JPS622216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータの到着報知装置、特に乗
場に対してかごの到着を報知する装置の改良に関
するものである。

一般に、エレベータはかご呼あるいは乗場呼に
対し停止することを決定すると、その乗場にまも
なく到着することと、到着後の走行方向とを予め
報知する。

従来、複数台のエレベータを一群として管理す
る群管理エレベータでは、到着を予め明確に報知
して乗場の待客を誘導し、かつ乗降時の損失時間
を少なくするため到着報知装置を各階乗場に設け
たが、各階乗場への設置は配線本数が多く、コス
トが高くなるなどの難点がある。そのために、最
近は信号の直列伝送による配線数減少策が取られ
るようになつた。しかし、直列伝送は従来の並列
伝送と異なり、故障したときのダメージが大き
い。すなわち、並列伝送であれば、階対応程度の
故障で済むが、直列伝送では故障が全階に影響を
及ぼす場合があるからである。

一方、群管理エレベータにおける到達報知装置
は、エレベータサービス上重要であり、この問題
への対応としては、直列伝送装置を２系列設けて
バツクアツプするなどの方法が考えられるが、こ
の方法は非常に高価になるという欠点がある。

この考案は上記の欠点を解消するもので、各階
に設置され、直列伝送信号で作動する到着報知装
置が故障したとき、かごに設置した別の到着報知
手段を動作させて乗場に対する報知を行わせ、こ
れによりエレベータサービスの低下を軽減する、
安価な、エレベータの到達報知装置を提供するこ
とを目的とする。

以下に、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、図中、１は直列伝送制御装置で、正常動作検
出信号１ａの信号線、直列伝送送信母線１ｂ、直
列伝送受信母線１ｃを備える。２は前記直列伝送
制御装置１の出力信号１ａを入力して動作する正
常動作検出リレーで、他端は電源−に接続され、
常閉接点２ｂを有する。３ａ，３ｂは複数台のエ
レベータの群管理内にあることを検出する図示し
ない群管理内エレベータリレー３の常開接点、４
ａ，４ｂは図示しない停止決定リレー４の常開接
点、５Ua、５Ubは図示していない昇り方向運転
リレー５Ｕの常開接点、５Da，５Dbは図示して
いない降り方向運転リレー５Ｄの常開接点、
F₁，，F₂，F₃，F₄はエレベータの位置検出スイツ
チで、それぞれの階にエレベータが在るときに閉
路するように構成されている。このうち、前記接
点３ａ，４ａ，５Ua，５Da及びエレベータの位
置検知スイツチF₁，F₂，F₃，F₄は電源＋と前記
直列伝送制御装置１の入力端とに互いに並列に接
続されている。U₁，U₂，U₃は１階〜３階の各階
乗場に設けられた昇り方向到着報知器、D₂，
D₃，D₄は２階〜４階の各階乗場に設けられた降
り方向到着報知器で、それぞれ前記直列伝送制御
装置１との間を直列伝送送信母線１ｂ、直列伝送
受信母線１ｃで接続され、他端は電源−に並列に
接続されている。６，７はそれぞれかご（図示せ
ず）に設けられ、ホールランタン、チヤイム、ゴ
ングなどの機器を動作させて乗場に対するかご到
着の報知を行なうための昇り方向到着報知器、降
り方向到着報知器で、一端がそれぞれ前記昇り方
向運転リレー（図示せず）の常開接点５Ub，５
Dbに、他端が電源−に互いに並列に接続され、
前記正常動作検出リレー２の常閉接点２ａ、前記
停止決定リレーの常開接点４ｂと直列に接続さ
れ、電源＋，−とは前記直列伝送制御装置１の回
路に対して並列回路を構成している。

以上の構成に基づき、この考案の一実施例の動
作を説明する。

まず、通常時、群管理内エレベータが、例えば
昇り方向運転中、２階に停止決定すると、常開接
点３ａ，４ａ，５Ua及びF₂が付勢することによ
り、直列伝送制御装置１が作動し、２階昇り方向
到着報知器U₂のみが動作するよう符号化された
信号が送信母線１ｂを通じて伝送される。

そして、この信号が異常なく伝送された結果、
前記２階昇り方向到着報知器U₂が動作すると、
受信母線１ｃを通じて符号化された信号が前記直
列伝送制御装置１へ戻つてくる。

このように、送・受信が正常に行なわれている
限り、直列伝送装置正常検出信号１ａが出力さ
れ、正常検出リレー２は動作している。

従つて、前記正常動作検出リレー２が付勢し、
その常閉接点２ａは開成しており、かごに設けた
到着報知器６，７は作動しない。

正常動作検出信号１ａの発生が止ると、前記正
常動作検出リレー２が消勢し、この常閉接点２ａ
は閉成する。その後、エレベータの停止が決定さ
れると、電源＋→常閉接点２ａ→常開接点３ｂ→
常閉接点４ｂ→常開接点５Ub→昇り方向到着報
知器６→電源−の回路で、かごに設けた昇り方向
到着報知器６が作動して、前記ホールランタン、
チヤイム、ゴングなどの機器を動作させて、かご
の到着を乗場に報知する。

以上、本実施例の動作を昇り方向で説明した
が、この動作は降り方向についても同様に、しか
も群管理エレベータに限定することなく適用でき
る。

なお、本実施例では、昇り方向、降り方向での
到着報知器を別個に設けたが、まとめて一体化し
てもよい。

この考案は、以上説明したとおり、各階乗場に
設置され、直列伝送装置からの信号で作動する群
管理エレベータの到着報知器に加えて、ホールラ
ンタン、チヤイム、ゴングなどの機器を動作させ
て乗場に対するかご到着を報知する第２の到着報
知装置をかごに設け、前記直列伝送装置に異常が
検出されれば、即座に前記第２の到着報知装置の
動作に切換えて乗場に対する到着報知を行なうこ
とができ、その結果、到着報知を待つエレベータ
の利用予定者の間に大きな混乱を生じないように
することができ、しかも少ない経費で済むという
顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気回路図で
ある。 U₁，U₂，U₃……各階乗場に設けた昇り方向到
達報知器、D₂，D₃，D₄……各階乗場に設けた降
り方向到達報知器、F₁，F₂，F₃，F₄……エレベ
ータの位置検知スイツチ、１……直列伝送制御装
置、２……正常動作検出リレー、６……かごに設
けた昇り方向到着報知器、７……かごに設けた降
り方向到達報知器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 各階乗場に設けられ、直列伝送装置による直列
   伝送信号に応答して動作し、乗場に対するかご到
   着報知を行なう第１の到着報知手段を有するエレ
   ベータの到着報知装置において、 (a) 上記直列伝送装置の異常を検出して出力を発
   する異常検出手段、 (b) かごに設置され、かごが乗場に停止決定する
   とそれに応動して、その乗場にかご到着報知を
   行なう第２の到着報知手段、 (c) 上記異常検出手段の出力に応答し、上記異常
   検出出力が発せられていないときは上記第１の
   到着報知手段を動作させるとともに上記第２の
   到着報知手段を切り離し、また上記異常検出出
   力が発せられると、上記第１の到着報知手段を
   切り離すとともに上記第２の到着報知手段を動
   作させる切換手段、 を備えたエレベータの到着報知装置。