JPS6220974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、立体形をしたトランス等の部品を抱
込み挾持することによりプリント基板の板面に取
付固定するところの金具に関するものである。

従来の技術 従来、この種の金具としては第１図Ａ，Ｂで示
す如きものがあり、それはトランス等の部品Ａを
収容ししかもプリント基板上に固定する函形パー
ツＢと、その函形パーツ内に収容した部品Ａを押
上げて函内に係止する弓形パーツＣとの二つのパ
ーツで構成されているのが通常である。

考案が解決しようとする問題点 この金具ではトランス等の部品を周囲から抱込
めるため安定した支持を可能にするが、部品点数
が多くてコスト面から余り好ましくないばかりで
なく、組立てに手間を必要とするため、出来るな
らば一つのパーツで簡単にトランス等の部品を確
りと挾圧支持可能に構成できれば望ましい。然
し、トランス等のような部品ではコアの大きさに
バラ付きが生ずるものであり、またコアが上下二
つのもので形成されているものもあるため、それ
を一つの金具で取付けるときにはコアの寸法誤差
を吸収ししかも余程大きな挾圧力を発揮できるよ
うに金具を形成しなければならない。

問題点を解決するための手段 本考案に係る取付金具はおいては、プリント基
板に下端側を挿入固定する舌状部を持つた左右の
脚部と、各脚部の上端間に架橋位置する横辺部と
でトランス等の部品を抱込み挾持可能な略下向き
コ字状を呈する金具本体を弾力性のある一つの金
属材料で折曲成形し、その各脚部と横辺部との隅
角部を鋭角に折曲すると共に、横辺部を脚部内方
に湾曲させて円弧状に形成し、更にトランス等の
部品を上辺で係止ししかも各脚部をプリント基板
の板面に下辺で直立状に立付け支持する上下に有
幅の支持片を各舌状部から脚部内方に突出させて
形成することにより構成されている。

作 用 この取付金具では、一つのパーツで形成するた
めコストの低減を可能にし、また一つのパーツで
形成しても横辺部を円弧形に形成しまた横辺部と
左右の脚部との角度を鋭角に形成することにより
コアの寸法誤差を吸収できるばかりでなく、横辺
部の円弧形復元方向偏位力が支持片との間並びに
左右の脚部との間に作用してトランス等の部品を
確り挾持し、更には支持片の下辺をプリント基板
の板面に当接すれば各脚部を同じ高さで直立状に
取付けることができるため、トランス等の部品を
金具内に挿置するだけで確りと挾持できることと
相俟つて組立て作業を極めて簡単にすることがで
きるようになる。

実施例 以下、第２〜４図を参照して説明すれば、次の
通りである。

第２図で示す取付金具は、弾力性のある金属板
材を所定形状に折曲げることにより、本体が形成
されている。その本体は、左右の脚部１，２と各
脚部１，２の上端間に架橋位置する横辺部３とか
らなり、正面が略下向きコの字状を呈するよう一
つの金具で形成されている。また、この本体は第
３図Ａで示す如く脚部１，２と横辺部３とでなす
隅角部が鋭角θに折曲成形され、脚部１，２の下
端側が相互に内側に偏位するように形成されてい
る。その横辺部３は各脚部１，２の内側に向つて
湾曲膨出するよう円弧形に形成されており、この
湾曲形状でスプリング作用を発揮し得るようにな
つている。また、各脚部１，２の下端側には第１
及び３図Ｂで示すように板平面を左右に一部残し
て切除することにより成形した舌状部１ａ，１
ｂ、２ａ，２ｂが設けられている。それは、プリ
ント基板のスリツト内に挿入して突端側を半田付
け等で固定することにより金具本体をプリント基
板の板面に植立固定するものである。その各舌状
部１ａ，１ｂ、２ａ，２ｂの側縁内側には、これ
また板平面を切除する際に一部残すことにより形
成した支持片４ａ，４ｂ、５ａ，５ｂが設けられ
ている。これは、左右脚部１，２及び横辺部３が
形成する空間内に挿入されるトランス等のような
部品の下面を上辺で係合支持するものであり、部
品の脱落防止と共に下辺が部品と基板の板面との
間のスペーサとしてまた脚部１，２をプリント基
板の板面上に立付け支持するストツパの役割を同
時に果すことができるようになつている。

このように構成する取付金具では、第４図で示
す如く本体内に立体形をしたトランス等の部品Ａ
を嵌着固定して後、プリント基板Ｐの板面上に取
付けるものとして用いることができる。

その取付けに際しては、まず、金具本体の下端
開放側より若干脚部１，２の対向間隔を拡開した
状態で部品Ａを圧入する。その圧入状態では、部
品Ａに対して左右の脚部１，２から隅角部を鋭角
θに形成したことによる挾圧力が作用し、また支
持片４ａ，４ｂ、５ａ，５ｂの各上辺と横辺部３
とからは横辺部３を湾曲成形したことによる挾圧
力が作用する。このとき、部品Ａのコアに多少の
寸法誤差があても、その部品Ａの圧入に伴つて隅
角部のなす角度θで脚部１，２を偏位させしかも
横辺部３が円弧形を変形するから、この度合で寸
法誤差を簡単に吸収することができる。また、横
辺部３には円弧形の復元方向に常に反力が生ずる
ため、これが隅角部を内側に引張するよう作用す
ると共に支持片４ａ，４ｂ、５ａ，５ｂを上方に
引張するよう作用する。それに加えて、脚部１，
２の下端側が内側に角度θで偏位することにより
部品Ａは単に脚部１，２及び横辺部３の形成する
空間内に圧入するだけで強い挾圧力で確り挾持さ
れるようになる。この状態で、舌状部１ａ，１
ｂ、２ａ，２ｂをプリント基板Ｐのスリツト内に
挿入して支持片４ａ，４ｂ、５ａ，５ｂの下辺が
板面に当接するまで差込むと、脚部１，２は共に
所望の立上り高さで直立状に植立できしかも部品
を正確な姿勢に立付け支持できるようになり、そ
の裏面に突出する突端部を半田付けすれば金具本
体はプリント基板の板面に確実に植設固定できる
ようになる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係るトランス等部品の取
付金具に依れば、一つのパーツでトランス等の部
品を確り挾持することを可能にし、しかもその取
付けを極めて簡単に行い得て部品を正確な姿勢，
高さに取付けることを可能にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来例に係る取付金具の斜視図、第
１図Ｂは同金具に部品を嵌着した状態で示す断面
図、第２図は本考案に係る取付金具の斜視図、第
３図Ａは同正面図、第３図Ｂは同側面図、第４図
は同金具のプリント基板に対する取付状態で示す
作用説明図である。 １，２……脚部、３……横辺部、４ａ，４ｂ、
５ａ，５ｂ……支持片、θ……鋭角の隅角部、Ａ
……トランス等の部品、Ｐ……プリント基板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリント基板に下端側を挿入固定する舌状部を
   持つた左右の脚部と、各脚部の上端間に架橋位置
   する横辺部とでトランス等の部品を抱込み挾持可
   能な略下向きコ字状を呈する金具本体を弾力性の
   ある一つの金属材料で折曲成形し、その各脚部と
   横辺部との隅角部を鋭角に折曲すると共に、横辺
   部を脚部内方に湾曲させて円弧状に形成し、更に
   トランス等の部品を上辺で係止ししかも各脚部を
   プリント基板の板面に下辺で直立状に立付け支持
   する上下に有幅の支持片を各舌状部から脚部内方
   に突出させて形成してなることを特徴とするトラ
   ンス等部品の取付固定金具。