JPS6221026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば自動車のスイツチングモジユ
ール、バツテリイチエツカ等の電子回路ユニツ
ト、特にケース内に収納される回路基板に接続さ
れる接触子を接触子ハウジングを介してケース外
に露出させてなる電子回路ユニツトを防水性、防
油性等のために、樹脂等の充填剤（以下単に樹脂
という。）で封入してなる樹脂封止型電子回路ユ
ニツトに関するものである。

従来のこの種の樹脂封止型電子回路ユニツト
は、第１図及び第２図に示す如く、ケースａと、
このケースａ内に収納される回路基板ｂと、この
回路基板ｂを支持せしめると共に、上記ケースａ
の開口部に嵌着される接触子ハウジングを兼ねる
蓋部ｃと、この蓋部ｃに貫通支持され、かつ回路
基板ｂ上の回路部に接続される接触子ｅとを備
え、該蓋部の両肩に形成された注入口ｄを介して
樹脂をケースａ内に注入してなるものであるが、
かかる構造の電子回路ユニツトにおいては、その
蓋部７に設けられた注入口ｄの大きさは蓋部７の
外形上、あまり大きく設定できないので、樹脂の
注入作業に時間がかかり、しかも注入個所が限定
されてしまうため完全に封止されにくい不都合が
あり、更には、ケース内への樹脂の注入状態及び
注入量を目視しながら注入することができないの
で、封止状態が分からない不便があつた。またそ
の注入作業を容易ならしめるために注入口ｄを大
きく形成しようとすると、ケースａの全体形状が
大きくなつてしまうという欠点があつた。

本考案はかかる欠点を解消するためになされた
もので、ケースの開口を閉塞し、かつ接触子ハウ
ジングを兼ね備えた蓋部を、接触子ハウジングと
蓋体とに分割できる構造となして、ケースの形状
を大きくすることなく樹脂の注入口を大きくする
ことができる樹脂封止型電子回路ユニツトを提供
することを目的とするものである。

以下に本考案を第３図乃至第５図に示す一実施
例に基づいて詳細に説明する。

１は蓋体で、この蓋体１には、後述のケース４
の開口部を略閉塞しうる大きさの鍔部１ａと、雌
接触子ハウジング（図示せず）と結合するための
係合部１ｂと、後述のケース４内に挿入される挿
入部１ｃを有している。２は雄接触子ハウジング
で、この雄接触子ハウジング２は前記蓋体１のハ
ウジング挿通部１ｄに挿入される接触子貫通保持
部２ａと、該保持部の後端からＬ字状に伸び、か
つその先端が後述のケース４の開口端と係止され
るアーム２ｂとからなつており、その接触子貫通
保持部２ａには接触子３が貫通するように保持さ
れている。４はケースで、このケース４の開口端
には前記アーム２ｂが係止される切欠き４ａが形
成され、またその外周には蓋体１の係合孔１ｅと
係合する係止突起４ｂが形成されている。５は回
路基板で、このケース４内に収納される回路基板
５には雄接触子３が接続されている。６は、ケー
ス４に雄接触子ハウジング２を嵌合したとき、そ
のケース４の内側と雄接触子ハウジング２の周り
との間に形成される間隙を示すものである。

以上が本実施例の構造であるが、次にその作用
について述べると、先ず回路基板５が連結された
雄接触子ハウジング２をケース４の開口部に嵌合
してその回路基板５をケース４内に位置せしめる
と共に、アーム２ｂをケース４の切欠き４ａに係
合せしめることにより、ケース４と雄接触子ハウ
ジング２とを仮結合せしめる。この雄接触子ハウ
ジング２の端子貫通保持部２ａの外径は、ケース
４の内径より、かなり小さく形成されているので
広範囲の間隙６が形成される。この間隙６により
ケース４内に樹脂を注入する作業が容易かつ迅速
にできる。次いでこの樹脂の注入を行なつた後、
該樹脂が硬化する前に蓋体１をそのハウジング挿
通部１ｄに雄接触子ハウジング２が挿入されるよ
うにケース４の開口部上に被せると共に、この蓋
体１の係合孔１ｅにケース４の突起４ａを係合さ
せて組付作業を完了するものである。従つて本実
施例によれば、雄接触子ハウジング２とケース４
とで形成される樹脂注入用の間隙６が大きいこと
から、樹脂注入が容易かつ確実になされると共
に、樹脂による封止状態の確認が容易になされる
効果がある。

以上のように本考案は、回路基板５を収納する
ケース４の一側面に開口部を形成し、前記回路基
板５の一側端に配置され、かつ該回路基板５に接
続された接触子３を貫通保持する接触子ハウジン
グ２に、該接触子ハウジング２をその周囲と前記
ケース４の開口部端縁との間に大径の樹脂注入口
６が形成されるよう該ケース開口部内に係止する
アーム２ｂを設け、一方、内部に前記接触子ハウ
ジング２が嵌挿されるハウジング挿通部１ｄが設
けられ、かつ外部に相手方接触子ハウジング用係
合部１ｂが設けられた蓋体１に、前記ケース開口
部を略閉塞する鍔部１ａと、前記ケース４にその
内壁面に沿つて挿入される挿入部１ｃとを一体的
に設け、さらに、前記樹脂注入口６から前記ケー
ス４内に封止用樹脂を注入すると共に、前記蓋体
１を前記ケース４に結合手段１ｅ，４ｂを介して
結合してなることを特徴とする樹脂封止型電子回
路ユニツトである。従つて、本考案によれば、樹
脂注入口即ち間隙６を大きく設定することができ
るので、樹脂の注入時間の短縮、注入時の作業性
の向上、注入量の確認、注入状態の確認、複数個
所からの注入等が可能となる。また、樹脂はケー
スの壁面に沿つて注入できるので気泡ができにく
い。また、樹脂注入口用間隙６を大きくできるの
で、ケース形状を小型化することもできる。さら
に、接触子ハウジング２の形状を共通化し、かつ
該接触子ハウジングが嵌挿される蓋体１の外形形
状即ち相手方接触子ハウジング用係合部１ｂ等の
形状を種々変更すれば、部品点数を多くしないで
種々仕様の樹脂封止型電子回路ユニツトを提供で
きる。さらにまた、接触子ハウジング２が嵌挿さ
れる蓋体１に、ケース４の開口部を略閉塞する鍔
部１ａと該ケース４にその内壁面に沿つて挿入さ
れる挿入部１ｃとを一体的に設ける構造としたの
で、封止効果がさらに向上できる等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示した分解側断面図、第２図
はその正面図、第３図は本考案の一実施例を示し
た分解斜視図、第４図はその蓋体を外した正面
図、第５図はその分解側断面図である。 １……蓋体、１ａ……鍔部、１ｂ……係合部、
１ｃ……挿入部、１ｄ……ハウジング挿通部、１
ｅ……係合孔、２……雄接触子ハウジング、２ａ
……接触子貫通保持部、２ｂ……アーム、３……
雄接触子、４……ケース、４ａ……切欠き、４ｂ
……係止突起、５……回路基板、６……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回路基板５を収納するケース４の一側面に開口
   部を形成し、前記回路基板５の一側端に配置さ
   れ、かつ該回路基板５に接続された接触子３を貫
   通保持する接触子ハウジング２に、該接触子ハウ
   ジング２をその周囲と前記ケース４の開口部端縁
   との間に大径の樹脂注入口６が形成されるように
   該ケース開口部内に係止するアーム２ｂを設け、
   一方、内部に前記接触子ハウジング２が嵌挿され
   るハウジング挿通部１ｄが設けられ、かつ外部に
   相手方接触子ハウジング用係合部１ｂが設けられ
   た蓋体１に、前記ケース開口部を略閉塞する鍔部
   １ａと、前記ケース４にその内壁面に沿つて挿入
   される挿入部１ｃとを一体的に設け、さらに、前
   記樹脂注入口６から前記ケース４内に封止用樹脂
   を注入すると共に、前記蓋体１を前記ケース４に
   係合手段１ｅ，４ｂを介して結合してなることを
   特徴とする樹脂封止型電子回路ユニツト。