JPS6221703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の消音器に関する。

内燃機関においては騒音防止上、消音器は必要
不可欠の要素であり、かかる消音器として従来、
第１図に示すような構造のものがある。同図中１
は消音器のケースで、該ケース１は密封筒状構造
をなしている。前記ケース１内には、該ケース１
内に配設したセパレータ２と該ケース１の後端部
１ａとにより空間部が画成されており、該空間部
にパンチング板を長軸小径円筒状に加工して構成
したパイプ３が配設されている。該パイプ３内が
ガス通路とされ、該パイプ３の一端３ａが前記セ
パレータ２の穴２ａ内に、他端３ｂが前記ケース
１の後端部１ａの穴１ｂ内に、夫々軽く圧入され
ている。前記パイプ３の一端３ａ内にはインナパ
イプ４が、他端３ｂ内にはテールパイプ５がそれ
ぞれ軽く圧入されている。更に、前記パイプ３外
の空間部分には吸音材６が充填されている。

以上の如く構成された消音器のインナパイプ４
に導かれた排気ガスは、パイプ３を通つてテール
パイプ５からケース１外に排出されると共に、パ
イプ３内を通過中に、そのパンチング板の穴３ｃ
から該パイプ３外に放射された排気音は、吸音材
６によつて吸収されるようになつている。

しかしながら、斯かる従来の消音器において
は、内部がガス通路とされたパイプ３を構成する
パンチング板を長軸小径円筒状に曲げる加工は、
極めて困難であると共に、セパレータ２の振動を
防止するために、セパレータ２に補強リブ２ｂに
突設する必要があり、セパレータ２の加工数が増
加するばかりでなく、製作上手数がかかり、且つ
コスト高になる等の欠点があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、セ
パレータと共にケースの端部の振動を確実に防止
できることは勿論、構成が簡単で容易に製作でき
て、コストダウンを円滑に図ることができるよう
にした内燃機関の消音器を提供することを目的と
する。

以下、本考案の一実施例を第２図及び第３図に
基づいて詳述する。

両図中１は消音器のケースで、該ケース１は密
封筒状構造体で、その後端部１ａの外周部近傍所
定位置には穴１ｂが穿設されており、この穴１ｂ
の周縁部は前記ケース１の外方にボス状に突出さ
れている。該ケース１内には、該ケース１内に配
設したセパレータ２と該ケース１の後端部１ａと
により空間部が画成されている。前記セパレータ
２の外周部近傍所定位置には穴２ａが穿設されて
いる。この穴２ａの周縁部は前記後端部１ａと反
対側にボス状に突出している。これらの穴１ｂと
２ａとは互いに所定角度、例えば180゜ずれた位
置に設定されている。前記ケース１の後端部１ａ
とセパレータ２との間の空間部に配設された吸音
部１０のカバー（吸音部カバー）１１は、多数の
穴１１ａをパンチングにより穿設したパンチング
板を、両端面が開口する短軸大径円筒状に曲げ加
工して構成したもので、その外径は前記ケース１
の後端部１ａの中心から穴１ｂまでの距離よりも
小さい所定の値に設定されている。また、前記吸
音部カバー１１の高さ（軸長）は、前記ケース１
の後端部１ａと前記セパレータ２との間の間隙よ
り僅かに大きい寸法となつている。前記吸音部カ
バー１１の一端１１ｂの外周面にはフランジ１１
ｃが設けられており、他端１１ｄの周縁は内方に
向かつて僅かに縮径する形状とされている。前記
吸音部カバー１１は前記ケース１の後端部１ａと
前記セパレータ２との間に、該ケース１と同心状
に配設されており、前記フランジ１１ｃが前記後
端部１ａに固着されている。前記吸音部カバー１
１の高さ（軸長）は、前記したようにケース１の
後端部１ａと前記セパレータ２との間の間隙より
稍々大きく、従つて、その他端１１ｄが前記セパ
レータ２押圧するようになつている。前記吸音部
カバー１１内には吸音材６が充填されている。

このようにして、ケース１の後端部１ａとセパ
レータ２との間の空間部に、同心状に吸音部１０
が配設されていることにより、環状のガス通路１
２が構成されている。このガス通路１２には、前
記ケース１の後端部１ａの穴１ｂと前記セパレー
タ２の穴２ａとが互いに所定角度、例えば180゜
ずれた位置において開口している。

前記セパレータ２の穴２ａ内には、インナパイ
プ４の一端部４ａが軽く圧入されており、該一端
部４ａは前記ガス通路１２に開口している。前記
ケース１の後端部１ａの穴１ｂには、テールパイ
プ５の一端部５ａが軽く圧入されており、該一端
部５ａは前記通路１２に開口している。このよう
にして、前記インナパイプとテールパイプ５は、
前記ケース１に装着され且つ前記通路１２を介し
て互いに連通されている。

かかる構成において、インナパイプ４に送られ
た排気ガスＧは該インナパイプ４の一端部４ａか
ら、ケース１の内周面と吸音部カバー１１の外周
面との間の環状のガス通路１２内に導入され、こ
のガス通路１２に沿つて半周し、テールパイプ５
の一端部５ａから該テールパイプ５内に流入し、
該テールパイプ５からケース１外に排出される。
排気ガスＧがインナパイプ４からガス通路１２内
に導入されて膨張する際に発生する排気音は、吸
音部カバー１１の穴１１ａを介して排気材６内に
放射され、該吸音材６により吸収される。また、
セパレータ２は、吸音部カバー１１により押圧さ
れて、その繞み分が取り除かれており、これ以上
繞んで変形することはなく、従つて、ガス通路１
２内を通過する排気ガスＧの圧力がセパレータ２
に加えられても、該セパレータ２が振動すること
はない。

以上説明したように本考案によれば、吸音部カ
バーは短軸筒状であるから、これを構成するため
のパンチング板の曲げ加工が容易である。また、
該吸音部カバーによりセパレータを押圧して該セ
パレータの振動を抑えるようにしたから、該セパ
レータの振動を確実に防止できるものものであり
ながら、該セパレータに振動防止のためのリブ等
を設ける必要がなく、構造が簡単で、しかも、製
作が容易であり、コストダウンを円滑に図ること
ができ、また、ケースの端部の振動をも防止でき
るという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内燃機関の消音器の縦断面図、
第２図は本考案に係る内燃機関の消音器の一実施
例を示す縦断面図、第３図は第２図のＡ−A′線
に沿う断面図である。 １……ケース、２……セパレータ、４……イン
ナパイプ、５……テールパイプ、６……吸音材、
１０……吸音部、１１……吸音部カバー、１２…
…ガス通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 密封筒状構造のケース内に該ケースの端部と該
   ケース内に配設されたセパレータとにより画成さ
   れた空間部にガス通路を形成し、該通路を介して
   インナパイプとテールパイプとを連通すると共
   に、前記空間部に前記ガス通路を通るガスの排気
   音を吸収する吸音材を配設した内燃機関の消音器
   において、前記空間部に前記ケースと同心状に短
   軸筒状で多数の穴を有する吸音部カバーを配設す
   ることにより、該吸音部カバー外周面と前記ケー
   スの内周面との間に略環状のガス通路を構成し、
   該ガス通路を介してインナパイプとテールパイプ
   とを連通させ、且つ前記吸音部カバー内に吸音材
   を当接すると共に、該吸音部カバーにより前記セ
   パレータを押圧して該セパレータの振動を抑える
   ようにしたことを特徴とする内燃機関の消音器。