JPS6223178B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は支持構造上に振動体を支持するための
衝撃吸収マウンテイングに係り、より詳しくは
（ただし非排他的に）車両シヤシー上に自動車エ
ンジンを支持するための衝撃吸収マウンテイング
に関する。

支持構造に装着可能な管状支持体と、この管状
支持体に関して同軸的に配置されマウンテイング
を振動体に連結するための連結部材と、その外側
周縁部が管状支持体の一端にかつその内側周縁部
が前記連結部材に夫々結合されているような環状
エラストマー材料の環状部材と、管状部材に対す
る連結部材の振動を減衰するための流体流式緩衝
器とを具えたような型式の衝撃吸収マウンテイン
グは知られている。

かような型式の衝撃吸収マウンテイングは振動
体のエネルギーの一部を消失させて振動体の振動
を十分に吸収するように機能するので、たとえば
振動体の振動数が該振動体の共振振動数に達した
時に起り得るような過剰な振幅の振動を防止す
る。或る種の使用例においては、振動体の振動の
振幅が大きな時すなわち振動数が小さな時に強力
な緩衝作用が得られ、振幅が小さな時すなわち振
動数が大きな時に極めて軽度の緩衝作用が得られ
るようにするのが好ましい。特に、車両シヤシー
にエンジンを支持するためのマウンテイングはエ
ンジンが低速回転している時または車両が非平坦
地走行により生ずる急激な動揺を受ける時には有
効な緩衝作用を発揮するが、エンジンが高速回転
している時にはマウンテイングの提供する緩衝作
用はできるだけ小さくなることが必要であり、エ
ンジンがシヤシーから絶縁されるとともに快適な
運転条件が確保されるようにすることが望まし
い。

本発明の目的は前述した如くの型式の衝撃吸収
マウンテイングであつて、振動体の振動の振幅が
所定値を超えた時にのみ流体緩衝器が有効となる
ような簡素で堅牢かつ効率的な衝撃吸収マウンテ
イングを提供することである。

叙上の目的を達成するため、本発明は、前掲の
型式の衝撃吸収マウンテイングにおいて、 −管状支持体はエラストマー材料製環状部材から
離れた方のその一端部において１個の横断方向
壁を具え、前記壁は環状部材と共に管状支持体
内に室を画成しており、前記室は緩衝用流体を
収容していること、 −連結部材はステムを有し、前記ステムは室内で
同軸的に延長しているとともに１個の横断方向
板状部材を担持しており、前記板状部材は室を
２個の小室に分割しており、前記小室は管状支
持体の内側壁と板状部材の周縁部との間に形成
された環状通路を介して相互に連通されている
こと、および、 −前記内室の壁の少なくとも１部は弾性的に屈縮
して、管状支持体に対する連結部材の所定値以
下の振幅の振動に起因する室内の潜在的容積変
化を吸収可能となつていること、からなる衝撃
吸収マウンテイングを提供する。

本発明の衝撃吸収マウンテイングは車両シヤシ
ーに自動車エンジンを装架するのに特に適する。

以下、添附図面を参照に本発明の実施例につい
て記載する。

第１図に示した如く、衝撃吸収マウンテイング
は車両シヤシーに固定される管状金属製支持体１
０を有する。管状体１０はその一端に環状フラン
ジ１２を有し、その他端においては金属リング１
４を同軸的に担持している。リング１４の内側面
は上方に向つて拡張する円錐台形を呈する。リン
グ１４の内側面には環状部材１６の外側表面１８
のうち前記内側面に対応して形成された部分が固
定されている。環状部材１６はエラストマー材料
からなり、実質的にベル形であつて、上方に向つ
て拡張する円錐台状の中央開口を有する。環状部
材１６の外側表面１８の上部は凸形状となつてお
り、該環状部材１６の内側表面２０の下部は凹凸
形状となつている。

円錐台状外形の両口ソケツトからなる金属製連
結部材２２は環状部材１６の円錐台状中央開口
に、その広い方の端部が上になるように、位置決
めし結合される。連結部材２２は螺刻した２個の
軸方向の盲穴２４および３０を有し、これらの盲
穴は夫々連結部材２２の上下端面に開口してい
る。上穴２４は車両エンジンに取付けた対応する
ねじを有する連結部材（図示せず）に螺合するた
めに用いられる。連結部材２２の下穴３０にはス
テム２６の螺刻された端部２８が係合する。前記
ステム２６は管状支持体１０の内側で同軸的に延
長している。螺刻端部２８に反対側のステム２６
の端部はワツシヤ３２の形の横断方向板状部材を
担持している。

エラストマー部材１６から離れた方の端部にお
いては、管状支持部材１０はエラストマー材料の
環状ダイヤフラム３６の形の横断方向壁３４によ
つて閉鎖されており、前記環状ダイヤフラム３６
は環状フランジ３８に固定されている。フランジ
３８は管状支持部材１０の環状フランジ１２に結
合されている。ダイヤフラム３６の内側面と外側
面には複数の同心円状環状条溝３６ａ，３６ｂが
夫々設けてあるので、ダイヤフラム３６は鋸歯状
の断面を有する。

管状支持体１０は環状エラストマー部材１６な
らびに横断方向壁３４とともに室４０を形成して
おり、この室４０内に緩衝液が収容される。ワツ
シヤ３２は室４０を第１の可変容積室４０ａと第
２の可変容積室４０ｂとに分割しており、これら
両室４０ａ，４０ｂは管状支持体１０の内側壁と
ワツシヤ３２の外周縁との間に形成された環状通
路４２を介して相互に連通している。

使用に際しては、管状支持体１０は車両のシヤ
シーに装着され、連結部材２２は車両エンジンの
一部に結合される。

エンジンが作動している時およびまたは車両が
進行している時には、この衝撃吸収マウンテイン
グは管状体１０の軸方向のエンジン振動ならびに
この軸に垂直な振動の両者を吸収可能である。こ
の衝撃吸収マウンテイングはエンジン振動の変位
振幅が大きいとき（たとえば、エンジンが低速回
転しているか車両が非平坦地を走行する時発生す
るような振動の場合）には強力な緩衝作用を発揮
するとともに、振幅が小さなとき（たとえばエン
ジンが高速回転している時に生ずる振動）には極
めて軽度の緩衝作用を行う。一般に、環状エラス
トマー部材１６のいかなる弾性変形も室４０の容
積変化を招く傾向があるが、この変化が一定規模
以下のものである場合にはそれはダイヤフラム３
６の弾性変形によつて吸収される。ダイヤフラム
３６が膨張しきつた時にはダイヤフラムは実質的
に剛性部材として作用するので、エラストマー部
材１６がさらに変形すれば緩衝液は室４０ａと室
４０ｂとの間の環状通路４２を通つて流れること
となり、粘性緩衝作用が起る。その際、緩衝液の
流れの方向は部材１６の変形が室４０ａの容積を
減少させるものであるか増加させるものであるか
により定まることとなる。

小さな振幅の振動は室４０の眼に見えない容積
変化を起すが、この容積変化はダイヤフラム３６
の弾性変形によつて完全に吸収されることがわか
る。したがつて、そのような場合には室４０ａと
室４０ｂの間で流体は実質的に移動せず、そのた
め粘性緩衝作用は起らない。

第２図乃至第５図に本発明の衝撃吸収マウンテ
イングの変型態様を示したが、これらの変型態様
は第１図に示した実施例にほぼ類似のものである
ので、以下の記載においては差異のみを詳細に記
載し、同一又は類似の構成部材には同じ参照符号
を用いることとする。

第２図および第３図に示した第１の変型態様に
おいては、横断方向壁３４は金属円板４４により
形成されている。環状部材１６の内側凹凸面２０
には互いに直径方向に対向配置した一対のくぼみ
又は凹刻部４６が形成されている。環状部材１６
はしたがつて軸方向厚さの減少した２つの対向す
る区域１６ａを有していることになり、これらの
区域は互いに垂直な２本の軸線ＡおよびＢ（第３
図参照）に沿つて異なる半径方向可撓性を環状部
材１６に与えている。

この変型態様においては横断方向ワツシヤ３２
は円板４４に対面するエラストマー材料製バツフ
ア４８を具えている。

使用に際しては、連結部材２２の振動の振幅が
小さな場合には環状部材１６の区域１６ａは管状
支持体１０に対して弾性的に変形するので、室４
０の眼に見えない容積変化は粘性緩衝作用を起す
ことなく吸収される。

しかしながら、振幅の大きな振動が発生した場
合には、区域１６ａは直ちにいつぱいに膨張する
ので、環状部材１６はほぼ剛性な部材として作用
する。その結果、緩衝用流体は環状通路４２を介
して２つの室４０ａおよび４０ｂの間を択一的に
流れ、粘性型緩衝効果を奏する。エラストマーバ
ツフア４８は連結部材２２が円板４４に向つて軸
方向に変位するのを制限するストツパとして作用
する。

第４図および第５図に示した衝撃吸収マウンテ
イングの第２変型態様は、環状部材１６の凸状外
面１８には直径方向に互いに対向配置した一対の
くぼみすなわち凹刻５０が形成されている点にお
いてのみ第１図の実施例と異なる。くぼみ５０の
表面は軸線の水平な円筒の表面に対応する如くな
つている。第２図および第３図に示した衝撃吸収
マウンテイングの凹刻４６に比して、くぼみ５０
は互いに垂直な２本の軸線ＣおよびＤ（第５図参
照）に沿つて異なる半径方向可撓性を環状部材１
６に与えている。くぼみ５０に対応して環状部材
１６は軸方向厚さの減少した２つの区域１６ｂを
有する。

このマウンテイングの第２変型態様の使用に際
しては、厚さの減少した部分１６ｂは粘性緩衝作
用を起すことなくダイヤフラム３６と共に弾性的
に変形するので、管状支持体１０に対する連結部
材２２の小さな振幅の振動により生ずる室４０内
の眼に見えない容積変化が吸収される。

第２図および第３図に示した衝撃吸収マウンテ
イングの凹刻４６ならびに第４図および第５図に
示した衝撃吸収マウンテイングの凹刻５０の数と
形状は変えてもよい。すなわち、たとえば環状部
材１６の周りに円周方向に互いに隔てて２個以上
の凹刻を設けることも可能であるし、また、半径
方向に互いに隔てられた複数の同心的環状条溝の
形に凹刻を形成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基く衝撃吸収マウンテイング
の軸方向断面図、第２図は第１図のマウンテイン
グの第一変型態様の軸方向断面図、第３図は第２
図の−線に沿つた断面図、第４図は第１図の
マウンテイングの第二変型態様の断面図、第５図
は第４図のＶ矢視平面図である。 １０……管状支持体、１６……環状部材、２２
……連結部材、２６……ステム、３２……板状部
材、３４，４４……横断方向壁、３６……ダイヤ
フラム、４０……室、４０ａ，４０ｂ……小室、
４２……環状通路、５０……凹刻。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持構造に振動体を支持するための衝撃吸収
   マウンテイングであつて、 該支持構造に装着可能な金属製の管状支持体１
   ０を備え、 該振動体を該マウンテイングに連結するための
   連結部材２２を該管状支持体に同軸的に配置し、 エラストマー材料からなるほぼドーム状の環状
   部材１６を設けて、その半径方向外周部を該管状
   支持体の一端に結合するとともに、その半径方向
   内周部を該連結部材に結合し、該ドーム状環状部
   材の内側面はドームの断面において凸面を呈し、 該管状支持体１０は該環状部材１６から離れた
   ところで横断方向壁３４，４４によつて閉鎖され
   ていて、前記壁は環状部材１６と共に管状支持体
   １０内に室４０を画成しており、前記室４０は緩
   衝用流体を収容しており、 該連結部材２２はステム２６を有し、前記ステ
   ムは連結部材から同軸的に延長しており、前記ス
   テムは室４０内で横断方向板状部材３２を支持し
   ており、前記板状部材３２は室４０を２つの小室
   ４０ａ，４０ｂに分割しており、前記小室４０
   ａ，４０ｂは管状支持体１０の内側壁と板状部材
   ３２の周縁部との間に形成された環状通路４２を
   介して相互に連通されており、 前記環状部材１６および横断方向壁３４，４４
   のうち少なくとも一方は、管状支持体１０に対し
   て連結部材２２が所定値以下の振幅で振動するこ
   とに起因する室４０内の潜在的容積変化を吸収す
   るための手段を備えており、 連結部材２２が管状支持体に対して前記所定値
   より大きな振幅で振動するときには前記緩衝用流
   体は前記２つの小室４０ａ，４０ｂ間で流動して
   流体緩衝作用を提供することを特徴とする衝撃吸
   収マウンテイング。 ２ 前記潜在的容積変化吸収手段は環状部材１６
   に形成した軸方向厚さの減少した区域１６ａから
   なり、前記区域は室４０の弾性屈縮可能な壁部分
   を構成していることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の衝撃吸収マウンテイング。 ３ 環状部材の軸方向厚さの減少した前記区域は
   環状部材の外側表面１８に形成した円周方向に相
   互に隔てられた複数の凹刻５０により形成されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第２項記載
   の衝撃吸収マウンテイング。 ４ 前記潜在的容積変化吸収手段は該横断方向壁
   ３４，４４に形成され、該手段はエラストマー材
   料からなる環状のダイアフラムである特許請求の
   範囲第１項記載の衝撃吸収マウンテイング。