JPS6221857B2 - - Google Patents
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- JPS6221857B2 JPS6221857B2 JP58207509A JP20750983A JPS6221857B2 JP S6221857 B2 JPS6221857 B2 JP S6221857B2 JP 58207509 A JP58207509 A JP 58207509A JP 20750983 A JP20750983 A JP 20750983A JP S6221857 B2 JPS6221857 B2 JP S6221857B2
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- corrosion
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Landscapes
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
この発明は、高温の酸化環境において、優れた
耐食性と高温強度を持ち且つ適度の靭性を有す
る、耐熱耐食性に優れた高クロム合金に関するも
のである。 例えば、石炭などの燃焼雰囲気下で使用される
構造材料は、高温の石炭灰などによる腐食に対す
る優れた耐食性と高温強度を有していることが必
要である。従来、上述のような環境下で使用され
る材料としては、例えばオーステナイト系のイン
コロイ800合金、インコネル617合金などが知られ
ている。 しかしながら、上述した従来の合金は、強度を
重視した構成になつているので、そのクロム含有
量は約23wt.%程度までであり、石炭灰腐食に対
する耐食性が不十分である。 本発明者等は、上述した問題を解決し、高温の
石炭灰などによる腐食環境下において優れた耐食
性と高温強度を有する、耐熱耐食性に優れた高ク
ロム合金を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結
果、高温強度を出すためのTi、Nb、Ta等の元素
の含有量を調整し且つMoの含有量を適正化する
ことによつて、Crを最大限に含有させれば、耐
食性を改善し得ることがわかつた。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であつて、 C:0.005〜0.08wt.%、 Si:1.0wt.%以下、 Mn:1.0wt.%以下、 Cr:25〜37wt.%、 Fe:10〜30wt.%、 Moおよび/またはW:0.5〜3.0wt.%、 N:0.04wt.%以下、 Al:0.01〜3wt.%、 を含有し、 Ti:0.15wt.%以下、 Nb(+Ta):1.0wt.%以下 のうちの少なくとも1種を含有し、そして、前記
CおよびNと、前記Al、TiおよびNb(+Ta)と
の間に次の関係が成立し、 Al/2+Ti/3.4N Nb(+Ta)/8+Ti/4C 残りがNiまたはNiおよびCoと不可避的不純物
からなることに特徴を有するものである。 次に、この発明合金の成分組成範囲を、上述の
ように定めた理由について説明する。 Cは、高温強度を向上させる作用を持つ有効な
元素である。しかしながら、Cの含有量が
0.005wt.%未満では、上述した作用に所望の効果
が得られない。一方、Cの含有量が0.08wt.%を
超えると靭性が劣化する問題が生ずる。従つて、
Cの含有量は、0.005から0.08wt.%の範囲内に限
定すべきである。 Siは、脱酸剤として使用されるところから、合
金中に必然的に入つてくる元素である。しかしな
がら、Siの含有量が1.0wt.%を超えると、オース
テナイト地を不安定にする問題が生ずる。従つ
て、Siの含有量は、1.0wt.%以下に限定すべきで
ある。 Mnは、脱酸剤としてCおよびSiと共に使用さ
れるところから、合金中に必然的に入つてくる元
素である。しかしながら、Mnの含有量が1.0wt.
%を超えると、冷間加工性を損う問題が生ずる。
従つて、Mnの含有量は、1.0wt.%以下に限定す
べきである。 Crは、石炭灰腐食のような厳しい腐食環境下
において耐食性を向上させる作用を持つ有効な元
素である。しかしながら、Crの含有量が25wt.%
未満では、上述した作用に所望の効果が得られな
い。一方、Crの含有量が37wt.%を超えると、
α′相が析出して靭性が劣化する問題が生ずる。
従つて、Crの含有量は、25から37wt.%の範囲内
に限定すべきである。 Feは、オーステナイト地を安定化し、σ相を
析出させない作用を持つ元素である。しかしなが
ら、Feの含有量が30wt.%を超えると、上述した
作用に所望の効果が得られない。一方、本発明合
金は、市販スクラツプの利用および母合金の活用
を図ることによつて、そのコストの低廉化を図つ
ているので、Feの含有量が10wt.%未満では、上
述した作用に所望の効果が得られない。従つて、
Feの含有量は、10から30wt.%の範囲内に限定す
べきである。 Moは、高温強度を向上させこれを保証する有
効な元素である。しかしながら、Moの含有量が
0.5wt.%未満では、上述した作用に所望の効果が
得られない。一方、Moの含有量が3.0wt.%を超
えると、σ相およびα′相が析出して靭性が劣化
し、また、Niの含有量が40wt.%を超える合金の
場合には、耐食性も劣化する問題が生ずる。従つ
て、Moの含有量は、0.5から3.0wt.%の範囲内に
限定すべきである。 Wは、Moと同様の作用効果を、Moと等価で有
している。従つて、Moは、その一部または全部
を当量のWで置換することができる。 Nは、溶解に際して、不可避的に混入する元素
であるが、Nの含有量が0.04wt.%を超えると、
Cr2Nが生成して靭性が劣化する問題が生ずる。
従つて、Nの含有量は、0.04wt.%以下に限定す
べきである。 Alは、溶解に際して、不可避的に混入するO2
およびNを固定する作用を持つ元素である。しか
しながら、Alの含有量が0.01wt.%未満では、上
述した作用に所望の効果が得られない。一方、
Alの含有量が3wt.%を超えると、靭性が劣化す
る問題が生ずる。従つて、Alの含有量は、0.01か
ら3wt.%の範囲内に限定すべきである。 Tiは、Alと共にNを固定する作用を持つ元素
である。しかしながら、Tiの含有量が0.15wt.%
を超えると、Ti(CN)の大型介在物が生成して
靭性が劣化する問題が生ずる。従つて、Tiの含
有量は、0.15wt.%以下に限定すべきである。 NbおよびTaは、Cr炭化物の生長を抑制して耐
食性に有効なCrの消費を防止する作用を持つ元
素である。しかしながら、NbおよびTaの含有量
が1.0wt.%を超えると靭性が劣化する問題が生ず
る。従つて、NbおよびTaの含有量は、1.0wt.%
以下に限定すべきである。なお、NbとTaは等価
であり、以下、Nb(+Ta)と記載する。 上記Tiと、Nb(+Ta)とは、その少なくとも
1種が含有されていればよい。 CおよびNは、高Cr合金の場合に脆化が生ず
る原因になるので、CおよびNと、Al、Ti、Nb
(+Ta)との間は、次の関係が成立していること
を要する。 Al/2+Ti/3.4N Nb(+Ta)/8+Ti/4C 上述した元素以外は、溶製上不可避的に含有す
る不可避的不純物を除き、NiおよびCoとする。
なお、CoはNiと等価であつて、Niの一部または
全部を、Coで置換することができる。 次に、この発明を、実施例により説明する。 第1表は、本発明合金A〜G、比較合金H〜K
および従来合金の成分組成と、溶製された前記各
合金を圧延し、溶体化処理を施して試験片を調製
し、これらの試験片に対して、クリープ破断試験
および石炭灰腐食試験を行なつたときの試験結果
である。なお、クリープ破断試験は、試験片に対
し、700℃の温度において、20Kg/mm2の荷重をか
けて行ない、そして、石炭灰腐食試験は、
Na2SO4:K2SO4:Fe2O3が1.5:1.5:1の灰中
に、700℃の温度で100時間試験片を浸漬すること
により行なつた。 第1表から明らかなように、本発明合金A〜G
は何れもクリープ破断試験における破断時間が
180時間以上であつて、従来の17−14CuMo鋼よ
りも優れた高温強度を示し、また、石炭灰腐食試
験における腐食量が17〜41mg/cm2であつ
耐食性と高温強度を持ち且つ適度の靭性を有す
る、耐熱耐食性に優れた高クロム合金に関するも
のである。 例えば、石炭などの燃焼雰囲気下で使用される
構造材料は、高温の石炭灰などによる腐食に対す
る優れた耐食性と高温強度を有していることが必
要である。従来、上述のような環境下で使用され
る材料としては、例えばオーステナイト系のイン
コロイ800合金、インコネル617合金などが知られ
ている。 しかしながら、上述した従来の合金は、強度を
重視した構成になつているので、そのクロム含有
量は約23wt.%程度までであり、石炭灰腐食に対
する耐食性が不十分である。 本発明者等は、上述した問題を解決し、高温の
石炭灰などによる腐食環境下において優れた耐食
性と高温強度を有する、耐熱耐食性に優れた高ク
ロム合金を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結
果、高温強度を出すためのTi、Nb、Ta等の元素
の含有量を調整し且つMoの含有量を適正化する
ことによつて、Crを最大限に含有させれば、耐
食性を改善し得ることがわかつた。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であつて、 C:0.005〜0.08wt.%、 Si:1.0wt.%以下、 Mn:1.0wt.%以下、 Cr:25〜37wt.%、 Fe:10〜30wt.%、 Moおよび/またはW:0.5〜3.0wt.%、 N:0.04wt.%以下、 Al:0.01〜3wt.%、 を含有し、 Ti:0.15wt.%以下、 Nb(+Ta):1.0wt.%以下 のうちの少なくとも1種を含有し、そして、前記
CおよびNと、前記Al、TiおよびNb(+Ta)と
の間に次の関係が成立し、 Al/2+Ti/3.4N Nb(+Ta)/8+Ti/4C 残りがNiまたはNiおよびCoと不可避的不純物
からなることに特徴を有するものである。 次に、この発明合金の成分組成範囲を、上述の
ように定めた理由について説明する。 Cは、高温強度を向上させる作用を持つ有効な
元素である。しかしながら、Cの含有量が
0.005wt.%未満では、上述した作用に所望の効果
が得られない。一方、Cの含有量が0.08wt.%を
超えると靭性が劣化する問題が生ずる。従つて、
Cの含有量は、0.005から0.08wt.%の範囲内に限
定すべきである。 Siは、脱酸剤として使用されるところから、合
金中に必然的に入つてくる元素である。しかしな
がら、Siの含有量が1.0wt.%を超えると、オース
テナイト地を不安定にする問題が生ずる。従つ
て、Siの含有量は、1.0wt.%以下に限定すべきで
ある。 Mnは、脱酸剤としてCおよびSiと共に使用さ
れるところから、合金中に必然的に入つてくる元
素である。しかしながら、Mnの含有量が1.0wt.
%を超えると、冷間加工性を損う問題が生ずる。
従つて、Mnの含有量は、1.0wt.%以下に限定す
べきである。 Crは、石炭灰腐食のような厳しい腐食環境下
において耐食性を向上させる作用を持つ有効な元
素である。しかしながら、Crの含有量が25wt.%
未満では、上述した作用に所望の効果が得られな
い。一方、Crの含有量が37wt.%を超えると、
α′相が析出して靭性が劣化する問題が生ずる。
従つて、Crの含有量は、25から37wt.%の範囲内
に限定すべきである。 Feは、オーステナイト地を安定化し、σ相を
析出させない作用を持つ元素である。しかしなが
ら、Feの含有量が30wt.%を超えると、上述した
作用に所望の効果が得られない。一方、本発明合
金は、市販スクラツプの利用および母合金の活用
を図ることによつて、そのコストの低廉化を図つ
ているので、Feの含有量が10wt.%未満では、上
述した作用に所望の効果が得られない。従つて、
Feの含有量は、10から30wt.%の範囲内に限定す
べきである。 Moは、高温強度を向上させこれを保証する有
効な元素である。しかしながら、Moの含有量が
0.5wt.%未満では、上述した作用に所望の効果が
得られない。一方、Moの含有量が3.0wt.%を超
えると、σ相およびα′相が析出して靭性が劣化
し、また、Niの含有量が40wt.%を超える合金の
場合には、耐食性も劣化する問題が生ずる。従つ
て、Moの含有量は、0.5から3.0wt.%の範囲内に
限定すべきである。 Wは、Moと同様の作用効果を、Moと等価で有
している。従つて、Moは、その一部または全部
を当量のWで置換することができる。 Nは、溶解に際して、不可避的に混入する元素
であるが、Nの含有量が0.04wt.%を超えると、
Cr2Nが生成して靭性が劣化する問題が生ずる。
従つて、Nの含有量は、0.04wt.%以下に限定す
べきである。 Alは、溶解に際して、不可避的に混入するO2
およびNを固定する作用を持つ元素である。しか
しながら、Alの含有量が0.01wt.%未満では、上
述した作用に所望の効果が得られない。一方、
Alの含有量が3wt.%を超えると、靭性が劣化す
る問題が生ずる。従つて、Alの含有量は、0.01か
ら3wt.%の範囲内に限定すべきである。 Tiは、Alと共にNを固定する作用を持つ元素
である。しかしながら、Tiの含有量が0.15wt.%
を超えると、Ti(CN)の大型介在物が生成して
靭性が劣化する問題が生ずる。従つて、Tiの含
有量は、0.15wt.%以下に限定すべきである。 NbおよびTaは、Cr炭化物の生長を抑制して耐
食性に有効なCrの消費を防止する作用を持つ元
素である。しかしながら、NbおよびTaの含有量
が1.0wt.%を超えると靭性が劣化する問題が生ず
る。従つて、NbおよびTaの含有量は、1.0wt.%
以下に限定すべきである。なお、NbとTaは等価
であり、以下、Nb(+Ta)と記載する。 上記Tiと、Nb(+Ta)とは、その少なくとも
1種が含有されていればよい。 CおよびNは、高Cr合金の場合に脆化が生ず
る原因になるので、CおよびNと、Al、Ti、Nb
(+Ta)との間は、次の関係が成立していること
を要する。 Al/2+Ti/3.4N Nb(+Ta)/8+Ti/4C 上述した元素以外は、溶製上不可避的に含有す
る不可避的不純物を除き、NiおよびCoとする。
なお、CoはNiと等価であつて、Niの一部または
全部を、Coで置換することができる。 次に、この発明を、実施例により説明する。 第1表は、本発明合金A〜G、比較合金H〜K
および従来合金の成分組成と、溶製された前記各
合金を圧延し、溶体化処理を施して試験片を調製
し、これらの試験片に対して、クリープ破断試験
および石炭灰腐食試験を行なつたときの試験結果
である。なお、クリープ破断試験は、試験片に対
し、700℃の温度において、20Kg/mm2の荷重をか
けて行ない、そして、石炭灰腐食試験は、
Na2SO4:K2SO4:Fe2O3が1.5:1.5:1の灰中
に、700℃の温度で100時間試験片を浸漬すること
により行なつた。 第1表から明らかなように、本発明合金A〜G
は何れもクリープ破断試験における破断時間が
180時間以上であつて、従来の17−14CuMo鋼よ
りも優れた高温強度を示し、また、石炭灰腐食試
験における腐食量が17〜41mg/cm2であつ
【表】
て、従来のインコロイ800合金よりも優れた耐食
性を示した。これに対して、従来の17−14CuMo
鋼は腐食量が極めて多く、またインコロイ800合
金は、高温強度が極めて低かつた。 比較合金H〜Kは、何れもTiおよびNb(+
Ta)が含有されていない。そして、比較合金H
はMo含有量が本発明の範囲よりも少なく、比較
合金はMoが含有されていないので、何れもク
リープ破断時間は短く、高温強度が低かつた。一
方、比較合金JおよびKは、Mo含有量が本発明
の範囲よりも多いので、クリープ破断時間は長
く、高温強度は高いが、石炭灰腐食量が多く、耐
食性が極めて悪かつた。更に、比較合金Jおよび
Kは、過剰に含有されているMoによつて、第2
相および炭化物が析出し、靭性が著しく低下し
た。即ち、室温のシヤルピー衝撃吸収エネルギー
(2mmVノツチ標準試験片)は、700℃で200時間
時効後において、本発明合金は何れも10Kg−m以
上であるのに対し、比較合金Jは0.5Kg−m、比
較合金Kは3Kg−mであつて、何れも本発明合金
に比べて低い値を示した。 本発明合金は、上述した性能を有しているの
で、例えば加熱炉管、ボイラ過熱器のような高温
燃焼雰囲気下で使用して優れた効果が発揮される
ほか、Crの含有量が多く、溶液中でも保護被膜
が形成されるので、海水や廃液処理などの厳しい
腐食環境下においても、十分な耐食性を発揮させ
ることができる。 以上述べたように、この発明の高クロム合金に
よれば、高温の酸化環境において、優れた耐食性
と高温強度を持ち且つ適度の靭性が発揮される工
業上優れた効果がもたらされる。
性を示した。これに対して、従来の17−14CuMo
鋼は腐食量が極めて多く、またインコロイ800合
金は、高温強度が極めて低かつた。 比較合金H〜Kは、何れもTiおよびNb(+
Ta)が含有されていない。そして、比較合金H
はMo含有量が本発明の範囲よりも少なく、比較
合金はMoが含有されていないので、何れもク
リープ破断時間は短く、高温強度が低かつた。一
方、比較合金JおよびKは、Mo含有量が本発明
の範囲よりも多いので、クリープ破断時間は長
く、高温強度は高いが、石炭灰腐食量が多く、耐
食性が極めて悪かつた。更に、比較合金Jおよび
Kは、過剰に含有されているMoによつて、第2
相および炭化物が析出し、靭性が著しく低下し
た。即ち、室温のシヤルピー衝撃吸収エネルギー
(2mmVノツチ標準試験片)は、700℃で200時間
時効後において、本発明合金は何れも10Kg−m以
上であるのに対し、比較合金Jは0.5Kg−m、比
較合金Kは3Kg−mであつて、何れも本発明合金
に比べて低い値を示した。 本発明合金は、上述した性能を有しているの
で、例えば加熱炉管、ボイラ過熱器のような高温
燃焼雰囲気下で使用して優れた効果が発揮される
ほか、Crの含有量が多く、溶液中でも保護被膜
が形成されるので、海水や廃液処理などの厳しい
腐食環境下においても、十分な耐食性を発揮させ
ることができる。 以上述べたように、この発明の高クロム合金に
よれば、高温の酸化環境において、優れた耐食性
と高温強度を持ち且つ適度の靭性が発揮される工
業上優れた効果がもたらされる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.005〜0.08wt.%、 Si:1.0wt.%以下、 Mn:1.0wt.%以下、 Cr:25〜37wt.%、 Fe:10〜30wt.%、 Moおよび/またはW:0.5〜3.0wt.%、 N:0.04wt.%以下、 Al:0.01〜3wt.%、 を含有し、 Ti:0.15wt.%以下、 Nb(+Ta):1.0wt.%以下 のうちの少なくとも1種を含有し、そして、前記
CおよびNと、前記Al、TiおよびNb(+Ta)と
の間に次の関係が成立し、 Al/2+Ti/3.4N Nb(+Ta)/8+Ti/4C 残りがNiまたはNiおよびCoと不可避的不純物
からなることを特徴とする、耐熱耐食性の優れた
高クロム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20750983A JPS60100640A (ja) | 1983-11-07 | 1983-11-07 | 耐熱耐食性の優れた高クロム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20750983A JPS60100640A (ja) | 1983-11-07 | 1983-11-07 | 耐熱耐食性の優れた高クロム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60100640A JPS60100640A (ja) | 1985-06-04 |
JPS6221857B2 true JPS6221857B2 (ja) | 1987-05-14 |
Family
ID=16540895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20750983A Granted JPS60100640A (ja) | 1983-11-07 | 1983-11-07 | 耐熱耐食性の優れた高クロム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60100640A (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0660365B2 (ja) * | 1985-07-23 | 1994-08-10 | 株式会社日立製作所 | 高強度・高耐食性合金 |
JPH0196349A (ja) * | 1987-10-06 | 1989-04-14 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | 耐熱鋳鋼 |
FR2845098B1 (fr) * | 2002-09-26 | 2004-12-24 | Framatome Anp | Alliage a base de nickel pour la soudure electrique d'alliages de nickel et d'aciers fil de soudage et utilisation |
JP4431905B2 (ja) | 2008-06-16 | 2010-03-17 | 住友金属工業株式会社 | オーステナイト系耐熱合金ならびにこの合金からなる耐熱耐圧部材とその製造方法 |
JP4780189B2 (ja) | 2008-12-25 | 2011-09-28 | 住友金属工業株式会社 | オーステナイト系耐熱合金 |
DK2511389T3 (en) | 2009-12-10 | 2015-02-23 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | Austenitic heat resistant alloy |
JP5212533B2 (ja) | 2011-11-15 | 2013-06-19 | 新日鐵住金株式会社 | 継目無オーステナイト系耐熱合金管 |
JP5273266B2 (ja) | 2012-02-08 | 2013-08-28 | 新日鐵住金株式会社 | 二重管およびそれを用いた溶接構造体 |
JP5846076B2 (ja) * | 2012-03-28 | 2016-01-20 | 新日鐵住金株式会社 | オーステナイト系耐熱合金 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5867854A (ja) * | 1981-10-16 | 1983-04-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐応力腐食割れ性にすぐれたニツケル基高クロム合金の製造方法 |
JPS59229457A (ja) * | 1983-06-13 | 1984-12-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐応力腐食割れ性に優れたNi基高Cr合金 |
-
1983
- 1983-11-07 JP JP20750983A patent/JPS60100640A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5867854A (ja) * | 1981-10-16 | 1983-04-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐応力腐食割れ性にすぐれたニツケル基高クロム合金の製造方法 |
JPS59229457A (ja) * | 1983-06-13 | 1984-12-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐応力腐食割れ性に優れたNi基高Cr合金 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60100640A (ja) | 1985-06-04 |
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