JPS6223923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属板をもつて壁パネルとする組立家
屋における壁パネルの接合部の構造に関する。

一般にこの種壁パネルは、壁パネル同志を内側
において結合することになる。従つて内側にその
接合部分が露出して障害になるうえ、見苦しくも
あつた。またこれを化粧板等で遮蔽するために
は、さらに別途の取付部品が必要になることか
ら、従来は、外側の壁パネルの他に内側に化粧板
を取付ける場合、多くの手間と時間がかかり、か
つ取付費用も二重に負担しなければならないとい
う問題点があつた。

本考案は上記の問題点を解決するためになされ
たものであり、壁パネル同志の内側結合と化粧板
の内張りとを簡単な共通部品をもつて容易迅速
に、かつ同時に取付けられて費用の負担が軽減で
きるうえ、壁パネル同志の接合部分が完全に遮蔽
されて安全が確保され、また化粧板の内張りによ
つて室内美観が向上できる組立家屋における壁パ
ネルの接合部の構造を提供することを目的として
いる。

以下本考案の実施例を添付図面に基づいて説明
する。

まず構成を説明すると、組立家屋の側面および
背面側に配置される平板状の複数の壁パネル１の
相互に隣接するもののうち左側の壁パネル１の右
端部には該右端部の前方への曲折によつて端部縦
面１ａを形出し、さらに該端部縦面１ａの前方端
部の内方への曲折によつて内側縦面１a′を形出
し、右側の壁パネル１の左端部には該左端部の前
方への曲折によつて端部縦面１ｂであつて上記端
部縦面１ａに密接する該端部縦面１ｂを形出し、
さらに該端部縦面１ｂの前方端部はその内方への
曲折によつて内側縦面１b′に形出し、両内側縦面
１a′，１b′には、それぞれその上下方向の同一位
置に長孔１ｃ，１ｃを上下方向での規定間隔毎に
穿設する。

次に各壁パネル１の内側位置に張設される化粧
板３は、前記壁パネル１の長さに近い長尺体に形
成された厚材であり、正面側にはメラミン加工が
施されているうえ、縦方向の一方端部３′の外側
には壁パネル１の端部が係合可能な切欠部３ａが
設けられている。また同じ一方端部３′の内側に
は前記切欠部３ａと対称形の切欠部３ｂが設けら
れている。

同様に化粧板３の縦方向の他方端部３′外側に
は前記切欠部３ａと同様に切欠部３ｃが対向状に
設けてあり、その内側には前記切欠部３ｂと同様
の切欠部３ｄが対向状に設けられている。

前記の壁パネル１同志を接合する締付け枠２
は、縦長の金属板で、正面部の中央帯には半円形
の縦リブ２ａが突設されている。また左右部は正
面部の両側からそれぞれ前方に直角状に屈曲さ
れ、前端に近い位置でいつたん内方に円弧面のも
とで対向状に突出されたのち、正面部と平行する
ように当該毎の外方に屈曲されて左右対称形の締
付け部２ｂ，２ｃが形出されている。さらに縦リ
ブ２ａの左右隣接面には、前述の長孔１ｃ，１ｃ
に合致する同形の長孔２ｄ，２ｄが上下方向の規
定間隔毎に設けられている。

前述した壁パネル１同志と締付け枠２を３点結
合するための連結具４は、横断面がコ字形で、前
方に屈曲された両側面からは同面板の延長により
帯状面を前方に突出したのち降下させた形状の突
片４ａ，４ａが平行状に設けられている。

壁パネル１同志の接合部分を遮蔽するためのフ
タ板５は、前記した締付け枠２の両締付け部２
ｂ，２ｃの外側幅と同幅による板状の縦長材であ
り、裏面には前記締付け枠２の両内側面に係合す
る弾片５ａ，５ｂが左右対称形に突設されてい
る。

次に作用を説明する。

組立家屋の側面および背面側で壁パネル１同志
を接合する場合は、双方の端部縦面１ａ，１ｂを
密接させ、端部縦面１ａに連続する内側縦面１
a′にはこの側の内張りとなる化粧板３の一方外側
端部３′に設けた切欠部３ａを密接させる。同様
に端部縦面１ｂに連続する内側縦面１b′にはこの
側の内張りとなる化粧板３の他方外側端部３′に
設けた切欠部３ｃを密接させる。

この態様による壁パネル１同志の両内側縦面１
a′，１b′には締付け枠２を、該枠２の両端締付け
部２ｂ，２ｃが化粧板３の当該毎の切欠部３ｂ，
３ｄ内に密接させるようにして正面側を当接し、
合致した双方の長孔１ｃ，２ｄ内には連結具４の
突片４ａを挿入して下方に押圧すると、両突片４
ａの先端内側で各長孔１ｃ，２ｄ下の板面を引き
寄せるようにして降下するため、壁パネル１同志
と締付け枠２の３点結合ができるうえ、同時に両
化粧板３の各端部３′も壁パネル１と締付け枠２
のそれぞれの側の端部をもつて押圧状の挾着によ
り接合される。従つて締付け枠４を介して壁パネ
ル１同志の結合時に、同時にその位置毎の内側に
設けた両化粧板３の当該側端部３′の結合も達成
することができる。

なお前記態様による壁パネル１同志の接合部分
にはフタ板５を被着すると、裏側の両弾片５ａ，
５ｂが締付け部２ｂ，２ｃの各左右内側円弧突部
に弾性的に係合するため、安定した状態をもつて
当該接合部分を完全に遮蔽することができる。

前記により組立家屋の側面および背面側におい
て壁パネル１同志と締付け枠２は連結具４により
３点結合されるため、緊結密度が高まつて結合部
における雨水の浸入を防止することができる。

また仮りに壁パネル１同志の接合部分から毛細
管の現象により微少の雨水が浸入しても、該パネ
ル１同志の接合する端部縦面１ａ，１ｂの位置に
は締付け枠２の縦リブ２ａが配置されているの
で、この位置において内部への浸入が阻止され、
縦リブ２ａから流下して外部に排出される。

以上に説明したように本考案は、組立家屋の側
面および背面側における壁パネル１同志の接合に
締付け枠２を使用することにより、該壁パネル１
同志の結合時に、同時に化粧板３の内張りも締付
け枠２の共通使用によつてできるため、壁パネル
の結合及び化粧板の張設を同時にでき、また、単
に連結具の挿入嵌着のみにより結合できるため作
業は簡略で費用の負担を軽減でき、反面その接合
部の構造は堅牢である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による接合装置をもつて組立家
屋壁パネル同志を接合した態様を示す横断平面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線における接合部分
を示す縦断側面図、第３図は第１図の接合部分と
その位置に被着するためのフタ板を示す斜視図で
ある。 符号の説明、１……壁パネル、１ａ，１ｂ……
端部縦面、１a′，１b′……内側縦面、１ｃ，２ｄ
……長孔、２……締付け枠、２ａ……縦リブ、２
ｂ，２ｃ……締付け部、３……化粧板、３ａ，３
ｂ，３ｃ，３ｄ……切欠部、４……連結具、４ａ
……突片、５……フタ板、５ａ，５ｂ……弾片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左側の壁パネル１の右端部には該右端部の前方
   への曲折によつて端部縦面１ａを形出し、さらに
   該端部縦面１ａの前方端部の内方への曲折によつ
   て内側縦面１a′を形出し、右側の壁パネル１の左
   端部には該左端部の前方への曲折によつて端部縦
   面１ｂであつて上記端部縦面１ａに接面する該端
   部縦面１ｂを形出し、さらに該端部縦面１ｂの前
   方端部はその内方への曲折によつて内側縦面１
   b′に形出し、両内側縦面１a′，１b′には、それぞ
   れ、その上下方向の同一位置に長孔１ｃ，１ｃを
   穿設してなる相互に隣接する前記壁パネル１，１
   と、縦長材の正面中央部に縦リブ２ａを設け両側
   は前方で左右外方に対称形に屈曲して締付け部２
   ｂ，２ｃを形出した締付け枠２であつて、前記内
   側縦面１a′，１b′に接面する前記縦リブ２ａの左
   右隣接面には前記長孔１ｃ，１ｃに合致する長孔
   ２ｄ，２ｄを設けてなる該締付け枠２と、コ字形
   に屈曲した面板の両側部に、前記各長孔２ｄ，１
   ｃ，２ｄ，１ｃに挿入され各前記内側縦面１a′，
   １b′背面側に係合する突出降下形の突片４ａ，４
   ａを設けた連結具４と、化粧板３，３であつて前
   記内側縦面１a′，１b′と前記締付け部２ｂ，２ｃ
   の間にその端部３′，３′を挾着される該化粧板
   ３，３と、帯状縦長板のフタ板５であつてその裏
   面に前記締付け部２ｂ，２ｃの両内側面に弾性的
   に係合する弾片５ａ，５ｂを突設した該フタ板５
   とから成る壁パネルの接合部の構造。