JPS622447B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、分割形鉄心に導体を巻回してなる
分割形変流器に関するものであり、特に、生産性
を向上し製造コストを低減できる分割形変流器に
関するものである。

従来の分割形変流器は、分割された鉄心の外周
に絶縁物を巻回被ふくし、その上に、層間絶縁物
を介してマグネツトワイヤを巻回してコイルを形
成したあと、金型に入れてコイル部を合成樹脂で
モールド成形して構成されている。このような構
造のものは、分割形変流器としての特性を十分満
足するものであるが、製造に当つて高価な金型を
要し、簡単に設計寸法が変えられず、さらに、モ
ールド工程に長時間を要するなど、生産性、製造
コストおよび設計裕度等の点で問題があつた。

かように、モールドによるものの欠点を解消す
るものとして、第１図、第２図に示すように、分
割部１ｃで分割された鉄心１ａ，１ｂに、層間絶
縁紙を介して二次コイル２を巻回したあと、その
外装に、ガラスクロスあるいはポリエステル布等
のテープ基材にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
のような合成樹脂を含浸して半硬化状にしたプリ
プレグテープ３を巻回したあと、このプリプレグ
テープ３を硬化して分割コイルを確定する方法が
提案されている。４はボルト５で締着される固定
バンドである。このようにして形成された分割形
変流器は、上記のモールド法によるものに較べて
作業性、製造コストの点では改善されているが、
鉄心の分割部１ｃ近傍のコイル端部の間隙２ａ
は、モールドの場合と異なり密閉されないため外
気に曝され易く、吸湿によつてコイルの絶縁性が
低下するという欠点があつた。この対索として、
間隙２ａに注型樹脂を注入して密閉することも試
みられているが、鉄心、硬化した外装絶縁層との
熱膨張係数の相違に起因して、注型樹脂に剥離、
クラツクが発生するという問題があつた。

この発明は、以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、製造作業が容易で製造コストを低減で
き、しかも、品質の信頼性の高い分割形変流器を
提供することを目的とするものである。

上記の目的を達成するために、この発明は、第
１図、賃２図に示した従来のものを改良し、間隙
２ａに発泡性部材を挿入し、プリプレグテープ３
のような外装絶縁体と共に加熱硬化し、間隙２ａ
を完全に密閉してなる分割形変流器を形成するも
のであり、第３図に示すように、プリプレグテー
プ３の端部３ａを鉄心の分割部１ｃに合わせて巻
装し、二次コイル２の端部は鉄心の分割端より10
〜20mm離して巻回して間隙２ａを形成し、この間
隙２ａに、鉄心絶縁材およびプリプレグテープ３
と接着性のある発泡性樹脂シート６を巻装する。
そしてプリプレグテープ３を硬化する際の加熱に
よつて発泡性樹脂シート６を発泡させ、第４図の
ように発泡した樹脂６ａによつて間隙２ａを完全
に密閉する。熱発泡性部材は、発泡性樹脂シート
のほか、発泡性ウレタン樹脂、発泡性エポキシ樹
脂を注入して加熱発泡させてもよい。

以上の構成でなるこの発明の分割形変流器は、
モールド金型が不要で作業も簡素化されるので製
造コストが低減でき、発泡樹脂の適度の応力に対
する、又、熱膨張収縮に対する緩衝作用により、
鉄心側および外装絶縁体との剥離や、クラツクを
防ぐことができ、コイルを完全に密閉できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の分割形変流器の断面図、第２図
は同じく要部断面図、第３図はこの発明の一実施
例の中間工程における要部断面図、第４図は同じ
く完成時の要部断面図である。 １ｃ：鉄心１ａ，１ｂの分割部、２：二次コイ
ル、３：プリプレグテープ、４：固定バンド、
６：発泡性樹脂シート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 分割鉄心にそれぞれ巻回したコイルの外周に
   巻装されたプリプレグテープと、前記分割鉄心の
   分割部およびその近傍であつて前記分割鉄心と前
   記プリプレグテープとで形成される間隙に発泡、
   充填された発泡性樹脂とを備えてなる分割形変流
   器。 ２ 発泡性樹脂が、発泡性ウレタン樹脂および発
   泡性エポキシ樹脂のいずれかである特許請求の範
   囲第１項記載の分割形変流器。