JPS6225729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば塔時計に適用して好適な時計
の構造に関する。

塔時計では時針及び分針を駆動する機体は塔の
内部に取付けられるため、特に足場等の仮設を必
要としない。然し乍ら時針及び分針、更には秒針
等を各駆動軸に取付ける作業は塔の外側で行なわ
なくてはならないため、指針の取付けのために塔
の外側に足場を仮設したり、或いはクレーを用意
しなければならない。また機体を交換するだけの
場合にも塔の外側に足場を必要とし不経済であ
る。

また駅舎或はホーム等に取付けられる表ガラス
付時計では機体を交換するには先ずガラスと文字
板の間を開けて指針を外し、その後に文字板をケ
ース内から回動させて引出し、その状態で機体を
取外し新たな機体を取付けて文字板をケース内に
収納し、再び指針を軸に取付け、ガラスを閉じる
ようにしている。従つて機体の交換作業が面倒で
ある欠点がある。

この考案の目的は機体から突出された時針軸、
分針軸に指針を取付けた状態のまま機体を取付け
及び取外すことができる時計の構造を提供するに
ある。

従つてこの考案によれば塔時計でも表ガラス付
時計でも機体に指針が取付けられている状態のま
ま文字板の裏側から機体を取付けることができ、
また取外すことができる。よつて塔時計では足場
を使うことなく機体の交換を行なうことができ
る。

以下にこの考案の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。

第１図にこの考案の一実施例を示す。この例で
は表ガラス付時計の場合を示す。図中１は時計の
ケース、２は文字板、３は表ガラス、４は機体、
５はこの機体４から突出した指針駆動軸、６はこ
の駆動軸５に取付けられた時針、７は分針であ
る。尚塔時計の場合は表ガラス３が無い場合があ
る。

この考案においてはこれら時針６及び分針７を
可撓性材によつて構成したものである。可撓性材
としては例えば金属のバネ材或は可撓性を持つ樹
脂材を用いることができる。

このように指針６及び７を可撓性材によつて構
成したことにより第２図に示すように指針６及び
７を軸５に取付けた状態のまま機体４を文字板２
の裏側から取付けることができる。このため文字
板２に形成する軸５の貫通孔の直径を大きく形成
し、指針６及び７を容易に文字板２の裏側から表
側に挿入できるようにするとよい。従つてこの例
では文字板２の中心に比較的大きい孔を形成し、
この孔を文字板２と同一面となるように取付けら
れる補助板８によつて蓋をし、この補助板８に機
体４を取付けた場合を示す。

このように構成すれば、補助板８を文字板２の
裏側から取外すことにより文字板２の裏側におい
て機体４と指針６及び７を取外すことができる。
よつて塔時計にあつては表側から指針６，７を取
付ける作業をしなくて済み、足場を仮設しなくて
よいため機体４の取付作業、更には交換作業を安
価に済ませることができる。更に表ガラス付時計
にあつては表ガラス３を文字板２に対して開閉し
なくとも機体４の取付け及び交換を行なうことが
できる。従つて表ガラス３と文字板２の間を従来
のように開閉自在とする構造にしなくともよく、
文字板２と表ガラス３は一体構造としてケース１
に対して開閉できる構造とすればよいためケース
全体の構造を簡単にすることができる。

一方、この実施例においては更に補助板８の周
縁と文字板２の孔の内周との間に間隔９を形成
し、この間隔９の形成により文字板２の裏側から
指針６及び７の位置を見ることができるように
し、更に文字板２の裏側に時刻目盛を付しておく
ことにより、文字板２の裏側に居ながら時刻修正
を行なうことができ便利である。

以上説明したようにこの考案によれば、機体４
に指針６及び７が取付けられている状態のまま文
字板２の裏側から機体４を取付けること及び取外
すことができる。よつて塔時計に適用すれば、塔
の外側に足場等を仮設しなくとも機体４の取付け
及び交換作業を行なうことができ、機体４の取付
け及び交換を安価に行なうことができる。また表
ガラス付時計では表ガラスを文字板に対して開閉
しなくとも機体４を交換でき、その交換作業を容
易に行なうことができる。然も表ガラスと文字板
の間を開閉自在とする構造にしなくてよいためケ
ースの構造を簡素化できる利点があり、その効果
は実用に供して頗る大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図はこの考案による効果を説明するための断面
図である。 １：ケース、２：文字板、３：表ガラス、４：
機体、５：軸、６：時針、７：分針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 文字板の裏側に機体が取付けられ、 その機体から文字板と表ガラスとの間に時針軸
   及び分針軸が突出され、 これらの時針軸及び分針軸に可撓性材によつて
   形成した指針を取付け、 上記文字板中心部に上記時針軸の長さより小さ
   い孔があけられて、その孔を通じて、上記時針軸
   及び分針軸を上記表ガラスに押付け湾曲させて出
   し入れが可能とされ、 上記孔は上記文字板とほぼ同一面となる補助板
   で蓋され、 その補助板の周縁と上記孔の内周面との間に間
   隔が形成されている時計。