JPS62238400A - 片面電気めつき鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は片面電気めっき鋼板の製造において、非めっき
面の燐酸塩処理性の改善を図るための後処理方法に関す
るものである。

（従来技術） 自動車用鋼板の最近の傾向として片面めっき鋼板が主と
して使われてきた。これは車体内面など塗装が充分付着
しない箇所にめ−〕き而を充当し、車体外面など塗装し
やすい箇所には非めっき面（以下鉄面と呼称する）をあ
てて組立て使用されている。この片面めっき鋼板として
、通常Ｚｎ系の溶融めっき或いは電気めっきにより製造
されるが、原板の加工性の自由度が高い電気めっき法が
一般的である。

自動車用等に用いられるめっき鋼板は、一般に電着塗装
を行いさらに中塗り、」−塗り塗装を施して使用される
ため、これらの＠装下地処理として燐酸塩処理が行われ
るのが通例である。

（発明の解決しようとする問題点） 片面電気めっき鋼板の鉄面ば、片面電気めっきをする過
程でめっき浴との接触により腐食し、その結果、表面に
腐食生成物を生じ、表面が変色して外観品位を損なうだ
けでなく燐酸塩皮膜の形成が阻害されるために塗装性能
が劣化する。

これに対し、鉄面の製造方法について多くの方法が検討
されてきた。例えば （１）めっき後ブラッシングによって除去する方法は除
去効果があるものの亜鉛めっきの様に鋼板よりも軟らか
いめっきでは除去が充分できないため、ある程度の品質
改善にとどまる。また、ブラッシング設備のコストが嵩
むばかりでなく、研磨の程度によっては燐酸塩処理の際
の燐酸塩結晶の大きさにむらを生じ燐酸塩処理性が損わ
れ、塗装性（塗装仕上り外観および耐食性）に悪影響を
及す。

（２）めっき後酸中で電解酸洗してめっき金属及び腐食
生成物を除去し、次いでＮｉ等の特定の金属の極微量を
表面に分散して析出させてめっきし、燐酸塩処理性を改
善する方法がある。しかし、鉄面にのみ特定金属を析出
させるためには特定の設備を必要とし経費が嵩むばかり
でなく、通常酸性のめっき浴が用いられるので、電解酸
洗槽中でめっき面側のめっき金属の溶解あるいは変色等
が起り、片面めっき鋼板の商品価値を大きく損じる恐れ
がある。（例、特公昭６０−７７１３）（３）めっき後
電解洛中で陽極電解処理してめっき金属及び腐食生成物
を除去すると共に不働態皮膜を形成させて、燐酸塩処理
性を改善する方法がある。しかし、不働態皮膜は電解処
理条件（例えば、電解浴組成、電流密度、電解時間、浴
温度等）により皮膜厚さ、皮膜組成が変化するため、燐
酸塩処理性の改善効果が不安定である。（例、特開昭５
９−５６６００、特開昭５９−９６２９２）本発明は上
記要望に応えろために、従来の陽極電解処理等により鉄
面に生成した腐食生成物を弔に除去する方法に加えて、
燐酸塩処理性、塗装性の良好な鉄面を有する片面電気め
っき鋼板を安定に製造できる方法を提供するものである
。

（問題点の解決手段） 本発明者等は鋭意検討した結果、極めて優れた電解処理
法を開発した。

本発明は片面電気めっき鋼板の鉄面となる面を孤立電子
対を有する硫黄化合物と金属酸化物イオンを含むｐＨ３
〜７の導電性の浴を用い、酸素発生反応が起こる電解域
で陽極電解して、鉄面上の腐食生成物を除去した後、引
続き眞記導電性の浴を含む槽内で非めっき面を無電荷状
態にして、前記電解で非めっき面に生成した不働態皮膜
を除去し、前記硫黄化合物を鉄面に吸着させることによ
り鉄面の燐酸塩処理性を改善することを特徴とする方法
で、（１）片面電気めっき鋼板の製造において、めっき
後を上記の電解処理を鉄面に施す方法。

（２）片面電気めっき鋼板の製造において、鉄面にも薄
目付量のめっきを施して鉄面を腐食から保護し、めっき
後に上記の電解処理を鉄面に施す方法である。（３）片
面電気めっき鋼板の製造において、めっき面にクロメー
トの化成処理を行う場合、鉄面にも薄目付量のめっきを
施してクロメートの化成処理浴による鉄面の汚染を防止
した後、」二記の処理を施す方法である。

この結果、燐酸塩処理性、塗装性及び表面外観の良好な
鉄面を有する片面電気めっき鋼板を安定に製造すること
ができる。

（作　用） 次に具体的に内容を述べる。

本発明においては、電解浴として用いるよくは導電性の
浴であればいずれでもよく５例えばＮａ、５０４ｊ　　
Ｎａ、Ｃｏ１１　　Ｋ７ＳＯ４＋　　Ｋ７ＣＯ：ｌ　＊
　　Ｎａ１ｌ、ＰＯ４＋Ｎａ２ＩＩＰＯ４，Ｎ；ｉ、Ｐ
Ｏ，、ＩＩ、ＰＯ４，ホウ酸、ホウ１ｌｌｔ塩、その他
いずれの薬品を混合したものでもよいが、浴のｐＨが３
〜７の領域で行うことが必要である。

ｐｌ＋３未満では鉄面素地の溶解が大きくなると共に、
孤立電子対を有する硫か化合物による燐酸塩処理性の向
上効果が小さくなる。また同一浴に曝さらされるめっき
面は溶解が起り品質をそこなうのでｐＨ３以上が必要で
ある。ｐＨ７超になると、鉄面−にの腐食生成物や薄目
付のめっきの除去が困雅になると共に以下で述べる不動
態度ｌＩケの自動還元溶解が起り難くなり、その結果燐
酸塩処理性が劣化するのでｐＨ７以下が必要である。

本発明のｐＨ域での陽極電解は母材の鉄面が過不働１ｍ
域の電位にあるため、鉄の溶出は僅少で、鉄面のエツチ
ングはほとんどなく、また、浴の劣化もほとんどない。

また、鉄面に生成した腐食生成物は鉄面の過不＃１１ｍ
域での僅かな鉄面の溶解反応と激しい酸素発生反応によ
って除去される。また、鉄面の保護のための薄目付量の
めっきは、前記鉄面−ヒでの過不働態反応によって鉄面
から除去され机 電流密度は電解浴の組成、ｐＨ，ｍ度等によって異なる
が、２　Ａ／ｄｍ”以上が鉄面を過不働態にするために
必要である。また、電気量は腐食生成物の量や、薄目付
のめっき量によって異なるが、１０ク一ロン／ｄ＋ｍ”
以上が鉄面を浄化するために必要である。

次に、孤立電子対を有する硫黄化合物（以下硫黄化合物
と称する）についてのべる。

硫ｔ々化合物は鉄面の燐酸塩処理性を向上させるために
最も重要な役割をする。鉄面の燐酸塩処理性を向上させ
る硫黄化合物は第１表に示すものである。

第１表 ：は孤立電子対、Ｒ，Ｒ’は炭化水素基、Ａ、　Ａ’は
アミノ基メルカプタン類、チオシアン類、スルフィド類
、ジスルフィド類、チオカーボニル基を有する化合物（
チオ尿素類、チオカーボニル類、ジチオカーバメイト類
）で、硫貨元素が孤立電子対を有している化合物である
ことが特徴である。本発明者らは、これらの硫黄化合物
は清浄な金属面である鉄面に吸着して燐酸塩処理性を著
しく改善する効果があることを見出した。

しかしながら、硫黄化合物の鉄面への吸着はＨＳ　Ａ　
８則に従って化学吸着するために、鉄面の表面は清浄な
金属面となっていることが必須であり、不＃ｌｌ態皮膜
等の酸化物が存在すると硫黄化合物の吸着は阻害される
。従って、鉄面上に生成した腐食生成物等を陽極電解処
理により除去し、鉄面を浄化することは有効な方法であ
るが、この陽極電解処理は前記述べたように過不働態域
の電解であるため、不働態酸化皮膜を形成するので、こ
れを除去することが必要となる。

本発明者等は種種検討した結果、陽極電解後、その浴中
で無電荷状態に保つことにより最も簡便に、不動態皮膜
の除去が可能であることを見い出した。すなわち、陽極
電解で用いた同様の導電性浴中で無電荷状態にすること
により、陽極電解処理中に生成した不働態皮膜の自動還
元溶解反応を起させて不働態皮膜を除去し、鉄面を清浄
な金属面とすることによって硫黄化合物の吸着を促進し
、燐酸塩処理性を改善することが出来る最も有効な方法
である。

吸着した硫黄化合物の燐酸塩処理性の改善作用は充分に
解明されていないが、下記の理由と考える。燐酸塩処理
の前処理としてチタンコロイド等を含む液で表面調整が
行なわれる６チタンコロイド等は鋼板表面に吸着し、燐
酸塩結晶の析出核となり、ち密な燐酸塩皮膜を形成させ
る作用がある。

この際、鉄面に吸着した硫黄化合物はチタンコロイド等
の吸着を促進させるか、または、吸着した硫黄化合物が
直接燐酸塩結晶の析出核となる作用があるものと考える
。

この硫黄化合物は表１に示す化合物の内、１、種または
２種以上含み、其の濃度は１０−’モル／ｌ以上が必要
で、それ以下では燐酸塩処理性の向上がない。また、１
０°超でも効果があるが経済面から、それ以下が望まし
い。

次に、陽極電解処理に引続き無電荷状態にする理由は、
不＃Ｊ態皮膜の自動還元溶解反応を起こさせて不ｍＪ態
皮膜を除去することにある。その結果、鉄面は清浄な金
属面になり、硫黄化合物の吸着が速やかに起るので、安
定した良好な燐酸塩処理を得ることができる。

これに対して、陽極電解後すぐに水洗される場合や、第
１図の縦型電解槽で、コンダクタ−ロール１を介して片
面めっき鋼マ：シ２を陽極性とし、電極３を陰極として
、導電性の浴４中で鉄面を陽極電解すると、電解後の鉄
面にも廻り電流が矢印の方向に示す様に流れて加電待状
態になる場合は不動１ル皮膜が鉄面上に存在して硫黄化
合物の吸着が起こらない。

無電荷状態にする時間は、不働態皮膜の自動還元溶解反
応速度と不働態皮膜の厚さ１組成に依存するために、陽
極電解条件（電流密度、電気量）や電解浴条件（ρ１１
、温度、組成）等の影響を受けるが、通常０．５〜１０
秒である。この場合のｐＨは、低い方が有利であるがＰ
１１３未満は陽極電解処理で規制され、Ｐ１１８超では
長時間を要するため生産性が著しく悪くなるためそれ以
下が必要である。

不働態皮膜の存否は鉄面の浸漬電位を測定することで判
定できる。すなわち、陽極電解後の鉄面の浸漬電位を測
定した結果を第２図に示す様に、測定初期の高い浸漬電
位から経時後、急激に低い浸漬電位となる。これは、不
働態皮膜（高い浸漬電位）が消失して、裸の鉄（金属状
態：低い浸漬電位）になったことをしめしている。第２
図のＡ点は不働態皮膜の消失時間をしめす。

次に、陽極電解処理に引続き陰極電解処理を行う理由は
過不ｍ１ｍ域での陽極電解で生じた不働態皮膜を還元除
去して、硫黄化合物を鉄面に吸着させて安定した良好な
燐酸塩処理性を得るためである。この場合の電流密度は
０．ＩＡ／ｄｍ２以上が必要であり、それ以下では長時
間を要する。

電気量は０．１ク一ロン／ｄ＋ｍ”以上が必要であり、
それ以下では不働態皮膜の還元除去が不完全となり硫黄
化合物が均一に吸着されず、その結果燐酸塩処理性の改
善効果が充分でなくなる。

金属酸化物イオンを添加する理由は１次の事による。

一般に電解処理を行なう場合、（１）電解反応で発生す
るガス気泡による電圧の増加を防止する為に浴を攪拌す
る。（２）連続製造ラインでは被処理鋼帯が処理洛中を
移動するため、相対的な浴流法が生じる。等により、鉄
面と導電性の浴とに相対浴流速が生じる。この相対浴流
速が大きくなると。

陽極電解反応の１つである鉄の溶解が増加して、その結
果、燐酸塩皮膜が非晶質化傾向を示し、燐酸塩処理性が
劣化する。この現象を防止するためには陽極電解時の鉄
の溶解を抑制することが必要である。

本発明者等は鋭意検討した結果、モリブデン酸イオン、
チタン酸イオン、タングステン酸イオン、バナジン酸イ
オン、セレン酸イオン、すず酸イオン、アンチモン酸イ
オン、ジルコン酸イオン、タンタル酸イオン、ニオブ酸
イオン、ビスマス酸イオン等の金属酸化物イオンが有効
であることを見いだした。これらの金属酸化物イオンは
陽極電解時の鉄を不働態化させる作用があり、その結果
。

鉄の溶出を著しく抑制するので硫黄化合物の作用が正常
となり、良好な燐酸塩処理性を示す様にな机 金属酸化物イオンの内、クロー１１酸イオン、マンガン
酸イオンは鉄の不働態化作用が強いために、陽極電解処
理時き行なう無電状態の浸漬において、陽極電解で生成
した不働態皮膜の還元除去が困難となり、その結果、燐
酸塩処理性が著しく劣化するので適当でない６金属酸化
物イオンの量は第３図に示す様に流速と燐酸塩処理性と
の関係で決まるが、大略、流速０．０５ｍ／ｓ以上であ
る場合、１０４モル／ｌ未満では陽極電解時の鉄の溶解
が不充分となり、その結果燐酸塩処理性が劣化するので
、１０−３モル／ｌ以上が必要である６また５Ｘ１０−
”モル／ｌ、超になると陽極電解時に生成する不働態皮
膜が強固となるため、引続き行なう無電荷状態での浸漬
による不働態皮膜の除去が困難になり、その結果燐酸塩
処理性が著しく劣化するので５ｘｉｏ−’モル／ｌ以下
が必要である。

また、浴温は高い方が無電荷状態における不働態皮膜の
消失時間を短くするのに有利であるが、一方、金属酸化
物イオンによる不働態皮膜の安定化も起こるので、適当
には６０℃以下が望ましい。

特許請求の範囲第２項の非めっき面への薄目付量は０．
１ｆＣ／ｍ”　−５Ｂ／ｍ”が必要である。即ち、０．
１．。

／ｍ２　未満ではめっき浴中での腐食に対して鉄面を保
護することができない。また０、５Ｈ／ｍ”超では、こ
れを除去するために陽極電解処理時に必要以上の電気量
を要するため非経済的である。

（実施例） 次に本発明の実施例について述へる。

実施例１ 第４図は連続片面電気めっき鋼板の製造における本発明
例の設備配置図である。アンコイラ−５から巻戻される
被めっき鋼帯６はめっき前処理の脱脂槽７、水洗槽８．
酸洗槽９、水洗槽８を通過後、めっき槽１０で酸性の亜
鉛系めっき浴を用いて片面に電気めっきを施し、水洗槽
８で水洗後、電解槽１１及び無電荷浸漬槽１２で本発明
の電解処理及び不＠態皮膜を除去する為に無電荷状態と
する処理を施した後、水洗槽８、乾燥機１３を経てリコ
イラー１４に巻取られる。表２に、本発明の実施例およ
び比較例を示す。

実施例２ 第４図は連続片面電気めっき鋼板の製造における本発明
例の設備配置図である。アンコイラ−５から巻戻される
被めっき鋼帯６はめっき前処理の脱脂槽７、水洗槽８、
酸洗槽９、水洗槽８を通過後、めっき槽１０で酸性の亜
鉛系めっき浴を用いて片面に電気めっきを施し、鉄面に
も薄目付量のめっきを施した後、水洗槽８で水洗後、電
解槽１１及び無電荷浸漬槽１２で本発明の電解処理及び
不働態皮膜を除去する為に無電荷状態とする処理を施し
た後、水洗槽８、乾燥機１３を経てリコイラー１４に巻
取られる。表３に、本発明の実施例および比較例を示す
。

実施例３ 第５図は連続片面電気めっき鋼板の製造に、１′召プる
本発明例の設備配置図である。アンコイラ−５から巻戻
される被めっき鋼帯６はめっき前処理の脱脂槽７、水洗
槽８、酸洗槽９、水洗槽８を通過後、めっき槽１０で酸
性の亜鉛系めっき浴を用いて片面に電気めっきを施し、
鉄面にも薄目付量のめっきを施した後、水洗槽８で水洗
し、引続き化成処理槽１５でめっき面にクロメート処理
を施し、次に水洗槽８で水洗後、電解槽１１及び無電荷
浸漬槽１２で本発明の電解処理及び不働態皮膜を除去す
る為に無電荷状態とする処理を施した後、水洗槽８、乾
燥機１３を経てリコイラーＪ４に巻取られる。第３表に
１本発明の実施例および比較例を示す。、なお、電解槽
及び無電荷浸漬槽は第６図に示す装置を使用した７屯解
槽１１で、片面めっき鋼４１７２を矢印の方向に移動し
、コンダクタ−ロール１を陽極とし、電極：３を陰極と
して、導電性の浴４を介して鉄面をアノード電解処理し
た後、引続き、導電性の浴４を満たした無電荷浸積槽１
２中を通過させ、不働態皮膜を除去すると共に硫黄化合
物を吸着させて鉄面の燐酸塩処理性を改善した。

実施例】−〜３で用いためっき浴は （１）　　ＺｎＳＯ４４Ｈ，０２００ｇ／Ｌ、　　ＩＩ
、Ｓｏ、　　２５ｇル、　Ｎａ、８０゜１００ｇ／Ｌ、
浴温６０℃、ラインスピード１００ｍ／分で３０代／ｍ
”のＺｎめっきを行った。

（２）　ＺｎＳＯ４＋　７）１＊Ｏ２５０ｇ／Ｌ、　Ｎ
ｘ５０４・６Ｈ７０１００ｇル。

１１、Ｓｏ、　１５Ｂ／Ｌ、　ＮａｚＳｏ、　１００Ｈ
／Ｌ、浴温６０°Ｃ，ラインスピード８０ｍ／分で２０
ｇ／ｍ″のＺｎ−１２％Ｎｉめっきを行った。

（３）　Ｚｎ５Ｏ，・７Ｈ，０２００ｇル、　ＦｅＳＯ
４・７ｔｌ、０１００ｇ／Ｌ。

＋１．ＳＯ，Ｌｏｇ／Ｌ、　（ＮＨ３）ＳＳＯ４２０ｇ
／Ｌ、浴温６０℃、ラインスピード８０ｍ／分で２０ｇ
／ｍ”のＺｎ　−２０％Ｆｅめっきを行った。

クロメート処理はクローム酸３０ｇル、硫ｆｉ０．１ｇ
ル、浴温４０℃を用いて電気ｆｆ１３０クーロン／ｄＩ
Ｉ＋２で陰極電解処理してめっき面にクローム６０Ｂ／
ｍ”付着させた。この時、鉄面に施した薄目付のめっき
面上にクローム８　Ｂ／ｍ２付着した。

実施例及び比較例におけるサンプルの評価法は次の通り
である。

燐酸塩処理性の評価は鋼板表面性状の影響がで易い、ス
プレー型の燐酸塩処理薬剤・Ｂｔ３１１８　（日本パー
カーライジング（株）製）で処理した。処理方法は脱脂
剤・ＦＣ４３２８Ａ、濃度１５ｇ／Ｌ　、浴温５５℃。

処理時間１２０秒でスプレー脱脂後、水洗して次に。

Ｂｔ３１１８を用い全酸度１５〜１７ポイント、遊離酸
度０．４〜０．７ポイント、促進剤濃度１．５〜２．０
ポイント、Ｚｎ２＋１０００〜８００ｐｐｉに調整した
浴を用いた。

上記の処理で鋼板上に生成した燐酸塩皮膜は（１）皮膜
量１．５〜２．０ｇ／ｍ２（２）結晶サイズ１０〜２０
ミクロン（３）Ｐ比率０．６以上が良好である。

塗装耐食性の評価は次の塩水噴霧試験で行った。

前記燐酸塩処理をした鋼板を日本ペイント（株）製のカ
チオン電着塗料・パワートップυ５０を２０〜２３ミク
ロン電着塗装し、　１８０℃で３０分間焼き着は後、鋭
利なナイフで素地に達するクロスカットを入れ、ＪＩＳ
　−２３７１に従い、　　１０００時間の塩水噴霧試験
を行った後、クロスカット部をセロテープ剥離した時の
剥離幅を測定した。剥離幅の小さい程、塗装耐食性が良
好である。

次に、各実施例における本発明と比較例を対比して説明
する。

第２、特許請求の範囲第１項に関する実施例である。本
発明例１．２．３は比較例５の冷延鋼板と同等の良好な
性能を示すのに対して、本発明を適用しない比較例４、
硫黄化合物の量が少ない比較例］、陽極電解の電流密度
、電気量が小さい比較例２、電解浴ＰＨが高いため、無
電荷状態の時間が長く、不＠態皮膜の除去が不完全だっ
た比較例３は燐酸塩処理性、塗装耐食性及び外観が劣る
。

第３表は特許請求の範囲第２項に関する実施例である。

本発明例４．５．６．７は第２表の冷延鋼板と同等の良
好な性能を示すのに対して、電解浴のｐＨが低い比較例
６、ｊｐＡ電荷状態が短時間である比較例７は燐酸塩処
理性、塗装耐食性が劣る。

第４表は特許請求の範囲第３項に関する実施例である。

本発明例８．９は第２表の冷延ｍ板と同等の良好な性能
を示すのに対して、薄目付量の少ないため鉄面がクロメ
ート浴で汚染された比較例８は燐酸塩処理性、塗装耐食
性が劣る。

比較例９は金属酸化物イオンの量が少ないため、燐酸塩
皮膜の一部が非晶質化して、燐酸塩処理外観が悪くなる
と共に塗装性の劣化が若干ある。

比較例１０は金属酸化物イオンの量が多いため、比較例
１１は浴温か高いために燐酸塩処理性、塗装耐食性が劣
る。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明は片面′に！、藏めっき鋼板
の鉄面を定量の硫黄化合物を含む、特定のｐＨ範囲の導
電性情で陽極電解処理後、引続き無電荷状態にする後処
理を施すことで、鉄面に付着した腐食生成物等を除去し
て、また、鉄面のめっき洛中での腐食を防止し、更に、
めっき面のクロメ−１−の化成処理時に鉄面が汚染され
るのを防止して容易に清浄な鉄面を出現させることが出
来、かつ。

優れた憐酸塩処理性、塗装耐食性及び外観を安定に示す
鉄面とすることが出来る有益な片面電気めっき鋼板の製
造方法である。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦型電解槽の断面説明図。 第２図は鉄面の浸漬電位と時間との関係を示す。 第３図は相対浴流速と金属酸化物イオン濃度との関係を
示す。 第４図は連続片面電気めっき鋼板の製造における本発明
に関する設備配置図である。 第５図は連続片面電気めっき鋼板の製造における本発明
に関する他の設備配置図である。 第６図は電解槽及び無電荷浸漬槽の説明図である。 １、コンダクタロール ２、片面めっき鋼帯 ３、電極 ４、導電性情 ５、アンコイラ− ６、被めっき鋼帯 ７、脱脂槽 ８、水洗槽 ９、酸洗槽 １０、めっき槽 １１、電解槽 １２、無電荷浸漬槽 １３、乾燥機 １４、リコイラー １５、化成処理槽 第１図 １１：電解槽 １２：無電荷浸漬槽 ＯＡ点 時間 第３図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）片面電気めっき鋼板の製造において、めっき後、
   非めっき面を孤立電子対を有する硫黄化合物の１種また
   は２種以上を含む濃度１０＾−＾５〜１０＾０モル／ｌ
   と金属酸化物イオンの１種または２種以上を含む濃度１
   ０＾−＾３〜５×１０＾−＾１モル／ｌを含有するｐＨ
   ３〜７の導電性の浴を用い、２Ａ／ｄｍ＾２以上の酸素
   発生反応が起こる電解域で１０クローン／ｄｍ＾２以上
   陽極電解して、引続き前記導電性の浴を含む槽内で０．
   ５〜１０秒間、非めっき面を無電荷状態にして、前記電
   解で非めっき面に生成した不働態皮膜を除去し、前記硫
   黄化合物を非めっき面に吸着させることにより非めっき
   面の燐酸塩処理性を改善することを特徴とする片面電気
   めっき鋼板の製造方法。
2. （２）片面電気めっき鋼板の製造において、片面にめっ
   きを施すと共に一方の非めっき面となる面にも薄目付量
   のめっき行った後、薄目付のめっきを施した非めっき面
   を孤立電子対を有する硫黄化合物の１種または２種以上
   を含む濃度１０＾−＾５〜１０＾０モル／ｌと金属酸化
   物イオンの１種または２種以上を含む濃度１０＾−＾３
   〜５×１０＾−＾１モル／ｌを含有するｐＨ３〜７の導
   電性の浴を用い、２Ａ／ｄｍ＾２以上の酸素発生反応が
   非めっき面上で起こる電解域で１０クローン／ｄｍ＾２
   以上陽極電解して、薄目付のめっきを除去し、引続き前
   記導電性の浴を含む槽内で０．５〜１０秒間、非めっき
   面を無電荷状態にして、前記電解で非めっき面に生成し
   た不働態皮膜を除去し、前記硫黄化合物を非めっき面に
   吸着させることにより非めっき面の燐酸塩処理性を改善
   することを特徴とする片面電気めっき鋼板の製造方法。
3. （３）片面電気めっき鋼板の製造において、片面にめっ
   きを施すと共に一方の非めっき面となる面にも薄目付量
   のめっきを行った後、片面にクロメート処理を施し、非
   めっき面に施した薄目付のめっきに不回避的にクロメー
   トが付着した該薄目付のめっきを施した非めっき面をｐ
   Ｈ３〜８で孤立電子対を有する硫黄化合物の１種または
   ２種以上を含む濃度１０＾−＾５〜１０＾０モル／ｌと
   金属酸化物イオンの１種または２種以上を含む濃度１０
   ＾−＾３〜５×１０＾−＾１モル／ｌを含有するｐＨ３
   〜７の導電性の浴を用い、２Ａ／ｄｍ＾２以上の酸素発
   生反応が非めっき面上で起こる電解域で１０クローン／
   ｄｍ＾２以上陽極電解して、薄目付のめっきを除去し、
   引続き前記導電性の浴を含む槽内で０．５〜１０秒間、
   非めっき面を無電荷状態にして、前記電解で非めっき面
   に生成した不働態皮膜を除去し、前記硫黄化合物を非め
   っき面に吸着させることにより非めっき面の燐酸塩処理
   性を改善することを特徴とする片面電気めっき鋼板の製
   造方法。