JPS6225844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として電磁継電器に使用されるコ
イル装置に関するものである。

電磁継電器は、可動鉄片の開閉にともなつて、
機械的振動が生じるので、コイル芯線とコイル引
出しリードとの接続を強固にする必要があり、従
来、第４図に示す手段がとられていた。同図にお
いて、１０はコイルスプール１１に巻装されたコ
イル芯線で、その外周面１２に絶縁テープ１３を
巻装して、その上にコイル引出しリード１５を固
定テープ１６で固定し、上記リード１５の先端に
コイル芯線１０の終端１４をろう付けにより接続
し、その接続部１８を上方へ折り返したのち、さ
らにその上から絶縁テープ１７で固定している。

上記接続作業は手作業でなされるのであるが、
熟練を要するとともに、作業工程数が多いという
欠点があり、また、コイル芯線１０の終端１４と
上記リード１５との接続部１８はコイル芯線１０
の両端に２つあり、これら２つの接続部１８がコ
イル芯線１０の外周に位置することになるので、
両接続部１８，１８間の絶縁性が低く、さらに絶
縁テープ１７による固定であるため振動に対して
も信頼性が低かつた。

この考案は上記欠点を解消するためになされた
もので、作業性がよく、絶縁性が高いとともに、
耐振性に優れたコイル装置を提供することを目的
とする。

以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、１１は合成樹脂製のコイルス
プールで、その両端にはつば部１９，１９が設け
られている。このつば部１９，１９には軸方向２
０に対して垂直に第２図に示すような盲貫通孔２
１と貫通孔２２が隣接して設けられていり、さら
に、この盲貫通孔２１に連通して、上記コイル芯
線１０を導入するためのポケツト２３が設けられ
ている。また、貫通孔２２はつば部１９の一端部
に開口２４を有しており、これによりポケツト２
３から開口２４までが導通する。

１５はコイル引出しリードで、その先端２６は
つば部１９のポケツト２３から導入されたコイル
芯線１０の終端とはんだ付けにより接続されて、
その接続部１８が上記盲貫通孔２１に挿入される
とともに、上記リード１５は盲貫通孔２１と貫通
孔２３との間の隔壁２７の上端部２８で折曲さ
れ、上記貫通孔２２を貫通して開口２４から外部
へ導出されている。

上記コイルスプール１１において、上記リード
１５をコイル芯線１０に接続するには、第２図に
破線で示すように、上記リード１５とコイル芯線
１０とをコイルスプール１０の外部ではんだ付け
し、この接続部１８を盲貫通孔２１へ挿入すれば
よいので、作業に熟練を必要とせず、組立も容易
となり作業性が向上する。

また上記コイルスプール１１では上記盲貫通孔
２１と貫通孔２２との間の隔壁２７の上端部２８
で上記リード１５が係止されるので、矢印２９方
向へ引張り力が加わつても、リード１５が抜け出
ることはなく、また、矢印３０方向の力が加わつ
ても、その力を慣通孔２２内のリード１５が湾曲
して吸収するので問題は生じない。さらに、コイ
ルスプール１１の振動に対しても上記接続部１８
が盲貫通孔２１に深く挿入されているから、接続
部１８の固定が強固になされるので抜け出たり断
線したりすることはない。

さらに、上記コイル芯線１０との接続部１８
が、絶縁性物質からなるコイルスプール１１のつ
ば部１９内に収納されているので、絶縁性が優れ
ている。

なお、上記実施例の変形として、第３図のよう
に貫通孔２２の側面に上記リード１５の外形より
細い溝３２を全長にわたつて設け、この溝３２か
ら上記リード１５を圧入すれば、貫通孔２２の開
口部２４から上記コード１５を貫通する必要がな
くなるから、作業性をさらに向上させることがで
きる。

以上、説明したように、この考案によれば、引
出しリードとの接続作業性がよく、絶縁性が高い
とともに、耐振性に優れたコイル装置を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第
２図は第１図の２−２線に沿つた断面図、第３図
はこの考案の他の実施例の要部を示す斜視図、第
４図は従来のコイル装置を示す断面図である。 １０……コイル芯線、１１……コイルスプー
ル、１５……コイル引出しリード、１８……接続
部、１９……つば部、２１……盲貫通孔、２２…
…貫通孔、３２……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コイルスプールのつば部に、軸方向に対して
   垂直に盲貫通孔および貫通孔を隣接して設ける
   とともに、コイルの引出しリードの先端をコイ
   ル芯線と接続して、この接続部を上記盲貫通孔
   に挿入し、上記リードを上記貫通孔に貫通して
   外部へ導出したことを特徴とするコイル装置。 (2) 上記貫通孔の側面を上記リードの外径より細
   い溝にて切欠いた実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のコイル装置。