JPS6220345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用自動変速機の変速装置に関
する。

一般の変速装置では、シフトレバーの揺動が、
リモートコントロールリンクを介して油圧制御装
置マニユアルバルブのスプールへ伝達されるの
で、リモートコントロールリンクを通す空間が必
要となり、また、特にキヤブオーバ型の自動車で
は、運転席、機関、自動変速機の順番に配置され
てリモートコントロールリンクが長く複雑とな
り、組付け工数および部品点数が多くなつてい
る。

本考案の目的は、長く複雑になるリモートコン
トロールリンク、およびリモートコントロールリ
ンクを通す空間を除去して組付け工数、部品点
数、および製造費を大幅に減少することができる
自動変速機の変速装置を提供することである。

この目的を達するため本発明による変速装置
は、自動変速機油圧制御装置のマニユアルバルブ
のスプールを操作する正転および逆転可能な電動
機と、スイツチの操作により設定された自動変速
機レンジに対応するレンジ信号を発生するレンジ
検出器と、開閉接点またはポテンシヨメータを介
してスプールの位置に対応するスプール位置信号
を発生するスプール位置検出器と、レンジおよび
スプール位置の数に対応する行および列をもつ正
方形マトリツクス状に配置されたアンド回路およ
びこのマトリツクスの対角線上にあるアンド回路
を接続される電動機停止信号発生用オア回路およ
びこの対角線の両側にあるアンド回路をそれぞれ
接続される電動機の正転信号および逆転信号発生
用オア回路を備えかつ正方形の隣接する辺をなす
行および列にあるアンド回路にそれぞれ各レンジ
に対応するレンジ信号およびスプール位置信号を
供給されて電動機の回転を制御する制御部とを備
えている。

図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の実施例のブロツク図である。
運転者により設定されたレンジを検出するレンジ
検出器１の出力信号（レンジ信号）は制御部２へ
送られ、制御部２は、レンジ検出器１からのレン
ジ信号と、油圧制御装置マニユアルバルブのスプ
ールに結合しているコントロールロツド３の位
置、すなわちマニユアルバルブのスプール位置を
検出するスプール位置検出器４からのスプール位
置信号とをパラメータとする出力を電動機５へ送
り、電動機５はコントロールロツド３の移動を制
御する。

第２図ないし第４図はそれぞれレンジ設定部、
すなわちレンジ検出器１の実施例を示している。

第２図のレンジ検出器１では、各レンジに対応
して、すなわちＰ（パーキング）レンジ、Ｒ（リ
バース）レンジ、Ｎ（ニユートラル）レンジ、Ｄ
（ドライブ）レンジ、２（セカンド）レンジ、お
よびＬ（ロー）レンジに対応してスイツチ９ａな
いし９ｆが一列に設けられ、いずれかのスイツチ
が運転者により押されることにより所望のレンジ
が設定される。これらスイツチ９ａないし９ｆは
ランプを含んでおり、設定されたレンジに対応す
るスイツチの内部ランプが点灯する。

第３図のレンジ検出器１では、一方の向きへの
変更用スイツチ１０、および他方の向きへの変更
用スイツチ１１が設けられ、各シフトレンジに対
応して表示ランプ１２ａないし１２ｆが一列に設
けられる。スイツチ１０が運転者により押されて
いる間、設定レンジはＰレンジの方へ変化し、ス
イツチ１１が運転者により押されている間、設定
レンジはＬレンジの方へ変化する。運転者は所望
の設定レンジが得られると、スイツチ１０あるい
は１１から指を離す。

第４図のレンジ検出器１では、第３図のレンジ
検出器と同様に表示ランプ１２ａないし１２ｆが
設けられ、摺動式のスイツチ１４が一方の端位置
へ移動されると、設定レンジはＰレンジの方へ変
化し、スイツチ１４が他方の端位置へ移動される
と、設定レンジはＬレンジの方へ変化し、所望の
レンジが得られるとスイツチ１４は中央の位置へ
戻される。

第５図および第６図は運転席におけるレンジ検
出器１の位置を例示しており、１６はステアリン
グホイール、１７はダツシユボードを示してい
る。第５図ではレンジ検出器１は、床部中央に延
びる隆起部１８上面に設けられ、第６図ではレン
ジ検出器１はステアリングホイール１６のボス部
１９に設けられる。

第７図はマニユアルバルブ２３を示している。
マニユアルバルブ２３は、スプール２４をもち、
スプール２４の位置、すなわち自動変速機レンジ
に関係して油路の接続、すなわちライン圧の供給
を制御する。レバー２７は、回転可能に支持され
ている軸２８に取付けられ、一端においてバルブ
ボデー２５から突出するスプール２４の端２６に
係合し、他端においてコントロールロツドに連結
している。

第８図および第９図はそれぞれコントロールロ
ツド３の駆動機構を示している。

第８図ではコントロールロツド３にラツク３１
が設けられ、電動機５の軸３２に固定されている
ピニオン３３がラツク３１にかみ合う。電動機５
の回転によりコントロールロツド３が移動し、こ
の結果スプール２４が移動する。

第９図ではボールねじ３５を介して電動機５の
回転がコントロールロツド３の軸線方向の移動へ
変換される。ボールねじ３５は電動機５の軸３２
に固定される雄ねじ部３６、コントロールロツド
３の端に設けられるナツト部３７、および雄ねじ
部３６とナツト部３７との間に形成される溝内を
ころがるボール３８を含む。

第１０図の実施例ではコントロールロツド３が
省略され、互いにかみ合う歯車４１，４２を介し
て電動機５の回転がスプール２４の軸線方向移動
へ変換される。歯車４１は電動機５の軸３２に固
定され、歯車４２はレバー２７の軸２８に固定さ
れる。

第１１図ないし第１５図はスプール位置検出器
４の実施例を示している。

第１１図のスプール位置検出器４では、複数の
固定接点４５ａないし４５ｆは、それぞれＰ，
Ｒ，Ｎ，Ｄ，２，Ｌレンジに対応しており、コン
トロールロツド３に沿つて一列に絶縁板４６上に
配置されている。コントロールロツド３には上方
へ突出する可動接点４７が設けられ、可動接点４
７は、コントロールロツド３の移動に伴つて絶縁
板４６上を摺動する。これにより可動接点４７
は、コントロールロツド３、すなわちスプール２
４の位置に対応する固定接点に接触する。

第１２図のスプール位置検出器４では、静止的
な絶縁円板５０が設けられ、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，
２，Ｌレンジに対応する固定接点５１ａないし５
１ｆが絶縁円板５０の周辺に沿つて配置される。
可動接点５２は、レバー２７の軸２８に取付けら
れ、軸２８と一体的に回転する。可動接点５２
は、軸２８の位置、すなわちスプール２４の位置
に対応する固定接点に接触する。

第１３図および第１４図のスプール位置検出器
４では、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，２，Ｌのレンジに対応
して固定接点５５ａないし５５ｆおよび可動接点
５６ａないし５６ｆが設けられ、さらに軸２８と
一体的に回転する回転体５７も、可動接点５６ａ
ないし５６ｆに対応するカム部分５８ａないし５
８ｆから成り、各カム部分５８ａないし５８ｆ
は、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，２，Ｌレンジに対応する回
転角位置に軸２８がなつたときに対応可動接点５
６ａないし５６ｆを操作する段部を形成されてい
る。このスプール位置検出器４では、所定のレン
ジにあるときを考慮すると、可動接点５６ｆから
この所定のレンジに対応する可動接点までが対応
固定接点に接触状態となる。

第１５図のスプール位置検出器では、ポテンシ
ヨメータ６１の摺動部６２がコントロールロツド
３と一体的に移動することにより、スプール２４
の位置に関係した電圧がポテンシヨメータ６１の
出力として生じ、この出力が比較回路６３に送ら
れて所定の基準値と比較されることにより、スプ
ール２４の位置が検出される。

第１６図は制御部２内の論理回路を、明瞭化の
ために一部省略して示している。第１６図の上部
に横方向へ一列に配置されているスイツチ６７
ａ，６７ｂ…は、スプール位置検出器４の出力に
応動し、スプール２４がＰ，Ｒ，…レンジ位置に
対応する位置にあるときそれぞれ閉じられ、左部
に縦方向へ一列に配置されているスイツチ６８
ａ，６８ｂ，…は、設定レンジ検出器１の出力に
応動し、設定レンジがＰ，Ｒ，…レンジにあると
きそれぞれ閉じられる。正方形マトリクス状に配
置されたアンド回路の集合は、行および列に対応
するスイツチ６７ａ，６７ｂ，…，６８ａ，６８
ｂ…から入力を受ける。左上方から右下方へ斜め
の対角線に沿つて配置されるアンド回路の出力
は、電動機５の停止信号を発生するオア回路７０
ｓへ送られる。またこの対角線より右上側および
左下側に配置されているアンド回路の出力は、そ
れぞれ電動機５の正転および逆転信号を発生する
オア回路７０ｆおよび７０ｒへ送られる。この結
果、シフトレンジ前のレンジが設定レンジよりＬ
レンジ側にあるときは電動機５は正転し、反対に
Ｐレンジ側にあるときは電動機５は逆転し、これ
によりコントロールロツド３あるいはレバー２７
を介してマニユアルバルブ２３のスプール２４が
移動し、スプール２４が設定レンジに対応する位
置になると電動機５は停止する。

このように本考案によれば、油圧制御装置マニ
ユアルバルブのスプールの移動が電動機により制
御されるので、長く複雑となるリモートコントロ
ールリンク、およびリモートコントロールリンク
を通す空間を廃止することができ、変速装置の組
付け工数、部品点数および製造費を大幅に減少す
ることができる。

本考案によれば、マニユアルバルブのスプール
の移動のためにスプールが用いられることによ
り、レンジ設定部を電気スイツチにすることがで
き、レンジ設定部の配置、デザイン等の自由度を
高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例のブロツク図、第２
図、第３図、および第４図はそれぞれレンジ設定
部の実施例を示す図、第５図および第６図は運転
席におけるレンジ設定部の配置例を示す図、第７
図は油圧制御装置のマニユアルバルブを示す図、
第８図、第９図、および第１０図はマニユアルバ
ルブスプールの駆動機構を示す図、第１１図およ
び第１２図はそれぞれスプール位置検出器の実施
例を示す図、第１３図はスプール位置検出器の他
の実施例を示す斜視図、第１４図は第１３図のス
プール位置検出器の正面図、第１５図はスプール
位置検出器のさらに他の実施例を示す図、第１６
図は制御部内の論理回路図である。 １…レンジ検出器、２…制御弁、４…スプール
位置検出器、５…電動機、９ａ〜９ｆ；１０，１
１；１４…スイツチ、２３…マニユアルバルブ、
２４…スプール、４５ａ〜４５ｆ，４７；５１ａ
〜５１ｆ，５２；５５ａ〜５５ｆ，５６ａ〜５６
ｆ…接点、６１…ポテンシヨメータ、７０ｆ，７
０ｒ，７０ｓ…オア回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動変速機油圧制御装置のマニユアルバルブ２
   ３のスプール２４を操作する正転および逆転可能
   な電動機５と、スイツチ９ａ〜９ｆ；１０，１
   １；１４の操作により設定された自動変速機レン
   ジに対応するレンジ信号を発生するレンジ検出器
   １と、開閉接点４５ａ〜４５ｆ，４７；５１ａ〜
   ５１ｆ，５２；５５ａ〜５５ｆ，５６ａ〜５６ｆ
   またはポテンシヨメータ６１を介してスプール２
   ４の位置に対応するスプール位置信号を発生する
   スプール位置検出器４と、レンジおよびスプール
   位置の数に対応する行および列をもつ正方形マト
   リツクス状に配置されたアンド回路およびこのマ
   トリツクスの対角線上にあるアンド回路を接続さ
   れる電動機停止信号発生用オア回路７０ｓおよび
   この対角線の両側にあるアンド回路をそれぞれ接
   続される電動機の正転信号および逆転信号発生用
   オア回路７０ｆ，７０ｒを備えかつ正方形の隣接
   する辺をなす行および列にあるアンド回路にそれ
   ぞれ各レンジに対応するレンジ信号およびスプー
   ル位置信号を供給されて電動機５の回転を制御す
   る制御部２とから成ることを特徴とする、自動変
   速機の変速装置。