JPS6225464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物等の天井に配置したモノレールを
利用して或る場所から目的の場所へ物品を移送す
るトランスリフト・モノレール搬送方式における
同期荷卸しを可能としたリフト装置に係るもので
ある。

従来、前記種類のトランスリフト・モノレール
搬送方式においては、天井に配置されるべき断面
が眼鏡状の固定レールに、自己牽引力を有する駆
動車とそれに連結された被駆動車とを装備してい
る電動台車を懸吊装架し、該電動台車に物品を吊
下げて搬送しているが、この場合、多層階または
組立流れ作業における物品の荷卸しには自走ホイ
スト式のリフト装置が使用されている。しかしな
がら、このようなリフト装置では自走ホイストが
自動運転不能のために手動操作にて運動している
ことから地上コンベアへの荷卸し能率が極めて悪
く、従つて円滑なる物品の移送または組立流れ作
業の能率向上或いは省力化に改善の余地が残され
ているのが現状である。

これに対して、本考案は前記課題を解決し得る
トランスリフト・モノレール搬送方式における同
期荷卸しを可能としたリフト装置を提供しようと
するものであつて、その要旨とするところは、ト
ランスリフト・モノレール搬送方式の固定レール
に形成されているリフト部の何れか一方側に固定
フレームが取付けてあるポストを対向的に設け、
これら両ポスト間に昇降フレームを昇降可能に設
置し、可逆横行モータの駆動により地上コンベア
の送り速度に対して略々同期走行する横行フレー
ムを前記昇降フレームに往復動可能に装着し、前
記横行フレームの端部側に４本の懸吊ロツドを介
して垂設されている揺動フレームの上面に設けて
ある１対の芯出しピンを前記固定フレームに嵌脱
自在になすと共に、物品ハンガー部材を有する電
動台車が走行し且つ前記固定レール間に嵌り込む
可動レールを前記揺動フレームの下面に取付けた
点に存するものであり、かくして、本考案によれ
ば、電動台車に吊下したハンガー物品を中間待機
まで降下（乃至上昇）せしめた後、地上コンベア
上の物品移送速度に略々同期して移送することに
よつて両物品の取付乃至組立センタリングを迅速
且つ確実にして荷卸し乃至組立流れ作業の能率向
上と省力化を図ることができる利点を有するもの
である。

次に、第１図乃至第６図に示されている一実施
例により本考案を更に詳細に説明する。

先ず、第１図、第２図及び第３図において、１
は固定フレーム、２は昇降フレーム、３は横行フ
レーム、４は揺動フレームをそれぞれ示すもので
あつて、固定フレーム１は断面眼鏡状の固定レー
ル５の一方側に対向的に設置してある１対のポス
ト６に直角に且つ前記固定レールの上方へ突出す
るように張設してあり、昇降フレーム２は、その
両側基部７，７が上下１対のガイドローラー８，
８を介してポスト６，６に昇降可能に装着されて
おり、横行フレーム３は前記昇降フレームに横行
可能に装着され、揺動フレーム４は前記横行フレ
ームの自由端部に例えば４本の懸吊ロツド９にて
垂設してある。揺動フレーム４の長手方向中央部
には固定レール５と同一形状構造の可動レール１
０が取付けてあつて、その長さは前記固定レール
の所定場所に形成されるべきリフト部１１の間隔
に等しく且つ両レールが同一レベルになつた時に
電動台車１２が前記リフト部に搬出入するように
なつており、該電動台車は主としてＣ型フレーム
１３とトラバーサ１４と駆動モータ１５にて駆動
される駆動車１６及び被駆動車１７とから構成さ
れており、前記トラバーサには対向配置の１対の
物品ハンガー部材１８が開閉可能に設けてある。

更に、ポスト６，６に載置されている駆動スプ
ロケツトホイール１９及び被駆動スプロケツトホ
イール２０は、第５図に示すように伝動シヤフト
２１及びチエーン２２，２３を介して固定フレー
ム１上に対向的に併設してある１対の案内スプロ
ケツトホイール２４，２５と駆動連結されてお
り、前記チエーンの自由端部はバランスウエイト
２６，２７及び昇降フレーム２に設けてある緩衝
スプリング２８，２９に接続してあり、前記伝動
シヤフトはブレーカ付昇降モータ３０にレギユレ
ータ３１及びカツプリング３２を介して駆動連結
され、これによつて前記昇降フレームはつるべ式
に昇降し、固定フレーム１の自由端側裏面に該フ
レームと直交するように設けてある補助固定フレ
ーム３３には、第４図及び第６図に示すように揺
動フレーム４の上面に植設してある１対の芯出し
ピン３４が挿し込まれるようになつており、前記
揺動フレームの上面両側は固定フレーム１の側面
に設けてある対向配置の１対のストツパ３５に当
接するようになつている。

また、昇降フレーム２に横行可能に装着されて
いる横行フレーム３は対向配置の上下１対のロー
ラ群３６，３７によつて前記昇降フレームに接続
連結されるものであつて、この場合、これらのロ
ーラ群は前記昇降フレームの上下面及び両側面を
走行する主ローラ３８，３９及び補助ローラ４
０，４１から構成されており、前記横行フレーム
の上面は固定フレーム１に設けてあるストツパ４
２に当接し、その横行駆動は昇降フレーム２の一
方側に載置してある可逆横行モータ４３とこの反
対側に設けてある被駆動スプロケツトホイール４
４とモータ直結の駆動スプロケツトホイール４５
と無端的チエーン４６とから形成され、該無端チ
エーンの両端は調整ボルト４７，４８及びブラケ
ツト４９，５０を介して前記横行フレームの側面
に取付けられている。

なお、揺動フレーム４には、第４図及び第５図
に示すように物品ハンガー部材１８，１８を開閉
するためのリンク機構５１及びこれに作動連結さ
れるべき流体圧シリンダ５２が設けてあり、該揺
動フレームはトラバーサ１４に取付けてあるクラ
ンプ部材５３にてクランプされると共に前記ハン
ガー部材はガイド部材５４にて案内され、連続運
転している地上コンベア５５の送り速度（１〜３
ｍ／min）に同期して回転するように設定されて
いる可逆横行モータ４３の駆動回転によつて横行
フレーム３は昇降フレーム２上を前記コンベアの
送り速度に略々同期して走行するように構成され
ているために、前記横行フレームに一体的に取付
けてある揺動フレーム４に開閉自在に枢着してあ
るハンガー部材１８，１８に吊下した物品５６は
前記地上コンベア上の物品（図示せず）の送り速
度に略々同期して移送せしめられる。

また、第１図及び第２図において、５７は安全
網、Ａ位置は物品乃至ワーク５６がハンガー部材
１８，１８にて吊下げられた時の下端、Ａ−Ｂは
中間待機区間をそれぞれ示し、Ｂ位置は中間待機
の完了後における前記物品乃至ワークの下端で、
ここから横行フレーム３の同期走行が開始され、
Ｃ位置は前記物品乃至ワークの最下端、Ｄ−Ｅは
同期走行区間をそれぞれ示すものである。

かくして、前記構成を有する本考案に係るリフ
ト装置をトラツクの組立流れ作業を１例として説
明すると、第１図及び第２図に示すように、地上
コンベア５５上には予めキヤブを取付けたフレー
ム（図示せず）が連続運転を条件として１〜３
ｍ／minの速度で矢印Ｆ方向へ送られているもの
とし、該フレームにデツキ（物品乃至ワーク５
６）を組立てる場合には、先ず、デツキ５６を吊
下げた電動台車１２が固定走行レール５上を矢印
Ｇ方向から進入してリフト部１１の横行フレーム
３に懸吊ロツド９にて垂設されている揺動フレー
ム４に取付けてある可動レール１０上へ移乗すれ
ば、既に芯出しピン３４，３４の固定フレーム１
への挿入によつて芯出しが完了している揺動フレ
ーム４（従つて可動フレーム１０）は固定せしめ
られているために、該可動レール上の電動台車１
２に吊下げられているデツキ５６はクランプ部材
５３の前記揺動フレームへのクランプ作用によつ
て芯出し完了の固定状態にあり、次いで、ブレー
カ付昇降モータ３０を駆動せしめて昇降フレーム
２を降下させれば、これと横行フレーム３を介し
て一体形成の揺動フレーム４に取付けてある芯出
しピン３４，３４が固定フレーム１から脱ずれる
ために、前記揺動フレームはフリーザポートとな
つて、荷卸しが開始されることになり、デツキ５
６の下端はフリーザポートの状態で中間待機区間
Ａ−Ｂを所要速度で降下してＢ位置に達する。こ
れと同時に可逆横行モータ４３を駆動せしめれ
ば、横行フレーム３は昇降フレーム２の降下に伴
ないつつ該昇降フレーム上を走行するからデツキ
５６は、降下及び横行運動の合成として同期走行
区間Ｄ−Ｅを矢印Ｈ方向へ斜行して最終的にはデ
ツキ下端がフリーザポートになつていることから
手動によるセンタリングを容易且つ確実にできる
状態でＣ位置に達し、第２図に示すように、可動
レール１０、電動台車１２及びデツキ５６はそれ
ぞれ２点鎖線位置となり、この時点で第４図に示
すように流体圧シリンダ５２を作動させてリンク
機構５１を反時計方向へ回動せしめることによつ
てハンガー部材１８，１８を開放し、昇降モータ
３０及び横行モータ４３の逆回転駆動により昇降
フレーム２と横行フレーム３及び揺動フレーム４
は荷卸し作業と逆の経過を辿つて第２図に示す実
線位置の状態となり、次の電動台車１２のリフト
部１１への進入即ち次の荷卸し作業に備えるもの
である。

以上述べたところから、本考案によれば、トラ
ンスリフト・モノレール搬送方式のリフト部に地
上コンベアの流れ速度に略々同期する物品横行手
段と規定位置への荷卸しを修正するための物品揺
動手段と可動レールに吊下げられる物品の芯出し
固定手段とを具備せしめたために、地上コンベア
との自動同期運転が可能となることから該コンベ
アの連続運転を停止することなく荷卸し能率の向
上を図ることができ、また物品乃至ワークを吊下
げている揺動フレームは荷卸し時に芯出しピンが
固定フレームから脱ずれることによつて開放され
るので、前記揺動フレームまたは物品乃至ワーク
がフリーザポートになり、従つて芯出しが手動に
て容易且つ確実に行なうことができることから前
記物品乃至ワークの地上コンベアに対する同期的
送りと相俟つて組立流れ作業の能率向上と省力化
に大いに貢献し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る同期荷卸しを可能とした
リフト装置をトランスリフト・モノレール搬送方
式に組込んだ場合の側面図、第２図は第１図の正
面図、第３図は第２図の平面図、第４図は本案装
置の要部詳細を示す側面図、第５図は第４図を正
面から見た場合の平面図、第６図は第４図の正面
図である。なお、図示された主要部と符号との対
応関係は下記の通りである。 １……固定フレーム、２……昇降フレーム、３
……横行フレーム、４……揺動フレーム、５……
固定レール、６……ポスト、１０……可動レー
ル、１１……リフト部、１２……電動台車、１４
……トラバーサ、１８……物品ハンガー部材、３
０……昇降モータ、３４……芯出しピン、４３…
…横行モータ、５１……リンク機構、５２……流
体圧シリンダ、５３……クランプ部材、５４……
ガイド部材、５５……地上コンベア、５６……物
品乃至ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスリフト・モノレール搬送方式の固定レ
   ールに形成されているリフト部の何れか一方側に
   固定フレームが取付けてあるポストを対向的に設
   け、これら両ポスト間に昇降フレームを昇降可能
   に設置し、可逆横行モータの駆動により地上コン
   ベアの送り速度に対して略々同期走行する横行フ
   レームを前記昇降フレームに往復動可能に装着
   し、前記横行フレームの端部側に４本の懸吊ロツ
   ドを介して垂設されている揺動フレームの上面に
   設けてある１対の芯出しピンを前記固定フレーム
   に嵌脱自在になすと共に、物品ハンガー部材を有
   する電動台車が走行し且つ前記固定レール間に嵌
   り込む可動レールを前記揺動フレームの下面に取
   付けたことを特徴とするトランスリフト・モノレ
   ール搬送方式における同期荷卸しを可能としたリ
   フト装置。