JPS6222012B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自転車などの二輪車に適したデイス
クブレーキの改良に関する。さらに詳しくは、車
体への取付時やパツド摩耗時にパツドとデイスク
板との角度を調整してパツドの片当たりを防止
し、安全で確実な制動をするサーボアーム付きデ
イスクブレーキに関する。

以下、本発明を実施例により説明する。

第１図はブレーキの解放状態を示す。１はホイ
ールシリンダ２を設けたブレーキ本体である。シ
リンダ２のシリンダ室３は図示しないマスターシ
リンダと油道により連通し、ピストン４を内装し
ている。ピストン４は後部にカツプリング５を装
着し、前部にはシリンダ室３の開口側に設けた止
め輪６に当接させた座７との間にピストン戻しば
ね８を介在させている。

９はねじ１０によりパツド１１を固定したパツ
ドホルダ、１２は矢印Ｘ方向へ回転するデイスク
板、１３はパツド１１と対向した位置に設けた固
定パツド、１４は本体１に固定されてパツド１３
を支持するパツドホルダである。

１５はパツドホルダ９がピストン４により加圧
されたときデイスク板１２の回転方向側へ移動さ
せる働きをするサーボアームである。このサーボ
アーム１５は、本体１にシリンダ２に対してデイ
スク板１２の回転方向側に設けた支持板１６に軸
１７により一端を軸支させ、他端は軸１８により
パツドホルダ９の端部に設けた腕１９に軸支させ
ている。２０はサーボアーム１５より支持板１６
に対して垂直方向に切り起こした突片で、ここに
は先端をパツドホルダ９の端面９ａに当接させた
調節ねじ２１を螺合している。２２はねじ２１の
ゆるみ止めのためのスプリングである。また、ね
じ２１の当接するホルダ９の端面９ａは、軸１９
の中心線を含む平面上に形成してある。２３はサ
ーボアーム１５の回動を規制するばねで、一端は
サーボアーム１５に、また他端は支持板１６の孔
１６ａに装着されている。

第３図は上記のデイスクブレーキを自転車へ取
り付けた状態を示す。ブレーキ本体１はデイスク
板１２の外周近くにおいてシートステー２４とチ
エーンステー２５との間に固定され、ねじ２１を
設けたサーボアーム１５の突片２０は車軸２６に
対し外周側に突出している。

第４図はサーボアーム１５の展開図を示す。上
片１５ａ，下片１５ｂおよび両者を連結する連結
片１５ｃを有する略Ｈ字状の金属板を折り目イ，
ロでコ字形に折り曲げてサーボアーム１５を形成
する。また、ねじ２１を螺合するねじ孔２０ａを
有する突片２０は、上記の金属板に切り目ハを設
け、折り目ニで直角に折り曲げて形成する。な
お、突片２０を切り起こした連結片１５ｃの一方
の残部により形成される橋部１５c′はスプリング
２３の端部を装着する部分となる。１５ｄ，１５
d′および１５ｅ，１５e′はそれぞれ軸１８および
１７を嵌合する孔である。

第５〜６図はサーボアームの他の例を示すもの
で、突片２０は連結片１５ｃと切り離して、２つ
の折り目ホ，ヘで折り曲げる点、および連結片１
５ｃにスプリング２３の端部を装着する孔１５ｆ
を設ける点が上記の例と異なるが、他は同様であ
る。

このデイスクブレーキは、ブレーキ操作をする
と、図示しない油道を通してマスターシリンダか
らシリンダ室３に加えられる油圧により、ピスト
ン４はばね８の力に抗して前進する。これにより
パツド１１がデイスク板１２側に移動し、パツド
１１と１３によりデイスク板１２を加圧して制動
する。この場合、サーボアーム１５は軸１８側が
軸１７を支点として矢印Ｙで示すように回転する
ため、パツド１１はデイスク板１２に向かつて前
進する時、デイスク板１２の回転方向へ移動し、
くさび効果が生じて強い制動力を発揮するのであ
る。

次にパツド１１が摩耗したときは、第３図に状
態を示すが、初期ではパツド１１はデイスク板１
２に平面で当接したものが、ピストン４はパツド
１１の摩耗分だけ余分に前進するので、サーボア
ーム１５の矢印Ｙで示す円弧運動がより大きく、
そのためパツド１１はデイスク板１２に対して斜
めにセツトされるか、またはパツド１１の一端部
がデイスク板１２に接触して片当たりの状態にな
る。

この場合、調節ねじ２１をさらになじ込んでホ
ルダ９の端面９ａを押し、図矢印Ｚで示すように
回転させ、デイスク板１２との接触時にデイスク
板と平行となるよう調整する。

このように構成したサーボアーム付きデイスク
ブレーキにおいては、デイスク板１２のＸ方向へ
の回転運動に対してサーボアーム１５のＹ方向へ
の動きはほぼ直線運動をするように設計されるの
であるが、パツド１１がデイスク板１２に接した
ときは、パツドホルダ９はデイスク板によりＸ方
向への回転運動となり、従つてサーボアーム１５
に対してはその軸１７，１８を揺動させるような
こじり作用をし、サーボアームによるパツドホル
ダの支持部を著しく損ねる不都合がある。

本発明によればこのような不都合を解消するこ
とができる。すなわち、サーボアーム１５はコ字
形に形成し、その上下片１５ａ，１５ｂにより本
体１の支持板６を挾んでいるので、支持板１６が
アーム１５のＹ方向への円弧運動の案内板の役目
をし、前記のようなこじりに対して強い支持構造
となつている。また、制動時に軸１７にかかる軸
１８よりの押圧力に対しても強度向上を果たして
いる。

また、コ字形のサーボアーム１５は、その上下
片１５ａ，１５ｂをつなぐ連結片１５ｃで形成さ
れる橋部に、ばね２３の端部を係止するようにし
ているので、サーボアーム１５の回動規制をバラ
ンスよく行うことができるとともに、この橋部
は、突片２０の切り起こし残部を利用するので、
アーム１５を金属平板から容易に作ることができ
る。

さらに、突片２０は車軸２６に対してアーム１
５の外側へ切り起こしているので、調節ねじ２１
の操作も容易である。また、ねじの当接するホル
ダ９の端面９ａは、軸１８の中心線を含む面内に
形成し、軸１８の半径方向にあるので、ねじによ
るホルダ９の角度調整を効率よく行える。

以上のように、本発明によれば、サーボアーム
は簡単な構造であるが、パツドホルダに対して強
固な支持構造とすることができ、しかもパツドを
デイスク板に平行に接触させる調節作用を容易に
行うことができ、常に安全で確実な制動を発揮さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のデイスクブレーキの実施例に
おける要部を断面にした平面図、第２図はその動
作状態を示す図、第３図はデイスクブレーキの車
体への取付状態を示す側面図、第４図はサーボア
ームの展開図、第５図はサーボアームの他の実施
例を示す展開図、第６図は同サーボアームの斜視
図である。 １……本体、２……ホイールシリンダ、４……
ピストン、９……パツドホルダ、９ａ……端面、
１１……パツド、１２……デイスク板、１５……
サーボアーム、１７……支持板、２０……突片、
２１……調節ねじ、２３……ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ デイスク板加圧用のパツドを装着したパツド
   ホルダと、パツドホルダをデイスク板側へ加圧す
   るピストンを内装したホイールシリンダと、前記
   ホイールシリンダを内蔵するとともにそのデイス
   ク板の回転方向側に伸びた支持板を有する本体
   と、一端を前記パツドホルダの端部に軸支すると
   ともに他端を前記支持板に軸支してパツドホルダ
   をデイスク板の回転方向へ移動するよう支持した
   サーボアームとを備え、前記サーボアームが、前
   記本体の支持板を挾むコ字形をなし、かつ支持板
   に対して垂直方向に切り起こした突片に先端をパ
   ツドホルダの端面に当接させた調節ねじを設けて
   いることを特徴とするデイスクブレーキ。 ２ 前記調節ねじの当接するパツドホルダの端面
   が、パツドホルダとサーボアームとの軸支部を含
   む平面内に形成された特許請求の範囲第１項記載
   のデイスクブレーキ。 ３ サーボアームにおける前記突片切り起こし部
   の残部で形成される橋部に、サーボアームの回動
   を規制するばねの一端を装着した特許請求の範囲
   第１項記載のデイスクブレーキ。