JPS6222497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば被加工部品、被組立部品、被
測定部品などのワークを搭載したプラテンを搬送
するプラテン搬送装置に関するものである。

この種のプラテン搬送装置を大別すると同期式
と非同期式とがある。

上記の非同期式プラテン搬送装置は、一般にフ
リーフロー式と呼ばれ、チエーン又はベルト上に
ランダムにプラテンを載せて搬送し、搬送の途中
でプラテン上にワークのロケーシヨンを行なうも
ので、搬送開始、終了の際にプラテンが大きい衝
撃を蒙り易く、プラテンに搭載したワークの位置
ずれや転落を生じる虞れがある。

また、前記の同期式プラテン搬送装置にはプラ
テン固定式とプラテンフリー式とがある。プラテ
ンフリー式の代表例として送り竿方式の搬送装置
が有り、プラテン固定式の代表例としてチエーン
コンベア式が有る。

上記のプラテンフリー式は搬送開始、終了時の
衝撃が大きい。プラテン固定式はプラテンの設置
所要個数が多く、その上プラテンの交換が容易で
ない。

本考案は上記の事情に鑑みて為され、同期式プ
ラテン搬送装置の固定式とフリー式とのそれぞれ
の長所を有し、短所を取除いた特性、即ち、大き
い衝撃を蒙る虞れ無く、プラテン所要個数が少な
く、しかもプラテンの交換が容易で弾力的な運用
が可能で、その上簡単で低コストのプラテン搬送
装置を提供することを目的とする。

上記の目的を達成する為、本考案は、ワークを
搭載したプラテン用の搬送コンベアと、空のプラ
テン用のリターンコンベアとをほぼ平行に設けた
プラテン搬送装置において、プラテンの下面に駆
動具を係合するための溝を設けると共に搬送用コ
ンベアに上記の溝に嵌合するベアリングを回転自
在に取りつけ、かつ、搬送用コンベアの始発点付
近と終着点付近とにそれぞれプラテンを搬送方向
と直角に押動して搬送用コンベアに積み卸しする
プツシヤを設け、プラテンに搭載したワークに衝
撃を与える虞れなく搬送し得べく為したることを
特徴とする。

次に、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
ついて説明する。

第１図は本考案のプラテン搬送装置の一実施例
の平面図で、１は、ワーク（図示せず）を搭載し
たプラテン２を矢印Ａ方向に搬送するコンベア
で、本実施例においては後に詳述するようなチエ
ーンコンベアを用いてある。３は搬送用のチエー
ンであり、４はチエーン駆動用のスプロケツト５
を備えたインデツクスユニツトである。

上記のプラテン搬送用コンベア１と平行に、プ
ラテン２を矢印Ｂ方向に戻すためのリターンコン
ベア６を設ける。本実施例においては上記のリタ
ーンコンベア６をベルトコンベアで構成し、搬送
コンベア１よりも高速で駆動する。

第２図は上記の搬送用コンベア１のチエーン３
の一部とプラテン２との分解斜視図である。本実
施例においては、コンベア用チエーン３に設けら
れているアタツチメント取付ウイング３ａに１対
のピン７を植設し、このピン７にそれぞれボール
ベアリング８のインナレースを嵌着してアウタレ
ースを回転自在に支承する。一方、プラテン２の
下面に、上記のベアリング８に遊嵌する溝２ａを
形成する。

第１図において、Ｄは搬送コンベア１による搬
送始発点、Ｅは同終着点である。上記の始発点Ｄ
の側方に対向する位置にある、リターンコンベア
６上のプラテン２′を矢印ｄのごとく搬送コンベ
ア１上に押動する搬入プツシヤ９を設け、かつ、
終着点Ｅに位置するプラテン２″をリターンコン
ベア６の上へ、矢印ｅの如く側方に（即ち、搬送
方向矢印Ａと直角に）押動する払出プツシヤ１０
を設ける。１１は搬送用コンベア１の両側に設け
たプラテンガイドである。

以上のように構成したプラテン搬送装置におい
て、インデツクスユニツト４により搬送用のチエ
ーン３を間欠的に駆動しつつ、該チエーン３が停
止しているとき搬入プツシヤ９によりプラテン
２′を矢印ｄ方向に押動して搬送用コンベア１に
搭載する。このとき、１対のベアリング８がプラ
テンの溝２ａに嵌合する。該ベアリング８はアウ
タレースの回転が自由であるから円滑に溝２ａ内
に挿入され、その後チエーン３と共に矢印Ａ方向
に送られる。上記の送り作動はインデツクスユニ
ツト４によつて行なわれるので、その加、減速を
適宜に調節しておくとプラテン２に大きい衝撃を
及ぼさずに効率よく搬送することができる。

プラテン２が搬送終着点Ｅに達して停止したと
き、払出プツシヤ１０により矢印ｅのごとくリタ
ーンコンベア６の上に押し出す。

上記のリターンコンベア６は搬送用コンベア１
よりも高速で運転されているので、空になつたプ
ラテンは矢印Ｂ方向にクイツクリターンされ、搬
入プツシヤ９の手前で待機する。

本図の例では搬送用コンベア１のステーシヨン
数は、始発点Ｄ、終着点Ｅを含めて７個であり、
搬送用コンベア１上には７個のプラテンが乗つて
いる。一方、リターンコンベア６上のプラテン個
数は３である。本実施例の搬送装置においては、
リターンコンベア６の運転速度を適宜に高く設定
し、空のプラテンをクイツクリターンさせてプラ
テンの所要個数を節減し得る。

また、第２図に示したように、プラテン２を矢
印ｄ，ｅ方向に押動して該プラテンを自在にチエ
ーン３に係着、離脱できるので、プラテンに搭載
したワークを搬送コンベアラインに搬入し、払出
しする操作が容易である。また、同様の理由によ
り、必要に応じて搬送コンベア１で搬送途中のプ
ラテンをサイドに取り卸し、所要の検査や手直し
の後に再度搬送コンベアに戻すことも自在に行な
うことができる。しかも上述のごとき中間取卸
し、再挿入の操作はプラテンを水平方向に押動し
て行ない得るので、プラテンの把持や持ち上げ操
作を必要とせず、きわめて容易である。

また、本考案のプラテン搬送装置においては、
プラテンの概略的な外形寸法と溝２ａの寸法とが
同じであれば、異つた型式のプラテンと交換した
り混用したりすることができ、コンベアライン運
用に柔軟性があつて工程管理が容易である。

以上詳述したように、本考案のプラテン搬送装
置は、プラテンに大きい衝撃を与える虞れが無
く、プラテン所要個数が節減され、しかもプラテ
ンの交換使用が随意で運用に便利であり、構成が
簡単で製造コスト、ランニングコストが安いとい
う優れた実用的効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のプラテン搬送装置の一実施例
の平面図、第２図はプラテンとチエーンの一部と
を描いた分解斜視図である。 １……搬送用コンベア、２，２′，２″……プラ
テン、２ａ……プラテンの溝、３……チエーン、
４……インデツクスユニツト、５……スプロケツ
ト、６……リターンコンベア、７……ピン、８…
…ボルベアリング、９……搬入プツシヤ、１０…
…払出プツシヤ、１１……プラテンガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを搭載したプラテン用の搬送コンベア
   と、空のプラテン用のリターンコンベアとをほぼ
   平行に設けたプラテン搬送装置において、プラテ
   ンの下面に駆動具を係合するための溝を設けると
   ともに、搬送コンベアに上記の溝に嵌合するベア
   リングを回転自在に取りつけ、かつ、搬送コンベ
   アの始発点付近と終着点付近とにそれぞれプラテ
   ンを搬送方向と直角に押動して搬送コンベアに積
   み卸しするプツシヤを設け、プラテンに搭載した
   ワークに衝撃を与える虞れなく搬送し得べく為し
   たることを特徴とするプラテン搬送装置。