JPS6220746B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は所定の主走査方向に配列されたアレイ
状の受光センサーを用いて、前記主走査方向にほ
ぼ垂直な副走査方向に対し前記受光センサーと原
稿を相対的に動かすことにより原稿面を走査する
原稿読み取り装置及びこの装置に用いる素子に関
するもので、特に原稿に密着型の一体化した装置
にする事で装置をコンパクト化し、かつ簡単な装
置でありながら高解像度化を図つたものである。

尚本明細書で使用される原稿面とは情報記録面
の他に、きず検査面等の被検面とも含む。

従来、原稿面の情報を光学的に原稿面からの反
射光を利用し読み取る装置の中で、簡単で取り扱
いやすいものは、第１図示の方式による装置であ
る。この装置は原稿幅方向に細長い照明を行なう
光源２と、同じ方向に受光センサーユニツトを並
べた受光部５から構成され、光源２を発した照明
光３は原稿１を帯状に照明し、その反射光４は受
光部５に入射し感知される。

そして受光部５では受光センサーユニツトを一
次元的に配列した方向（以後この方向を主走査方
向と称す）に順次光電変換を行なう事で主走査方
向の読み取りを行ない、更に主走査方向と垂直な
副走査方向に原稿を相対的に動かす事により２次
元的に原稿面の情報を読み取つている。

しかし、第１図示の装置では原稿面上の照明さ
れている各点からの散乱光が１つの受光センサー
ユニツトに混入する為、高分解能が望めず、更に
１つの受光センサーユニツトに対応する原稿面領
域からは、前記ユニツトを抑ぐ限られた立体角中
の光束しか入光しない為感度が低いといつた理由
により高精度の読み取りには適さなかつた。その
為比較的精度を必要としないきず検査等に適用さ
れ、従つて、受光部もフオトセル数個の配列とい
つた低分解能のものであつた。

本発明の主たる目的は、コンパクトな構成でか
つ高感度な原稿読み取り装置用素子を提供する事
にある。

本発明の更なる目的は、情報記録体の読み取り
にも使用可能な十分な高分解能を有する原稿読み
取り装置用素子を提供する事にある。

上記目的を達成する為に本発明では、原稿面に
第１面を密着させた透明担体の前記第１面に対峙
する第２面に受光センサーを設け、更にこの受光
センサー上に不透明部材を設けて、受光センサー
の背後から原稿を照明する事を特徴とする。

以下図を用いて本発明を説明する。

本発明では、受光センサーとしてアレイ方向の
長さが、長尺のものから短尺なものまで製造可能
な高分解能受光センサーを用いるが、これには例
えばSe−As−Te、Si等の非晶質半導体の薄膜フ
オトセンサーアレイが適用可能であり、これは可
視波長領域ですぐれた光電変換特性を示し、真空
蒸着によつて長尺化が容易に行なわれる。また薄
膜でありながら速い応答速度を示し、空気中で化
学的に安定しているという特徴をもつている。

第２図は上記非晶質半導体を用いた受光センサ
ーアレイを説明する図で、薄膜フオトセンサーの
非晶質半導体６は透明電極７と接合端子としての
金属電極８，８′によつてはさまれ１つの受光セ
ンサーユニツトを構成しており、それが原稿幅に
わたつてアレイ状になつている。そして、これら
受光センサーユニツトは原稿読み取りに必要な解
像度を満たすように各ユニツトの大きさ、各ユニ
ツト間のピツチが定められる。この受光センサー
に今、光９が入射した場合、透明電極７を通して
非晶質半導体６に当つた部分のみ光電変換され、
その情報は駆動回路１０により制御されたスイツ
チング回路１１によつて外部に取り出される。こ
の様にして１ライン分の原稿情報は、時系列信号
として受光センサーより取り出す事ができる。

第３図は本発明の実施例を示す図でＡは装置の
全体図、Ｂは素子の断面図である。第３図で装置
は原稿２０に密着して配置された透明担体２３と
主走査方向に母線を有し、主走査方向と平行に設
けられた線光源２４の線光源像を原稿面上に形成
する為のシリンドリカルレンズ２２と、主走査方
向に配列されたアレイ状の受光センサー２１とよ
り構成され、これらの部材は互いに組み合わされ
て一体化されている。本実施例では、線光源２４
は副走査方向の解像度を増す為になるべく細いも
のが望ましく、線光源状のハロゲン光源とか、管
径の小さいキセノン光源が適用でき、また透明担
体２３は密着性の良い、耐磨耗性の材質が望まし
く、密着性を高める為に原稿２０に接する面に曲
率をつけるのも可能である。ここで線光源２４
は、原稿２０を受光センサー２１の背後から照明
する。次に受光センサー２１は第２図で示したも
のを用い、第３図Ｂで示すように非晶質半導体２
５，２５′と、それをはさむ透明電極２６，２
６′と、透明電極に接続された金属電極２７，２
７′、更に光源２４から直接受光センサーに入射
する光を遮断する為の不透明絶縁体２８，２８′
から成る。

この受光センサーは非晶質半導体が、シリンド
リカルレンズ２２によつて２分されているが、そ
れらは透明電極２６，２６′によつて連絡されて
いる為金属電極は一ケ所だけで十分で、その端子
はスイツチング回路に接続されている。

尚第３図Ｂ以外の図では各電極、不透明絶縁体
は詳細に図示していない。

このような構成の装置において集光用のシリン
ドリカルレンズ２２の真上か、その近傍に配した
線光源２４からの照明光は、不透明絶縁体２８，
２８′の間の主走査方向にスリツト状の開口部か
ら入射し、前記シリンドリカルレンズ２２によつ
て集光させられて原稿面を主走査方向に線照明
し、非情報光である直接反射光は再び開口部を通
つて除去され、情報光である散乱光が受光センサ
ー２１の各ユニツトへ入射する。そしてこの受光
センサーの主走査方向の時系列的な走査によつて
同方向の読み取りが行なわれ、更に装置を原稿２
０に対し副走査方向に相対的に動かす事により、
原稿全体の読み取りが行なわれる。

尚、装置と原稿とを相対的に動かす手段は図示
省略する。

このように本発明は、受光センサーの背後から
原稿を照明する構成とすることで、装置をコンパ
クトにできる。また不透明部材によつて光源から
受光センサーに直接入射する光が遮られるため、
高感度の原稿読み取りが可能である。更に不透明
部材によつて照明される領域が制限されるため、
副走査方向の高解像度が維持される。従つて、実
施例のシリンドリカルレンズ２２は必ずしも必要
ではない。

また、前述の実施例においては、更に次の処置
によつて解像度を高める。すなわち、第一に、第
４図に示すように透明担体２３中に受光センサー
２１の各ユニツトに対応した遮光用ストツパー２
９を主走査方向に対し垂直に入れる事により、主
走査方向の解像度が高められる。主走査方向に対
する解像度は、透明担体２３の厚さが薄ければ受
光センサーの各ユニツトの大きさ、ピツチで決ま
るが、前記遮光用ストツパーを設ける事により原
稿面からの情報光を各受光センサーユニツトへ混
迷なく導いて、情報光の散乱による解像度の低下
を防ぐことが出来る。また、遮光用ストツパー面
を、反射面にする事により受光センサーユニツト
へ入射する光量を増加させる事が可能である。尚
遮光用ストツパーのピツチは、受光センサーユニ
ツトのピツチより細いピツチでも有効である。

また第２には透明担体の厚さ、シリンドリカル
レンズ２２の副走査方向の幅を調整する事によ
り、更には受光センサーユニツトを副走査方向に
長くする事によつて受光量を増大させる。一般的
に受光量を増す為には照明地点が受光センサーユ
ニツトを仰ぐ立体角を増大させれば良く、その為
には透明担体を薄くする事等によつて受光センサ
ー面を照明地点に近づけ、また受光センサーユニ
ツトの面積を広くする事で達成できる。この場合
受光センサーユニツトの副走査方向の長さは、主
走査方向の分解能に対して影響を与えない為、長
くする事が可能であり、受光量を増す事による主
走査方向の受光センサーユニツトのピツチを更に
細くする事ができ、解像度の向上が可能である。
但し原稿面を受光センサー面の間の２次、３次の
反射光はノイズとなる為副走査方向にむやみに長
くしてもかえつてノイズを増すが、受光センサー
面に反射防止コートを設ける事によりある程度こ
のノイズを防げる。

このように本発明はコンパクトに一体化された
原稿読み取り装置でありながら、主走査方向に対
しても、副走査方向に対しても高解像度、高感度
の装置を提供できる有用性がある。

ここで一言しておけば、本発明において受光セ
ンサーは必ずしも照明用開口部の両側に必要では
なく、感度の点で許容できれば片側の受光センサ
ーだけを使用した装置でも可能であり、更に主走
査方向の解像度をそれ程必要としなければ遮光ス
トツパーを設ける必要はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の原稿読み取り装置を示す図、第
２図は非晶質半導体を用いた受光センサーを説明
する図、第３図、第４図は本発明の第１実施例を
説明する図である。 ６……非晶質半導体、２０……原稿、２１……
受光センサー、２２……シリンドリカルレンズ、
２３……透明担体、２８，２８′……不透明絶縁
体、２９……遮光用ストツパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原稿面と該原稿面を照明する光源との間に第
   １面を原稿面に密着して配される透明担体と、前
   記第１面に対峙する透明担体の第２面の一部に設
   けられ所定の方向に配列されたアレイ状の受光セ
   ンサーと、同じく前記第２面の前記受光センサー
   より光源側に設けられ前記光源から直接受光セン
   サーに入射する光を遮断する不透明部材とを有
   し、該不透明部材の一部に前記光源からの照明光
   を透明担体を通して原稿面に導く前記所定方向に
   沿つた開口を設け、前記不透明部材によつて前記
   所定方向に垂直な方向において原稿面の照明され
   る領域を制限するよう構成した原稿読み取り装置
   用素子。