JPS62252380A - 多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法 - Google Patents

多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法

Info

Publication number
JPS62252380A
JPS62252380A JP9242286A JP9242286A JPS62252380A JP S62252380 A JPS62252380 A JP S62252380A JP 9242286 A JP9242286 A JP 9242286A JP 9242286 A JP9242286 A JP 9242286A JP S62252380 A JPS62252380 A JP S62252380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
sectional area
pores
base
sintered body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9242286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07100633B2 (ja
Inventor
輝代隆 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP9242286A priority Critical patent/JPH07100633B2/ja
Publication of JPS62252380A publication Critical patent/JPS62252380A/ja
Publication of JPH07100633B2 publication Critical patent/JPH07100633B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法に関
し、特に本発明は所定の平均断面積の気孔を有する基部
の外側面の少な(とも一部に、前期基部の有する気孔の
平均断面積よりも小さい平均断面積の気孔を有する外層
部が結合されてなる多孔質炭化珪素焼結体およびその製
造方法に関する。
従来、炭化珪素は高い硬度、優れた耐摩耗性、優れた耐
酸化性、優れた耐食性、良好な熱伝導率、低い熱膨張率
、高い耐熱耐衝撃性並びに高温での高い強度の化学的お
よび物理的に優れた特性を有し、メカニカルシールや軸
受は等の耐摩耗材料、高温炉用の耐火材、熱交換器、燃
焼管等の耐熱構造材料、酸およびアルカリ等の強い腐食
性を有する溶液のポンプ部品等の耐腐食材料として広く
使用することができる材料である。
従って、これらの優れた性質を有する炭化珪素焼結体で
あって開放気孔すなわち外部に対して通気性を有する気
孔(以下単に気孔と称す)を有する多孔質炭化珪素焼結
体は、前記炭化珪素の特徴を生かして、高温雰囲気、酸
化性雰囲気および/または腐食性雰囲気で使用される濾
過フィルター、酸化発熱反応あるいは高温下における化
学反応用の触媒あるいは触媒担体として利用可能な材料
であり、例えばメッキ液中に混入しているスラッジある
いは硫酸、塩酸等の腐食性液体中に混入している異物粒
子の除去のために使用されるフィルターとして使用し得
ることが考えられる。
上述のようなフィルターの用途に対しては、単に耐熱性
、耐食性が必要であるばかりでなく、流体の通過時の抵
抗が小さく、しかも高効率で異物粒子を取り除くことが
でき耐用期間が長い等の特性が必要とされる。一方、触
媒、触媒担体あるいは熱交換器等の用途に対しては化学
反応、熱移動あるいは物質移動の生成を有効に行わせる
ための表面積が多いこと、しかもその表面が長期間の使
用に対して安定であり、かつ目詰まりが生じ難いことが
必要とされる。
(従来の技術) 従来、多孔質炭化珪素焼結体の製造方法として(1)粗
粒の炭化珪素粒子と微細な炭化珪素粒子を混合し成形し
た後、炭化珪素の再結晶温度以上の高温域で焼成して製
造する方法、(2)特開昭48−39515号公報で開
示されている「炭化珪素粉に炭素粉を加え又は加えずに
炭素質バインダーを加えると共にこの炭素粉および焼成
時に生成されるバインダーからの遊離炭素と反応する理
論量の珪素質粉を添加して成形し、しかる後この成形体
の炭素粉中で1900〜2400℃に加熱して成形体中
の炭素粉を珪素化することを特徴とする均質多孔性再結
晶炭化珪素体の製造方法。」あるいは、(3)特開昭5
8−122016号公報で開示されている「高分子発泡
体材料に炭化珪素素地泥漿を含浸し、該高分子発泡体材
料を熱処理により消失せしめて炭化珪素素地スケルトン
構造体を形成し、該構造体を1900〜2800℃の温
度においてアルゴン中にて一次焼成し次いで1600〜
2100℃の温度にて1〜200気圧の窒素ガス中にて
二次焼成し、その後その両端に耐熱性電極を形成し通電
可能として成る通電発熱可能な炭化珪素フィルタの製造
法、」等が知られている。
しかしながら、上述の(1)および(2)の方法で製造
される多孔質炭化珪素焼結体の構造を図示すれば第4図
に示すように炭化珪素質骨材Aと骨材を被覆して骨材同
志を結合する炭化珪素質結合材あるいは炭素質結合材B
および間隙Cとから構成される。前記間隙Cすなわち気
孔は殆ど成形時の骨材の配置によって決定され、焼結体
中に占める気孔率は30〜40%程度であり比較的小さ
い。このため、これらの焼結体を流体が通過する際の抵
抗は著しく高いものとなる。一方、焼結体中の気孔率を
大きくしようとすると、骨材粒子相互の接触点が少なく
なるため焼結体の強度が著しく低下し流体との接触面積
は著しく小さくなる傾向がある。
これらの方法によれば、比較的大きい気孔径断面積を有
する焼結体とするためには大きな骨材を必要とし、この
ため粒子の接触点が少なくなり粒子相互の結合強度が低
下するため、焼結体の強度は著しく低いものとなる。一
方、比較的小さい断面積を持つ気孔を有する焼結体とす
るためには骨材の粒度配合を粗粒と中程度の粒子および
/または微粒子とを適度に混合し成形することが必要で
あり、成形体の気孔率は著しく小さくなり、極端な場合
一部の気孔が閉塞してしまう傾向がある。
このため、この−ような焼結体を流体が通過する際の抵
抗は著しく高いものとなる。また、上述の(3)の方法
で製造される焼結体の構造は、いわゆるスケルトン構造
体と呼ばれる大小のセル状骨格で構成されているため、
その気孔断面積は比較的大きく、特に微細な気孔断面積
を有する焼結体を製造することは困難であった。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、前述の如き方法で得られる焼結体はいずれも
比較的均一な気孔断面積を有するものであり、特に微細
な粒子径を有する粒子を懸濁している懸濁液あるいは浮
遊している気体から粒子を濾過分離するフィルターとし
て適用しようとする場合、前記粒子の粒子径に見合う気
孔断面積を有するものを使用することが要求されるが、
このような微細な気孔断面積を有する焼結体を使用する
と濾過抵抗が極めて大きいため、濾過速度が遅い欠点が
あり、これを改善する方法としてはフィルターとして使
用する焼結体の厚さをなるべく薄(して濾過抵抗を低く
することが考えられるが、この方法によれば焼結体の強
度が低くなるため実用的でない欠点を有していた。
(問題点を解決するための手段) ところで、本発明者は先に、外部に対し通気性を有する
多孔質炭化珪素焼結体であって種々の用途に応じて任意
の気孔径と気孔率を有し、流体の分離、吸着、吸収等の
物質移動、熱移動あるいは化学反応等を有効に働かすこ
とのできる多孔質炭化珪素焼結体を製造することのでき
る方法を新規に知見するに至り、特開昭59−2126
45号により「主として炭化ケイ素よりなる焼結体であ
って、平均アスペクト比が3〜50であり、かつ長軸方
向の平均長さが0.5〜1000μmの炭化ケイ素質板
状結晶から主として構成されてなる三次元網目構造を有
し、前記網目構造の開放気孔の平均断面積が0.01〜
250000μm2 である多孔質炭化ケイ素焼結体。
」とその製造方法に係る発明を提案している。
そこで、本発明者は、上述の問題点を解決することを目
的とし、前記多孔質炭化ケイ焼結体とその製造方法につ
いてさらに研究を重ねた結果、所定の平均断面積の気孔
を有する基部の外側面の少なくとも一部に、前記基部の
有する平均断面積よりも小さい平均断面積の気孔を有す
る外層部が結合されてなる多孔質炭化珪素焼結体および
その製造方法を新規に知見するに至り、本発明を完成し
た。
本発明は、所定の平均断面積の気孔を有する基部の外側
面の少なくとも一部に、前記基部の有する平均断面積よ
りも小さい平均断面積の気孔を存する外層部が結合され
てなる多孔質炭化珪素焼結体であって、前記基部は平均
アスペクト比が3〜50、長軸方向の平均長さが1〜1
000μmの板状結晶が三次元網目状に結合し、かつ平
均断面積が1〜250000μm2の気孔を有する多孔
質体であり、一方、前記外層部は、平均断面積が0.0
1〜10000μm2の気孔を有する多孔質体であるこ
とを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方
法である。
以下、本発明の詳細な説明する。
第1図は本発明の多孔質炭化珪素焼結体(以下本発明の
多孔質炭化珪素焼結体を単に多孔質体と称す)の−例の
断面を観察した走査型電子顕微鏡写真(750倍)であ
る。第1図に示した本発明の多孔質体はアスペクト比が
5〜10の炭化珪素質板状結晶が多方向に複雑に絡み合
って結合した三次元網目構造を有する基部の外側面に前
記基部の有する気孔の平均断面積よりも小さい平均断面
積の気孔を有する外層部が結合されている。
なお、ここでいう炭化珪素質板状結晶のアスペクト比(
R)は焼結体の任意の断面において観察される個々の板
状結晶の最大長さくX)と(Y)との比であり、すなわ
ち、R=X/Yで表される値である。
本発明の多孔質体は、所定の平均断面積の気孔有する基
部の外側面の少なくとも一部に、前期基部の有する気孔
の平均断面積よりも小さい平均断面積の気孔を有する外
層部が結合されてなるものであることが必要である。そ
の理由は、本発明の多孔質体は、例えばメッキ液中に混
入しているスラッジあるいは硫酸、塩酸等の腐食性液体
中に混入している異物等9異物粒子を除去するためのフ
ィルターの如き用途に使用される場合には、平均断面積
の大きい気孔を有する端面側から平均断面積の小さい気
孔を有す、る端面側に流体を通過させることによって流
体中に含有される異物粒子を高効率にかつ迅速に分離す
ることができ、しかも多孔質体内に捕集された粒子は逆
洗することによって容易に除去脱離させることができ、
フィルターとしての、機能を極めて容易に回復させるこ
とができるからであり、また例えばスラリー中に懸濁し
ている不溶解物質を濾過ケーキと濾液とに分離するため
の濾材の如き用途に使用される場合には、平均断面積の
小さい気孔を有する端面側から平均断面積の大きい気孔
を有する端面側に流体を通過させることによって極めて
高い圧力を負荷することができるため、多孔質体の端面
に不溶解物質を濾過ケーキとして極めて迅速に分離せし
めることができ、しかも多孔質体端面からの濾過ケーキ
の剥離も極めて容易で、極めて高い濾過効率を発揮させ
ることができるからである。
本発明の基部は、平均アスペクト比が3〜5o、長軸方
向の平均長さが1〜1000μmの板状結晶が三次元網
目状に結合したものであることが必要である。
前記平均アスペクト比が3〜50であることが必要な理
由は、前記平均アスペクト比を3以上とすることによっ
て、炭化珪素質板状結晶によって構成される気孔の容積
を結晶の占める容積に比べて大きな基部、すなわち高い
気孔率を有する基部となすことができるからであり、一
方、前記平均アスペクト比が50よりも大きい板状結晶
で構成された基部は結晶相互の接合部が少ないため、基
部自体の強度が低いからである。なかでも前記板状結晶
の平均アスペクト比は5〜30であることがより好適で
ある。
また、前記板状結晶の長軸方向の平均長さが1〜100
0μmであることが必要な理由は、長軸方向の平均長さ
が1μmより小さいと前記板状結晶により形成される気
孔が小さく、場合によっては気孔の一部が独立気孔にな
っていることがあり、流体の通過抵抗が大きいためであ
り、一方、1000μmよりも長くなると、板状結晶の
接合部の強度が小さく、基部自体の強度が低いためであ
る。なかでも、前記板状結晶の長軸方向の平均長さは5
〜500μmであることがより好適である。
なお、ここでいう板状結晶の長さは焼結体の任意の断面
において観察される個々の板状結晶の最大長さである。
本発明の基部は、平均断面積が1〜250000μI1
2の気孔を有する焼結体であることが必要である。
その理由は、気孔の平均断面積が1μmgより小さいと
、流体の通過抵抗が大きく、フィルター等の用途にそれ
程適さないためであり、一方、気孔の平均断面積が25
0000μ12より大きいと焼結体自体の強度が低く実
用的でないからである。前記基部は、平均断面積が4〜
90000μrtrtの気孔を有する焼結体であること
がより有利である。
そして、前記基部は焼結体の結晶100重量部のうち3
〜50のアスペクト比を有する板状結晶は少かくとも2
0重量部を占めることが好ましい。ところで、前記板状
結晶の含有量は結晶の構造写真を解析することにより求
められる。ここで、前記焼結体が20重量部以上の3〜
50のアスペクト比を有する板状結晶で占められている
ことが好ましい理由は、前記板状結晶が20重量部より
少ないと、アスペクト比の小さい炭化ケイ素結晶が多く
含まれることになり、流体の通過抵抗が大きいからであ
る。なかでも前記板状結晶は前記焼結体の結晶100重
量部のうち少なくとも40重量部を占めることが有利で
ある。
また、前記基部の気孔率は焼結体の全容積に対し20〜
95容積%であることが好ましい。その理由は気孔率が
20容積%よりも小さいと気孔の一部が独立気孔となり
易く、焼結体内を流体が通過する時の抵抗が大きいから
であり、一方95容積%よりも大きいと、焼結体内を流
体が通過する時の抵抗は小さい反面、前記焼結体の強度
が低く、使用が困難となるためであり、なかでも前記気
孔率は焼結体の全容積に対し40〜70容積%であるこ
とが有利である。
本発明の外層部は、平均断面積が0.01〜10000
μmgの気孔を有する焼結体であることが必要である。
その理由は、気孔の平均断面積が0.01μrttZよ
りも小さいと流体の通過抵抗が著しく大きくなるからで
あり、逆に10000 lIm”よりも大きいと前記基
部との接合強度が小さく、剥離し易いからであり、なか
でも前記外層部は、気孔の平均断面積が0.25〜25
00μm2の焼結体であることが有利である。
そして、前記外層部の開放気孔率は30〜70容積%で
あることが好ましく、なかでも35〜65容積%である
ことがを利である。
また、前記基部と外層部の接合強度は少なくとも100
 kgf/cn”であることが好ましい。その理由は、
接合強度が100 kgf/cm”よりも小さいと流体
の通過時における圧力によって、外層部が剥離したり破
損したりし易いからであり、なかでも200kg[/a
a”以上であることが有利である。
本発明の多孔質体は、前記フィルターの如き用途の他に
、例えば含油軸受や複合化骨材などの用途に対しても有
利に適用することができる。
次に本発明の多孔質体の製造方法について説明する。
本発明の第2発明の方法によれば、所定の平均断面積の
気孔を有する基部の外側面の少なくとも一部に、前記基
部の有する気孔の平均断面積よりも小さい平均断面積の
気孔を有する外層部が結合されてなる多孔質体は、(a
)  平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であって
、β型結晶およびβ型結晶よりも低温安定型の結晶から
なる炭化珪素を少なくとも50重量%含有する炭化珪素
粉末を所望の形状で0.2〜2.0 g/cs”の密度
を有する生成形体に成形する工程、(b)  前記(a
)工程により成形された生成形体を非酸化性雰囲気中で
1900〜2300℃の温度範囲内で焼成し、平均アス
ペクト比が3〜50、長軸方向の平均長さが10〜10
00μmの板状結晶が三次元網目状に結合し、かつ平均
断面積が400〜250000μm2の気孔を有する焼
結体からなる基部となす工程、(c)  前記中)工程
により得られた基部の外側面の少なくとも一部に平均粒
径が50μm以下の主として炭化珪素粉末層を形成する
工程および、(d)  前記(c)工程により得られた
炭化珪素粉末層が形成された基部を非酸化性雰囲気中で
1500〜2200℃の温度範囲内でかつ前記(b)工
程における焼成温度よりも低い温度に加熱し、前記炭化
珪素粉末層を平均断面積が 0.01〜10000μm
2の気孔を有する焼結体からなる外層部となし、かつ前
記基部に結合する工程により製造することができ、本発
明の第3発明によれば、所定の平均断面積の気孔を有す
る基部の外側面の少なくとも一部に、前記基部の有する
気孔の平均断面積よりも小さい平均断面積の気孔を有す
る外層部が結合されてなる多孔質体は、(イ)平均粒径
が10μm以下の炭化珪素粉末であって、アルミニウム
、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、ランタン、チタン
、イツトリウム、エルビウムあるいはそれらの化合物か
ら選ばれる何れか少なくとも1種の含有量が炭化珪素1
00重量部に対して10重量部以下である炭化珪素粉末
を所望の形状で0.2〜2.0 g/am’の密度を有
する生成形体に成形する工程、(ロ)前記(イ)工程に
より成形された生成形体を非酸化性雰囲気中で1700
〜2300℃の温度範囲内で焼成し、平均アスペクト比
が3〜50、長袖方向の平均長さが1〜200μmの板
状結晶が三次元網目状に結合し、かつ平均断面積が1〜
15000μmgの気孔を有する焼結体からなる基部と
なす工程、(約前記(ロ)工程により得られた基部の外
側面の少なくとも一部に、平均粒径が50μm以下の主
として炭化珪素粉末を形成する工程、および(ニ)前記
(ハ)工程により得られた炭化珪素粉末層が形成された
基部を非酸化性雰囲気中で1500〜2200℃の温度
範囲内でかつ前記(ロ)工程における焼成温度よりも低
い温度に加熱し、前記炭化珪素粉末層を平均断面積が0
.01〜10000μm2の気孔を有する焼結体からな
る外層部となし、かつ前記基部に結合する工程により製
造することができる。
本発明の第2発明は、特に長軸方向の平均長さが10〜
1000μmの板状結晶が三次元網目状に結合し、かつ
平均断面積が400〜250000μratの気孔を有
する焼結体からなる基部を有する多孔質体を製造する方
法であり、一方、本発明の第3発明は、特に長軸方向の
平均長さが1〜200μmの板状結晶が三次元網目状に
結合し、かつ平均断面積が1〜15000μm2の気孔
を有する焼結体からなる基部を有する多孔質体を製造す
る方法である。
以下、本発明の第2発明の製造方法について説明する。
本発明の第2発明によれば、出発原料である炭化珪素粉
末は、平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であって
、β型結晶およびβ型結晶よりも低温安定型の結晶から
なる炭化珪素を少なくとも50重重量含有するものであ
ることが必要である。
前記炭化珪素粉末の平均粒径が10μm以下であること
が必要な理由は、平均粒径が10μm以下の粉末は、生
成形体を成形した際の粒子相互の接触点が比較的多く、
また焼成温度域での熱的活性が大であり、炭化珪素粒子
間での拡散移動が著しく大きいため、炭化珪素粒子相互
の結合が極めて起り易いからである。したがって板状結
晶の成長性が著しく高く、特に前記平均粒径は5μm以
下であることが板状結晶の成長性により好ましい結果が
得られる。
前記炭化珪素粉末がβ型結晶およびβ型結晶よりも低温
安定型の結晶からなる炭化珪素を少なくとも50重量%
含有するものであることが必要な理由は、前記β型結晶
およびβ型結晶よりも低温安定型の結晶からなる炭化珪
素は、焼結に際し、その一部が4H,6Hあるいは15
R型等の高温安定型α型結晶に相転移して、板状結晶を
生じ易く、しかも結晶の成長性にも優れた特性を有し、
特に50重゛量%以上のβ型結晶およびβ型結晶よりも
低温安定型の結晶からなる炭化珪素を含有する炭化珪素
粉末を用いることによって極めて好適に本発明の第2発
明の多孔質体を製造することができるからである。
本発明の第2発明によれば、前記炭化珪素粉末は、所望
の形状で0.2〜2.0 g/am’の密度を有する生
成形体に成形される。
前記生成形体の密度を0.2〜2.0g/cロSの範囲
とする理由は、0.2 g/cs3よりも低い密度の生
成形体は成形することが困難であるばかりでな(、炭化
珪素粒子相互の接触点が極めて少ないため実用的な強度
を有する焼結体を得ることが困難であるからであり、一
方、2.0 g/am”より高い密度の生成形体も得る
ことが困難であるが、むしろ2.0g/>”よりも高い
密度の生成形体を得たとしてもそれ程顕著な効果が認め
られないからである。
なお、前記生成形体として特に低い密度のものを得る場
合には、原料である炭化珪素粉末中に焼結時に揮散した
り、分解したりしてしまうような物質であって、焼結に
悪影響を及ぼさないものを混合することもできる。
本発明の第2発明によれば、前記(a)工程により成形
された生成形体を非酸化性雰囲気中で1900〜230
0℃の温度範囲内で焼成し、平均アスペクト比が3〜5
0、長軸方向の平均長さが10〜1000μmの板状結
晶が三次元網目状に結合し、かつ平均断面積が400〜
250000μロtの気孔を有する焼結体からなる基部
が製造される。
前記生成形体を1900〜2300℃の温度範囲で焼成
することが必要な理由は、前記焼成温度が1900℃よ
りも低いと板状結晶の成長が不十分であり、高い強度を
有する焼結体を得ることが困難であり、一方、2300
℃よりも高いと炭化珪素の昇華が盛んになり、発達した
板状結晶が逆にやせ細ってしまい、その結果高い強度を
持った焼結体を得ることが困難になるためであり、なか
でも1950〜2250℃の範囲内で焼結することがよ
り好適である。
本発明の第2発明によれば、前記(c)工程において、
前記山)工程により得られた基部の外側面の少なくとも
一部に、平均粒径が50μm以下の主として炭化珪素粉
末よりなる粉末層が形成される。
前記平均粒径が50μm以下の主として炭化珪素粉末を
用いる理由は、平均粒径が50μmより大きいと平均断
面積の大きい気孔を存する外層部を得ることができるが
1.前記基部との結合が不十分になり易く、高い接合強
度を得ることが困難であるからであり、なかでも20μ
m以下の平均粒径を有する炭化珪素粉末を用いることが
有利である。
前記基部の少なくとも一部に、平均粒径が50μm以下
の主として炭化珪素粉末よりなる粉末層を形成する方法
としては、前記粉末を媒液中に懸濁せしめたり、熱可塑
性樹脂に分散せしめたりして流動性を付与し、基部の開
放気孔中へ含浸する方法、圧入する方法あるいは基部の
表面に塗布したりする方法を適用することができ、その
他にドクターブレード法などの方法によって薄板状に成
形した生成形体を基部の表面に圧接する方法を適用する
ことができる。
本発明の第2発明によれば、前記(c1工程において形
成された炭化珪素粉末層は、アルミニウム、ホウ素、カ
ルシウム、クロム、鉄、ランタン、ケイ素、チタン、イ
ンドリウム、エルビウム、炭素あるいはそれらの化合物
から選ばれるいずれか少なくとも一種を炭化珪素100
重量部に対し0.01〜5重量部含有していることが好
ましい。その理由は、前記物質は炭化珪素の結晶の成長
速度を著しく高める働きがあり、炭化珪素結晶相互の結
合を強固にすることができるからである。前記物質の含
有量が0.01〜5重量部の範囲が好ましい理由は、前
記含有量が0.01重量部より少ないと接合を十分強固
にすることが困難であ蛛、一方、5重量部より多くして
も接合はそれ程強固にはならず、むしろ前記物質の焼結
体内に残留する量が多くなるため、炭化珪素本来の特性
が劣化するからである。
前記含有量はなかでも0.1〜3重量部の範囲内である
ことがより好適である。
本発明の第2発明によれば、前記(dl工程において、
前記(c1工程により得られた炭化珪素粉末層が形成さ
れた基部を非酸化性雰囲気中で1500℃以上の温度範
囲内で、かつ前記(b)工程における焼成温度よりも低
い温度に加熱し、前記炭化珪素粉末層を平均断面積が0
.01〜10000μm2の気孔を有する焼結体からな
る外層部となし、かつ前記基部に結合することが必要で
ある。前記(c)工程により得られた炭化珪素粉末層が
形成された基部を前記(b)工程における焼成温度より
も低い温度に加熱する理由は、伽)工程における焼成温
度と同等あるいはそれ以上に加熱すると基部と外層部の
気孔の平均断面積が実質的に同じ程度となるからであり
、また前記焼成温度を1500℃以上とする理由は、前
記温度が1500℃よりも低いと実質的な強度を存する
外層部となすことが困難であるからである。
以下、本発明の第3発明の製造方法について説明する。
本発明の第3発明によれば、出発原料である炭化珪素粉
末は、平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であって
、アルミニウム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、ラ
ンタン、チタン、インドリウム、エルビウムあるいはそ
れらの化合物から選ばれるいずれか少なくとも一種の含
有量が炭化珪素100重量部に対して10重量部以下で
あることが必要である。
前記炭化珪素粉末の平均粒径が10μm以下であること
が必要な理由は、平均粒径が10μm以下であることが
必要な粉末は、生成形体を成形した際の粒子相互の接触
点が比較的多く、また焼成温度域での熱的活性が大であ
り、炭化珪素粒子間での拡散移動が著しく大きいため、
炭化珪素粒子相互の結合が極めて起こりやすいからであ
る。したがって板状結晶の成長性が著しく高く、特に前
記平均粒径は5μm以下であることが板状結晶の成長性
により好ましい結果が得られる。
前記炭化珪素粉末がアルミニウム、ホウ素、カルシウム
、クロム、鉄、ランタン、チタン、イツトリウム、エル
ビウムあるいはそれらの化合物から選ばれるいずれか少
なくとも一種を含有するものであることが必要な理由は
、前記物質は炭化珪素の結晶成長の速度を著しく高める
働きがあり、さらに (ロ)工程における焼成時に前記
物質の蒸気および/または分解生成物の蒸気が生成し、
極めて多くの箇所で板状結晶の核を発生させるため、そ
の結果形成される板状結晶の大きさが制限され細かい組
織の三次元網目構造とすることができるからである。な
お、前記物質のうちホウ素、アルミニウム、イツトリウ
ムおよびその化合物を含有するものであることが好適で
ある。
また、前記物質の含有量を10重量部以下に限定する理
由は、前記含有量が10重量部より多いと前記物質の焼
結体内に残留する量が多くなるため炭化珪素本来の特性
が劣化するからであり、なかでも5重量部以下であるこ
とが好適である。
本発明の第3発明によれば、前記炭化珪素粉末は、所望
の形状で0.2〜2.0 g/am”の密度を有する生
成形体に成形され、る。
前記生成形体の密度を0.2〜2.0 g/am3の範
囲とする理由は、0.2 g/am’よりも低い密度の
生成 。
形体は成形することが困難であるばかりでなく、炭化珪
素粒子相互の接触点が極めて少ないため実用的な強度を
有する焼結体を得ることが困難であるからであり、一方
、2.0 g/am’より高い密度の生成形体も得るこ
とが困難であるが、むしろ、2.0g/am3よりも高
い密度の生成形体を得たとしてもそれ程顕著な効果が認
められないからである。
なお、前記生成形体として特に低い密度のものを得る場
合には、原料である炭化珪素粉末中に焼結時に揮散した
り、分解したりしてしまうような物質であって焼結に悪
影響を及ぼさないものを混合することもできる。
本発明の第3発明によれば、前記(イ)工程により成形
された生成形体を非酸化性雰囲気中で1700〜230
0℃の温度範囲内で焼成し、平均アスペクト比が3〜5
0、長軸方向の平均長さが1〜200μmの板状結晶が
三次元網目状に結合し、かつ平均断面積が1〜1500
0μm2の気孔を有する焼結体からなる基部が製造され
る。
前記生成形体を1700〜2300℃の温度範囲で焼成
することが必要な理由は、前記焼成温度が1700℃よ
りも低いと板状結晶の成長が不十分であり、高い強度を
有す為焼結体を得ることが困難であり、一方、2300
℃よりも高いと炭化珪素の昇華が盛んになり、発達した
板状結晶が逆にやせ細ってしまいその結果、高い強度を
持った焼結体を得ることが困難になるためであり、なか
でも1750〜2250℃の範囲内で焼結することがよ
り好適である。
本発明の第3発明によれば、前記(ハ)工程において前
記(11)工程より得られた基部の外側面の少なくとも
一部に、平均粒径が50μm以下の主として炭化珪素粉
末よりなる粉末層が形成される。
前記平均粒径が50μm以下の主として炭化珪素粉末を
用いる理由は、平均粒径が50μmより大きいと平均断
面積の大きい気孔を有する外層部を得ることができるが
、前記基部との結合が不十分になり易く、高い接合強度
を得ることが困難であるからであり、なかでも20μm
以下の平均粒径を有する炭化珪素粉末を用いることが有
利である。
前記基部の少な(とも一部に、平均粒径が50μm以下
の主として炭化珪素粉末よりなる粉末層を形成する方法
としては、前記粉末を媒液中に懸濁せしめたり、熱可塑
性樹脂に分散せしめたりして流動性を付与し、基部の開
放気孔中へ含浸する方法、圧入する方法あるいは基部の
表面に塗布したりする方法を適用することができ、その
他にドクターブレード法などの方法によって薄板状に成
形した生成形体を基部の表面に圧接する方法を適用する
ことができる。
本発明の第3発明によれば、前記(ハ)工程において形
成された炭化珪素粉末層は、アルミニウム、ホウ素、カ
ルシウム、クロム、鉄、ランタン、ケイ素、チタン、イ
ツトリウム、エルビウム、炭素あるいはそれらの化合物
から選ばれるいずれか少なくとも一種を炭化珪素100
重量部に対し0.01〜5重量部含有していることが好
ましい。その理由は、前記物質は炭化珪素の結晶の成長
速度を著しく高める働きがあり、炭化珪素結晶相互の結
合を強固にすることができるからである。前記物質の含
有量が0.01〜5重量部の範囲が好ましい理由は、前
記含有量が0.01重量部より少ないと接合を十分強固
にすることが困難であり、一方、5重量部より多くして
も接合はそれ程強固にはならず、むしろ前記物質の焼結
体内に残留する量が多(なるため、炭化珪素本来の特性
が劣化するからである。
前記含有量はなかでも0.1〜3重量部の範囲内である
ことがより好適である。
本発明の第3発明によれば、前記(ニ)において前記(
ハ)工程により得られた炭化珪素粉末層が形成された基
部を非酸化性雰囲気中で1500℃以上の温度範囲内で
、かつ前記(0)工程における焼成温度よりも低い温度
に加熱し、前記炭化珪素粉末層を平均断面積が0.01
〜10000μI2の気孔を有する焼結体からなる外層
部となし、かつ前記基部に結合することが必要である。
前記(ハ)工程により得られた炭化珪素粉末層が形成さ
れた基部を前記(U)工程における焼成温度よりも低い
温度に加熱する理由は、(0)工程における焼成温度と
同等あるいはそれ以上に加熱すると基部と外層部の気孔
の平均断面積が実質的に同じ程度となるからであり、ま
た前記焼成温度を1500℃以上とする理由は、前記温
度が1500℃よりも低いと実質的な強度を有する外層
部となすことが困難であるからである。
次に本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1 出発原料として94.6重量%がβ型結晶よりなり0.
39重量%の遊離炭素、0.17重量%の酸素、0.0
3重量%の鉄、0.03重重量のアルミニウムを主とし
て含有し、平均粒径が0.28μmの炭化珪素微粉末を
使用した。
前記炭化珪素微粉末100重量部に対し、ポリビニルア
ルコール5重量部、水300重量部を配合し、ボールミ
ル中で5時間混合した後乾燥した。
この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化した後金属製押し
型を用いて50kg/am”の圧力で成形した。
この生成形体の密度は1.2 g/cm”であった。
ついで、前記生成形体を外気を遮断することのできる黒
鉛ルツボに装入し、タンマン型焼成炉を使用して1気圧
のアルゴンガス雰囲気中で焼成した。焼成は2.5℃/
 m i nで2250℃まで昇温し、最高温度225
0℃で6時間保持した。
得られた焼結体の結晶構造は、第2図の走査型電子顕微
鏡写真(75倍)に示したようにアスペクト比が5〜1
0の炭化珪素板状結晶が複雑に絡み合った三次元綱目構
造を有し、その開放気孔の平均断面積は14400μ■
2、板状結晶の平均アスペクト比は7.5、同結晶の長
軸方向の平均長さは150μmであり、そしてアスペク
ト比が3〜50の板状結晶の焼結体中に占める割合は約
95重量%と推定された。また、この焼結体の開放気孔
率は63容積%であった。この焼結体を基部とする。
次いで、前記炭化珪素粉末100重量部にポリビニルア
ルコール5重量部、炭化率が35%のフェノールレジン
5重量部および水100重量部とを配合し、混合したス
ラリーを前記焼結体の表面へ噴霧して炭化珪素粉末層を
形成した。
前記炭化珪素粉末層が形成された焼結体をタンマン型焼
成炉に装入し、51/分の割合でアルゴンガスを流しな
がら900℃まで2.5℃/分、900〜1800℃ま
でlO℃/分で昇温し、1800℃で一時間保持した。
得られた焼結体は第1図の走査型電子顕微鏡写真(15
0倍)に示したように先に得られた焼結体の外側面に前
記焼結体の有する気孔の平均断面積よりも小さい平均断
面積の気孔を有する外層部が結合されていた。
前記外層部の気孔の平均断面積は約1.4μm2、開放
気孔率は約56容積%であり、また前記焼結体と外層部
との接合強度は280 kgf/cn”であった。
この外層部が結合された焼結体をフィルターとして使用
し、平均断面積の大きな気孔を有する焼結体側から外層
部側へ0.1〜1100I1の粒度分布の炭化珪素粒子
を5重量%懸濁している懸濁液を0.14kgf/c1
m”の濾過圧力で通水したところ初期の通水量は12.
M/h、r/であり、このフィルターの100%捕集径
は0.5 pm、 95%捕集径は0.2μmと極めて
優れたフィルター特性を有してした。
また、このフィルターを上記条件で18時間使用したと
ころ、濾過圧力は0.9 kgf/aa”まで上昇した
が約10分間の超音波送洗浄により、濾過機能を殆ど回
復させることができた。
比較例1 実施例1で製造された焼結体であるが、外層部を有しな
い焼結体を使用して実施例1と同様のフィルター試験を
行った。通水量は14.8m’/h、m”であり、10
0%補集径は18μm、95%捕集径は11μmであっ
た。
実施例2〜7、比較例2〜7 実施例1とほぼ同様であるが、第1表に示す如(種々条
件を変化させて外層部が結合された焼結体を製造し、実
施例1と同様のフィルター試験を行った。フィルター試
験の結果は第2表に示した。
なお、実施例2および比較例2は出発原料として実施例
1で使用した炭化珪素粉末と平均粒径が8.4μmのα
型炭化珪素粉末との混合粉末を使用した例、実施例3〜
4および比較例3〜4は基部となる焼結体を得るための
焼結温度を変化させた例、実施例5および比較例5は外
側面の炭化珪素粉末層の厚さを変化させた例、実施例6
〜7および比較例6〜7は外層部生なる焼結体を得るた
めの焼結温度を変化させた例である。
実施例8 実施例1で使用した炭化珪素粉末100重量部に対し、
非晶質ホウ素1重量部、ポリエチレングリコール1重量
部、ポリアクリル酸エステル4重量部、ベンゼン100
重量部を配合し、ボールミル中で20時間混合し、た後
乾燥した。
この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化した後金属製押し
型を用いて1500kg/am”の圧力で成形した。こ
の生成形体の密度は2.0 g/cs!であった。
ついで、前記生成形体を外気を遮断することのできる黒
鉛ルツボに装入し、タンマン型焼成炉を使用して1気圧
のアルゴンガス雰囲気中で焼成した。
焼成は5℃/分で2100℃まで昇温し、最高温度21
00℃で4時間保持した。
得られた焼結体は、開放気孔の平均断面積が25μm 
g 、平均アスペクト比が10で長軸方向の平均長さが
13μmの板状結晶が複雑に絡み合った三次元綱目構造
を有しており、3〜50のアスペクト比を有する板状結
晶の焼結体中に占める割合は約96重量%と推定された
。また、この焼結体の開放気孔率は31容積%であった
。この焼結体を厚さ10mの板状に加工したものを基部
とする。
ついで、前記炭化珪素粉末100重量部に非晶質ホウ素
1重量部、ポリビニルアルコール3重量部および水10
0 !it部等を配合し、混合したスラリーを前記基部
の表面から加圧含浸して炭化珪素粉末層を形成した。
前記炭化珪素粉末層が形成された焼結体をタンマン型焼
成炉に装入し、10111分の割合でアルゴンガスを流
しながら2000℃まで10℃/分で昇温し、1時間保
持した。得られ゛た焼結体の外層部は気孔の平均断面積
が約0.49μmz、開放気孔率が約48容積%であり
、又前記焼結体と外層部との接合強度は970 kgf
/am”であった。
この外層部が形成された焼結体を外径が30m、内径が
15−のリング状に加工した後、スピンドル油を含浸さ
せた。次いでこの焼結体とステンレス鋼(SUS 30
4 )との摺動試験をリングオンリング法で行った。摺
動速度は15m/秒、端面荷重は20kgf/cm”に
設定した。
この場合の摩擦係数は0.08〜0.10.2000時
間後の焼結体の摩擦量は2.5μmであり、摺動特性に
極めて優れていることが認められた。
実施例9〜16、比較例8〜14 実施例8とほぼ同様であるが、第3表に示す如く種々条
件を変化させて外層部が結合された焼結体を製造し、実
施例8と同様の摺動試験を行った。
摺動試験の結果は第4表に示した。
なお、実施例9および比較例8は出発原料の粒径を変化
させた例、実施例10〜12および比較例9は添加剤の
種類と添加量を変化させた例、実施例13〜14および
比較例10〜11は基部となる焼結体を得るための焼結
温度を変化させた例、実施例15および比較例12は外
層部となる炭化珪素粉末層を構成する炭化珪素粉末の粒
度を変化させた例、実施例16および比較例13〜14
は外層部となる焼結体を得るための焼結温度を変化させ
た例である。
前記比較例のうち比較例9の外層部は、焼成時に剥離し
てしまった。
第4表 (発明の効果) 以上述べた如く、本発明の多孔質炭化珪素焼結体は高温
雰囲気、酸化性雰囲気および/または腐食性雰囲気で使
用される濾過フィルター、酸化発熱反応あるいは高温下
における化学反応用の触媒あるいは触媒担体、摺動材料
および複合体用骨材等の用途に優れた材料であって、産
業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1に記載の基部を構成する焼結体と外層
部を構成する焼結体の結合部分の結晶構造を示す走査型
電子顕微鏡写真(750倍)、第2図は実施例1に記載
の基部を構成する焼結体の結晶構造を示す走査型電子顕
微鏡写真(75倍)、第3図は実施例1に記載の外層部
を構成する焼結体の結晶構造を示す走査型電子顕微鏡写
真(750倍)、第4図は従来の多孔質炭化珪素焼結体
の構造を示す模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、所定の平均断面積の気孔を有する基部の外側面の少
    なくとも一部に、前期基部の有する気孔の平均断面積よ
    りも小さい平均断面積の気孔を有する外層部が結合され
    てなる多孔質炭化珪素焼結体であって、 前期基部は、平均アスペクト比が3〜50、長軸方向の
    平均長さが1〜1000μmの板状結晶が三次元網目状
    に結合し、かつ平均断面積が1〜250000μm^2
    の気孔を有する焼結体であり、一方、前記外層部は平均
    断面積が0.01〜10000μm^2の気孔を有する
    焼結体であることを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体。 2、下記(a)〜(d)工程からなることを特徴とする
    所定の平均断面積の気孔を有する基部の外側面の少なく
    とも一部に、前期基部の有する気孔の平均断面積よりも
    小さい平均断面積の気孔を有する外層部が結合されてな
    る多孔質炭化珪素焼結体の製造方法。 (a)平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であって
    、β型結晶およびβ型結晶よりも低 温安定型の結晶からなる炭化珪素を少なく とも50重量%含有する炭化珪素粉末を所望の形状で0
    .2〜2.0g/cm^3の密度を有する生成形体に成
    形する工程; (b)前記(a)工程により成形された生成形体を非酸
    化性雰囲気中で1900〜2300℃の温度範囲内で焼
    成し、平均アスペクト比が3〜50、長軸方向の平均長
    さが10〜1000μmの板状結晶が三次元網目状に結
    合し、かつ平均断 面積が400〜250000μm^2の気孔を有する焼
    結体からなる基部となす工程; (c)前記(b)工程により得られた基部の外側面の少
    なくとも一部に平均粒径が50μm以下の主として炭化
    珪素粉末層を形成する工程 ;および、 (d)前記(c)工程により得られた炭化珪素粉末層が
    形成された基部を非酸化性雰囲気中で 1500〜2200℃の温度範囲内でかつ前記(b)工
    程における焼成温度よりも低い温度に加熱 し、前記炭化珪素粉末層を平均断面積が 0.01〜10000μm^2の気孔を有する焼結体か
    らなる外層部となし、かつ前記基部に結合 する工程。 3、前記(c)工程において形成される炭化珪素粉末層
    は、アルミニウム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、
    ランタン、ケイ素、チタン、イットリウム、エルビウム
    、炭素あるいはそれらの化合物から選ばれる何れか少な
    くとも1種を、炭化珪素100重量部に対し0.01〜
    5重量部含有する特許請求の範囲第2項記載の製造方法
    。 4、下記(イ)〜(ニ)工程からなることを特徴とする
    所定の平均断面積の気孔を有する基部の外側面の少なく
    とも一部に、前期基部の有する気孔の平均断面積よりも
    小さい平均断面積の気孔を有する外層部が結合されてな
    る多孔質炭化珪素焼結体の製造方法。 (イ)平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であって
    、 アルミニウム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、ラン
    タン、チタン、イットリウム、エルビウムあるいはそれ
    らの化合物から選ばれる何れか少なくとも1種の含有量
    が炭化珪素100重量部に対して10重量部以下である
    炭化珪素粉末を所望の形状で0.2〜2.0g/cm^
    3の密度を有する生成形体に成形する工程; (ロ)前記(イ)工程により成形された生成形体を非酸
    化性雰囲気中で1700〜2300℃の温度範囲内で焼
    成し、平均アスペクト比が3〜50、長軸方向の平均長
    さが1〜200μmの板状結晶が三次元網目状に結合し
    、かつ平均断面積が1〜1500μm^2の気孔を有す
    る焼結体からなる基部となす工程; (ハ)前記(ロ)工程により得られた基部の外側面の少
    なくとも一部に、平均粒径が50μm以下の主として炭
    化珪素粉末を形成する工程; および (ニ)前記(ハ)工程により得られた炭化珪素粉末層が
    形成された基部を非酸化性雰囲気中で 1500〜2200℃の温度範囲内でかつ前記(ロ)工
    程における焼成温度よりも低い温度に加熱し、前記炭化
    珪素粉末層を平均断面積が0.01〜10000μm^
    2の気孔を有する焼結体からなる外層部となし、かつ前
    記基部に結合する工程。 5、前記(ハ)工程において形成される炭化珪素粉末層
    は、アルミニウム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、
    ランタン、ケイ素、チタン、イットリウム、エルビウム
    、炭素あるいはそれらの化合物から選ばれる何れか少な
    くとも1種を、炭化珪素100重量部に対し0.01〜
    5重量部含有する特許請求の範囲第4項記載の製造方法
JP9242286A 1986-04-23 1986-04-23 多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH07100633B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9242286A JPH07100633B2 (ja) 1986-04-23 1986-04-23 多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9242286A JPH07100633B2 (ja) 1986-04-23 1986-04-23 多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62252380A true JPS62252380A (ja) 1987-11-04
JPH07100633B2 JPH07100633B2 (ja) 1995-11-01

Family

ID=14053983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9242286A Expired - Lifetime JPH07100633B2 (ja) 1986-04-23 1986-04-23 多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07100633B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200048735A (ko) * 2018-10-30 2020-05-08 한국과학기술연구원 기계적 특성이 우수하며 높은 통기도를 갖는 이중 기공 액상소결 탄화규소 다공체 및 이의 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200048735A (ko) * 2018-10-30 2020-05-08 한국과학기술연구원 기계적 특성이 우수하며 높은 통기도를 갖는 이중 기공 액상소결 탄화규소 다공체 및 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07100633B2 (ja) 1995-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4777152A (en) Porous silicon carbide sinter and its production
US5853444A (en) Porous permeable molded body
Queheillalt et al. Synthesis of stochastic open cell Ni-based foams
US7648932B2 (en) Molded porous ceramic article containing beta-SiC and process for the production thereof
US20070032371A1 (en) Silicon carbide based, porous structural material being heat-resistant and super-lightweight
WO2002070433A1 (fr) Structure en nid d'abeilles
JPH02282442A (ja) アルミナイド構造
JPH0379310B2 (ja)
JPH0246545B2 (ja)
JP2010030888A (ja) 炭化ケイ素系セラミックス多孔質材およびその製造方法
JPS6311589A (ja) 耐熱性治具及びその製造方法
JPH0229637B2 (ja)
JPS62252380A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体およびその製造方法
JPH0232003B2 (ja)
JPH11130558A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体とその製造方法
JPH0624636B2 (ja) 触媒担体及びその製造方法
JPH031274B2 (ja)
JP4041879B2 (ja) セラミックス多孔体及びその製造方法
JPH0244078A (ja) 多孔質セラミックス複合材料およびその製造方法
JPH0228548B2 (ja)
JPS61259763A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体からなる触媒担体
JPS6264543A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体からなる多層体
JPS60264365A (ja) 多孔質炭化ケイ素焼結体とその製造方法
JPS6034515B2 (ja) 炭化珪素質セラミックス焼結体の製造法
JPH10253259A (ja) ローラハース炉用ローラ材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term