JPS6225455B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、金属製ねじ半成品の先端を圧造ね
じ先付け加工をする機械に関し、より詳細にはね
じ半成品に先付け加工をするときに機械内でねじ
半成品を保持する機構に関する。

従来はタツプ付ねじを製造する場合、ねじ半成
品の先端すなわち案内端部にタツプすなわち切込
刃を切削加工するのが通例であつた。ねじ製造技
術が進歩して、ネジ切りに先立つて、ねじ半成品
に切込刃を圧造すなわち押抜きする型ダイスの使
用が紹介された。この種の機械は、米国特許第
3395603号および第3398413号に具体化されてい
る。そこに記載されている機械は、周縁にノツチ
を有する回転ダイヤルに毎分300−700個のねじ半
成品が供給されて加工処理される。ダイヤルはノ
ツチの中に垂直に支持された半成品と共に回転
し、連続的に半成品を１対の型ダイスの間に運
ぶ。押付け用フートが圧造加工中ダイヤル周縁の
ノツチの中で半成品を半径方向内側へ移動させ保
持するように働く。可動ダイスが半成品の案内端
部そして固定ダイスに接近すると、半成品の軸部
および案内端部は必らず、ダイヤルの周縁で形成
される曲面の外側へ、半成品の直径の約半分だけ
ピボツト回転する。もし、半成品が大体1.9cm
（約3/4インチ）またはそれ以上の場合には、この
半成品の半径方向外側への移動でダイスの表面の
所で半成品の軸部が曲げられる。

この発明の目的は、ねじ軸部の曲げを起すこと
なく、同時にねじ半成品の圧造ができるねじ先付
け機を提供することにある。

この発明は、ねじ半成品にねじ先を付けるねじ
先付け機である。この機械は回転可能なダイヤル
を含み、その周縁には全体に軸方向に揃えられた
複数のノツチが配置され、ダイヤルは回転して、
ノツチの中に吊り下げたねじ半成品を連続的にそ
ろえて固定ダイスと可動ダイスの間に運ぶ。ノツ
チはダイヤルの中心線に対して内側に約３゜〜８
゜の範囲で角度が付けられている。すなわち、ノ
ツチはダイヤルの上面から底面へ内側に傾斜して
いる。このようにダイヤルのノツチに角度を付け
たことにより、固定ダイスはダイヤル中心の方へ
若干近づけて配置できるので、ダイス間における
ねじ半成品の圧造およびそれに基く半径方向外側
へのねじ軸部の移動によつて半成品が曲げられる
ことはなく、半成品は真直ぐであり、そのままあ
とのネジ切り加工やドリル加工をすることができ
る。

この発明の目的および利点は、以下の図面を参
照することにより、より明確に理解できよう。

以下、図面について詳細に説明する。まず、第
１ａ図は細長のシヤンクすなわち軸部１２と、頭
部１４をもつねじ半成品１０を示す。さらに、各
ねじ半成品１０には頭１４の反対側に案内端部１
６が付いている。頭１４には、ねじを挿入または
抜くために、工具と組合わせてねじを回わすため
の通常の手段が設けられる。

ねじ半成品１０は、第２図にその一部を示した
ねじ先付け機３０で加工される。ねじ先付け機３
０は、全体として水平に配置されたダイヤルすな
わち円板３２を有し、ダイヤル３２はその上面を
通つて延びている軸３４上に回転できるように取
付けられている。軸３４はねじ先付け機３０のフ
レーム部３６に取付けられている。ダイヤル３２
はねじ先付け機３０に装置された割り出し機構
（図示せず）で駆動される。さらに、ねじ先付け
機３０は、供給シート３８と、ダイヤル３２の近
くにそれぞれ水平に配置された上部および下部Ｃ
形リテイナ・リング４０，４１を持つている。

回転可能なダイヤル３２は、全体に軸方向に揃
つた複数のノツチ４４がその周縁部に設けられて
いる。押付け力を与えられたフート４６が、リテ
イナ・リング４０に配置されている。すなわち、
フート４６は下部リテイナ・リング４０に固定さ
れたピン４９上で施回できるアーム４８の末端部
に取付けられ、ばね４７等によりねじ半成品１０
を押し付けるようになつている。

ねじ先付け機３０の作動について説明すると、
大量のねじ半成品１０が供給シユート３８に案内
されて、ノツチが供給シユート３８の下端を通過
するときに、ひとつのノツチ４４に１個づつ入
る。ダイヤル３２は、この実施例では、反時計回
りに断続的に回転する。上部リテイナ・リング４
１は、ダイヤル３２の周縁からほどよい間隔を置
いてわん曲した面４２を持ち、ダイヤル３２の回
転によりねじ半成品１０が円軌道を回転するとき
に、ノツチ４４から脱落するのを防いでいる。ダ
イヤル３２の断続回転により、そこに支持された
各ねじ半成品１０は、第３図および第４図にそれ
ぞれ示すように、離れた位置から駆動される１対
の型ダイス５０の間へ運ばれる。１対の型ダイス
５０は、固定ダイス５２と、往復動するダイス５
４とから成る。固定ダイス５２はフレームの一部
３６に取付けられている。ダイス５２と５４はそ
れぞれ、シヤンクをはさみ、これにねじ先を形成
する加工面５６を持つている。可動ダイス５４は
加圧部材５８の作動により往復動し、連続するね
じ半成品１０が１個づつダイスの間に一時停止す
るときに、それぞれ案内端部１６を１対の型ダイ
ス５０でもつて締付けるようになつている。

ダイヤル３２の周縁にある各ノツチ４４は、符
号Ｓで示した軸線をもつシヤンク１２の案内端部
１６が押付力を与えられたフート４６に保持され
たとき、符号Ｖで示した垂直線から約３゜〜８゜
の角度で内側を向かせることができるように配置
され、ダイヤル３２の回転軸とは平行でなくわず
かだけ傾いている。固定ダイス５２はダイヤル３
２の下側に配置されているので、ねじ半成品１０
の案内端部１６と丁度接触して、ねじ半成品１０
の軸線Ｓはダイヤル３２の回転軸と平行な線に対
して約３゜〜８゜の角度で傾く、すなわち、ダイ
ス５２と５４の移動径路の法線に対してシヤンク
１２の軸が約３゜〜８゜傾くように、ダイヤル３
２の回転軸の方にノツチ４４とねじ半成品１０の
両方はわずかに傾いている。可動ダイス５４は、
ダイヤル３２の中心から半径方向外側へ向う動き
に相当する移動径路すなわち移動軸Ｄに沿つて動
き、型ダイス５０の間で半成品１０の案内端部１
６を圧造する。型ダイス５０は、シヤンク１２の
端部を変形させながら固定ダイス５２の型面に向
つて外側へ押すので端部はノツチ４４から離れ
る。これは、要するにダイヤル３２の上面に支え
られた頭部まわりのねじ半成品１０のピボツト回
転である。これは半成品１０の軸線Ｓと垂直線Ｖ
とが同軸上にくることを意味する。ねじ半成品１
０のピボツト回転による移動は、シヤンク１２の
直径の約半分である。

第５ａ図および第５ｂ図は、周縁にノツチ８２
を有し、そのノツチがダイヤル８０の回転軸Ｒに
平行に配置されている従来のダイヤル８０におけ
る前述のピボツト回転を示す。ねじ半成品１０
は、ノツチ８２の中に支持されており、たとえフ
ート８６の圧力でノツチ側面に押し付けられると
しても、１対のダイス８４間で圧造されると、外
側へピボツト回転をする。そしてねじ半成品１０
はその直径の約半分だけ変形して、第５ｂ図のよ
うにシヤンク１２は曲げられる。その理由は従来
の場合、回転ダイヤル８０のノツチに前もつて角
度の余裕が付けられてないこと、またはシヤンク
１２の変形によつて起されるピボツト回転を補償
するようなねじ半成品１０を支持する懸吊手段が
他に設けられていないためである。

この発明により、しかるべくねじ先付け加工さ
れたねじ半成品１０には、他方１対の耳６０，６
２およびヘツド６４が、加工後もねじ半成品に一
体として残つている。ねじ先付け加工された半成
品１０は、そのあと、ダイヤル３２のノツチ４４
の中に支えられて、一緒に回転し、リテイナ・リ
ング４０の最後端を通過すると第２図に示すよう
に収集容器に落される。空になつたノツチ４４
は、ダイヤル３２の断続回転により供給シユート
３８に接する位置まで回転して、新しいねじ半成
品１０を受け取る。

このねじ先付け機３０でねじ先付け加工された
ねじ半成品１０は取り出されて、通常の方法でネ
ジが切られて第１ｃ図のようなネジ付フアスナ７
０が完成する。耳６０，６２、およびヘツド６４
は、ネジ切り機によるネジ切り加工の際に除去さ
れる。この耳６０，６２、およびヘツド６４はネ
ジ切り加工前に切込刃が摩耗してしまうのを防止
する。

以上説明したように、この発明はねじ先付け加
工の際にシヤンクに曲げが生じるのを防ぐ独特な
圧造式ねじ先付加工方法を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図はねじ先付け加工前のねじ半成品の側
面図、第１ｂ図はこの機械によりねじ先付けされ
たねじ半成品の側面図、第１ｃ図は完成したねじ
の側面図、第２図はこの発明の原理に基いて構成
された機械の一部の平面図、第３図は第２図の線
−に沿つた断面図、第４図はねじ先付け加工
のその後の段階における第３図と同様な断面図、
第５ａ図と第５ｂ図はそれぞれ第３図と第４図に
相当する従来のねじ先付け加工を示す断面図であ
る。 １０……ねじ半成品、１２……シヤンク、１４
……ねじ頭、１６……案内端部、３０……この発
明にかかるねじ先付け機、３２……ダイヤル、３
４……軸、３６……フレーム部分、３８……供給
シユート、４０……下部リテイナリング、４１…
…上部リテイナリング、４４……ノツチ、４６…
…フート、４７……ばね、４８……アーム、５０
……型ダイス、５２……固定ダイス、５４……可
動ダイス、５８……駆動部材、Ｒ……回転軸、Ｓ
……シヤンク軸線、Ｖ……垂直線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) 間にはさんでねじ半成品のねじ先圧造加
   工をするため、少なくとも一方のダイスが他方
   のダイスに向かつて動くことができる一対の型
   ダイスと、 (b) 一方のダイスを、他方のダイスに向かう経路
   に沿つて駆動する手段と、 (c) 前記一対の型ダイス間の位置にねじ半成品を
   支持する手段と、 で構成され、前記支持手段において、ねじ半成品
   の軸線と前記可動ダイスの移動方向との成す角度
   が90度より小くなるようにねじ半成品が一対の型
   ダイス間に配置されたことを特徴するねじ半成品
   の圧造式ねじ先付け機。 ２ ねじ半成品を支持する前記支持手段が、周縁
   に複数のノツチを有する軸まわりに回転可能なダ
   イヤルであることを特徴とする前記第１項記載の
   圧造式ねじ先付け機。 ３ 前記ノツチが、ダイヤルの回転軸の方に僅か
   に傾斜していることを特徴とする前記第１項記載
   の圧造式ねじ先付け機。 ４ 前記ダイヤルの周縁にあるノツチの角度が、
   ダイヤルの回転軸に平行な線から内側へ約３〜８
   度の範囲であることを特徴とする前記第３項記載
   の圧造式ねじ先付け機。 ５ ねじ半成品を圧造してねじ先付け加工をする
   ため、一方のダイスが他方のダイスへ向かう軸線
   に沿つて動くことができる型ダイスを設置して該
   型ダイス間においてねじ半成品の端部を圧造加工
   する方法において、ねじ半成品の軸線が前記可動
   型ダイスの移動方向に対して90度よりも小さい角
   度を成すようにねじ半成品を支持することを特徴
   とする圧造式ねじの先付け加工方法。 ６ 前記ねじ半成品の支持角度は、ねじ半成品が
   ねじ先付け加工の際に曲げが生じないように、前
   記型ダイスの移動軸線の法線から少なくともねじ
   半成品の直径の半分だけ傾斜した角度であること
   を特徴とする前記第５項記載の圧造式ねじ先付け
   加工方法。