JPS6226172Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、控部がくびれた形状をしているコ
ンクリートブロツクを成型機にて形成する際に使
用するコンクリートブロツク成型用型に関するも
のである。

〈従来の技術及びその問題点〉 正面と控尻を結ぶ控部が内側に湾曲する曲面を
有するコンクリートブロツクは、施工後にこのブ
ロツクが正面側に飛びだすことを有効に防止する
ことができ、かつ控尻の形状をやや大きく形成す
れば施工時に、いわゆる自立ブロツクにもなり、
きわめて重宝なものである。しかし、この種のブ
ロツクにおいては、控部が内側に湾曲しているた
めに、型によつて成型した後に脱型することがき
わめて困難である。従来は、主としていわゆる流
込み式の型枠によつて形成しており、流込み式の
型枠においては、前記曲面を形成する部材となる
湾曲板を展開するようにして脱型していたのであ
つた。したがつてこの種のブロツクを形成する型
としての流込み式の型枠は、一応完成されている
のであるが、これを機械式の成型枠に応用するこ
とは、多くの要望があるにもかかわらず、実現し
ていなかつた。これは、従来の成型機における型
は、型枠ボツクスと称する外枠の内部に型面を有
する内型が固定されており、この内型を可動にす
ることは、その構造上不可能との観念があつたた
めである。しかしながら、前記外枠と内型との間
には、十分なスペースがあり、このスペースを活
用することにより、内型を可動に操作することが
可能であることがわかり、この考案は成立した。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案にかかるコンクリートブロツク成型用
型は前記の問題点を解決するために、正面と控尻
を結ぶ控部が内側に湾曲する曲面を有するコンク
リートブロツクを成型する型において、四角筒状
に形成し固定した外枠をコンクリートブロツク成
型機に反転自在に取り付け、かつこの外枠の内部
に、前記ブロツクの正面周側及び控尻周側並びに
前記ブロツクの１つの曲面を形成する湾曲板を一
体的に形成した中間枠を配設するとともに、この
中間枠と前記外枠とをシリンダーにより連結し、
かつ前記他の３つの曲面を形成する湾曲板は、そ
れぞれ外枠とリンクにより連結して、シリンダー
によつて中間枠の上下動を行うとともに、リンク
により３つの湾曲板を解除、組立を行うようにし
たものである。

〈実施例〉 次にこの考案にかかるコンクリートブロツク成
型用型の一実施例を図面にもとづいて述べるが、
その前に第６図にもとづいて、成型せんとするブ
ロツクＢについて述べることにする。すなわちブ
ロツクＢは、正面１、控尻２と、これら正面１及
び控尻２を結ぶ控部３とから形成されるものであ
るが、このうち控部３は外周が内側に湾曲した曲
面をなしている。次に型いついて述べると、４
は、通常のコンクリートブロツク成型機に搭載さ
れている型部の外枠であり、この外枠４は金型ボ
ツクスと称されることもある。またこの外枠４
は、ほぼ四角筒状に形成されており、内部は中空
であり、かつこの外枠４の外側には、バイブレー
ターが配設されていること及びこの外枠４が成型
機のフレームに対して回転軸により支承されてお
り半回転式に回転することも従来通りであるか
ら、前記バイブレーター及び回転軸については図
示を省略する。５は、前記ブロツクＢの正面１周
側及び控尻２周側並びに控部３の１つの曲面を形
成する湾曲板６を一体的に形成した中間枠であ
り、７は、この中間枠５と前記外枠４とを連結す
るシリンダーである。このシリンダー７の本体部
７′を外枠４側に連結するのであるが、その際、
このシリンダー７が動揺しないように固定するも
のとする。８，９はそれぞれ前記ブロツクＢの控
部３における他の３つの曲面を形成するための湾
曲板であり、これらの湾曲板８，９はリンク１０
を介して外枠４の内面に連結されている。また、
この湾曲板８，９は前記中間枠５における上下の
枠に上下が密着する形状としている。なお、ブロ
ツクＢは、前記の通りの形状をしているのである
が、他に第８図に示すように、正面１と控部３と
の接線部分に突起１１を設ける場合もある（これ
はブロツクの積み施工時の位置決めになるもので
ある。）ので、そのためには、湾曲板８の該当す
る部分に第７図のように前記突起１１に対応する
形状の凹部１２を形成するものとする。１３はブ
ロツクＢの底板であり、１４はこの底板１３の支
持金具である。

〈作用〉 しかして、外枠４を第１図に示すようにブロツ
クＢの正面１側が上向きになるような状態にして
おく。するとこの外枠４の内部に存在する中間枠
５及びすべての湾曲板６，８，９も同図に図示す
る状態になつている。そして、中間枠５の底部を
前記底板１３によつて閉塞しておいて、上部、す
なわちブロツクＢの正面１側からコンクリートを
投入してやり、満杯になつたところで投入を止
め、図示しないバイブレーター及び加圧板にて加
圧し、この正面１側にパレツト（図示せず）を蓋
して再び加圧させる。これが済んだ後、外枠４を
180゜回転、つまり半転せしめ正面１側が下向き
にさせ、脱型する。この脱型するときは、下方か
ら上昇する受け部材（図示せず）にてブロツクＢ
の下端、すなわち正面１側を支承せしめ、これを
徐々に下降せしめるとともにシリンダー７を作動
させそのピストンを出しつつ中間枠５を下降せし
める。このように中間枠５を降下せしめると、こ
の中に存在するブロツクＢも中間枠５とともに降
下し、またこのようにブロツクＢが降下すること
により、あるいは自重により湾曲板８，９もリン
ク１０により外枠４に対して下方向へ回動しなが
ら外側方向へ開くことになる。このように湾曲板
８，９が外方へ開くとブロツクを支承するものが
なくなるので、その後はブロツクの自重により中
間枠５からブロツクは分離し、そのまま降下せし
めると完全に脱型することになる。

次に外枠４を逆転させ、ブロツクの正面となる
側を上向きにするのであるが、この場合、前記シ
リンダー７のピストンは伸びた状態のままで外枠
４を半転するのである。すると、中間枠５は、持
上げられた状態で上を向き湾曲板８，９は、自重
により降下する。つまり、湾曲板８，９のみがは
じめに降下し、その後シリンダー７を作動させて
ピストンを引き、もつて中間枠５を引き下げ、第
１図の状態に復帰させ、前述したコンクリート投
入を再開することになる。

〈考案の効果〉 前記のように、この考案にかかるコンクリート
ブロツク成型用型によれば、正面と控尻を結ぶ控
部が内側に湾曲する曲面を有するコンクリートブ
ロツクを成型する型において、四角筒状に形成し
固定した外枠をコンクリートブロツク成型機に反
転自在に取り付け、かつこの外枠の内部に、前記
ブロツクの正面周側及び控尻周側並びに前記ブロ
ツクの１つの曲面を形成する湾曲板を一体的に形
成した中間枠を配設するとともに、この中間枠と
前記外枠とをシリンダーにより連結し、かつ前記
他の３つの曲面を形成する湾曲板は、それぞれ外
枠とリンクにより連結して、シリンダーによつて
中間枠の上下動を行うとともに、リンクにより３
つの湾曲板を解除、組立を行うようにしたので、
従来ほぼ不可能視されてきた正面と控尻を結ぶ控
部が内側に湾曲する曲面を有するコンクリートブ
ロツクを、成型機によつて成型することができる
という効果を有するのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案にかかるコンクリートブロツク
成型用型の実施例を示すものであり、第１図は断
面図、第２図は半転せしめた状態の断面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は脱型時の
状態を示す断面図、第５図は脱型後半転した状態
の断面図、第６図はブロツクの斜視図、第７図は
他例を示す断面図、第８図は第７図のものにより
成型されるブロツクの斜視図である。 １……ブロツクの正面、２……ブロツクの控
尻、３……ブロツクの控部、４……外枠、５……
中間枠、６，８，９……湾曲板、７……シリンダ
ー、７′……シリンダーの本体部、１０……リン
ク、１１……突起、１２……凹部、１３……底
板、１４……支持金具、Ｂ……ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正面と控尻を結ぶ控部が内側に湾曲する局面を
   有するコンクリートブロツクを形成する型におい
   て、四角筒状に形成した外枠をコンクリートブロ
   ツク成型機に反転自在に取り付け、かつこの外枠
   の内部に、前記ブロツクの正面周側及び控尻周側
   並びに前記ブロツクの１つの曲面を形成する湾曲
   板を一体的に形成した中間枠を配設するととも
   に、この中間枠と前記外枠とをシリンダーにより
   連結し、かつ前記他の３つの曲面を形成する湾曲
   板は、それぞれ外枠とリンクにより連結したこと
   を特徴とするコンクリートブロツク成型用型。