JPS62198039A - 電磁偏向ヨ−ク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は電磁偏向型陰極線管（ＣＲＴ）の偏向ヨークに
関する。

〔従来技術とその問題点〕

電磁偏向型陰極ｌ１ｌｊ！管（ＣＲＴ）の偏向ヨークの
憂能ｒ４寸＝太酔−斤の罵り貞を九人 １）：Ｉイルを鞍と類似の形を形成するように捲き、コ
アの内側にボビンを介して配置するサドル（鞍型） ２）水平偏向コイルは１）のサドル型に捲き、垂直偏向
コイルをコアの外周上に直接トロイダルに捲いたセミト
ロイダル型 ３）１）の鞍型の一種でコアの内面のまわりに径方向に
複数個の溝を配置し、その溝の中にコイルを形成するス
ロット型 この３つの中で、２）のセミトロイダル型は垂直偏向の
効率が高く直流抵抗が低い事から偏向ヨークの主流とな
っている。

第１図及び第２図は上記２）のセミトロイダル型式の偏
向ヨークを示すもので、２分割体を合体したラッパ形フ
ェライトコア１に垂直偏向コイル２を直接巻き、また水
平偏向コイル３をフェライトコア１の内面に沿わせて配
置したものである。

上記のいずれの型式の偏向ヨークでも、偏向コイルに偏
向電流を流した場合、現在リンギングと呼ばれる水平偏
向電流の乱れが生じ問題となる。

すなわち、第３図に示すように水平偏向電流は鋸歯状で
あることを理想とするのであるが、実際には第４図のよ
うに波形の立下りの直後に波形の小さい振動が生じ、ま
たその時間微分に比例する電圧にも同様な振動を生じる
。この波形の乱れは水平偏向磁界にも乱れを生じさせ、
電子ビームの水平方向の角度変化として現われる。これ
はＣＲＴの画面上では画面の側縁近くで縦方向の濃淡の
縞模様として現われ、画質を低下させる。

このリンギングは偏向ヨークのどの形態でも発生するが
、特にセミトロイダル型に強く発生する事がわかってい
る。

偏向ヨークコアとして使用されるフェライトには次の様
な物がある。

１つはフェライトの組成の中で酸化鉄（Ｆｅ２０３）の
割合を５０　ｍｏｌ　Ｘ以下にしたもので、通常Ｍｇ−
Ｍｎ−Ｚｎ系、　Ｎｉ−Ｃｕ−Ｚｎ系、Ｎｉ−Ｚｎ系フ
ェライトがこれに楓する。この棟のフェライトは比誘電
率が低く（１０１〜１０２）、かつ高抵抗（１０６〜１
０９Ω−ａ）であるため磁心に直接コイルな憾くことが
可能になり、又コストも低いために民生用テレビの主流
になっている。しかしこれらのフェライトは比較的磁心
損失が大きいので、偏向周波数の高い高精細度ディスプ
レイ用偏向ヨークコアとして使用すると、コアの発熱が
太きいという欠点を有する。

一方磁心損失の優れたフェライトとしては、一般にＭｎ
−Ｚｎフェライトが知られている。このＭｎ−Ｚｎフェ
ライトはそれ自体の持つ良好な磁気特性をより強めるた
めに、通常酸化鉄の割合を５０ｍｏ１％以上の組成にし
ている。その為磁心損失だけでなく、透磁率や飽和磁束
密度など磁気特性全般にすぐれ、高精細度ディスプレイ
用偏向ヨークコアとして使用しても発熱の問題は起こら
ない。しかしながら、Ｍｎ−Ｚｎフェライトだけでなく
上記Ｍｇ　−Ｍｎ　−Ｚ　ｎ系やＮｉ系フェライトもそ
の組成を鉄過剰とした場合、結晶の抵抗は低くなり（１
０−２〜１０°Ω−ｃＩｒＬ）、それに比べて結晶間（
粒界）の抵抗は高い（１０４〜１０５Ω−ｃｒＩＬ）の
で、結晶が絶縁された形となり、フェライトの比誘電率
は非常に高くなる。（１〜５×１０５）この様な高ｔ４
１！率フェライトを使用した偏向ヨークは、似ａｔ率の
物に比べてリンギングが非常に強く発生する事がわかっ
ている。又、リンギングは偏向周波数が高くなると大き
くなる傾向があるので高誘ｖｇ、率材のリンギング発生
は重要な問題となっている。したがって、偏向ヨークに
発生するリンギングの抑制は強（望まれる。

〔発明の目的〕

本発明は電磁偏向ヨークにおいてリンギング現象を防止
し、すぐれた画質のブラウン管（ＣＲＴ）を提供するこ
とを目的とする。

より限定的な目的は、偏向ヨークのフェライトコアがＭ
ｎ−Ｚｎフェライトのような高誘１！率の場合にリンギ
ングを抑制すること、またセミトロイダル型偏向ヨーク
におけるこの問題を解決することにある。

〔発明の概要〕

本発明の上記の目的は、偏向ヨーク用フェライトコアの
表面（％にコイルが巻装される個所、さらに特定的には
垂直偏向コイルが巻装される個所）に網状にコアを隆起
させ、その上に水平及び垂直偏向コイルを配置したこと
を％徴とする電磁偏向ヨークによって達成される。

好ましくは、フェライトコアはＭｎ−Ｚｎ系のような高
銹電率タイプのものから選択する。また好ましくは垂直
偏向コイルは直巻きトロイダル型とし、水平偏向コイル
はサドル型とする。

本発明によれば、リンギング現象は十分に防止または抑
制されて高精密のブラウン管を提供することができる。

以下に本発明の詳細な説明するが、発明の理解を容易に
するためその前にリンギング発生の機構及び測定法に触
れておく。

〔リンギング発生の機構〕 偏向ヨークはヨーク外部に漏れる磁束を利用する部品で
あるが、コイルが形成されているために線間には必ず分
布容量が存在する。又コイルの直流抵抗は小さいために
、このコイルに何らかの起電力が与えられると、コイル
のインダクタンスと線間のキャパシタンスによって共振
回路が形成され過渡電流が流れる。この過渡電流による
磁束が偏向磁束に重畳する事によってリンギングが生じ
る。

この時コイルには近接してフェライトコアが存在するが
、フェライトコアの誘電率は空気の誘電率よりも大きい
為に線間を静電結合させ分布容量を増加させる。これを
モデル化すると第５図のようになる。

又、前述の低誘電率フェライトの誘電率１０１〜１０　
程度であるのに比較して、高誘電率フェライトのそれは
１〜５Ｘ１０５　と非常に高いので静電結合の度合は太
きい。線間分布容量が大きくなることは過渡現象論から
明らかなように過渡電流は増加する。

一方リンギング発生のための起電力は垂直偏向コイルを
交差する水平偏向磁束によって与えられる。したがって
磁束の変化率が大きいほどコイル間に大きなｔ位差が発
生しリンギングが現われる。

垂直偏向コイルがトロイダル捲きの場合、水平偏向磁束
の方向とコイルの位置関係から縦捲コイルよりも発生す
る起電力は大きく、したがってリンギングも大きい。

以上の理由から偏向コイル線間の容量を抑える事がリン
ギングを減少させるのに大きな効果があるということが
わかる。

リンギングの測定法について ブラウン管内を通る磁界を正確に測定する事は困難であ
るので、リンギングの測定及び判定には次の方法を用い
た。

偏向ヨークから発生する磁界とフェライトコア内を通る
磁束とは相対的な関係があるので、第８図のようにコア
１内の水平偏向磁束Φを、ピックアップコイル５にて拾
う。

ピックアップコイル５０両端に現われる電圧をオシロス
コープで見ると、第９図のようになり、リンギング部分
Ａの拡大図は第１０図のようになる。ここでリンギング
の最大振幅■と初期の周期Ｔを以ってリンギングとし、
■、Ｔが小さい程リンギングが小さいことになる。

〔発明の詳細な説明〕

本発明は、偏向コイルとフェライトコアとが接近または
接触することによって大きい容量結合を生じるのがリン
ギングの発生原因になることを突きとめ、フェライトコ
アの表面を網状に突出ないし隆起させることによってリ
ンギングを確実に防止することができたのである。

本発明ではフェライトコアと偏向コイルとの間に十分な
隙間を与え、且つ誘電体としてはほとんど作用しないよ
うに網状にコアを隆起させることによって所期の目的を
達することができる。

隆起線の構造は同心リング状、織物状その他任意の網目
構造を用いることができるが、上に述べたように十分に
大きい開口を有する細い骨組とすることが好ましい。隆
起線はフェライトコアの少なくとも垂直偏向コイルが配
置されるコア内面に、より好ましくはコア内面全体に、
さらに好ましくは偏向コイルとコアとの接触個所の全部
に設ける。

随起森の高さは、偏向コイルがリンギングを生じない程
度にフェライトコアの表面から離れるような値にする。

これは実験によって容易に決定できるものであり、例え
ば少なくともα１■以上の隙間がコアーコイル間に形成
できれば十分である。

実施例 第６図（Ａ）、（Ｂ）は本発明によって構成された電磁
偏向ヨークのフェライトコア１を示す。

コアは２分割ラッパ状である。このフェライトコアは高
誘電率材料、例えばＭｎ−Ｚｎ系フェライトから構成さ
れている。

コア１の表面には網状の隆起線４が形成されており、コ
ア１の内面、大径端面、小径端面にコイルをコアの表面
から離間するに十分な高さで設けられている。隆起１１
ｊ４で形成される網目は、容量結合を回避するに十分な
大きさで且つ偏向コイルをコア表面から必要なだけ離間
するに十分な作用を有するような大きさにする。

次に、第７図に示すように、偏向コイル７をコア１の周
りに巻くと、内面側のコイル２は隆起線４によってコア
１の面から離間される。またコア１の大小径端及び周面
でも隆起ｆＩＭ４によって離間される。一方、コイルの
外側は、コア１の固有の形により十分にコア１から離間
される。

上記のように構成した電磁偏向ヨークを用いてリンギン
グの測定を行った。ここに、次のサンプルを用いた。コ
ア１にはＭｎ−Ｚｎ系フェライトコア（ＴＤＫ社より市
販）を用いた。隆起線の高さＱ、５ｍ１１線３０間隔約
１ｃｒＩＬとし、垂直偏向コイルを直巻きにし、サドル
型水平偏向コイル（第１図と同様なもの）をコア１の内
面に配置した（サンプルＡ）。

比較のため、同じコア１で隆起線を用いないものを用意
した（サンプルＢ）。

またＭｇ−Ｍｎ−Ｚｎ系フェライトコア（高抵抗用とし
てＴＤＫ社より市販）に枠を用いないで同様な偏向コイ
ルを施したものを用意した（サンプルＣ）。

先に述べた方法でリンギングを測定した。なおサンプル
Ｃを基準にしてこれに対する比で表わした。

上表で項目１は電圧の振幅Ｖ（相対値）、項目２は初周
期Ｔ（相対値）を表わす。

なお、ブラウン管の画面を実際に観察すると、リンギン
グによる縦縞は項目１．２がそれぞれ１２５以下及びＬ
３３以下になると実際上観測されないことが分った。従
って、隆起線の網目の大きさ、高さは上記項目の条件が
満たされるように行えば良い。

〔作用効果〕

以上から明らかなように１本発明によれば偏向コイル（
特に垂直偏向コイル、好ましくはすべての偏向コイル）
とフェライトコアとの間に網状の隆起線を介在すること
により、リンギングを抑制することができる。本発明は
特に高誘電率のフェライト材料（Ｍｎ−Ｚ系等）をコア
に用いるときにリンギング防止に効果的であり、従って
、高誘電率フェライトコアのすぐれた作用を利用しつつ
リンギングの防止を行うことができ、高精密度ブラウン
管の製造に極めて有力な手段が提供されることになった
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁偏向用ヨークのうち、セミトロイダ
ル型ヨークの概略構造を示す背面図、第２図は同ヨーク
の一部を破断し且つ水平偏向コイルを省略して示した側
面図、第３図は電磁偏向用ヨークの水平偏向コイルに流
れる理想的な電流と電圧の波形を示すグラフ、第４図は
実際のリンギングを伴う電流及び電圧の波形を示すグラ
フ、第５図は垂直偏向コイルとヨークのフェライトコア
との間に形成される容量結合の様子を示す模型図、第６
図（Ａ）は本発明によって構成されたフェライトコアな
一部破断して示した側面図、絽６図（Ｂ）は同平面図、
第７図は使用状態を示す同断面図、第８図はリンギング
の測定の説明図、第一９図はリンギングを定義するグラ
フ、及び第１０図は同拡大図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、偏向ヨーク用フェライトコアの表面に網状の隆起線
   を設け、その上に所定の水平及び垂直偏向コイルを配置
   したことを特徴とする電磁偏向ヨーク。 ２、網状の隆起線はコアの内表面、最大・最小径部に形
   成されている前記第１項記載の電磁偏向ヨーク。