JP3137893B2 - 光崩壊性グリーンマルチングフィルム - Google Patents

光崩壊性グリーンマルチングフィルム

Info

Publication number
JP3137893B2
JP3137893B2 JP08026494A JP2649496A JP3137893B2 JP 3137893 B2 JP3137893 B2 JP 3137893B2 JP 08026494 A JP08026494 A JP 08026494A JP 2649496 A JP2649496 A JP 2649496A JP 3137893 B2 JP3137893 B2 JP 3137893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
mulching film
film
olefin
calcium carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08026494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09221568A (ja
Inventor
正明 関谷
雄治 越野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruzen Petrochemical Co Ltd filed Critical Maruzen Petrochemical Co Ltd
Priority to JP08026494A priority Critical patent/JP3137893B2/ja
Publication of JPH09221568A publication Critical patent/JPH09221568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3137893B2 publication Critical patent/JP3137893B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光によって容易に
劣化、崩壊する性質を有する炭酸カルシウムと銅フタロ
シアニン系緑色顔料を特定量含有するポリオレフィン系
の農業用の光崩壊性グリーンマルチングフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】農業用マルチングフィルムは、ポリオレ
フィン等で形成されたフィルムで育苗時に育苗部分だけ
穴をあけて地面を覆うために用いられる。その効果とし
ては、地温は上昇するが、水分の蒸発を防ぐため、育苗
を促進し、収穫時期を早め、かつ収穫量も多くなる。こ
の農業用マルチングフィルムの中で、特に緑色に着色し
たマルチングフィルムは、300〜800nmの太陽光
線スペクトルのうち、雑草成育に必須の青色及び赤色光
を吸収し、その他の波長の光を透過するので、使用しな
い場合に比べ、地温上昇効果と雑草抑制効果(以下、抑
草性又は抑草効果と表記する場合がある)の両方を向上
させる。
【0003】一方、ポリオレフィンに炭酸カルシウムを
配合した乳白色の光崩壊性マルチングフィルムは、ポリ
オレフィン単独の場合に比べ、はるかに破砕を容易にす
ることが既に知られている(特公昭52−31256
号)。この易破砕性は、ポリオレフィンと炭酸カルシウ
ムからなる均質なフィルムが光や熱により劣化すること
に基づくものである。また、ポリオレフィン系樹脂に炭
酸カルシウムと特定の無機物質を配合し、保温性等を改
善した農業用被覆フィルムも知られている(特開昭56
−72035号)。さらに、ポリエチレンに着色顔料を
配合し、光透過率を20〜70%に調節し、かつ微量の
除草剤を添加した除草性マルチングフィルムも既に知ら
れている(特開昭54−15842号)。
【0004】しかしながら、本発明者らの知るところ、
特公昭52−31256号のように、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の単品あるいはブレンド物に炭酸カルシ
ウムを配合したのみではフィルムを薄肉とした場合、フ
ィルム強度が低下し、マルチングフィルムを展張する
際、破損や切断するという問題が生じる。また、特開昭
56−72035号のように、炭酸カルシウムと特定の
無機物質をポリオレフィンに配合する方法は、太陽光線
の透過性が良好で、その結果保温性が改良されるもの
で、雑草抑制を意図するものではない。さらに、特開昭
54−15842号の方法は、着色の、特にグリーンの
マルチングフィルムに関し、従来の欠点である不十分な
抑草性を改善するため、除草剤を添加するものである
が、経済性の面や廃棄時の環境汚染の点で問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、マルチングフ
ィルム、特にグリーン着色マルチングフィルムにおい
て、使用前の初期強度が強く、しかも使用中は作物の成
育・成長を促進させ、農薬を使わなくても雑草の生育を
十分に抑制し、使用後は光劣化により崩壊性を有し、さ
らに無公害・低カロリーの易焼却性を有する環境適応型
マルチングフィルムを提供することが求められていた。
本発明者らは、これらの課題を解決するため、マルチン
グフィルムの原料組成等につき鋭意研究を進めた結果、
複数のポリオレフィン系樹脂の組み合わせに、特定の炭
酸カルシウムと銅フタロシアニン系緑色顔料を配合する
ことにより目的を達成できることを見出し、本発明に到
達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
下記の高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
エチレン−α−オレフィン共重合体、重質炭酸カルシウ
ム及び銅フタロシアニン系緑色顔料を含み、厚さが8〜
40μmの光崩壊性グリーンマルチングフィルムに存す
る。 (a)メルトフローレートが0.03〜1.0g/10
分、密度が0.940〜0.965g/cm3の高密度
ポリエチレン20〜65重量%。 (b)エチレンとα−オレフィンとの共重合体からな
り、α−オレフィンの炭素数が4〜12で、メルトフロ
ーレートが0.05〜7.0g/10分、密度が0.9
00〜0.935g/cm3の線状低密度ポリエチレン
2〜45重量%。 (c)エチレンとα−オレフィンとの共重合体からな
り、α−オレフィンの炭素数が3〜10で、メルトフロ
ーレートが0.05〜10g/10分、密度が0.85
0〜0.900g/cm3 のエチレン−α−オレフィン
共重合体2〜20重量%。 (d)平均粒径が0.5〜6μmの重質炭酸カルシウム
30〜75重量%。 (e)銅フタロシアニングリーン、臭素化銅フタロシア
ニングリーン、又はこれらとカーボンブラックを含む
フタロシアニン系緑色顔料0.5〜5重量%。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の光崩壊性グリーンマルチングフィルム(以
下、単にマルチングフィルムと略称する場合がある)に
おいて、構成成分(a)は高密度ポリエチレンである。
高密度ポリエチレンは、エチレンの単独重合体又はエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体からなり、チーグラ
ー触媒やフィリップス触媒を用い、低圧ないし中圧力下
で重合されるポリエチレンである。α−オレフィンとし
ては、炭素数が3〜12のもの、例えばプロピレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などが挙げられ
る。又、α−オレフィンの含有量は0〜5モル%、好ま
しくは0.03〜3モル%である。
【0008】このような高密度ポリエチレンとしては、
メルトフローレート(以下、MFRと略称し、JIS
K6760の方法に従って測定した。以下、同様であ
る。)が0.03〜1.0g/10分、好ましくは0.
05〜0.7g/10分、又、密度(JIS K676
0の方法に従って測定した。以下同様である)が0.9
40〜0.965g/cm3 のものが使用される。本発
明においては、この高密度ポリエチレンを全組成物中2
0〜65重量%配合する。20重量%未満ではフィルム
強度が悪化するので好ましくなく、また65重量%を越
えるとフィルムの柔軟性が低下し、突起物等で破れやす
くなるので好ましくない。
【0009】本発明のフィルムを構成する(b)成分は
線状低密度ポリエチレンである。この線状低密度ポリエ
チレンは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であ
り、チーグラー触媒、メタロセン触媒等の配位重合触媒
を用いて製造される。コモノマーとしては、炭素数4以
上、好ましくは4〜12のα−オレフィン、例えばブテ
ン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オク
テン−1、デセン−1等を挙げることができる。共重合
体中のコモノマーの含有量は0.3〜20モル%、好ま
しくは0.5〜10モル%である。
【0010】この線状低密度ポリエチレンは、MFRが
0.05〜7.0g/10分、好ましくは0.1〜5.
0g/10分であり、密度は0.900〜0.935g
/cm3 、好ましくは0.910〜0.930g/cm
3 のものが使用される。本発明においては、この線状低
密度ポリエチレンを組成物中に2〜45重量%配合する
が、それによってマルチングフィルムの伸び、強度等を
向上させることができる。配合量が2重量%未満では効
果が小さく、45重量%を超えると引張り強度が低下す
るので好ましくない。また、MFRが0.05g/10
分min.未満の場合には、成形性が不安定となり、
又、7g/10min.を越える場合は、強度に悪影響
を与える。
【0011】本発明の(c)成分は、エチレンとα−オ
レフィンとの共重合体(以下、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体と呼称する)である。α−オレフィンとして
炭素数3〜10のものを用いることが好ましく、炭素数
3〜8のものを用いることがより好ましい。α−オレフ
ィンの具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1などが挙げられる。エチレン−
α−オレフィン共重合体の密度は0.850〜0.90
0g/cm3 であることが好ましく、0.860〜0.
880g/cm3 であることがより好ましい。エチレン
−α−オレフィン共重合体のMFRは0.05〜10g
/10分であることが好ましく、0.1〜8g/10分
であることがより好ましい。
【0012】(c)成分たるエチレン−α−オレフィン
共重合体は、組成物中に2〜20重量%配合することに
よってマルチングフィルムの伸び、強度、光崩壊性を向
上することができる。配合量が2重量%未満では効果が
小さく、20重量%を超えると引張り強度の低下と、成
形性が不良となるので好ましくない。また、MFRが1
0g/10分以上だとフィルムの初期強度と伸びを低下
させるので好ましくない。一方、MFRが0.05g/
10分以下であると成形性が不良となるので好ましくな
い。
【0013】本発明の(d)成分である重質炭酸カルシ
ウムは、平均粒径0.5〜6μmの重質炭酸カルシウム
であり、これを全組成物中30〜75重量%含有するこ
とによって、マルチングフィルムの保温性、耐寒・耐暑
性、光崩壊性、易焼却性等を向上することができる。配
合量が30重量%未満では光分解による細片化と破砕性
が不足し、また焼却する際のポリオレフィンのメルトド
ロップ性が大きくなり易焼却性が不足するので好ましく
ない。75重量%を超えると成形時に破れ易い等の問題
が生じやすく、また薄肉化した場合、実用上充分な強度
を有するフィルムが得られず、好ましくない。平均粒径
が上記の範囲をはずれると成形性とフィルム物性が低下
するので好ましくない。炭酸カルシウムの表面をステア
リン酸等の脂肪酸で表面処理すると、フィルム物性を向
上させるので、特に強度等を必要とする製品を製造する
場合には脂肪酸で表面処理した重質炭酸カルシウムを使
用するのが好ましい。更にフィルム物性を向上させる場
合には粒径の上限値を規定し、11ミクロン以上を除去
した重質炭酸カルシウムを使うことが好ましい。
【0014】本発明の(e)成分である銅フタロシアニ
ン系緑色顔料としては、銅フタロシアニングリーン
(C.I.Pigment No.;G−7、例えばB
ASF社のK8681、チバガイギー社のクロモフタル
グリーン等)、臭素化銅フタロシアニングリーン(同上
No.;G−36、例えばBASF社のK9360、チ
バガイギー社のクロモフタルグリーン等)、あるいはこ
れらとカーボンブラックとを1:0.1〜10重量比で
含む緑色顔料を使用する。銅フタロシアニン系緑色顔料
を全組成物中0.5〜5重量%含有することによって、
マルチングフィルムの抑草性を向上させることができ
る。配合量が0.5重量%未満では抑草性が不足するの
で好ましくない。5重量%を超えるとコストが高くなり
実用的でない。
【0015】(e)成分を所定量含む本発明のマルチン
グフィルムは、太陽光線スペクトルのうち、雑草生育に
必須の400〜500nmの青色光、600〜700n
mの赤色光を吸収し、560〜570nmの波長域に透
過のピークを有する。これにより抑草効果と地温上昇効
果の両方を満足し、しかも光崩壊性を兼ね備えている。
またさらに、重質炭酸カルシウムを所定量含有すること
により、抑草効果が一層高まることが見出された。
【0016】本発明の光崩壊性グリーンマルチングフィ
ルムには、上記各成分の他に、通常ポリオレフィン系樹
脂に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等を配
合することができる。そして、マルチングフィルムの光
崩壊速度を調節するには、ポリオレフィン系樹脂の種類
と組み合わせ、および、重質炭酸カルシウムの種類と量
を選択することにより達成できる。また、酸化防止剤
と、とりわけ紫外線吸収剤の添加量を選択することによ
り、さらにまた、光増感剤を用いる等の方法を適宜組み
合わせることにより調節可能である。このようにして、
マルチングフィルムの光崩壊所要時間を調節することに
よって、目的とする農作物の育苗期間に合わせることが
できる。
【0017】本発明のマルチングフィルムは、先ず、各
構成成分からなる配合組成物を押出機により均一に溶
融、混練し、ペレットを作製する。次に、このペレット
をフィルム状に成形し、マルチングフィルムを得る。ペ
レットを作製する工程では、各構成成分をコーンブレン
ダー、リボンブレンダー等のブレンダーあるいはヘンシ
ェルミキサー等の混合機を用いて混合した後、単軸スク
リュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキ
サー、ミキシングロール等の混練機を用いて混練し、ペ
レットにする。次に、このペレットを用い、インフレー
ション法、Tダイ法等の成形方法によりフィルム状に成
形する。
【0018】このようにして、厚さ8〜40μmのマル
チングフィルムを得る。マルチングフィルムの厚みが8
μm以下では、フィルムの展張作業等の際、フィルムが
破損しやすく、また厚みが40μmを超えると、マルチ
ングフィルムとしての使用効果上、不必要な厚みである
ばかりでなく、光劣化による破砕性が低下する結果、早
期の崩壊性を要求される用途には適合し得なくなる。
【0019】本発明の光崩壊性グリーンマルチングフィ
ルムは、樹脂成分として高密度ポリエチレンに加えて、
2種類のポリオレフィン系樹脂を含有しているため、使
用時、即ち展張時のフィルム強度と伸びのバランスに優
れている。本発明のグリーンマルチングフィルムは、重
質炭酸カルシウムの充填量が多いため、光崩壊性を有
し、8〜40μmのフィルムに成形した場合に優れた保
温性を示し、かつ昼夜の温度差が比較的小さく、耐寒性
・耐暑性を有するため、作物の生育・成長を促進させる
ことができる。
【0020】また、本発明のマルチングフィルムは、重
質炭酸カルシウムと銅フタロシアニングリーン又はこれ
らとカーボンブラックからなる銅フタロシアニン系緑色
顔料を含んでいるため、除草剤を使うことなく、どの作
物にも抑草性を示す。さらに、使用後は光劣化し、崩壊
性を有しているため、ロータリー等でそのまま農耕土に
すき込むことができ、省力化が計れて経済的である。今
後の農業の高齢化を考えた時には、非常に効果的なマル
チングフィルムである。また、焼却廃棄の際、燃焼カロ
リーが低く、有毒ガスの発生がほとんどない。さらに、
燃焼後の灰分は、主に炭酸カルシウムまたは酸化カルシ
ウムであるため、土壌に混合されれば化学肥料で酸性化
された土壌の中和に役立ち、農地の地力を回復する効果
がある。このように環境適応性においても優れている。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、本発明の光崩壊性グリーンマルチングフィルムに関
し、原料組成物の製造、フィルムの成形、フィルムの評
価等は以下の方法によった。 (1)原料組成物の製造 各構成成分を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した
後、二軸スクリュー押出機により混練、ペレットにし
た。
【0022】(2)フィルム成形:内径60mm,圧縮
部のピッチ度8、圧縮比3である長さ/径(L/D)2
2のシリンダーの押出機を用い、リップ0.8mm、径
100mmの円筒形ダイを使用した。押出温度190
℃、ブロー比4.0、フロストライン500mmにて成
形した。 (3)引張強度および破断伸び:10mm幅、50mm
長さの短冊状試験片を引張速度500mm/分で引張
り、最大荷重と破断時の伸びから求めた。
【0023】(4)ダート強度:JISK7124のダ
ート衝撃試験法により求めた。 (5)保温性:5月8日に北海道十勝地区で午前10時
に各試験用マルチングフィルムを展張した後、14時の
地下の深さ10cmのところの地温を測定した。 (6)除草性:3月、埼玉県白岡地区にて試験を行っ
た。タテ195mm、ヨコ135mm、深さ45mmの
プラスチックボックスに水分含量35%の洪積土壌を1
kg充填し、表面積の半分にそれぞれ広葉科雑草アオビ
ユと未本科雑草メヒシバを3月6日に播種。各試験用マ
ルチングフィルムで被覆し、周囲をゴムバンドで留め、
温室内(夜間保温付)に置いた。23日後フィルムを取
り外し、目視判定を行った。ここで、抑草効果最大を
5、抑草効果無しを0の6段階とした。 (7)光崩壊性:千葉地区の畑にて、4月24日、各試
験用マルチングフィルムを用い、展張を行い、10日毎
にサンプルフィルムを採取し、MD(縦)方向の引張試
験の破断点伸びを測定し、この伸びが展張前のマルチン
グフィルムの破断点伸びの50%へ低下するまでの日数
を光崩壊性の尺度とした。
【0024】(実施例1)高密度ポリエチレン(HDP
E)(MFRが0.05g/10分、密度が0.945
g/cm3)75重量部、線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)(α−オレフィンがヘキセン−1、MFRが
2.1g/10分、密度が0.920g/cm3)15
重量部、エチレン−プロピレン共重合体(EP)(MF
Rが2.0g/10分、密度が0.86g/cm3)1
0重量部のポリオレフィン系樹脂混合物100重量部に
対して、重質炭酸カルシウム(平均粒径3.5μm)1
00重量部、銅フタロシアニングリーン(G−7)41
重量%とカーボンブラック59重量%とからなる銅フタ
ロシアニン系緑色顔料5重量部、滑剤としてステアリン
酸カルシウム3重量部、を配合した組成物を用い、ペレ
ットを作製し、インフレーション法により厚み21μm
の光崩壊性グリーンマルチングフィルムを成形した。
【0025】このマルチングフィルムの特性は、引張強
度(縦)235kg/cm2、破断点伸び192%、ダ
ート強度122gであった。こうして得られたマルチン
グフィルムを展張した場合のマルチング特性は、下記の
通りであった。なお、この結果を表1に示す。
【0026】(実施例2〜6)実施例1と同様に、高密
度ポリエチレン(HDPE),線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(E
P)、重質炭酸カルシウム及び銅フタロシアニン系緑色
顔料を用い、その種類又は各成分の配合割合を変えて、
マルチングフィルムを製造した。得られた各マルチング
フィルムの製造条件及び評価結果を表1に示す。
【0027】(比較例1〜3) 実施例1において、銅フタロシアニン系緑色顔料を配合
しない場合(比較例1)、重質炭酸カルシウムを配合し
ない場合(比較例2)、銅フタロシアニン系緑色顔料を
添加せず、カーボンブラックのみを6重量部添加した場
合(比較例3)についてマルチングフィルムの製造を行
い、続いて保温性、除草性及び光崩壊性の評価を行っ
た。結果を表2に示す。表2の結果から、比較例1は抑
草効果が不良であり、比較例2は抑草効果が不良で、光
崩壊性はほとんど認められない。又、比較例3は保温性
が悪いことが判る。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】(実施例7)実施例1で成形した光崩壊性
グリーンマルチングフィルムを用いて、千葉県銚子地区
にて大根の栽培を行った。品種はサカタ種苗の天翠を用
い、2月10日に播種を行い(各穴3〜4つぶ)、3月
10日に1本に間引いた。4月20日に各々10個体を
測定し大根の生育(平均重量、大根の長さ、肌)を、露
地(マルチングフィルム無)、一般透明の低密度ポリエ
チレン製マルチ(一般農ポリマルチ)と比較し、表3に
示した。
【0031】
【表3】
【0032】表3より、本発明のマルチングフィルムを
被覆した大根は、肌が良く、その他の評価項目は一般農
ポリマルチと差がなかった。
【0033】(実施例8)本発明の光崩壊性グリーンマ
ルチングフィルム及び比較例3の黒色マルチングフィル
ムを用いて、レタスの栽培を行った。レタスの品種はグ
リーンランドである。9月7日に播種を行い、10月5
日に定植し、11月24日に生育を調査した。20固体
を測定し、その平均よりレタスの全重量、葉数等を評価
し、表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】表4より、本発明のマルチングフィルムを
被覆した場合、黒色マルチングフィルムに比べ、増収と
なり、しかも大玉となることが分かった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光崩壊性
グリーンマルチングフィルムによれば、使用前の初期強
度が大きく、使用中においては作物の生育・成長を促進
・充実させ、農薬を使わなくても雑草の生育を十分に抑
制し、使用後は重質炭酸カルシウムを多く含有するため
光劣化し、崩壊性を有するとともに、無公害・低カロリ
ーの易焼却性を有する環境適応型マルチングフィルムを
提供することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/04 C08K 3/26 C08K 5/34 A01G 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の高密度ポリエチレン、線状低密度
    ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、重
    質炭酸カルシウム及び銅フタロシアニン系緑色顔料を含
    み、厚さが8〜40μmの光崩壊性グリーンマルチング
    フィルム。 (a)メルトフローレートが0.03〜1.0g/10
    分、密度が0.940〜0.965g/cm3の高密度
    ポリエチレン20〜65重量%。 (b)エチレンとα−オレフィンとの共重合体からな
    り、α−オレフィンの炭素数が4〜12で、メルトフロ
    ーレートが0.05〜7.0g/10分、密度が0.9
    00〜0.935g/cm3の線状低密度ポリエチレン
    2〜45重量%。 (c)エチレンとα−オレフィンとの共重合体からな
    り、α−オレフィンの炭素数が3〜10で、メルトフロ
    ーレートが0.05〜10g/10分、密度が0.85
    0〜0.900g/cm3のエチレン−α−オレフィン
    共重合体2〜20重量%。 (d)平均粒径が0.5〜6μmの重質炭酸カルシウム
    30〜75重量%。 (e)銅フタロシアニングリーン、臭素化銅フタロシア
    ニングリーン、又はこれらとカーボンブラックを含む
    フタロシアニン系緑色顔料0.5〜5重量%。
JP08026494A 1996-02-14 1996-02-14 光崩壊性グリーンマルチングフィルム Expired - Fee Related JP3137893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08026494A JP3137893B2 (ja) 1996-02-14 1996-02-14 光崩壊性グリーンマルチングフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08026494A JP3137893B2 (ja) 1996-02-14 1996-02-14 光崩壊性グリーンマルチングフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09221568A JPH09221568A (ja) 1997-08-26
JP3137893B2 true JP3137893B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=12195057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08026494A Expired - Fee Related JP3137893B2 (ja) 1996-02-14 1996-02-14 光崩壊性グリーンマルチングフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3137893B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7211620B2 (en) * 2005-01-25 2007-05-01 Plasticos, Flexibles S.A. Foldable polyolefin films
KR100598151B1 (ko) * 2005-09-20 2006-07-07 (주) 성보 방수시트용 원료
JP6315768B2 (ja) * 2013-12-27 2018-04-25 みかど化工株式会社 農業用多層マルチフィルム
JP6886232B2 (ja) * 2015-02-20 2021-06-16 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社 農業用フィルム
JP6916927B2 (ja) * 2015-02-20 2021-08-11 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社 農業用フィルム
JPWO2022074731A1 (ja) * 2020-10-06 2022-04-14
CN117866307A (zh) * 2023-05-15 2024-04-12 甘肃宏鑫农业科技有限公司 一种高标准农田所用黑色地膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09221568A (ja) 1997-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3320695A (en) Degradable polyolefin mulching film
US5416133A (en) Chemically degradable polyolefin films
CN102660073B (zh) 马铃薯专用黑色功能地膜
AU596637B2 (en) Mulching film for repelling insect pests
CN102675724B (zh) 果树专用黑色功能地膜
US3341357A (en) Degradable polyolefin mulching film having opaque coating
JP3137893B2 (ja) 光崩壊性グリーンマルチングフィルム
EP0398243A1 (en) Plastic sheets for use in agriculture
CN111655471A (zh) 发泡聚乙烯膜
US4828906A (en) Resin composition and film suitable for agricultural covering material
EP1237406B1 (en) Liquid or semifluid self sustaining mulch for protecting crops
US3991138A (en) Resin composition for the formation of light-degradable mulching film for agricultural use
CN111154166A (zh) 一种油页岩半焦基多功能地膜及其制备方法
US3673134A (en) Agricultural mulch
US3896585A (en) Furnace or thermal black in degradable agricultural mulch
KR101480390B1 (ko) 인삼 재배용 필름
JP2001348498A (ja) 改良されたマルチングフィルム用組成物及びマルチングフィルム
US4071975A (en) Method of promoting the growth of plants
JP4825011B2 (ja) 農業用マルチフィルム
DE2536215A1 (de) Boden-abdeckplane
CN109776937A (zh) 黑龙江地区玉米用生态降解地膜
JPH03198724A (ja) 農産物栽培用微孔性フィルム及びこれを用いた農産物の栽培方法
JPS6219782B2 (ja)
JP3610107B2 (ja) 多機能性マルチングフィルム
JPS627939B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees