JPS62243880A - 有毛製品のプレス処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、人工毛皮、パイル編・織物等の有毛製品に接
着芯地等を接着する際、あるいは折り目加工する際にプ
レス機の加熱・加圧により毛羽部分が倒れること（所謂
“へたり″）を防止する有毛製品のプレス処理方法に関
する。

（従来の技術） 従来、天然毛皮等をコート、ジャケットもしくはショー
ル等に加工する場合、芯地もしくは不織布シートあるい
はメツシュ地と不織布とを一体化した所謂ドミット芯地
は全て非接着タイプの芯地を使用する。これらの芯地を
表地の毛皮と一体化するためにはミシンもしくは手縫い
等でまつり縫いする。

これに対して、人工毛皮、パイル編・織物等の有毛製品
は、縫製の合理化のために前記芯地の片面に熱溶融型の
樹脂を含浸させた所謂接着芯地を使用することが多い。

これらの接着芯地はアイロンもしくはプレス機で加熱・
加圧して有毛製品の毛羽部分と反対側、すなわち裏面に
貼着される。

上記の一般に接着芯地に使用されている接着技術におい
ては、ポリアミド系もしくはポリエステル系の樹脂で共
重合等により１１０〜１３０℃に溶融温度を低くした接
着樹脂が使用され、それらはドツト状もしくは蜘蛛の巣
状に芯地基布の表面に含浸されることが多い。

溶融温度は前記の温度でも、接着樹脂を短時間に溶融さ
せるためにはプレス機のコテ面温度を１３０〜１５０℃
の温度に設定して接着する。また、芯地の樹脂を毛羽製
品の基布に含浸（アンカー効果）させるために圧力は１
００〜３００ＣＪ／ｄにすることが多い。これより低い
圧力では溶融樹脂が毛羽製品の基布に含浸しないので高
い接着力が得られない。一方、接着時間は、前述したプ
レス機の設定温度を芯地の基布を通して反対側の樹脂面
に伝えるため一定の時間が必要である。この接着時間は
芯地基布の厚さ、素材および目の粗さ等によって異なる
が通常５〜１５秒、長くても３０秒である。

従来の芯地接着は上記の様な条件で１回のプレスで接着
を完了する。接着時の状態を図示すると第１図の様にな
る。すなわち、第１図（Ａ）の様にプレス機の下ゴテ１
の上に有毛製品３の裏面を表面にして置き、その上に接
着芯地４の接着樹脂面５を下側にして重ねる。次にプレ
ス機の上ゴテ２を第１図（Ｂ）の様に矢印イに示す如く
重ねて加圧すると、有毛製品の毛羽部分３′が倒れる。

一般に上ゴテ２にはヒーターが組込まれており、上ゴテ
の熱は、芯地の基布４を通って接着樹脂５が加熱されて
溶融する。

（発明が解決しようとする問題点） 前記の条件で接着すると上記熱は有毛製品３までを加熱
し、その製品の厚さ、素材の熱伝導率によって異なるが
１０〜１５秒位でプレス機の上ゴテ２の設定温度近くに
加熱される。その結果、毛羽部分３′が倒れた状態で熱
セットされる。ポリエステル系合成繊維においては完全
なる熱セラ１〜温度ではないが、一般に有毛製品は、毛
羽部分の繊度が小さく、かつ毛羽が密集しているため低
い温度でセットされ、接着プレス後にブラシ等で毛を起
そうとしても簡単には元に戻らない。

特に熱可塑性合成樹脂繊維の場合この傾向が著しく、毛
羽部分が倒れると芯地を接着した部分と接着していない
部分との差がはっきりと外観に現れ製品価値が低下して
しまう。

これを防止するためには、接着に使用するプレス機の圧
力・温度を低下させ、かつ接着時間を短か目に抑えなけ
ればならない。しかし、この様な条件では芯地接着強度
が十分でなく、着用時もしくはランドリー等での洗濯時
に芯地が剥離することが多い。

なお、以上の説明は有毛製品に芯地等を接着する場合で
あるが、有毛製品を折り目加工する際にも同様な問題が
生じることは明らかであり、本発明はこれらの問題を解
決することを目的する。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、前記従来のプレス方法の欠点に鑑み、熱可塑
性合成繊維を主体とする有毛製品でも芯地接着部分の毛
羽の倒れが少なく、かつ接着芯地本来の接着強度を達成
し得るような人工毛皮、パイル伸縮物等の有毛製品のプ
レス処理方法を提供する。

すなわち、前記目的を達成するために本発明者らは、プ
レス機の熱を有毛製品、特に毛羽部分に伝わらないか、
もしくは伝わっても低温加熱に止まる様にする思想に基
づき、熱可塑性合成繊維を主体とする有毛製品を接着ま
たは折り目加工するプレス処理において、プレス機の上
ゴテもしくは下ゴテを断続的に上下させ、加熱・加圧を
複数回断続的に行なうことを特徴とする有毛製品のプレ
ス処理方法を発明するに至った。

本発明において、プレス機の条件は、前述した様な温度
１３０〜１５０℃、圧力１００〜３００ｇ／　ｔｒｉ　
ｋ：　設定する。しかし、１回の加熱・加圧時間を３〜
５秒行ない、次に加熱・加圧を解除するため上ゴテを上
にあげ５〜１０秒休止する。この操作を少なくとも３回
、多くて５〜６回行なう。

加熱・加圧の時間、休止の時間および繰返しの回数は予
めテストし、所望の接着力および毛羽部分の“へたりパ
の有無を見て設定する。

最近では、接着プレス機および仕上もしくは中間プレス
機は、コンピュータもしくはピンボードなどで制御する
機構のものが多く、プレス機の移動を前記の様なプログ
ラムに設定すると本発明は容易に実施出来る。一方、こ
の様な自動制御のない機の場合は、本発明はマニアル操
作で行、なうことができる。

また本発明において、ざらに毛の倒れを防止するために
は、第１図において、下ゴテ１と有毛製品３との間に第
２図に示す様に針布等のピンボード６を置くとさらに効
果がある。この時は、一般に接着圧力および１回の加圧
時間を増加する必要がある。また、プレス後、未だ毛羽
製品の熱が完全に冷されない内に、毛羽部分をブラシ、
平板もしくは手の平で倒れた方向と逆に逆毛を立ててそ
の状態で冷却すると毛が立った状態で固定される。

（実施例） ・実施例 刺毛が４０デニール、１５〜２０＋１１１１１長、綿毛
が１〜２デニール、８〜１０ｍｍ長からなる縦パイル組
織のミンク調人工毛皮のコートを製造する際に、衿見返
し、前身頃に日本バイリーン製不織布接着芯地＃８２６
５をフラット型接着プレス機で接着した。

接着条件は下記の通りである。

ａ、温度　　　１３０’Ｃ ｂ、圧力　　　１５０ｇ／ｄ Ｃ０時間　　　４秒／回 ｄ、休止　　　７秒 ｅ、ａ−ｄの繰返し５回 この時の初期接着強度を測定したところ、６００〜６５
０ｇ／インチが得られた。一方、表面の毛羽の状態を児
たところ、芯地を接着していない部位、例えば、袖、後
身頃とほとんど変化のない状態が得られた。

・比較例 前記素材および芯地を使用して次の条件で接着した。

ａ８温度　　　１３０’Ｃ ｂ、圧力　　　１５０ｇ／Ｃｌ７１ Ｃ０時間　　　１３秒 初期接着強度は５００〜５５０Ｑ／インチの強度が得ら
れたが、有毛製品の表面の毛が倒れてコテ光が発生した
。

（発明の効果） 本発明に係る方法により有毛製品に接着芯地を接着すれ
ば、毛の倒れが少なく且つ初期接着力が一般の布帛並の
３０００／　ｔｒｉ以上の接着強度が得られる。また、
本発明は既に述べた様に有毛製品の芯地等の接着時だけ
でなく、有毛製品の折り目加工時にも有効に使用でき製
品の外観を損うことのないプレス処理ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、それぞれ接着芯地の接着工程を表わす断面図
であり、このうち第１図（Ａ＞はプレス前、第１図（Ｂ
）はプレス中の図を示している。 第２図は、下ゴテの上にピンボードを置いた場合のプレ
ス機の断面図を示している。 １：下ゴテ ２：上ゴテ ３：有毛製品 ３′　二毛羽部分 ４：接着芯地 ５：接着樹脂 ６：ピンボード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 熱可塑性合成繊維を主体とする有毛製品を接着または折
   り目加工するプレス処理において、プレス機の上ゴテも
   しくは下ゴテを断続的に上下させ、加熱・加圧を複数回
   断続的に行なうことを特徴とする有毛製品のプレス処理
   方法。