JPS6223325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、安全フレームとか日除けフレーム
等の車両用ガードフレームの構造に関し、特に平
行リンク機構によつて天蓋部を高さ変更自在とす
ることによつて低い姿勢と高い正規姿勢とが容易
かつ迅速に得られるようにすると共に、正規姿勢
での強度を充分に確保できるように工夫したもの
である。

周知のようにトラクタ等の車両には左右一対の
前部支柱と、左右一対の後部支柱と、これら支柱
に支持される天蓋部とで形成される安全フレーム
とか日除けフレームが立設されオペレータの種々
防護に供すべく構成されるのであり、こうした場
合フレームは出来るだけ大きく高く立設するのが
効果的である。

然し乍ら余り高くすると車両にフレームを立設
したままトラツク輸送する際に費用が嵩み、従つ
て輸送費の削減を考慮して一時的に高さ低減を可
能とするものが種々提案されている処である。

しかし、それら提案は実開昭53−118221号公報
に示されるように、左右一対の後部支柱によつて
のみ天蓋部を支持するものであり、前後左右の四
柱により支持するものに適用できるものはなかつ
た。また、前記公報に示されたものは、天蓋部の
高さ調整のために、支柱を二分割すると共に平行
リンクで枢支連結しているが、高い正規姿勢と低
い姿勢とを強固に保持する手段がないため、正規
姿勢ではガードフレームとして強度的に不安なも
のであり、低い姿勢では輸送時の安定が得られな
いという問題があつた。

本考案は上記従来技術の欠点を解消することを
目的とし、その特徴とするところは、左右一対の
前部支柱Ｆと、左右一対の後部支柱Ｒと、これら
支柱Ｆ，Ｒに支持される天蓋部Ｔとで形成される
ガードフレームＧが車両に立設され、前記天蓋部
Ｔ高さが低姿勢と低姿勢よりも高い正規姿勢とに
高さ変更自在とされているものにおいて、前記各
支柱Ｆ，Ｒが中途部において上下二分割され、上
側後部支柱１４と下側後部支柱１３とが、中継リ
ンク支柱１５並びに該支柱１５と共に平行リンク
を形成する補助リンク１７とで天蓋部Ｔ高さ変更
自在に枢支連結されると共に、低姿勢と正規姿勢
とでボルト止め可能とされ、上側前部支柱１１と
下側前部支柱８とが低姿勢と正規姿勢とでボルト
止め可能とされている点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図から第５図に示したものは農用トラクタ
に安全フレーム型のガードフレームＧを立設した
場合の一例である。

１はトラクタの機体で、周知のように前部のボ
ンネツト２つきエンジン３の後部にミツシヨンケ
ース４を接結一体化すると共に、該ケース４の後
部両側には後車軸ケース（図示省略）上を介して
後輪５用のフエンダ６を対向配備しこれら対向間
に座席７を設置したものである。

一方ガードフレームＧは、ミツシヨンケース４
の前端両脇から立設された前部支柱Ｆの一対と、
両フエンダ６上から立設された後部支柱Ｒの一対
を備え、これら上端部を介して天蓋部Ｔを構成し
てある。

前部支柱Ｆは上下を中途において分割式とし、
下側前部支柱８の上端に固着した上向き開放状の
コ型接続ブラケツト９を介して上側前部支柱１１
を脱着可能にボルト１０で締結したものであり、
この場合下側前部支柱８の上部近くには仮止めブ
ラケツト１２を前向きに突設してある。

一方後部支柱Ｒの方は、可成り上端寄りにおい
て上下分割状とされ、その下部を構成する下側後
部支柱１３と上部の上側後部支柱１４との間に剛
強な中継リンク支柱１５を枢支連結すると共に、
中継リンク支柱１５の後背側には、上下のリンク
ブラケツト１６，１６を介して左右一対の補助リ
ンク１７，１７を枢支連結することによつて平行
リンクを構成してある。ここで１８，１８は中継
リンク支柱１５の枢結点、１９，１９は補助リン
ク１７の枢結点である。

尚、中継リンク支柱１５の上下には、後部支柱
Ｒとの干渉をなくすために切除部１５ａ，１５ａ
を形成してあり、又高い姿勢でロツクするため、
ボルト孔２０とボルト１０を構成すると共に低い
姿勢でもロツクするための補助ボルト孔２１を中
継リンク支柱１５の適所に形成してある。更に上
下の後部支柱１３，１４間は若干上下に離間する
と共に、それぞれの端部に切除部１３ａ，１４ａ
を形成し高さ変更時の干渉をなくすべく構成して
ある。又、下側後部支柱１３の前面と上側後部支
柱１４の背面には回動を許しかつ一定限において
規制機能をもつた開溝２２，２２を形成してあ
る。更に第３図に仮想線で示すように後車軸ケー
スから立設された左右一対の基部フレーム２３の
上端開拡部を後部支柱Ｒに接結一体化する。

従つて上記構成では、前後の各ボルト１０を抜
き去ると中継リンク支柱１５と補助リンク１７で
構成された平行リンクでもつて天蓋部Ｔが第５図
示のように前下りに低くなり、正規高さＨから第
１図ｈの如く低姿勢となる。この際第５図示のよ
うに後部をボルト１０で仮止めすると共に前部に
ついても仮止めブラケツト１２を利用してボルト
止めすることによつて運送時の安定化が図れる。
一方運送を終えると正規姿勢のＨ高さに戻し操作
しボルト１０で再びロツクする。

本考案によれば、前後左右の四柱により支持さ
れた天蓋部の高さ変更を行なうことができる。し
かも、低姿勢と正規姿勢においては、上下二分割
された支柱が強固にボルト止めされることによ
り、ガードフレームとして強度上好ましく、輸送
時における安定性も図れ、平行リンクを介して容
易かつ迅速に高さ変更できることと相俟つて、四
柱式ガードフレームとして好ましいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例を示す安全フレーム型
つきトラクタの側面外観図、第２図はその要部拡
大図、第３図はそのＡ矢視断面図、第４図は第２
図Ｂ矢視断面図、第５図は安全フレームを低く構
えた場合の側面図である。 １……機体、１５……中継リンク支柱、１７…
…補助リンク、Ｇ……ガードフレーム、Ｆ……前
部支柱、１２……後部支柱、Ｔ……天蓋部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の前部支柱Ｆと、左右一対の後部支柱
   Ｒと、これら支柱Ｆ，Ｒに支持される天蓋部Ｔと
   で形成されるガードフレームＧが車両に立設さ
   れ、前記天蓋部Ｔ高さが低姿勢と低姿勢よりも高
   い正規姿勢とに高さ変更自在とされているものに
   おいて、前記各支柱Ｆ，Ｒが中途部において上下
   二分割され、上側後部支柱１４と下側後部支柱１
   ３とが、中継リンク支柱１５並びに該支柱１５と
   共に平行リンクを形成する補助リンク１７とで天
   蓋部Ｔ高さ変更自在に枢支連結されると共に、低
   姿勢と正規姿勢とでボルト止め可能とされ、上側
   前部支柱１１と下側前部支柱８とが低姿勢と正規
   姿勢とでボルト止め可能とされていることを特徴
   とする車両用ガードフレームの構造。