JPS6219782B2 - - Google Patents
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- JPS6219782B2 JPS6219782B2 JP55018530A JP1853080A JPS6219782B2 JP S6219782 B2 JPS6219782 B2 JP S6219782B2 JP 55018530 A JP55018530 A JP 55018530A JP 1853080 A JP1853080 A JP 1853080A JP S6219782 B2 JPS6219782 B2 JP S6219782B2
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Landscapes
- Protection Of Plants (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
本発明は、農業用被覆材に関する。更に詳しく
は、一般にマルチフイルムと呼ばれている農業用
被覆材に関する。 マルチ栽培においては、地温上昇効果、土壤水
分保持効果、土壤固結防止効果、養分流亡防止効
果および雑草繁茂防止効果などの実現を目指し
て、従来から低密度ポリエチレンフイルムがマル
チフイルムとして用いられている。しかるに、こ
れらの効果の実現には、マルチフイルムを施工す
る際に損傷などが発生し難いこと、使用時にフイ
ルムの熱溶融などによる損傷がみられないこと、
土壤との密着性がよく地中温度(地温)の上昇が
十分に達成されることなどが要求されるが、低密
度ポリエチレンマルチフイルムの場合には、この
ような要求を十分に満足させていないことが指摘
されている。 更に、低密度ポリエチレンマルチフイルムにあ
つては、約20μ程度の厚さのものが用いられてい
るが、これはフイルム自体の性質、殊に熱溶融温
度や引張強度、剛さなどの物理的強度が比較的劣
つていることに原因していると考えることがで
き、これらの性質を補うために比較的厚手のフイ
ルムが用いられているのである。それには拘ら
ず、実際に穴あきマルチフイルムとして用いられ
た場合には、太陽熱や張つたときの張力などによ
つて植物を植える定植穴の大きさが次第に拡大し
てゆき、その結果として穴から風が入つて地温を
下げ、また水分の蒸散防止を不可能とさせて乾燥
してくるので、土壤の固化や発芽の阻害、根の発
育遅延などを招き、雑草の繁茂を許すことにな
る。 更に、マルチフイルムの一般的な被覆作業は、
手作業かあるいはマルチヤーなどの自動被覆機の
車輪でフイルムの両側端部を押えながら、その部
分に土盛りしつつ施工する方法がとられている。
従つて、このような施工法では、機械の車輪の荷
重に耐え得ると共に、被覆後においてもフイルム
面上で行われる農作業にも耐え得る縦方向
(MD)および横方向(TD)のバランスのよくと
れたフイルム、特に引裂強度や衝撃強度の高いフ
イルムが用いられることが好ましい。 低密度ポリエチレンフイルムの有する熱溶融温
度や引張強度、剛さなどの欠点を補うために高密
度ポリエチレンフイルムを用いると、これらの欠
点は除去されるものの今度は引裂強度や衝撃強度
の点でかえつて劣るようになり、マルチフイルム
として望ましい性質をこれらの点で満足させな
い。しかも、高密度ポリエチレンマルチフイルム
を用いた場合には、若干の地温上昇効果はみられ
るものの、低密度ポリエチレンマルチフイルムを
用いた場合よりもその効果は明らかに劣つている
(グラフ参照)。これは、高密度ポリエチレンフイ
ルムが剛さの点ですぐれていることが逆に禍いし
て、土壤との密着性が大きく損われるためである
とも考えられる。 そこで、本発明者らは、地温上昇効果をもたら
す土壤との密着性を高め、しかも熱溶融温度や引
裂強度、衝撃強度などの物理的強度の点でもすぐ
れたマルチフイルムを得るべく種々検討の結果、
密度0.94〜0.97g/cm2およびメルト・インデツク
ス0.01〜1.0g/10分(190℃)の高密度ポリエチ
レン70〜98重量部とこれと相溶性を有するオレフ
イン系ゴム、殊にエチレン−α−オレフインラン
ダム共重合体ゴム30〜2重量%との重合体組成物
のフイルムがマルチフイルムとしての農業用被覆
材にきわめて好適であることをここに見出した。 しかも、このフイルムは、低密度ポリエチレン
マルチフイルムよりも薄く、約5〜15μ、好まし
くは約5〜12μ、一般には約10μ程度の厚さでも
十分に所期の効果を奏する。フイルムの厚さが約
15μをこえると、フイルムのヤング率が高まつて
ゴワゴワした感じのものとなり、畝などの土壤表
面に密着し難くなつてそこに空気層を形成し易く
なる。その結果、かえつて雑草が繁茂し易くな
り、また風雨によるフイルムのバタツキで成育物
を痛めるなどの不都合を生じる。 本発明で用いられる高密度ポリエチレンは、密
度0.94〜0.97g/cm3およびメルト・インデツクス
0.01〜1.0g/10分、好ましくは0.01〜0.2g/10
分(190℃)のものが用いられる。メルト・イン
デツクスが0.01以下のものではフイルム成形性が
劣り、一方1.0以上のものでは延伸配向が不能と
なり、縦横各方向の強度のバランスのとれたフイ
ルムを得ることができず、農業用被覆材として不
適当となる。そして、特に0.01〜0.2の範囲のも
のは、延伸配向特性のすぐれたフイルムが得ら
れ、縦横各方向の強度のバランスのとれたフイル
ムとなる。 このような物性値を有するものであれば、高密
度ポリエチレンとしてエチレンの単独重合体のみ
ならず、少量、例えば10モル%以下のプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1
−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレ
フインを共重合させた共重合体を用いることもで
きる。 このような高密度ポリエチレンとブレンドされ
るオレフイン系ゴムとしては、エチレン含有率60
〜95モル%のエチレン−α−オレフインランダム
共重合体ゴム(少量のジエンとの3元共重合体ゴ
ムを含む)が好んで用いられる。物性面からみる
と、エチレン−α−オレフインランダム共重合体
ゴムをブレンドする目的は、フイルムの柔軟性お
よび衝撃強度を改良することにあり、このような
目的からみて好ましい共重合体ゴムというのは、
柔軟性の点からみて結晶化度の低いものであり、
また衝撃強度の点から極限粘度の高いものであ
る。従つて、エチレン−α−オレフインランダム
共重合体の中でも、これら2つの点からみてエチ
レン−プロピレンランダム共重合体ゴムが好まし
く、エチレン−1−ブテンランダム共重合体ゴム
を用いる場合には、後記のブレンド割合の範囲内
で、その割合をより多くする必要がある。エチレ
ン−α−オレフインランダム共重合体以外には、
ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン−1
−ブテン共重合体ゴム、アタクチツクポリプロピ
レンおよびこれらのハロゲン化物などの高密度ポ
リエチレンと相溶性を有するものがオレフイン系
ゴムとして用いられる。 高密度ポリエチレンとオレフイン系ゴムとは、
前者が70〜98重量部、好ましくは80〜95重量部に
対し後者が30〜2重量部、好ましくは20〜5重量
部の割合でブレンドして用いられる。オレフイン
系ゴムの割合が2重量部以下では、本発明の目的
とする所期の効果が得られず、一方30重量部以上
の割合では機械的強度などが損われるようにな
る。ブレンドに際しては、オレフイン系ゴムがペ
レツト状の場合には、ヘンシエルミキサー、タン
ブラーなどを用いるドライブレンド法が適用で
き、またバンバリー・ミキサー、押出機などを用
いるメルトブレンド法やマスターバツチ法を適用
することもできる。 フイルムの製造は、このようにしてブレンドさ
れた高密度ポリエチレンとオレフイン系ゴムと
に、必要に応じて抗酸化剤、紫外線吸収剤、滑
剤、スリツプ剤、抗ブロツキング剤、流滴剤、帯
電防止剤、着色剤などを加えて、T−ダイ法ある
いはインフレーシヨン法などによつて行われる。 このようにして成形されたフイルムの物性値の
代表的な例を、密度0.950g/cm3およびメルト・
インデツクス0.03g/10分(190℃)の高密度ポ
リエチレン90重量部とエチレン含有率80モル%の
ペレツト状エチレン−プロピレンランダム共重合
体ゴム10重量部との重合体組成物から得られた厚
さ10μのフイルム(膨比3〜4)について、右側
に併記された低密度ポリエチレンフイルムの値と
対比しながら記載する。
は、一般にマルチフイルムと呼ばれている農業用
被覆材に関する。 マルチ栽培においては、地温上昇効果、土壤水
分保持効果、土壤固結防止効果、養分流亡防止効
果および雑草繁茂防止効果などの実現を目指し
て、従来から低密度ポリエチレンフイルムがマル
チフイルムとして用いられている。しかるに、こ
れらの効果の実現には、マルチフイルムを施工す
る際に損傷などが発生し難いこと、使用時にフイ
ルムの熱溶融などによる損傷がみられないこと、
土壤との密着性がよく地中温度(地温)の上昇が
十分に達成されることなどが要求されるが、低密
度ポリエチレンマルチフイルムの場合には、この
ような要求を十分に満足させていないことが指摘
されている。 更に、低密度ポリエチレンマルチフイルムにあ
つては、約20μ程度の厚さのものが用いられてい
るが、これはフイルム自体の性質、殊に熱溶融温
度や引張強度、剛さなどの物理的強度が比較的劣
つていることに原因していると考えることがで
き、これらの性質を補うために比較的厚手のフイ
ルムが用いられているのである。それには拘ら
ず、実際に穴あきマルチフイルムとして用いられ
た場合には、太陽熱や張つたときの張力などによ
つて植物を植える定植穴の大きさが次第に拡大し
てゆき、その結果として穴から風が入つて地温を
下げ、また水分の蒸散防止を不可能とさせて乾燥
してくるので、土壤の固化や発芽の阻害、根の発
育遅延などを招き、雑草の繁茂を許すことにな
る。 更に、マルチフイルムの一般的な被覆作業は、
手作業かあるいはマルチヤーなどの自動被覆機の
車輪でフイルムの両側端部を押えながら、その部
分に土盛りしつつ施工する方法がとられている。
従つて、このような施工法では、機械の車輪の荷
重に耐え得ると共に、被覆後においてもフイルム
面上で行われる農作業にも耐え得る縦方向
(MD)および横方向(TD)のバランスのよくと
れたフイルム、特に引裂強度や衝撃強度の高いフ
イルムが用いられることが好ましい。 低密度ポリエチレンフイルムの有する熱溶融温
度や引張強度、剛さなどの欠点を補うために高密
度ポリエチレンフイルムを用いると、これらの欠
点は除去されるものの今度は引裂強度や衝撃強度
の点でかえつて劣るようになり、マルチフイルム
として望ましい性質をこれらの点で満足させな
い。しかも、高密度ポリエチレンマルチフイルム
を用いた場合には、若干の地温上昇効果はみられ
るものの、低密度ポリエチレンマルチフイルムを
用いた場合よりもその効果は明らかに劣つている
(グラフ参照)。これは、高密度ポリエチレンフイ
ルムが剛さの点ですぐれていることが逆に禍いし
て、土壤との密着性が大きく損われるためである
とも考えられる。 そこで、本発明者らは、地温上昇効果をもたら
す土壤との密着性を高め、しかも熱溶融温度や引
裂強度、衝撃強度などの物理的強度の点でもすぐ
れたマルチフイルムを得るべく種々検討の結果、
密度0.94〜0.97g/cm2およびメルト・インデツク
ス0.01〜1.0g/10分(190℃)の高密度ポリエチ
レン70〜98重量部とこれと相溶性を有するオレフ
イン系ゴム、殊にエチレン−α−オレフインラン
ダム共重合体ゴム30〜2重量%との重合体組成物
のフイルムがマルチフイルムとしての農業用被覆
材にきわめて好適であることをここに見出した。 しかも、このフイルムは、低密度ポリエチレン
マルチフイルムよりも薄く、約5〜15μ、好まし
くは約5〜12μ、一般には約10μ程度の厚さでも
十分に所期の効果を奏する。フイルムの厚さが約
15μをこえると、フイルムのヤング率が高まつて
ゴワゴワした感じのものとなり、畝などの土壤表
面に密着し難くなつてそこに空気層を形成し易く
なる。その結果、かえつて雑草が繁茂し易くな
り、また風雨によるフイルムのバタツキで成育物
を痛めるなどの不都合を生じる。 本発明で用いられる高密度ポリエチレンは、密
度0.94〜0.97g/cm3およびメルト・インデツクス
0.01〜1.0g/10分、好ましくは0.01〜0.2g/10
分(190℃)のものが用いられる。メルト・イン
デツクスが0.01以下のものではフイルム成形性が
劣り、一方1.0以上のものでは延伸配向が不能と
なり、縦横各方向の強度のバランスのとれたフイ
ルムを得ることができず、農業用被覆材として不
適当となる。そして、特に0.01〜0.2の範囲のも
のは、延伸配向特性のすぐれたフイルムが得ら
れ、縦横各方向の強度のバランスのとれたフイル
ムとなる。 このような物性値を有するものであれば、高密
度ポリエチレンとしてエチレンの単独重合体のみ
ならず、少量、例えば10モル%以下のプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1
−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレ
フインを共重合させた共重合体を用いることもで
きる。 このような高密度ポリエチレンとブレンドされ
るオレフイン系ゴムとしては、エチレン含有率60
〜95モル%のエチレン−α−オレフインランダム
共重合体ゴム(少量のジエンとの3元共重合体ゴ
ムを含む)が好んで用いられる。物性面からみる
と、エチレン−α−オレフインランダム共重合体
ゴムをブレンドする目的は、フイルムの柔軟性お
よび衝撃強度を改良することにあり、このような
目的からみて好ましい共重合体ゴムというのは、
柔軟性の点からみて結晶化度の低いものであり、
また衝撃強度の点から極限粘度の高いものであ
る。従つて、エチレン−α−オレフインランダム
共重合体の中でも、これら2つの点からみてエチ
レン−プロピレンランダム共重合体ゴムが好まし
く、エチレン−1−ブテンランダム共重合体ゴム
を用いる場合には、後記のブレンド割合の範囲内
で、その割合をより多くする必要がある。エチレ
ン−α−オレフインランダム共重合体以外には、
ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン−1
−ブテン共重合体ゴム、アタクチツクポリプロピ
レンおよびこれらのハロゲン化物などの高密度ポ
リエチレンと相溶性を有するものがオレフイン系
ゴムとして用いられる。 高密度ポリエチレンとオレフイン系ゴムとは、
前者が70〜98重量部、好ましくは80〜95重量部に
対し後者が30〜2重量部、好ましくは20〜5重量
部の割合でブレンドして用いられる。オレフイン
系ゴムの割合が2重量部以下では、本発明の目的
とする所期の効果が得られず、一方30重量部以上
の割合では機械的強度などが損われるようにな
る。ブレンドに際しては、オレフイン系ゴムがペ
レツト状の場合には、ヘンシエルミキサー、タン
ブラーなどを用いるドライブレンド法が適用で
き、またバンバリー・ミキサー、押出機などを用
いるメルトブレンド法やマスターバツチ法を適用
することもできる。 フイルムの製造は、このようにしてブレンドさ
れた高密度ポリエチレンとオレフイン系ゴムと
に、必要に応じて抗酸化剤、紫外線吸収剤、滑
剤、スリツプ剤、抗ブロツキング剤、流滴剤、帯
電防止剤、着色剤などを加えて、T−ダイ法ある
いはインフレーシヨン法などによつて行われる。 このようにして成形されたフイルムの物性値の
代表的な例を、密度0.950g/cm3およびメルト・
インデツクス0.03g/10分(190℃)の高密度ポ
リエチレン90重量部とエチレン含有率80モル%の
ペレツト状エチレン−プロピレンランダム共重合
体ゴム10重量部との重合体組成物から得られた厚
さ10μのフイルム(膨比3〜4)について、右側
に併記された低密度ポリエチレンフイルムの値と
対比しながら記載する。
【表】
従つて、このようなフイルムをマルチフイルム
に用いた場合には、低密度ポリエチレンフイルム
の半分の厚さであつても、衝撃強度や引裂強度の
向上によつてフイルム施工時に損傷がみられず、
また耐熱性の向上によつて使用時の熱溶融による
フイルムの損傷もなく、それに伴う定植穴の拡大
なども有効に防止される。 本発明に係る農業用被覆材は、これらの物理的
諸性質の向上によつてもたらされる効果ばかりで
はなく、地中温度の上昇というマルチフイルムに
とつて最も要求される効果を有効に達成させる。 グラフには、マルチフイルムを用いない場合の
地中10cm下の温度曲線1およびマルチフイルムと
して厚さ20μの低密度ポリエチレンフイルム、厚
さ10μの高密度ポリエチレンフイルムまたは厚さ
10μの本発明に係るフイルムをそれぞれ用いた場
合の地中5cm下の温度曲線2〜4によつて示され
る地温が図示されている。測定は、昭和54年12月
6日静岡県浜松市において夜半から行われたが、
午前9時以前においては各温度曲線間の温度差は
1℃以内であり、従つてその時間帯におけるグラ
フは省略されている。なお、主要な時間における
外気温度および相対湿度は、次の如くである:
に用いた場合には、低密度ポリエチレンフイルム
の半分の厚さであつても、衝撃強度や引裂強度の
向上によつてフイルム施工時に損傷がみられず、
また耐熱性の向上によつて使用時の熱溶融による
フイルムの損傷もなく、それに伴う定植穴の拡大
なども有効に防止される。 本発明に係る農業用被覆材は、これらの物理的
諸性質の向上によつてもたらされる効果ばかりで
はなく、地中温度の上昇というマルチフイルムに
とつて最も要求される効果を有効に達成させる。 グラフには、マルチフイルムを用いない場合の
地中10cm下の温度曲線1およびマルチフイルムと
して厚さ20μの低密度ポリエチレンフイルム、厚
さ10μの高密度ポリエチレンフイルムまたは厚さ
10μの本発明に係るフイルムをそれぞれ用いた場
合の地中5cm下の温度曲線2〜4によつて示され
る地温が図示されている。測定は、昭和54年12月
6日静岡県浜松市において夜半から行われたが、
午前9時以前においては各温度曲線間の温度差は
1℃以内であり、従つてその時間帯におけるグラ
フは省略されている。なお、主要な時間における
外気温度および相対湿度は、次の如くである:
【表】
グラフに示された結果は、午前9時以前におい
ては、各種のマルチフイルムを用いてもそれを用
いない場合と同様に推移するが、本発明のフイル
ムを用いた場合には、太陽熱を受け始める9時す
ぎから16時頃迄低密度ポリエチレンフイルムを用
いた場合よりも常に2〜3℃程度地温が上昇し、
このような傾向はその後の繰り返し実験によつて
も確認されている。 マルチ栽培の主要な目的は、一般に地温を上昇
させ、植物の発芽および成育を促進させると共
に、早期収穫になる増収効果を狙うことにある
が、地温の低い時期においては1℃の地温の上昇
でも根の活性に与える影響は大きく、従つて野菜
類などの成育促進につながり、増収が期待できる
といわれている程なので、地温の2〜3℃の上昇
効果は高く評価されるものということができる。 実際に使用されているフイルムの状態を観察す
ると、フイルムの裏面には土壤中から蒸発した水
分が細かな水滴として、あたかも均一な厚さの水
膜に近い状態で付着しており、これは土壤水分の
蒸散の防止に有効なだけではなく、保温効果にも
著しく貢献しているものと考えることができる。 本発明に係る農業用被覆材は、主として地温上
昇効果などが求められるマルチフイルムとして、
露地栽培、トンネル栽培、ハウス半促成栽培、加
工用無支柱栽培、早出し栽培、春どり栽培、冬ど
り栽培、早堀り栽培などにそれぞれ有効に使用す
ることができる。
ては、各種のマルチフイルムを用いてもそれを用
いない場合と同様に推移するが、本発明のフイル
ムを用いた場合には、太陽熱を受け始める9時す
ぎから16時頃迄低密度ポリエチレンフイルムを用
いた場合よりも常に2〜3℃程度地温が上昇し、
このような傾向はその後の繰り返し実験によつて
も確認されている。 マルチ栽培の主要な目的は、一般に地温を上昇
させ、植物の発芽および成育を促進させると共
に、早期収穫になる増収効果を狙うことにある
が、地温の低い時期においては1℃の地温の上昇
でも根の活性に与える影響は大きく、従つて野菜
類などの成育促進につながり、増収が期待できる
といわれている程なので、地温の2〜3℃の上昇
効果は高く評価されるものということができる。 実際に使用されているフイルムの状態を観察す
ると、フイルムの裏面には土壤中から蒸発した水
分が細かな水滴として、あたかも均一な厚さの水
膜に近い状態で付着しており、これは土壤水分の
蒸散の防止に有効なだけではなく、保温効果にも
著しく貢献しているものと考えることができる。 本発明に係る農業用被覆材は、主として地温上
昇効果などが求められるマルチフイルムとして、
露地栽培、トンネル栽培、ハウス半促成栽培、加
工用無支柱栽培、早出し栽培、春どり栽培、冬ど
り栽培、早堀り栽培などにそれぞれ有効に使用す
ることができる。
図面は、マルチフイルムを用いない場合および
マルチフイルムとして低密度ポリエチレンフイル
ム、高密度ポリエチレンフイルムまたは本発明の
フイルムをそれぞれ用いた場合の地温の温度曲線
1〜4をそれぞれ示したグラフである。
マルチフイルムとして低密度ポリエチレンフイル
ム、高密度ポリエチレンフイルムまたは本発明の
フイルムをそれぞれ用いた場合の地温の温度曲線
1〜4をそれぞれ示したグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 密度0.94〜0.97g/cm3およびメルト・インデ
ツクス0.01〜1.0g/10分(190℃)の高密度ポリ
エチレン70〜98重量部とこれと相溶性を有するオ
レフイン系ゴム30〜2重量部との重合体組成物の
フイルムからなる農業用被覆材。 2 オレフイン系ゴムとしてエチレン含有率60〜
95モル%のエチレン−α−オレフインランダム共
重合体ゴムを用いた特許請求の範囲第1項記載の
農業用被覆材。 3 エチレン−α−オレフインランダム共重合体
ゴムとしてエチレン−プロピレンランダム共重合
体ゴムを用いた特許請求の範囲第2項記載の農業
用被覆材。 4 エチレン−α−オレフインランダム共重合体
ゴムとしてエチレン−1−ブテンランダム共重合
体ゴムを用いた特許請求の範囲第2項記載の農業
用被覆材。 5 フイルムが約5〜15μの厚さを有する特許請
求の範囲第1項記載の農業用被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1853080A JPS56116735A (en) | 1980-02-19 | 1980-02-19 | Agricultural covering material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1853080A JPS56116735A (en) | 1980-02-19 | 1980-02-19 | Agricultural covering material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56116735A JPS56116735A (en) | 1981-09-12 |
JPS6219782B2 true JPS6219782B2 (ja) | 1987-05-01 |
Family
ID=11974177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1853080A Granted JPS56116735A (en) | 1980-02-19 | 1980-02-19 | Agricultural covering material |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56116735A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5728114A (en) * | 1980-07-28 | 1982-02-15 | Sanueru Kogyo Kk | Covering film for agriculture |
JPH0739514B2 (ja) * | 1984-10-30 | 1995-05-01 | 住友化学工業株式会社 | 農業用フィルム |
WO2011163076A1 (en) * | 2010-06-23 | 2011-12-29 | Dow Global Technologies Llc | Masterbatch composition |
EP2647664A1 (en) * | 2012-04-04 | 2013-10-09 | Cytec Technology Corp. | Method for stabilizing polyolefin films against UV degradation |
JP7206879B2 (ja) * | 2018-12-17 | 2023-01-18 | 大日本印刷株式会社 | 農業シート |
-
1980
- 1980-02-19 JP JP1853080A patent/JPS56116735A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56116735A (en) | 1981-09-12 |
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