JPH01176182A - 消磁コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、テレビジョン受信機やデイスプレィ装置に用
いられるカラー陰極線管（以下、カラーＣＲＴという。

）のシャドウマスクの着磁を消磁するために用いられる
消磁コイルに関するものである。

［従来の技術］ 周知の如く、テレビジョン受信機やデイスプレィ装置に
用いられるカラーＣＲＴのシャドウマスクは、その強度
と加工性１価格の面から鉄を主成分とする材料で作られ
ており、このためシャドウマスクが地磁気等の磁界によ
って着磁するという現象により、アノードビーム電流に
わずかながら偏向する力を及ぼし、カラーＣＲＴ前面に
塗布されている蛍光体に前記アノードビーム電流が正し
く到達できないことで、いわゆる色むらが生じている。

これを解決するために、第６図に示す如きカラーＣＲＴ
Ｉの外周部近傍に数十回巻からなるコイル２を配置し、
このコイル２に商用電源から正特性サーミスタ等を介し
て減衰特性を持つ交番電流を流すことによってシャドウ
マスクの着磁を消磁している。従って、このコイル２は
一般的に消磁コイルと呼ばれている（以下、コイル２を
消磁コイル２という。）。また、上記減衰交番電流を消
磁コイル２に流すための回路として第７図に示す如く第
１及び第２の正特性サーミスタ５および６を用いた構成
の回路が一般的に用いられ、この回路は自動消磁回路と
呼ばれ、またオン（ＯＮ）消磁とも呼ばれる。

第７図の回路動作について説明する。電源スィッチ３が
オンしたとき、正特性サーミスタブロック４の第１の正
特性サーミスタ５が常温にあり、抵抗値が小さい状態に
あるので、大きな交番電流が商用電源７から電源スィッ
チ３を介して第１の正特性サーミスタ５に流れる。そし
て時間経過とともに第１の正特性サーミスタ５の抵抗値
が増大し、減衰特性をもつ交番電流が消磁コイル２に流
れることになり、数秒後に第１の正特性サーミスタ５が
熱的平衡状態に達し、消磁コイル２に流れ続ける交番電
流、つまり消磁コイル２の残留電流がカラーＣＲＴＩの
表示に影響を与えない値にまで小さくなる。なお、正特
性サーミスタブロック４の第２の正特性サーミスタ６は
、第１の正特性サーミスタ５の熱的に結合しており、よ
り小さい残留電流で第１の正特性サーミスタ５が熱的平
衡状態に達するのを補助する゛ためのものである。

このように、消磁コイル２にカラーＣＲＴＩの表示に影
響を与えない程度の小さい商用周波数の交番電流、即ち
前記残留電流を流すことにより、シャドウマスクの着磁
を消磁している。

［発明が解決しようとする問題点］ 上述したように、消磁コイル２に流れている商用周波数
の交番電流、即ち前記残留電流がカラーＣＲＴＩの表示
に影響を与えない程度にまで、即ちカラーＣＲＴＩの偏
向磁界に影響を与えない程度にまで減じられている。し
かし、第７図に示す如く、第１および第２の正特性サー
ミスタ５および６にはそれ自体に寄生する容ｉ８および
９が存在し、商用電流に重畳されてくる高周波分、いわ
ゆる商用電源７の波形歪による高調波成分が容量８を介
して消磁コイル２に流れるため偏向磁界に影響を与える
。つまり、走査線の疎密を生じたりしてカラーＣＲＴＩ
の表示画面を見づらいものとするという第１の問題点が
ある。

また、消磁コイル２は、カラーＣＲＴＩに装着される偏
向ヨーク（図示せず）から発生する水平周期の偏向磁界
と鎖交しており、この鎖交磁界により消磁コイル２に誘
起された電力が不要誘起電力として商用電源７に帰還し
、他の電気機器、電子装置に電源ノイズとして悪影響を
与えるものとなっているという第２の問題点がある。

従来、このような第１および第２の問題点を解決するた
めに、第７図に示す如き抵抗１０とコンデンサ１１を並
列接続してなる分流回路１２を消磁回路に追加している
。

ここに、抵抗１０は前記第１の問題点を解決するために
追加されたもので、高調波成分をこの抵抗１０に分流さ
せることにより、高調波成分が消磁コイル２に流れるの
を防止するものであり、抵抗１０の抵抗値が小さい程そ
の効果は大きい。

また、コンデンサ１１は前記第２の問題点を解決するた
めに追加されたもので、消磁コイル２と鎖交する水平周
期の偏向磁界により、消磁コイル２に誘起された電力を
コンデンサ１１に分流することにより、商用電源７へ帰
還するのを防止するものであり、コンデンサ１１のイン
ピーダンスが低い程、またその容量が大きい程その効果
が大きい。

ところが、前記第１および第２の問題点に対する前記解
決策の効果をより大きく得ようとすると、第７図の消磁
回路の起動時に、抵抗１０とコンデンサ１１の両端には
、１００■あるいは２２０Ｖという商用交番電圧が印加
されるため、これに耐えるべく抵抗１０は消費電力が非
常に大きくなることにより、またコンデンサ１１はその
耐電圧を充分にとる必要があり、抵抗１０もコンデンサ
１１も共に大きな外形を必要とするという問題が生じて
くる。更は、コンデンサ１１と消磁コイル２とは商用電
源７の高調波をトリガとして共振を起こし、その共振電
流により消磁コイル２から発生する磁界によるカラーＣ
ＲＴＩ画面への影響を防止するためには、抵抗１０はよ
り小さい抵抗値とすることが必要となり、このことは第
１の正特性サーミスタ５を介して消磁コイル２に流れる
商用交番電流を大きく分流することになり、消磁効果そ
のものが弱くなるという問題を生じさせている。

従って、前記第１および第２の問題点を解決するために
、抵抗１０とコンデンサ１１からなる分流回路１２を追
加することは好ましくなく、更に別の解決策が望まれる
。

そこで、本発明の目的は、従来の如き抵抗とコンデンサ
からなる分流回路を設けずに、商用電源の高調波成分が
カラーＣＲ７画面に走査線の疎密を生じさせず、カラー
ＣＲＴの表示画面が見づらくなるのを防止するようにし
、また、水平偏向磁界によって消磁コイルに誘起しよう
とする電力を商用電源側に帰還するのを防止し、他の電
気機器や電子装置に電源ノイズとして悪影響を及ぼすこ
とを防止するようにした消磁コイルを提供することにあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、カラーＣＲＴのシャドウマスクの着磁を消磁
するために用いられる第１のコイルからなる消磁コイル
において、前記第１のコイルに対向して密着配置され、
しがち１回巻が前記第１のコイルと略同じ周長をもち、
閉ループをなす１回巻以上の第２のコイルを備えてなる
ものである。

［作用コ 従って、本発明による消磁コイルをカラーＣＲＴのシャ
ドウマスクの着磁を消磁するためにカラーＣＲＴに用い
ると、商用電源の高調波成分（高調波電流）が第２のコ
イルで把えられ、その内部抵抗で消費させられ、カラー
ＣＲ７画面に影響を与する磁界の発生が防止される。こ
のため、カラーＣＲＴの偏向磁界に影響を与えず、従っ
てカラーＣＲ７画面に走査線の疎密を生じさせず、カラ
ーＣＲＴの表示画面が従来の如く見づらくなるというこ
とはない。

更に、水平偏向磁界によって本発明による消磁コイルの
第１のコイルに誘起しようとする電力に対しても、水平
偏向磁界のエネルギーが第２のコイルに把えられその内
部抵抗で消費されることにより、商用電源側への電、力
の帰還が防止される。

従って、他の電気機器や電子装置に電源ノイズとして悪
影響を及ぼすことが防止される。

［実施例］ 次に、本発明について図面を参照して説明する。

第１図は本発明による消磁コイルの一実施例を示す外観
図、第２図は第１図の電気的接続図である。

第１図において、本発明に係る消磁コイル１３は、第６
図に示すカラーＣＲＴＩの外周部近傍に配置された従来
の消磁コイル２に代わって、同様の位置に配設される。

消磁コイル１３は、カラーＣＲＴＩのシャドウマスクの
着磁を消磁するために用いられる第１のコイル１４と、
この第１のコイル１４に対向して密着配置され、しかも
１回巻が第１のコイル１４と略同じ周長、たとえば内周
長をもち、閉ループをなす１回巻以上の第２のコイル１
５（図示の斜線部分）とからなり、第２のコイル１５は
第１のコイル１４に密着し一体化されている。ここに、
第１のコイル１４は、従来の消磁コイル２に相当するも
のである。なお、１６は第５図に示すように商用電源７
から正特性サーミスタブロック４を介して供給される電
力を、本発明の消磁コイル１３の第１のコイル１４に供
給するためのコネクタ端子である。また、第′２図では
、第１のコイル１４は通常数十回巻であるが、便宜上３
回巻で示してあり、また、第２のコイル１５は便宜上１
重巻コイルとして１回巻で示しである。

このように構成された消磁コイル１３がカラーＣＲＴＩ
の所定の外周部近傍に配設され、第５図の消磁回路に示
す如く電源スィッチ３のオンにより、商用電源７の出力
が第１の特性サーミスタ５を介して第１のコイル１４に
供給される。この場合、商用電源７から第１の正特性サ
ーミスタ５の寄生容量８を介して第１のコイル１４に流
れる高調波電流が第２のコイル１５で把えられ、その内
部抵抗１７で消費させられ、カラーＣＲＴＩの画面に影
響を与える磁界の発生が防止される。この効果は一般に
ショートリング効果として知られている。そして、カラ
ーＣＲＴＩの偏向磁界に商用電源７の高調波成分が影響
を与えず、従ってカラーＣＲＴＩの画面に走査線の疎密
を生じさせることもなく、カラーＣＲＴＩの表示画面が
従来の如く見づらくなるということはない。

また、水平偏向磁界によって消磁コイル１３の第１のコ
イル１４に誘起しようとする電力に対しても、水平偏向
磁界のエネルギーが第２のコイル１５に把えられ、その
内部抵抗１７で消費されることにより、商用電源７側へ
の電力の帰還を防止するように作用する。この作用も結
局ショートリング効果となっている。そして、従来の如
く商用電源７側へ電力が帰還するようなことが防止され
るため、他の電気機器や電子装置に電源ノイズとして悪
影響を及ぼす（誤動作等の障害を与える）ことが防止さ
れる。

また、本来の消磁効果を発揮する電流は、商用電源周波
数が一般に５０Ｈｚあるいは６０Ｈｚと低いため、第１
のコイル１４と第２のコイル１５の磁気的結合が低周波
領域で弱いという性質によって、従来の消磁効果に実質
的に殆ど影響を与えないものである。

更に、ショートリングとしての第２のコイル１５は、商
用電源７から分離絶縁して装着できるため、電気的安全
上も取扱いが容易となるものである。従って、本発明の
消磁コイル１３は、カラーＣＲＴＩへの装着も含め従来
の消磁コイル２と全く同様に取扱うことができる。

次に、本発明による消磁コイルの他の実施例を第３図に
示す。同図において、第１図と同−又は相当部分には同
符号を用いている。本発明による消磁コイル１３′は、
第１図の消磁コイル１３と次の点で相異する。即ち、第
１図の第２のコイル１５の代わりに、第１図の第２のコ
イル１５をバイパスフィルタとしてのコンデンサ１８に
て終端してなる第２のコイル１５′　（斜線で示す部分
）を設けたことにあり、その他の構成については第１図
と同様である。ここで、第２のコイル１５′は第２のコ
イル１５と同様１重巻以上（１回巻以上）のコイルであ
る。第４図は第３図の電気的接続図であり、第４図では
便宜上、第１のコイル１４は３回巻で示してあり、また
、第２のコイル１５′は２回巻で示しである。

コンデンサ１８は第２のコイル１５°の巻数を増加させ
ることにより、第２のコイル１５”と従来の消磁コイル
２としての機能を果たす第１のコイル１４との磁気的結
合を強くしてやるために、従来の消磁効果が減少するの
を防止する目的で用いられている。つまり、コンデンサ
１８は、商用周波数の如き低周波領域では比較的高イン
ピーダンスとなり、商用電源に含まれる高調波成分や水
平偏向磁界の如き周波数領域で充分低インピーダンスと
なるフィルタ効果を持つものである。ここでは、バイパ
スフィルタとしてコンデンサ１８を用いるが、これに限
定されるものではない。

このように構成された消磁コイル１３′を、前述した消
磁コイル１３に代わってカラーＣＲＴＩの所定の外周部
近傍に配設したうえで、第５図の場合と同様にして、電
源スィッチ３のオンにより商用電源７の出力が第１の正
特性サーミスタ５を介して消磁コイル１３″の第１のコ
イル１４に供給される。第３図の場合も、前述した第１
図の場合と同様の作用効果を奏するのでその説明を省略
する。

［発明の効果］ 上述したように本発明による消磁コイルをカラーＣＲＴ
に用いると、次のような種々の効果を奏する。

（１）消磁コイルの第２のコイルにより商用電源の高調
波成分が把えられ、その内部抵抗で消費させられ、カラ
ーＣＲ７画面に影響を与える磁界の発生が防止される（
ショートリング効果）。このためカラーＣＲ７画面に走
査線の疎密を生じさせず、カラーＣＲＴの表示画面が見
づらくなるようなことが防止される。

（２）水平偏向磁界によって消磁コイルの第１のコイル
に誘起しようとする電力に対して、水平偏向磁界のエネ
ルギーが第２のコイルに把えられ、その内部抵抗で消費
される（ショートリング効果）ことになり、このため電
力が誘起せず、従来のような商用電源側への電力の帰還
が防止される。

（３）なお、消磁コイルの第２のコイルは商用電源から
分離絶縁して装着できるため、電気的安全上も取扱いが
容易であり、消磁コイルはカラーＣＲＴへの装着を含め
従来の消磁コイルと全く同じに取扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による消磁コイルの一実施例を示す外観
図、第２図は第１図の電気的接続図、第３図は本発明の
他の実施例を示す外観図、第４図は第３図の電気的接続
図、第５図は本発明に係る消磁回路図、第６図（ａ）お
よび（ｂ）は、夫々カラーＣＲＴにおける従来の消磁コ
イルの配置例を示す簡略側面図および簡略背面図、第７
図は従来の消磁回路図である。 １・・・カラーＣＲＴ、１３．１３′・・・消磁コイル
、１４・・・第１のコイル、１５．１５°・・・第２の
コイル、１８・・・コンデンサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　カラー陰極線管のシャドウマスクの着磁を消磁するた
   めに用いられる第１のコイルからなる消磁コイルにおい
   て、前記第１のコイルに対向して密着配置され、しかも
   １回巻が前記第１のコイルと略同じ周長をもち、閉ルー
   プをなす１回巻以上の第２のコイルを備えてなることを
   特徴とする消磁コイル。