JPS6226258Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリートミキサ車の操作装置に関
するもので、その目的とする所は、構造の簡易化
と操作性の向上を図り、廉価にしかも機能の向上
と耐久性に富むこの種装置を提供するにある。

一般にコンクリートミキサ車においては、車輛
のエンジンより動力を取出し、油圧ポンプ・モー
タによりドラムを回転させ、ドラムの回転を正転
にすることにより生コンクリートの投入、混練お
よび運搬時の撹拌を行う一方、ドラムを逆転する
ことにより生コンクリートの排出を行うようにし
てあることは周知の通りである。

また、ドラムの回転速度が任意に変えられ、最
良の生コン品質を得るための混練、撹拌及び排出
現場の状況に見合つた適切な排出速度が得られる
ようにしてあることも夙に周知である。

これらのドラム回転制御は、油圧ポンプとエン
ジンを操作することによつて行われる。即ち (1) ドラムの正逆転制御は、油圧ポンプの吐出方
向を変えることによつて行われる。

(2) ドラムの回転速度制御は、ａ）低速回転域に
おいては、油圧ポンプの吐出量を変えることに
よつて行われ、ｂ）高速回転が必要なときに
は、エンジンの回転速度を上げることによつて
行われる。

これらの油圧ポンプとエンジンの操作は、車輛
の後方に設けた操作レバーにより遠隔操作が行わ
れるようにしてあるもので、一般的な操作装置の
構造を第１図の斜視図において開示してある。

第１図において、１及び２は左後方操作レバー
と右後方操作レバーとを夫々示し、両者はリンク
機構３によつて互に連繋され、何れか一方の操作
により油圧ポンプ４及びエンジン５を作動するよ
うにしてある。この操作レバーの操作パターン
を、例えば、左後方操作レバー１について述べれ
ば、操作レバー１は、その中立位置Ｎから左右方
向の操作、即ちＬ方向で油圧ポンプの正転（投
入）を行い、Ｌ位置で最大となり、Ｒ方向で油圧
ポンプの逆転（排出）を行い、Ｒ位置で最大とな
るようにしてある。また上下方向即ちＵ方向でエ
ンジン５を高速に変えるようにしてある。即ち操
作レバー１の矢標に示すようなコ字型の操作によ
る二次元の操作パターンを有するものである。

このような二次元方向の操作は、リンク機構３
で油圧ポンプ操作とエンジン操作とを分割し、
夫々ロツドリンク６，７を介して伝達されるよう
にしてある。尚８は油圧ポンプ用の車内操作レバ
ーである。

之を要するに従来の装置においては、操作レバ
ー１又は２の操作は二次元方向の作動を必要とす
るため、それだけ操作が厄介となるのみならず、
カムリンク等のリンク機構が複雑となり、それだ
けコスト高となると共に整備に労力を要し、故障
も多くならざるを得ない。

本考案は上述のような従来のこの種装置におけ
る欠点を排除すべく構成したもので、操作レバー
の操作を一次元方向の操作に替えると共に構造の
簡素化を図つたものである。

このため本考案においては、縦杆先端を一次元
操作レバーに連繋し且つ横杆両端にローラを夫々
設けたＴ型カムリンクを設けると共に前記ローラ
を案内する固定した案内カム部材を設ける一方、
一端を油圧ポンプに連繋し、他端を前記Ｔ型カム
リンクに軸装した中間リンクの中央を回動自在に
軸設し、更に前記Ｔ型カムリンクと一次元操作レ
バーとを連結するロツドリンクにアクセル用カム
を設け、該アクセル用カムの梯形のカム縁に摺接
するローラを一端に有するく字型のアクセル用リ
ンクを軸設し、該リンクの他端をエンジンのアク
セルに連結したことを特徴とするコンクリートミ
キサ車の操作装置を提供し、従来の装置の改良を
図つたもので、第２図以下に示した実施例に基い
て本考案の要旨を説明する。

第２図は本考案装置の一実施例を示す要部の略
図で、第３図及び第４図はドラムの正回転状態の
場合を、第５図及び第６図はドラムの逆回転状態
の場合を夫々示す略図である。

図面において、１０及び１０′は右後方の一次
元操作レバーと、左後方の一次元操作レバーとを
夫々示すもので、第３図以下は前述の左方の一次
元操作レバー１０′を省略してあり、（爾后一次元
操作レバーを単に操作レバーと称する）各操作レ
バー１０及び１０′は夫々軸１０ａ，１０′ａに回
動自在に軸装され、操作レバー１０の下端はロツ
ドリンク１１を介してカムリンク１２の縦杆１２
ａに連結してある。

このカムリンク１２の横杆１２ｂの両端にはロ
ーラ１３を設け、これらを固定された案内カム部
材１４の一定の弧状縁１４ａに摺接するようにし
てあり、この摺接は後述する中間リンク１５でカ
ムリンク１２を支持していることによつて行われ
る。

即ち中間リンク１５は、下端をカムリンク１２
に軸支１６′すると共にその中央を軸１６によつ
て回動自在に支持されているもので、軸支部１
６′を介してカムリンク１２は、そのローラ１
３，１３を弧状縁１４ａに摺接してある。

また、中間リンク１５の上端はロツドリンク１
７を介して油圧ポンプ１８の操作レバー１８ａに
連繋してある。

１９はロツドリンク１１に連結したアクセル用
カムで、一側に梯形のカム縁１９ａを備え、く字
形のアクセル用リンク２０の一端に設けたローラ
２１に対向させてある。

このアクセル用リンク２０は中央部を軸２２に
よつて支持され、他端をロツドリンク２３を介し
てエンジン２４のアクセル２４ａに連結してあ
る。

この第２図示の操作レバー１０，１０′が中立
位置にある状態では、エンジン２４は低速回転を
保持し、油圧ポンプ１８は中立位置にあつてドラ
ム（図示せず）は停止状態にあるが、第３図示の
ように操作レバー１０を図上反時計方向に回動す
ると、ロツドリンク１１を介してカムリンク１２
は、そのローラ１３，１３を案内カム部材１４の
弧状縁１４ａに案内されつゝ、移行し、これと同
時に中間リンク１５を軸１６を中心に図上反時計
方向に回動する。

この場合はカムリンク１２は中間リンク１５と
恰も一体の如く軸１６を中心に回動されることゝ
なる。

従つて、ロツドリンク１７及び操作レバー１８
ａを介して油圧ポンプ１８は正回転されることゝ
なる。

これと同時にアクセル用カム１９もロツドリン
ク１１と同体的に作動されるが、ローラ２１はカ
ム縁１９ａの頂部水平縁に接しているため、アク
セル用リンク２０はその侭の位置を保持し、従つ
てエンジン２４はその侭低速回転状態を維持す
る。

この場合、第３図はポンプ正回転最大位置を開
示したものであるが、第２図の中立位置との中間
位置に操作レバー１０を操作し得ることは云うま
でもない。

次に第４図示のように操作レバー１０をポンプ
正回転最大位置から更に反時計方向に回動すれ
ば、ローラ１３，１３の一方が図示の如く弧状縁
１４ａから外れるため、カムリンク１２のみが軸
１６を中心に反時計方向に回動され、中間リンク
１５は静止した状態を保持する。

従つて油圧ポンプ１８は正回転最大位置を保持
する。

然るにアクセル用カム１９はロツドリンク１１
によつて更に図上右方に移動されるため、ローラ
２１はカム縁１９ａの傾斜部によつて押下される
結果、アクセル用リンク２０は軸２２を中心に更
に反時計方向に回動され、ロツドリンク２３を介
してアクセル２４ａを回動し、エンジン２４を高
速回転させるものである。

以上はドラムの正回転について述べたが、第５
図は操作レバー１０を図上時計方向に回動し、ド
ラムを逆回転したドラム排出回転状態を開示する
もので、前述とは逆にカムリンク１２、中間リン
ク１５が作動され、油圧ポンプ１８を逆転するも
ので、この場合、ポンプ逆転最大位置において、
エンジン２４が低速回転を維持することは、第３
図の場合と同様であり、第６図に示すように更に
操作レバー１０を時計方向に回動した場合には、
アクセル用カム１９を介してアクセル用リンク２
０を作動させエンジン２４の高速回転を得ること
は、第４図示の場合と同様である。

尚、実施例では、油圧ポンプ１８を操作する室
内用操作レバーが削除してあるが、従来と同様に
装備し得ることは云うまでもない。

以上述べた如く本考案装置によれば、操作レバ
ー１０又は１０′の一次元方向の操作のみで、油
圧ポンプ１８及びエンジン２４の制御を行い得る
ため、操作がきわめて容易となると共に、従来の
ような操作レバーの二次元方向の操作に基く複雑
なリンク機構を極力簡易化することが出来、従つ
て整備も容易であり故障も少く、耐久性の向上に
役立つ等の実用上の利益をもたらし得たものであ
る。

尚、前述の操作レバーは、電動モータ、電磁比
例弁、油圧シリンダ、その他のアクチユエータ等
に代替し得ることは云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンクリートミキサ車の一般的
操作装置の一例を示す要部の斜視図、第２図は本
考案装置の一実施例における要部の連繋を示す略
図、第３図乃至第６図は同要部の作動の態様を順
序的に示す略図である。 １０，１０′……一次元操作レバー、１０ａ，
１０′ａ……軸、１１……ロツドリンク、１２…
…カムリンク、１２ａ……縦杆、１２ｂ……横
杆、１３……ローラ、１４……案内カム部材、１
４ａ……弧状縁、１５……中間リンク、１６……
軸、１６′……軸支部、１７……ロツドリンク、
１８……油圧ポンプ、１８ａ……操作レバー、１
９……アクセル用カム、１９ａ……カム縁、２０
……アクセル用リンク、２１……ローラ、２２…
…軸、２３……ロツドリンク、２４……エンジ
ン、２４ａ……アクセル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦杆先端を一次元操作レバーに連繋し且つ横杆
   両端にローラを夫々に設けたＴ型カムリンクを設
   けると共に前記ローラを案内する固定した案内カ
   ム部材を設ける一方、一端を油圧ポンプに連繋
   し、他端を前記Ｔ型カムリンクに軸装した中間リ
   ンクの中央を回動自在に軸設し、更に前記Ｔ型カ
   ムリンクと一次元操作レバーとを連結するロツド
   リンクにアクセル用カムを設け、該アクセル用カ
   ムの梯形のカム縁に摺接するローラを一端に有す
   るく字型のアクセル用リンクを軸設し、該リンク
   の他端をエンジンのアクセルに連結したことを特
   徴とするコンクリートミキサ車の操作装置。