JPS6224068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はメカニカルシール室を有する回転ポ
ンプに関する。可撓性材料のインペラーを有する
回転ポンプの欠点は空運転ができないことであつ
た。この考案はポンプ室に貯液室を併設した二重
ケーシング構造でメカニカルシール室を有する回
転ポンプにおいて、メカニカルシール室は円筒状
のスクリーンで形成され、このスクリーンのメカ
ニカルシールの上方に当る部分に切欠を設けず盲
とすることにより回転ポンプの空運転を可能にし
たものである。

図について説明すれば、第１図はこの考案の回
転ポンプの断面図、第２図は第１図のＹ−Ｙ線に
沿う断面図、第３図は第１図のＸ−Ｘ線に沿う断
面図である。図において、１はポンプケーシン
グ、１ａは吸入口、１ｂは吐出口、３はポンプケ
ーシング１と外側ケーシング９の間に形成された
貯液室で、このポンプはいわゆる二重ケーシング
構造となつている。４は外側ケーシング９の排出
口、５はメカニカルシール室、６はメカニカルシ
ール室を形成するスクリーン、７はメカニカルシ
ール、８はポンプケーシング１のライナーであつ
て、ポンプ室内を吸入口、吐出口部分でせばめる
ようになつている。インペラーは第２図の矢印Ｒ
方向に回転し、インペラー先端２１はライナー８
のところで屈曲して圧縮室を形成し、吸入、吐出
作用を行なう。

又この種のポンプでは、ポンプが揚液したあと
の圧力揚液でメカニカルシールを潤滑するもので
あり、メカニカルシール室の中に揚液の中の異物
がそのまゝ入りこむことは好ましくない。しかし
メカニカルシール室を形成するスクリーンの目を
細かくすればスクリーンがつまつてメカニカルシ
ール室内に潤滑液が廻らず、メカニカルシールの
焼損の危険があり、スクリーンを粗くすれば、ス
クリーンの役をなさない。そのためスクリーンは
適当な粗さにする必要がある。

そこでこの考案では第３図、ならびにスクリー
ン部分を取り出して拡大した第４図に示すとお
り、メカニカルシール室５を形成するスクリーン
６を切欠６１と切欠でない歯部６２とし、適当な
粗さのクシの歯状とする。揚液は第４図の矢印Ｒ
で示す如くスクリーンの周囲を回動しているの
で、揚液中の異物は揚液のもつ回転力によりスク
リーンの歯６２にさえぎられてメカニカルシール
室５内に侵入することはできず、異物をとり除か
れた揚液のみがメカニカルシール室中に入り、メ
カニカルシールを潤滑することができる。また第
４図に示す如く、クシ歯の先端部６ａを揚液の流
れに向かう方向に屈曲させておけば、流れの方向
からみた切欠の巾は０に等しくなり、揚液中の異
物はスクリーンを通過することは一層困難とな
り、異物のないきれいな状態の揚液のみがメカニ
カルシール室５内に入ることができる。

又、スクリーン６のメカニカルシールの上方の
部分を適当な巾だけ切欠のない盲部分６３として
形成する。これは空運転中メカニカルシールの回
転力により貯液室に貯えられたインペラー潤滑用
の液体は貯液室の排出口４を通つてポンプ外にハ
ジキ飛ばされてインペラーを潤滑することができ
なくなるのを防ぐためのものであつて、このよう
に盲部分を上方に設けることによつて、回転ポン
プの空運転を可能にしたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の回転ポンプの断面図、第２
図は第１図のＹ−Ｙ線に沿う断面図、第３図は第
１図のＸ−Ｘ線に沿う断面図、第４図はスクリー
ン部分を取り出して拡大して示した図面である。 符号の説明、１……ポンプケーシング、２……
インペラー、３……貯液室、４……排出口、５…
…メカニカルシール室、６……スクリーン、７…
…メカニカルシール、８……ライナー、９……外
側ケーシング、６１……切欠、６２……歯部、６
３……上方の盲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性材料よりなるインペラーを収容するポン
   プ室とこのポンプ室に併設した貯液室を有する二
   重ケーシング構造の回転ポンプにおいて、この貯
   液室に設けたメカニカルシール室はメカニカルシ
   ールを包む形で円筒状をなすスクリーンで形成さ
   れ、該スクリーンのメカニカルシールの上方の部
   分の適当な範囲で切欠がなく盲となつており、ス
   クリーンのその他の部分にはクシの歯形に切欠を
   設けてあることを特徴とするメカニカルシール室
   を有する回転ポンプ。