JPS622188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複写機の原稿セツト面上に複写原稿を
自動的に給送セツトし、複写工程終了後再びこの
原稿を給送排出する複写原稿自動給送手段でセツ
ト面上の一端から給送した原稿を他端の複写基準
位置に配設した規制ストツパーに突き当てゝ停止
せしめセツト面上の所定位置にセツトし、複写終
了後この原稿を再び搬送手段で自動的に搬出せし
めるものとして広く使用せられている。

本考案は原稿セツト面上に装備する搬送手段と
して前後一対のプーリ間に張設した無端ベルトを
使用すると共にセツト面上の基準位置に配設する
規制ストツパーをセツト面上の原稿搬送経路に出
没自在に構成したものに係わる。

従来かゝる装置は給送幅方向に適宜間隔の複数
条のベルトで搬送手段を構成し、このベルト条間
から搬送手段側に配設したストツパー片をセツト
面に向けて出没制御するものと、給送幅方向に広
幅の一枚若しくは数本のベルトで搬送手段を構成
し、複写機のセツト面側から搬送手段に向けてス
トツパー片を出没制御するものとに大別され、前
者の所謂細幅ベルトものは既存の複写機に装備で
きる特徴があるがセツトされた原稿は数条の間隔
を持つたベルトで押圧されることとなり、このベ
ルト端縁が原稿裏側から筋状の影となつて所謂ベ
ルトマークが写つてしまう欠点があり、薄い原稿
にあつてはこれが著しい。

また後者の所謂広幅ベルトのものは規制ストツ
パーを複写機本体の原稿セツト面上に取付けなけ
ればならず、通常はセツト面の端縁を基準位置に
設定し、この端縁からストツパー片を出没制御し
ている。この為既存の複写機にかゝる装置を装備
することが出来ないことは勿論、複写機本体を原
稿給送装置を装備するものとしないものとに区別
することは製造上、販売上問題があり、高価にな
るにも拘らずかゝる装置を装備しない複写機にも
規制ストツパーを内蔵している。

またこの複写機本体側に内蔵した規制ストツパ
ーは厚物原稿等給送装置の非使用時この装置をセ
ツト面から退避させて複写する際に、使用者或い
は原稿（例えば書籍）に触れて故障を引き起し原
稿を確実に基準位置でセツト出来なくなることが
頻発する。

本考案は上記の点に鑑み複写原稿を給送する搬
送手段として給送方向幅広のベルトを使用するこ
とが出来ると共に搬送手段側に原稿規制ストツパ
ーを装備することにより、既存の種々の複写機に
装備することが可能であり、原稿にベルト端縁の
影が写り複写品質の劣化をもたらす恐れも無く、
更らに確実に基準位置に原稿をセツトできる複写
原稿給送装置を簡単な構造で安価に提供すること
をその主な目的としている。

以下図示の一実施例に基づいてその構成を詳述
する。

１は複写機のセツト面で通常の通り透明板で構
成され内部に複写光学系が組込んである。

全体記号５で示す搬送手段は、このセツト面１
上に据付けられ、複写機本体にその一端をヒンジ
連結されセツト面１に開閉自在に装備されてい
る。

この搬送手段５はセツト面１の第１図左右（給
送方向前後）一対のプーリ２，３間に無端ベルト
４を張設して構成してあり、このベルト４の一側
とセツト面１との間に原稿の搬送経路が形成され
ている。

搬送手段５にはその入口側に原稿の供給スタツ
カー１０が、出口側に排紙スタツカー１１がそれ
ぞれ延設してあり、供給スタツカー１０には分離
手段１２、原稿保持手段９が組込まれ、排紙スタ
ツカー１１には排紙ローラ１３が組込まれてい
る。

分離手段１２はスタツカー１０上の原稿６を一
枚づつ分離給送するものであれば如何なる構造の
ものであつても良いが、図示のものは給送方向の
正転ローラと逆転ローラとで原稿を分離するよう
になつている。

そこで本考案は上記無端ベルト４に少なくとも
１個所給送方向（第１図左右方向）のスリツト状
長孔７を形成し、この長孔７からセツト面１の基
準位置に原稿規制ストツパー８を出没昇降せしめ
るようにしたものである。

図示の無端ベルト４は給送する原稿最大幅例え
ばJISA3サイズの幅より広い一枚ベルトで構成し
てあり、このベルト４に給送幅方向３ケ所のスリ
ツト状長孔７が並設してあると共に、この長孔７
がベルトの前後に一対設けてある。

このスリツト状長孔７の給送方向長さはベルト
４の速度及び原稿規制ストツパー８の昇降タイミ
ングに合せて決定すれば良い。

原稿規制ストツパー８は第２図ロに示すように
ベルト４の長孔７に対応する位置にストツパー片
８ａを軸承垂下せしめ、この軸を常時上昇位置即
ちセツト面１から退避した位置に付勢するスプリ
ング８ｂと、このスプリング８ｂに抗してストツ
パー片８ａを下降せしめる作動ソレノイド８ｃと
から構成してある。図示１４は搬送手段５の支持
機枠であり、この機枠１４に作動ソレノイド８ｃ
が取付けてある。

これと共に本考案は供給スタツカー１０から搬
送手段５の入口端との間に原稿保持手段９が設け
てある。

この原稿保持手段９は分離手段１２からの原稿
６を一時的に停止させ、搬送手段５とのタイミン
グを合せて給送する為でその構造は図示のレジス
トローラ、或いは後述するゲートストツパー或い
は回転するローラに離接自在のピンチローラ、再
らには回転・停止制御自在なフイードローラ等
種々のものが採用できる。

図示のレジストローラから成る原稿保持手段９
は分離手段１２から送られた原稿先端を停止状態
で突き当てゝ原稿先端左右の不揃いを修正、所謂
スキユー修正した後、その回転によつて搬送手段
５に原稿６を給送するようになつている。そして
図示の無端ベルト４にはそのスリツト状長孔７の
位置を検知するセンサー１５が設けてある。

そこでその作用を第３，４図に従つて説明する
に、まず第３図イの状態に規制ストツパー８をセ
ツト面１から退避したベルト４の内側位置に、分
離手段１２を原稿６を分離して先端をレジストロ
ーラ（原稿保持手段）９に喰え込んだ状態で複写
機本体からの原稿給送指示に備える。

原稿給送指示信号を得て搬送手段５を起動し、
無端ベルト４のスリツト状長孔７が所定の位置に
来たのをセンサー１５で検知する。

このセンサー１５からの信号を受けてレジスト
ローラ９を同ロ図の如く回転せしめて原稿を搬送
手段５に送り込むと同時にセンサー１５からの信
号を基準に原稿規制ストツパー８のセツト面１上
へ突出タイミングを計る。

そして無端ベルト４のスリツト状長孔７の先端
が原稿規制ストツパー８の位置に至つた後このス
トツパー８を作動ソレノイド８ｃでセツト面１上
に降下させる。（第３図ハ） これと共にスリツト状長孔７の後端が原稿規制
ストツパー８に衝合する手前で原稿６を規制スト
ツパー８に先端を突き当てゝ停止せしめると同時
に相前後して無端ベルト４を停止せしめる。

この状態で複写工程を終了し、原稿の排紙指示
信号を受けてまず原稿規制ストツパー８を第３図
イの状態に復帰させ搬送手段５を起動する。する
とセツト面１上の原稿６は排紙スタツカー１１に
搬出収納されると共に次の原稿６がレジストロー
ラ９から搬送手段５に送り込まれ同様に給送セツ
トされる。次に第５図に示すものは、第１図のも
のが無端ベルト４のスリツト状長孔７の初期位置
が所定位置からズレた場合にこのスリツト状長孔
７とストツパー８及び原稿保持手段９の原稿送り
込み時とをタイミング合せする為原稿給送の都度
センサー１５で長孔７の位置を検知し、その信号
でストツパー８と原稿保持手段９とを制御してい
るのに対しベルト４がみだりに位置ずれしないよ
うにしたものである。

無端ベルト４は第１図のものと同様にスリツト
状長孔７が形成してあるが、このベルト４内面に
はタイミングベルト状の係合歯１６が形成してあ
り、この係合歯１６が前後一対のプーリ２，３に
それぞれ噛合してある。

そして図示のものは原稿保持手段９をゲートス
トツパーで構成してあり、１７はピンチローラで
ある。

その他は第１図のものと同様で同一番号を付し
て説明に代える。

このようにするとベルト４とプーリ２，３とは
一体的に噛み合つてプーリ２，３に連結したパル
スモーター（図示せず）の負荷でベルト４がみだ
りに位置ズレする心配がない。

そこでベルト４の長孔７と原稿保持手段９及び
原稿規制ストツパー８とを同期させベルト４の給
送タイミングに合せて制御すれば良い。

その制御は、原稿手段９から送り出した原稿先
端が規制ストツパー８に至る前に規制ストツパー
８がセツト面１に突出し、且つこの時規制ストツ
パー８はベルト４の長孔７に係合すること、及び
この長孔４に係合（貫通）した規制ストツパー８
に長孔７の後端が衝合する前にベルト４を停止せ
しめると同時に原稿６先端を規制ストツパー８に
突き当てるようにすることである。

本考案は叙上の構成から成り、搬送手段５側に
配設した原稿規制ストツパー８を無端ベルト４の
スリツト状長孔７からセツト面１の基準位置に出
没せしめるものであるから、例えば実開昭54−
148143号公報に示されるような従来の複写機本体
側に原稿規制ストツパー８を装備するものに比
べ、既存の種々の複写機にかかる給送装置を装着
することが出来ると共に、原稿セツト面１等の使
用者の手に触れ或いは書籍等の複写機に触れる位
置にストツパー８が位置しないからこのストツパ
ー８の故障をもたらす恐れが少ない。

これと共に、搬送手段５としては原稿６全体を
覆う幅広ベルト４を使用できるから従来の原稿規
制ストツパーを搬送手段側からセツト面に昇降せ
しめる為複数条のベルトを使用するものに比べベ
ルト端縁の影が原稿の裏側から写し出されて不良
複写を招くことがない。

更に無端ベルトにはこれを略２分する位置で前
後２個所にスリツト状長孔７が形成してあり、こ
の長孔から原稿規制ストツパーがセツト面側に出
没するようにしてあるから、第１の長孔から臨ま
せたストツパーで原稿を停止し、複写後この原稿
を排出するのと、同時に次の原稿を第２の長孔の
位置にタイミング合せして送り込み第２の長孔か
らストツパーを突出させて停止することにより連
続して原稿を給排送でき高率的な複写動作が可能
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好適な実施例を示し、第１図は
第１実施例の全体説明図、第２図イ，ロは無端ベ
ルト及び原稿規制ストツパーの説明図、第３図
イ，ロ，ハはその作動状態の説明図、第４図は動
作説明のブロツク図、第５図イ，ロは第２実施例
の説明図である。 １……セツト面、２，３……プーリ、４……無
端ベルト、５……搬送手段、６……原稿、７……
スリツト状長孔、８……原稿規制ストツパー、９
……原稿保持手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複写機のセツト面１上に、原稿幅より広幅の無
   端ベルト４を前後一対のプーリ２，３間に張設し
   てある搬送手段５を装備し、この搬送手段５の原
   稿入口端からセツト面１上の基準位置に原稿６を
   給送する複写原稿給送装置において、上記無端ベ
   ルト４の略２分する位置で前後２個所にスリツト
   状長孔７を形成し、この長孔７から上記セツト面
   １の基準位置に出没する原稿規制ストツパー８を
   上記搬送手段５に装備すると共に、上記搬送手段
   ５の原稿入口端にゲートストツパー、レジストロ
   ーラ、ピンチローラ等の原稿保持手段９を設け、
   該原稿規制ストツパー８のセツト面１上への出没
   と、該原稿保持手段９の原稿送り込みとを、上記
   無端ベルト４に形成した長孔７の給送タイミング
   に応じて制御したことを特徴とする複写原稿給送
   装置。