JPS6225022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は新規なテレビジヨン受像機、特に受像
管として扁平ブラウン管を用い、該扁平ブラウン
管を含め受像機の略全体を扁平な略直方体形状を
有するキヤビネツト内に収納し、且つ扁平ブラウ
ン管の背後に配線基板を配置したテレビジヨン受
像機に関するものであり、扁平ブラウン管の後面
と配線基板との間にできる空間を比較的大型の部
品の配置領域として有効に活用してより小型化、
特に薄型化に寄与するようにした新規なテレビジ
ヨン受像機を提供しようとするものである。

背景技術とその問題点 テレビジヨン受像機の奥行を小さくするため
に、電子銃が収納されたチユーブの軸線と受像画
とが略平行にないしは平行に近い角度になるよう
に配置された扁平なブラウン管が開発されてお
り、このような扁平ブラウン管を用いた薄型の携
帯用テレビジヨン受像機が使用に供されている。
そして、この種のテレビジヨン受像機に対してよ
り一層の小型化、特に薄型化が要求されている。

しかし、テレビジヨン受像機に用いられる電子
部品にはブラウン管、スピーカ、電池、チユーナ
ーユニツト等本質的に小型化に限界のあるものを
除いても小型化することの難しいものが少なくな
い。例えば、スイツチ、大容量コンデンサ等は配
線基板上に取付け得る部品ではあるが、小信号増
幅用トランジスタ、抵抗、集積回路に比較すると
非常に大型であり、このような部品がテレビジヨ
ン受像機の小型化、特に薄型化の障害になつてい
た。というのは、扁平ブラウン管を用いたテレビ
ジヨン受像機においてはそのブラウン管がキヤビ
ネツト前面のすぐ内側に配置され、受像機の回路
が構成される配線基板は必然的にブラウン管の背
後にそのチユーブの軸線と略平行に配置される。
そして、その配線基板に取付ける部品が大きい
と、特に配線基板からの高さが高いと必然的に受
像管と配線基板との配線間隔を大きくしなければ
ならない。その結果、受像機の厚さを厚くしなけ
ればならなくなつてしまう。このことが、扁平型
のテレビジヨン受像機のより小型化、特に薄型化
を図るうえでの大きな障害となつていた。

考案の目的 しかして、本考案は、上記した問題を解決すべ
く為されたもので、扁平ブラウン管後面と配線基
板との間にできる空間を比較的大型の部品の配置
領域として有効に活用してより小型化、特に薄型
化に寄与するようにした新規なテレビジヨン受像
機を提供しようとするものである。

考案の概要 上記目的を達成するために、本考案テレビジヨ
ン受像機は、受像機としてチユーブにフアンネル
を介して一体又は一体的に連結した画像再生部の
後面がチユーブの軸線に対してフアンネルから離
れるに従つて前面側に寄るように傾斜された扁平
ブラウン管を用い、該扁平ブラウン管を含め受像
機の略全体を扁平な略直方体形状を有するキヤビ
ネツト内に収納したテレビジヨン受像機であつ
て、受像機の回路の少なくとも一部が形成された
配線基板を、扁平ブラウン管の背後にチユーブの
軸線と略平行に配置し、画像再生部の傾斜された
前記後面と配線基板との間に形成される空間を比
較的大型の部品の配置領域としたことを特徴とす
るものである。

従つて、本考案テレビジヨン受像機によれば、
画像再生部と配線基板との間に必然的に生じる無
駄な空間となり易い空間を比較的大きな部品の配
置領域として有効に活用することができるので、
テレビジヨン受像機の実装密度を高めることがで
き、小型化、特に薄型化を図ることができる。

実施例 以下に、本考案テレビジヨン受像機を添付図面
に示した実施例に従つて詳細に説明する。

１は扁平ブラウン管であり、チユーブ２と画像
再生部３とフアンネル部４とから成る。チユーブ
２はガラスにて円筒状に形成され、その中には下
端から電子銃（図示せず。）が封入されている。

フアンネル部４もガラスにて形成され、下端開
口面が小さく上端開口面が大きくなる扇型をして
おり、その下端開口部にチユーブ２の上端が溶着
されてチユーブ２とフアンネル部４とが一体化さ
れている。画像再生部３はガラスから成るスクリ
ーンパネル５と同じくガラスから成るフロントパ
ネル６とから構成され、スクリーンパネル５の内
面には蛍光面が形成されており、また、背面には
導電性コーテイング７が形成されている。導電性
コーテイング７の形成は、例えばカーボンシート
を貼付することによつて形成されるが、その他の
適宣手段によつて形成しても良い。

そして、スクリーンパネル５とフロントパネル
６とが接着一体化されて画像再生部３が形成さ
れ、かつ、この画像再生部３の下端開口端が前記
フアンネル部４の上端開口端と突き合わせられて
接着一体化され、これによつてブラウン管１が構
成される。しかし、これらを接着によらず、溶着
手段により一体化しても良いし、あるいはまた、
初めから一体に形成するようにしてもよいことは
いうまでもない。そして、このブラウン管１にお
いてスクリーンパネル５の背面（従つて内面も）
は上端が前方へ変位するような前傾姿勢を有して
おり、従つて、このブラウン管１を側面から見る
と、スクリーンパネル５の背面とフアンネル部４
の背面とが右側面から見て略く字状に連続してい
る。

尚、８はチユーブ２の上端部及びフアンネル部
４の下端部を囲むように配置された偏向ヨークで
ある。

９は前部筐体、１０は後部筐体であり、共に合
成樹脂によつて形成され、両者が一体化されるこ
とによつて筐体１１が形成される。そして、該筐
体１１内にテレビジヨン受像機として必要な所要
部品が配置される。１２は前部筐体９の上方部に
形成された窓で、この窓１２からフロントパネル
６を通してスクリーンパネル５の蛍光面を見るこ
とができる。また、前部筐体９前面上部の窓１２
を含む領域には浅い凹部１３が形成されている。
１４はアルミ製の画面枠で、前部筐体６の凹部１
３内に嵌め込まれる。また、この画面枠１３には
前部筐体９の窓１２に対応した窓１５が形成され
ている。１６は透明な材料、例えば透明な合成樹
脂から成るフイルター板であり、前記画面枠１４
の前面側に重ねられるようにして前部筐体９の凹
部１３内に嵌め込まれ、かつねじ１７等によつて
前部筐体９に固定される。

１８はブラウン管保持体であり、保持金具１９
と押えばね２０，２０とから成る。保持金具１９
は導電性材料から成り、間隔を空けて互いに平行
に延びる２つの脚片２１，２１と該脚片２１，２
１の後端側を連結する連結部２２とが一体に形成
されている。そして、脚片２１と２１との間の間
隔はブラウン管１の被保持部、即ち、この実施例
では画像再生部３とフアンネル部との接合部付近
の幅と略等しくされている。また、脚片２１，２
１の長さは、ブラウン管１の被保持部の厚み、即
ちこの実施例では画像再生部３とフアンネル部４
との接合部における奥行よりいくらか長めに形成
されている。２３，２３は脚片２１，２１の先端
に形成された取付片であり、また、２４は連結部
２２の略中央部に稍後方へ突出した状態で形成さ
れた配線基板取付片であり、この配線基板取付片
２４に後述するように配線基板２５が連結され
る。

押えばね２０，２０はばね弾性を有する導電性
材料で形成されており、中央部から軽く折り曲げ
られて右側面から見た形状で略く字状を為すよう
に形成されている。そして、このような押えばね
２０，２０は、両端部が位置し、かつその長手方
向が保持金具１９の連結部２２の長手方向と直交
する向きでその中央部が保持金具１９の連結部２
２に鋲止め等適宣の手段で固定され、これによつ
てブラウン管保持体１８が形成される。

しかして、ブラウン管１の筐体１１への保持は
次のようにして為される。

ブラウン管１の画像再生部３とフアンネル部４
との接合部が保持金具１９内にあるように位置さ
せる。即ち、画像再生部３とフアンネル部４との
接合部のうちの両側部に沿つて脚片２１，２１が
位置し、裏面側の接合部と稍間隔を置いて連結部
２２が位置するようにする。このような状態で、
ねじ２６，２６によつて保持金具１９の脚片２
１，２１の先端に形成された取付片２３，２３を
前部筐体９に固定する。すると、保持金具１９に
固定された押えばね２０，２０の上端はブラウン
管１の画像再生部３背面の導電性コーテイング７
に弾接し、また、押えばね２０，２０の下端はブ
ラウン管１のフアンネル部４背面に弾接される。
このように、ブラウン管１の背面に押えばね２
０，２０の両先端が弾接されることによつてブラ
ウン管１の画像再生部３前面は窓１２を内側から
覆うように前部筐体９の内面に密着せしめられ、
この状態でブラウン管１は前部筐体９にブラウン
管保持体１８を介して保持されることになる。

ブラウン管保持体１８の配線基板取付片２４に
連結される前記配線基板２５には、テレビジヨン
受像機に必要な回路の多くの部分が形成されてい
る。この配線基板２５は筐体１１に適宣な手段で
取り付けられることによつてブラウン管１の背後
においてそのチユーブ２の軸線を略平行で部品取
付面２５ａがブラウン管１側を向くように配置さ
れており、その状態でねじ２７によつて配線基板
取付片２４に連結されている。このねじ２７は導
電性材料で形成されており、その頭部２８は配線
基板２５の表面、即ち部品取付面２５ａ上に形成
されたアースパターン２９と接触される。従つて
導電性コーテイング７と配線基板２５上のアース
パターン２９とは、押えばね２０，２０、保持金
具１９及びねじ２７を介して電気的に接続される
ことになる。このようにねじ２７の締結は導電性
コーテイング７と配線基板２５上のアースパター
ン２９との間を電気的に接続する機能を果すが、
筐体１１の別の位置に取り付けられた配線基板２
５とブラウン管保持体１８との間を互いに連結す
るので、それによつてブラウン管１及び配線基板
２５の保持状態をより安定にする機能も果す。

ところで、扁平ブラウン管１のスクリーンパネ
ル５と上記配線基板２５との間には第２図に示す
ように側面から見て直角三角形状の空間３０がで
きる。というのは、前述のとおり、ブラウン管１
においてスクリーンパネル５の背面は、チユーブ
２の軸線に対して上端が前方へ変位するような前
傾姿勢を有している。それに対して、配線基板２
５は扁平ブラウン管１の背後において部品取付面
２５ａを前向きにしてブラウン管保持体１８に形
成された配線基板取付片２４にねじ２７によつて
チユーブ２の軸線と略平行に配置されている。従
つて、ブラウン管１のスクリーンパネル５の背面
と配線基板２５の部品取付面２５ａとの間には側
面から直角三直形状の比較的大きな空間３０が形
成される。この空間３０は本来的には無駄な空間
であるが、本考案テレビジヨン受像機においては
この空間３０がスイツチ３１、大容量コンデンサ
３２，…等比較的大型の部品の配置領域として有
効に活用されている。

即ち、受像機に用いられる部品には普通のトラ
ンジスタ、抵抗、集積回路等小型の部品３３，３
３，…が多いけれども、大型部品も少なくない。
扁平ブラウン管、スピーカ、電池等のように本質
的に小型化に限界のあるものを除いてもスイツチ
３１、大容量コンデンサ３２，３２，…等のよう
に小信号トランジスタ、抵抗等小型の部品３３，
３３，…と比較してきわめて大きな部品がある。
そこで、本考案においてはこのような比較的大型
の部品３１，３２，３２…を前述の大きな空間、
即ち、ブラウン管１のスクリーンパネル５の背面
と配線基板２５の部品取付面２５ａとの間に形成
されるところの側面から見て直角三角形状の空間
３０に配置し、トランジスタ、抵抗、集積回路等
の小型部品３３，３３，…は主として配線基板２
５上のブラウン管１のフアンネル２４、偏向ヨー
ク８、チユーブ２の背後にあたる領域に配置する
こととする。

しかして、上述したように本来的には無駄な空
間となり易い空間３０を比較的大きな部品３１，
３２，３２，…の配置領域として活用することに
より、テレビジヨン受像機の実装密度を高めるこ
とができ、小型化、特に薄型化を図ることができ
る。

尚、３４は配線基板２５に取付けられたチユー
ナーユニツトで、部品取付面２５ａ上の正面から
見て扁平ブラウン管１から左側にずれた位置に配
置されており、その前端は偏向ヨーク８の左側に
位置している。

３５は後部筐体１０の左側面のスイツチ３１と
対応して設けられたレバー遊挿孔で、該レバー遊
挿孔３５にはスイツチ３１のレバー３６が遊挿さ
れる。

考案の効果 以上に述べたように、本考案テレビジヨン受像
機は、受像管としてチユーブにフアンネルを介し
て一体又は一体的に連結した画像再生部の後面が
チユーブの軸線に対しフアンネルから離れるに従
つて前面側に寄るように傾斜された扁平ブラウン
管を用い、該扁平ブラウン管を含め受像機の略全
体を扁平な略直方体形状を有するキヤビネツト内
に収納したテレビジヨン受像機であつて、受像機
の回路の少なくとも一部が形成された配線基板
を、扁平ブラウン管の背後にチユーブの軸線と略
平行に配置し、画像再生部の傾斜された前記後面
と配線基板との間に形成される空間を比較的大型
の部品の配置領域としたことを特徴とするもので
ある。

従つて、本考案テレビジヨン受像機によれば、
画像再生部後面と配線基板との間に必然的に生じ
る無駄な空間となつてしまい易い空間を比較的大
きな部品の配置領域として有効に活用することが
できるので、テレビジヨン受像機の実装密度を高
めることができ、小型化、薄型化を図ることがで
きる。

尚、扁平ブラウン管の画像再生部後面と配線基
板との間に生じる空間には比較的大型な部品とし
て当該空間に配置される部品はスイツチ、大容量
コンデンサだけでなく、ジヤツク、大型の出力用
トランジスタ等を配置するようにしても良く、当
該空間に配置される部品はスイツチ、大容量トラ
ンジスタには限定されない。又、上記空間には配
線基板上に取付けられる部品を配置するだけでな
く、他の適宣な手段例えば筐体にねじ止めする等
の取付手段で取付けられる部品を配置するように
しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案テレビジヨン受像機の実施の一例
を示すもので、第１図は分解斜視図、第２図は要
部を示す縦断側面図である。 符号の説明、１……扁平ブラウン管、２……チ
ユーブ、３……画像再生部、４……フアンネル、
５……画像再生部の後面、１１……キヤビネツ
ト、２５……配線基板、３０……画像再生部後面
と配線基板との間に形成される空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受像管としてチユーブにフアンネルを介して一
   体又は一体的に連結した画像再生部の後面がチユ
   ーブの軸線に対してフアンネルから離れるに従つ
   て前面側に寄るように傾斜された扁平ブラウン管
   を用い、該扁平ブラウン管を含め受像機の略全体
   を扁平な略直方体形状を有するキヤビネツト内に
   収納したテレビジヨン受像機であつて、受像機の
   回路の少なくとも一部が形成された配線基板を、
   扁平ブラウン管の背後にチユーブの軸線と略平行
   に配置し、画像再生部の傾斜された前記後面と配
   線基板との間に形成される空間を比較的大型の部
   品の配置領域としたことを特徴とするテレビジヨ
   ン受像機。