１０及び１０′は右後方の一次
元操作レバーと左後方の一次元操作レバーで、第
３図以下においては、一方の一次元操作レバー１
０′は省略してある。（爾后一次元操作レバーを単
に操作レバーと略称する。） これらの操作レバー１０及び１０′は夫々軸１
０ａ，１０′ａに回動自在に支持され、下端はロ
ツドリンク１１を介して中間リンク１２の一端に
連繋してある。

中間リンク１２には軸支部１２ａを中心に回動
自在に支持され、他端にローラ１３を有し、該ロ
ーラ１３は、カムレバー１４の摺動溝１３ａに遊
嵌し且つ弧状溝１３ｂに対向し得るようにしてあ
り、後述するように中間リンク１２が軸支部１２
ａを中心に回動してローラ１３が弧状溝１３ｂに
対向するとき、弧状溝１３ｂは、軸支部１２ａを
中心とする半径Ｒの円弧に一致するように構成し
てある。

１５はカムレバー１４を支持する軸で、カムレ
バー１４の先端はロツドリンク１６を介して油圧
ポンプ１７の作動レバー１７ａに連結してある。

１８，１８′は、夫々一端を中間リンク１２の
端末に軸支１９し、他端に長孔１８ａ，１８′ａ
を形成した一対のスライドリンクで、長孔１８
ａ，１８′ａはエンジン２０のアクセル２１の両
端のピン２２，２２′に夫々摺動自在に嵌装して
ある。

この長孔１８ａ，１８′ａは、後述する如く、
中間リンク１２の一定範囲の回動に対しては、ピ
ン２２，２２′に作動を伝達しないが、一定範囲
を越えた左右への作動、即ちローラ１３が摺動溝
１３ａから外れて弧状溝１３ｂに対向する位置ま
で中間レバー１２が更に右方又は左方に回動する
と、ピン２２又は２２′に作動が伝達されるよう
にしてある。

而してアクセル２１には常に低速位置に復帰す
る弾性が付与してある。

以上のような構成からなる本考案装置において
は、第２図は操作レバー１０，１０′を中立位置
に持ち来たした場合を示し、エンジン２０は低速
回転を維持し、油圧ポンプ１７は停止してドラム
（図示せず）は静止状態にある。

次に第３図示の如く操作レバー１０を図上反時
計方向に一定角度回動すると、ロツドリンク１１
を介して中間リンク１２は軸支部１２ａを中心に
同様に反時計方向に回動され、ローラ１３を摺動
溝１３ａの開口部まで移行する。

従つてカムレバー１４は軸１５を中心に図上時
計方向に回動され、ロツドリンク１６を介して作
動レバー１７ａを作動させ、油圧ポンプ１７を正
回転させる。

即ち、ドラムには投入回転を行わせることとな
る。

これと同時にスライドリンク１８，１８′も中
間リンク１２の動きに伴つて図上右方に移行され
るが、ピン２２は長孔１８ａの中央に持ち来たさ
れるが、ピン２２′は長孔１８a′の左端に位置
し、何れもアクセル２１に作動は伝達されず、エ
ンジン２０は低速回転を維持するものである。

次に第４図のように更に操作レバー１０を反時
計方向に回動すれば、ピン２２′のみが長孔１
８′ａ左端によつて移動され、アクセル２１は反
時計方向に回動されてエンジン２０は高速回転と
なり、操作レバー１０を復動することによつてア
クセル２１は自体の弾力によつて復動し、エンジ
ン２０は低速となる。

次に第５図はドラムの逆回転を示し、操作レバ
ー１０を時計方向に一定範囲回動することによ
り、こんどはピン２２′が長孔１８′ａの中央に位
置し、ピン２２が長孔１８ａの右端に持ち来たさ
れることとなり、第３図示の場合と対称的な配置
となり、この場合にも油圧ポンプ１７は逆回転最
大となるが、エンジン２０は低速を維持する。

第６図は操作レバー１０を更に回動した状態を
示すもので、この場合には第４図の場合と同様に
エンジン２０のみを高速に切替えるものである。

尚、前述の本考案実施例では油圧ポンプ１７の
みを単独作動する室内操作レバーが省略してある
が、従来と同様に装備し得ることは云うまでもな
い。

以上述べた如く本考案装置によれば、操作レバ
ー１０又は１０′の一次元方向の操作のみで油圧
ポンプ１７及びエンジン２０の規制を行ない得る
ため、操作がきわめて容易となると共に、従来の
ような二次元方向の操作に基く複雑なリンク機構
を排除し、構成を単純・簡素化したため、整備も
容易であり、故障も少なく、耐久性の向上に役立
つ等実用上の利益は顕著である。

尚、前述の操作レバー１０及び１０′は、電動
モータ，電磁比例弁，油圧シリンダ，エアシリン
ダその他のアクチユエータに置き換え得ることは
云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンクリートミキサ車の操作装
置の一例を示す要部の斜視図、第２図は本考案装
置の一実施例における要部の構成を示す略図、第
３図乃至第６図は同要部の作動状態を順序的に示
す略図である。 １０，１０′〜一次元操作レバー、１０ａ，１
０′ａ〜軸、１１〜ロツドリンク、１２〜中間リ
ンク、１２ａ〜軸支部、１３〜ローラ、１３ａ〜
摺動溝、１３ｂ〜弧状溝、１４〜カムレバー、１
５〜軸、１６〜ロツドリンク、１７〜油圧ポン
プ、１７ａ〜作動レバー、１８，１８′〜スライ
ドリンク、１８ａ，１８′ａ〜長孔、１９〜軸、
２０〜エンジン、２１〜アクセル、２２，２２′
〜ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を一次元操作レバーに連繋し且つ他端にロ
   ーラを有する中間リンクを軸設すると共に一端を
   油圧ポンプに連繋し他端に前記ローラを遊嵌する
   摺動溝と弧状溝とを連設したカムレバーを軸設す
   る一方、一定作動範囲内では作動を伝達しないス
   ライドリンクをエンジンと中間リンクとの間に配
   設したことを特徴とするコンクリートミキサ車の
   操作装置。