JPS6220628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はベランダ用窓枠に関するものであり、
特に既設のベランダに後付け可能な窓枠に関する
ものである。

従来、集合住宅等に採用されているベランダは
単に屋外側に手摺を架設したもので、雨、雪が容
易に侵入し、使用不能となる為、ベランダを屋内
と同様の空間として有効に利用出来ないものであ
つた。既に、かかるベランダを有効に活用する目
的で、手摺の施行と同時に窓枠を取付けたベラン
ダが提案されている。

本考案は既設のベランダに後付けが可能であつ
てスラブ等の損傷を最小限にし、かつその取付作
業の容易なベランダ用窓枠を提供することを目的
とする。

更に、既設のベランダを種々の用途に応じて有
効に活用出来るベランダ用窓枠を提供することを
目的とする。

以下、本考案を図面に示す実施例に基き、詳細
に説明する。ベランダは上部張出しスラブ１、下
部張出しスラブ２、仕切３、及び手摺４より構成
されている。このベランダの建物開口部Ｂに、手
摺４の室内側に窓枠Ａが後付けされている。窓枠
Ａは上枠５、竪枠６、下枠８及び無目９によつて
構成する。

上枠５は両側端に相対向して垂下片５１，５１
を形成した断面コ状の部材である。上枠５は上部
スラブ１下面に垂下片５１，５１を下方に垂下し
て手摺４に平行に取付ける。上枠５は上部スラブ
１にアンカー１１を打設しアンカー１１内部に形
成した雌ネジにボルト１２を螺合して固定する。
上枠５と上部スラブ１間には気密材５２を介在さ
せる。気密材５２は気密性向上と上枠５と上部ス
ラブ１間の建付調整を図るために使用される。

竪枠６は両側端に相対向して平行の突出片６
１，６１を形成した略断面コ状の部材である。竪
枠６は支持片３２を介して、仕切３の支柱３１に
固定される。支持片３２は第３図に示すように断
面コ状の部材であつて仕切３を支える支柱３１の
室内側面に固定する。支持片３２を断面コ状の部
材としたのは仕切３によつて隔てられた隣室の開
口部B′にも窓枠Ａを取付けるためのもので、隣室
の開口部Ｂに窓枠Ａを取付けない場合は断面Ｌ字
状の支持片３２を使用することも可能である。

支持片３２は支柱３１に上下に適宜間隔離して
複数個ビスによつて固定し、この支持片３２にビ
スによつて竪枠６を固定する。

下枠８は側端に相対向して平行に立ち上り片８
１，８１を有する略断面コ状の部材であつて手摺
４の支柱４３の下側に第５図のように補強板８２
をビスによつて固定し、この補強板８２に開孔し
たビス孔８３に下枠８の屋外側の立ち上り片８１
からビスを挿通して固定する。尚、補強板８２は
下枠８の長手方向に沿い、適宜間隔をおき複数
個、配されている。下枠８の室内側の立ち上り片
８１の下方には垂下片８４を形成する。また下枠
８と下部スラブ２間には気密材８５を介在させ
る。この気密材８５も、上枠５及び上部スラブ１
間の気密材５２と同様の役割を果たす。下枠８に
は全長に適宜数水抜き孔（図示せず）を形成して
もよい。

竪枠６間には無目９を掛け渡す。無目９は手摺
４に取付部材４１を介して取付ける。取付部材４
１は第４図に示すように中央をＵ字形に繰り抜
き、直角に折り曲げて支持部４２を形成し、断面
ト字状に形成した部材である。

この取付部材４１を、支持部４２を水平にし
て、取付部材４１上部を手摺４の笠木４４の屋内
側面にビス止めし、固定する。

無目９は相反するように上下に断面コ状の溝部
を形成した部材である。すなわち上方には水平の
上平面９１と両側端全長に垂直に形成した立ち上
り片９２，９２によつて断面略コ状に形成し、下
方には室外方向に幾らか傾斜した下平面９３と両
側端全長に形成した垂下片９４，９４によつて断
面略コ状に形成する。室内側の立ち上り片９２と
垂下片９４は同一面状に形成して連結し上平面９
１と下平面９３間に室外に開放される凹部を無目
９の水平方向全長に形成する。

この無目９の凹部を取付部材４１の支持部４２
に載置し、上平面９１と支持部４２をビス止めす
る。室外側の垂下片９４は取付部材４１下方に当
接しビスによつて固定する。尚、取付部材４１は
笠木の長手方向に沿い、適宜間隔おいて複数個配
されており、その数は補強板８１の数より、多
い。

又、上平面９１には適宜数の水抜き孔を設けれ
ば屋外側に傾斜した下平面９３上に雨水が流れ室
外側に排水可能となる。

本考案は以上のような構成からなり、窓枠Ａに
は無目９の上下に２つの窓枠部分が形成される。
図面に示す実施例においては、各々の窓枠部分に
は引戸Ｃが嵌装されており、又窓枠の一側には引
戸Ｃを収納する戸袋Ｄが設けられている。尚、前
記窓枠部分に嵌装される引戸は種々のものが用途
に応じて適用可能であり、例えば目隠し目的で、
下側の窓枠部分にパネル材を採用すればよい。

又、窓枠Ａの形状も種々のものが採用可能であ
り、実施例においては、片引きタイプのものが示
されているが、勿論、引違いタイプの窓枠に変形
可能である。

本考案は以上の様な構成からなり、既設のベラ
ンダにアンカー、支持片、補強板、取付部材を介
して窓枠を後付けすることが可能となり、又その
取付作業が容易で、スラブ等の損傷を最小にする
ことができる。

更に、既設のベランダに窓枠を後付けすること
により既設のベランダに於ける空間を有効に活用
されることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はベランダの平面図、第２図はベランダ
に窓枠を後付けした状態の縦断面図、第３図はベ
ランダに窓枠を後付けした状態の横断面図、第４
図は取付部材の斜視図、第５図は補強板の斜視図
である。 １……上部張出しスラブ、２……下部張出しス
ラブ、３……仕切、４……手摺、５……上枠、６
……竪枠、８……下枠、９……無目、１１……ア
ンカ、３２……支持片、４１……取付部材、８２
……補強板、Ａ……窓枠、Ｂ……開口部、Ｃ……
引き戸、Ｄ……戸袋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上部、下部張出しスラブおよび両仕切で開口部
   を形成するとともに、該開口部の室外側に手摺を
   架設してなる既設のベランダに後付け可能窓枠に
   おいて 上枠は上部張出しスラブ下面にアンカを介して
   固定し、竪枠は両仕切に支持片を介して固定し、
   下枠は補強板を介して手摺の下側に固定するとと
   もに取付部材を介して無目を手摺の笠木に固定
   し、竪枠間に掛け渡したことを特徴とするベラン
   ダ用窓枠。