JPS6224842B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気ヘツドの新規な構造に関する。

従来、磁気記録はギヤツプを有するリング形磁
気ヘツドを使用して、磁気記録媒体との相対運動
方向に磁化する方式が広く用いられている。この
方式で高密度記録を行うためにはギヤツプの間隔
を狭くする必要があり、現在0.3〜0.5μ程度のギ
ヤツプのものが用いられているが、この値はほぼ
機械的な限界である。この問題を解決して更に高
密度記録を可能とする方式として本出願人は先に
垂直磁化方式に用いる磁気ヘツドを提案した。こ
の磁気ヘツドは中央部にコイルが巻回され、両端
に２個の磁脚を有する断面略コ字状の主磁極と、
該主磁極の２個の磁脚に対向して配置された１個
の補助磁極とから成つている。記録、再生に当つ
ては前記主磁極と補助磁極間に磁気記録媒体を挿
入して行うため、形成される磁路は主磁極の一方
の磁脚から磁気記録媒体を通つて補助磁極の一端
に至り、該補助磁極の他端から前記磁気記録媒体
を通つて他方の磁脚に至る閉磁路となり、前記磁
気記録媒体は厚さ方向すなわち垂直方向に磁化さ
れる。又、磁気記録媒体の記録層の前記補助磁極
側に高透磁率の磁性材料層を設けるこにより補助
磁極を不要にすることもできる。

又、ただ単に補助磁極がない状態でもよい。こ
の場合は両磁脚間が空隙となるので能率が下がる
にすぎない。

このような磁気ヘツドを用いて効率の良い記録
再生を行うためには磁気ヘツドが異方性であつ
て、磁気記録媒体と垂直方向に磁化容易軸を有す
ることが望ましいがこのような磁気ヘツドを得る
ことは極めて困難である。本発明はこのような要
望に鑑みなされたもので、垂直磁化方式に用いて
好適な外部雑音に強くかつ高出力の得られる磁気
ヘツドを提供することを目的としたものであり、
この目的を達成するために、本発明の磁気ヘツド
においては、磁気記録媒体との相対運動により接
近又は離間する側面のうち少くとも記録に供する
側面である離間する側面を前記磁気記録媒体と垂
直に形成し、該離間する側面に磁性薄膜を設けた
ことを特徴としている。すなわち、磁性薄膜を付
加することにより、該磁性薄膜面に垂直な方向の
減磁係数は１であり、つまり完全に減磁してしま
い、磁化は薄膜面にそつた方向にのみ行なわれ
る。又、磁性薄膜が充分薄ければ、該磁性薄膜材
料は単磁区状態をとり、かつ一定の磁場の中で磁
性薄膜を作ると膜面内で一軸異方性を示す事も知
られている。この場合磁化は180゜異なつた２つ
の方向においてのみ安定な方向をもち、磁化の反
転速度は極めて速く、結晶異方性やストレス異方
性はほとんどなく、ただ上述の膜面内での一軸異
方性だけを問題にすればよい。第１図は磁気記録
媒体として磁気テープを用いた本発明の磁気ヘツ
ドの一例を示す斜視図であつて、１は主磁極、１
１はコイル、１２は２個の磁脚、１３はスペー
サ、２は補助磁極、３は磁気テープである。

主磁極１は中央にコイル１１が巻回され、左右
にそれぞれ磁脚１２を有する断面コ字状であつ
て、該両磁脚１２間には非磁性体により構成され
たスペーサー１３が挿入されている。両磁脚１２
の先端は該磁脚１２同士を結ぶ線が矢印Ａで示し
た磁気テープ３の進行方向と交叉する方向で該磁
気テープ３に当接するとともに、該磁気テープ３
を介して裏側に設けられた補助磁極２と対向して
いる。磁気テープ３の移動方向に対応する主磁極
１の一方の側面１ａ及び他方の側面１ｂのうち一
方の側面１ａは磁気テープ３と接近する側面とな
り、他方の側面１ｂは磁気テープ３と離間する側
面となる。磁気記録は離間する側面に含まれる磁
気テープと接触する辺１b′で行なわれるため、よ
り効率よく記録、再生が行えるような磁気テープ
３と接近する側面である一方の側面１ａは徐々に
磁気テープ３と接近するように曲面状となし、離
間する側面である他方の側面１ｂは急激に離間す
るように磁気テープ３と垂直となるように形成
し、更に該離間する側面である他方の側面１ｂに
は例えばパーマロイからなる磁性薄膜が1000Å程
度又はそれ以下の厚さで付加されている。磁気ヘ
ツドが磁気テープ３と接触する部分は磁性薄膜が
付加された他方の側面１ｂに含まれる磁気テープ
３側の辺１b′であり、その形状は２本の線状とな
り、この部分で記録、再生が行なわれる。第２図
は、第１図に示す磁気ヘツドの磁性薄膜が付加さ
れた離間する側面１ｂからみた側面図である。以
下図中第１図と同一符号は同一部分を示し、矢印
Ｃは磁化方向を示している。

いま磁気記録時において、コイル１１に記録信
号が印加されると、主磁極１は磁化され、磁気テ
ープ３と離間する側面である他方の側面１ｂにお
いては、矢印Ｃで示す磁性薄膜面にそつた方向で
のみ磁化される。従つて、磁気テープ３と接触す
る辺１b′から発する磁束は磁気テープ３を介して
補助磁極２に至るため、磁気テープ３を垂直によ
こぎつた閉磁路が容易に形成され、磁気テープ３
を厚さ方向に磁化して効率のよい磁気記録が行な
われる。

次に上述の如く記録された信号の再生時におい
ては、主磁極１の一方の側面１ａは磁気テープ３
と徐々に接近するため磁気ヘツドが受ける磁束の
変化はきわめて少く、他方の側面１ｂすなわち磁
気テープ３と垂直に形成された離間する側面では
急激に離間するため磁気ヘツドが受ける磁束の変
化はきわめて大きく、かつ該世方の側面１ｂには
磁性薄膜が付加されているため、磁気テープ３に
記録された厚さ方向の磁界から発する磁束は、磁
気テープ３と接触する辺１b′を介して主磁極１を
垂直方向に容易に磁化し、コイル１１に高出力の
再生信号を誘起する。

本発明による磁気ヘツドの好適な実施例による
と、主磁極１の脚部の高さは20〜50μｍ、スペー
サー１３の高さは５〜10μｍ、主磁極１の媒体進
行方向の長さは20〜50μｍ、主磁極１の幅は50〜
100μｍ、磁性薄膜１５の厚さは0.1μｍ程度であ
る。

上述の如く、本発明の磁気ヘツドは磁気記録媒
体との相対運動により、該媒体と離間する側面に
磁性薄膜が付加されているため、記録時において
は、コイルに加わる記録信号により磁気記録媒体
の厚さ方向の磁界が効率よく得られ、又再生時に
おいても、磁気記録媒体に記録された厚さ方向の
磁界が効果的に磁気ヘツドに作用し、高出力の再
生信号を得ることができ、外部雑音に強く、高出
力の磁気ヘツドを容易に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気記録媒体として磁気テープを用い
た本発明の磁気ヘツドの一例を示す斜視図であつ
て、第２図はその側面図である。又、第３図は正
面図である。第１図、第２図及び第３図にしめさ
れる斜線部が磁性薄膜である。 １…主磁極、１１…コイル、１２…脚部、１３
…スペーサ、１４…底部、１５…磁性薄膜、１ａ
…磁気テープと徐々に接近する面、１ｂ…磁気テ
ープと急激に離間する側面、２…補助磁極、３…
磁気テープ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気記録媒体との間の相対運動により該媒体
   との間で信号を授受する磁気ヘツドにおいて、磁
   極は磁気記録媒体に接触もしくは近接して対向す
   る１対の脚部及び該脚部を結合する底部とからな
   るコア及び該コアに巻回されるコイルを有し、前
   記コアの脚部は磁気記録媒体の進行方向に対して
   手前側の該磁気記録媒体に徐々に接近する面と、
   先方側で急激に離間する側面とを有する形状であ
   り、急激に離間する側面は前記磁気記録媒体と垂
   直であり、該離間する側面に磁性薄膜を設けたこ
   とを特徴とする垂直磁化方式用磁気ヘツド。 ２ 磁気記録媒体をはさんで対向する磁極および
   補助磁極を有することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の垂直磁化方式用磁気ヘツド。