JP3610107B2 - 多機能性マルチングフィルム - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、農作物の栽培効率を向上させるために畝等に敷くマルチングフィルム、更に詳しくはフィルムの所定位置に長手方向に対して帯状に、異なる性能を有する多機能性マルチングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、農作物の栽培を効率よく行うためにさまざまな機能を有するマルチングフィルムが提案されている。例えば、地温を上昇させる効果のある透明のマルチングフィルム、雑草の繁茂を防止する黒色マルチングフィルム、害虫忌避効果を有するシルバーのマルチングフィルム、また夏場に地温を抑制する場合に用いる白色のマルチングフィルムなどがある。
【0003】
しかしながら、単一構成のマルチングフィルムでは要求される多様な機能を充足するには限界があるため、一枚のフィルム中であっても部位によって機能が異なる、いわゆる配色マルチングフィルムが注目されつつある。例えば、フィルムを上面から見た場合、長手方向に対して帯状に両側が乳白色に、中央が黒色又は銀色に着色された農業用マルチングフィルム(実開平6−38484号公報)や、配色がそれとは逆転して、両側が黒色もしくは銀色で中央部が乳白色の農業用マルチフィルム(実開平6−38485号公報)などが提案されている。
【0004】
これらのフィルムは、播種又は植え付け時から成長期にかけては、作物の毛根がマルチングフィルムの中央部で被覆している土中に位置し、作物がかなり成育した時期にはマルチングフィルムの両側で被覆している土中に位置するという点に着目して提案されたもので、前者は中央部が黒色の場合は成育初期に地温上昇が必要でその後は地温抑制が必要な作物(例えば、春に植え付けして夏に収穫する作物)に適しており、後者は同じく両側が黒色の場合、前述したマルチングフィルムとは逆の、成育初期に地温抑制が必要でその後は地温上昇が必要な作物(例えば、夏に植え付けして秋から冬にかけて収穫する作物)に適している。
【0005】
このように地温上昇や雑草防止、害虫忌避、地温抑制等の機能のうちいくつかを合わせ持つマルチングフィルムはすでにいくつか報告されているが、これらの機能と作物の成育促進機能を兼備するマルチングフィルムは、未だ報告されていない。
【0006】
又、本発明者らは先に特願平6−194096号として、雑草防止機能と作物の成育促進に優れ、さらに耐候性に優れたマルチングフィルムとして、粒状マグネタイト粒子とカーボンブラックを特定量含有する熱可塑性樹脂からなるマルチングフィルムを提案したが、単一構成のマルチングフィルムであるので作物の種類やマルチングフィルムの使用時期に応じて新たな機能を付与することが困難であり、またコスト高につながることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、フィルム面内の一部が雑草防止と作物の成育促進効果に優れ、さらに目的に応じて異なる機能の付与された多機能性マルチングフィルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として本発明では、粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂からなる部分が、フィルムの長さ方向に対して帯状に形成されていることを特徴とする多機能性マルチングフィルムが提供され、
さらに、前記多機能性マルチングフィルムが少なくとも一方の最外層に透明層を有する多層フィルムであることを特徴とする前記多機能性マルチングフィルムが提供され、
さらにまた、前記透明層に害虫忌避剤が混入されていることを特徴とする前記多機能性マルチングフィルムが提供され、
さらにまた、粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂から成る部分が、フィルムの中央にフィルム長手方向に帯状に設けられていることを特徴とする前記多機能性マルチングフィルムが提供される。
【0009】
すなわち、太陽光線の中の可視光線及び紫外線を吸収して遠赤外線を放射するという特性を持つ(FeO x ・Fe2 O3 、0<X≦1)なる化学式で表される粒状マグネタイト粒子と、該粒状マグネタイト粒子の強い酸化作用によって引き起こされる熱可塑性樹脂の劣化を抑えることのできるカーボンブラックを含有する熱可塑性樹脂からなるフィルムが、成育促進効果及び雑草防止効果を有することに着目し、これらの機能をより効果的に発揮することのできるマルチングフィルムの構成を検討し本発明に至った。
【0010】
以下図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による多機能性マルチングフィルムの一例を表す断面図(A)と平面図(B)である。本発明の多機能性マルチングフィルムは、そのフィルム構成中に配色層2を有する。配色層2は、粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂からなる部分(以下、成育促進部と称す。)21とその他の部分(以下、他部と称する。)22からなる。配色層2中の成育促進部21の位置は、マルチングフィルムを展張する場所や時期に応じて適宜決定すると良いが、後述する共押出法によって連続的に多機能性マルチングフィルム1を製造する場合は、製造上の都合により成育促進部21がフィルムの長さ方向に帯状になる。特に図1に示すようにマルチングフィルムの中央に成育促進部21を設けると、種子の近辺で特に成育促進効果と雑草防止効果が高まるので良い。なおこのときの成育促進部21の幅は作物の種類や根の張り具合にもよるが、通常10〜50cm程度が好ましく、これよりも狭い幅であると十分な効果が得られず、又これより幅広になっても効果の向上がほとんどないばかりか、コスト高にもつながる。
【0011】
また、配色層2の成育促進部21以外の部分である他部22には、従来よりマルチングフィルムに用いられてきた樹脂を適宜選択して用いることができる。これによって多機能性マルチングフィルム1に、目的に応じた機能を付与するのである。例えば、他部22をカーボンブラックのみを含有する黒色の熱可塑性樹脂で形成すると、マルチングフィルム全体が被覆する広域にわたって雑草の成育を防止することができ、又他部22を透明な樹脂で形成するとフィルム内の広域にわたって地温を上昇させることができる。さらにまた、他部22をシルバー顔料を含有する熱可塑性樹脂で形成すると、害虫忌避効果が高まる。
【0012】
又、他部22を500nmにおける吸光度(A500 )と800nmにおける吸光度(A800 )の比A500 /A800 が4.0以上である酸化鉄粒子、及び紫色、青色、又は緑色から選ばれるいずれかの有機系顔料をそれぞれ1.0〜5.0wt%含有する熱可塑性樹脂で形成すると、広域にわたって雑草防止機能と地温上昇機能を付加することができる。なお、他部22に顔料や酸化鉄等を添加する場合、その量はフィルムの厚みや熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、1.0〜5.0wt%、特に1.5〜3.5wt%が、コストと機能及び強度の兼ね合いから好ましい。
【0013】
さらに、本発明の多機能性マルチングフィルム1は配色層2のみからなる単層フィルムであっても特に問題ないが、配色層2の少なくとも一方に透明層3を設けると、配色層2の継ぎ目23の強度が向上するため好ましい。更に、この透明層3に害虫忌避剤を混入すると害虫の飛来を防止することができるので特に好ましい。このとき混入する忌避剤としては、ピレトリン、アレスリン等のピレスロイド系や、ホキシム、ピリダフェンチオン、テトラクロルビンホス等の有機リン系の殺虫剤、また天然樹皮等から抽出されたオバクノン、ノミリン、リモニン、デオキシリモニン、更には3,6−ジクロロピリタジンとパラクロロメタキシレノールの混合剤等が例示される。
【0014】
本発明の多機能性マルチングフィルムに用いられる熱可塑性樹脂としては、通常の押出成形法やカレンダー成形に適する熱可塑性樹脂であれば特に制限なく使用でき、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも使用後の焼却処分が可能であり、安価に入手できるポリエチレン系樹脂を使用することが好ましく、特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、従来の黒色マルチングフィルムに使用されていた再生原料ももちろん使用可能である。
【0015】
本発明の多機能性マルチングフィルム1の成育促進部21に含有されるマグネタイト(FeO X ・Fe2 O3 、0<X≦1)粒子は、球形、八面体、多面体、不定形等のほぼ等方形状を呈するいわゆる粒状マグネタイト粒子であり、BET比表面積が2〜30m2 /g、平均粒子径が0.03〜1.00μmのものが好ましい。BET比表面積が30m2 /gより大きいか、平均粒子径が0.03μm未満では熱可塑性樹脂との混練性が悪くなる。一方、BET比表面積が2m2 /g未満か、平均粒子径が1.00μmより大きい場合は遠赤外線の放射効率が低下する。
【0016】
なお、マグネタイト粒子は成育促進部21を形成する熱可塑性樹脂中に1〜10wt%程度含有させることが好ましく、特に2〜5wt%程度が好ましい。1wt%未満では遠赤外線放射量が少なく作物の成育促進効果が不十分であり、10wt%を越えると樹脂の劣化が進みフィルムの強度が弱くなってマルチングフィルムとしての使用に耐えられなくなってしまう。
【0017】
一方、成育促進部21にマグネタイト粒子と共に添加するカーボンブラックとは、従来公知の農業用マルチングフィルムに用いられているカーボンブラック、例えばファーネスブラックやチャンネルブラック、アセチレンブラックであり、その平均粒径は0.01〜1.00μmのものが好ましい。
【0018】
なお、カーボンブラックは成育促進部21を形成する熱可塑性樹脂中に0.5〜4.0wt%程度含有させることが好ましい。0.5wt%未満の場合は、粒状マグネタイト粒子によって促進される熱可塑性樹脂の劣化、すなわちフィルムの耐候性の悪化を抑える効果が乏しくなるのに対し、カーボンブラックの含有量が4.0wt%を越えるとフィルム中への紫外光、可視光の入射量が少なくなるため、粒状マグネタイト粒子の遠赤外線の放射量が少なくなり、作物の成育促進効果が乏しくなる。
【0019】
さらに、本発明においては粒状マグネタイト粒子、有機顔料、害虫忌避剤の他に、従来公知の界面活性剤、カップリング材、滑材、ブロッキング防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、安定剤等を添加することももちろん可能である。
【0020】
本発明の多機能性マルチングフィルム1の製造方法であるが、例えば成育促進部21となるフィルムと他部22となるフィルムをあらかじめ別々に製膜しておき、これらを所望の形状に貼り合わせることによって得られる。又、連続的に大量生産できる工業的な製法としては、複数の押出機を用いた押出成形法を例示することができ、例えば配色層2のみからなる単層のフィルムを形成する場合は、二つの押出機に成育促進部21用樹脂と他部22用樹脂を供給して、インフレーション押出成形法もしくはTダイ押出成形法にて、これらの樹脂を縞状に製膜し、所望の幅にカットすると良い。また、耐候性向上や害虫忌避の目的で本発明の多機能性マルチングフィルム1は少なくとも一方の層に透明層3を有する多層フィルムであることが好ましく、前記配色層2を挟むように透明層3を両外層に有する多層フィルムであることが更に好ましい。この場合少なくとも三つの押出機を用い、上記樹脂以外に透明層3用の樹脂も供給して共押出成形を行うと良い。なお、多機能性マルチングフィルム1の厚みは利用用途によっても異なるが、概ね15〜60μm程度とするのが一般的である。
【0021】
【作用】
次に、本発明の多機能性マルチングフィルム中の成育促進部21が有する成育促進機能及びに雑草防止機能について説明する。
【0022】
成育促進部21に含有される粒状マグネタイト粒子は、その色味が黒色系で、紫外線はもちろん光合成に必要な可視光線の多くを吸収するため、通常のカーボンブラック同様雑草の繁茂を防止する機能に優れる。また、該粒状マグネタイトは光半導体としての特性も有しており、紫外線及び可視光線領域の光線を吸収すると励起されて導体となり、その状態から基底状態に戻る時に電磁波である遠赤外線を放射し、これが作物の成育促進に有効に作用する。
【0023】
なお、遠赤外線による作物の成育促進効果については、土壌の温度上昇や浸透圧の向上作用、あるいは酸素の溶解度や肥料の溶解度の向上作用によるものとみるのが一般的であるが、本発明者らはむしろ第3回遠赤外線技術シンポジウム予稿集(平成5年3月2日社団法人遠赤外線協会発行)第31〜34頁の「植物の成長に対する遠赤外線による促進効果の予察」(東京理科大学助教授井上康則著)に見られるように、遠赤外線の吸収による作物の温度上昇作用が大きく働いているものと考えている。
【0024】
また、該成育促進部21は、かかる粒状マグネタイト粒子に特定量のカーボンブラックを併用することで、粒状マグネタイト粒子の強い酸化作用に基づく熱可塑性樹脂の劣化が抑えられ、耐候性が大幅に改善された。このカーボンブラックの併用による耐候性の改善効果はおそらく熱可塑性樹脂の劣化にかかわる光線の遮蔽剤としての作用とラジカル補足剤としての作用の相乗作用よるものと推察される。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において行った物性の測定方法及び評価方法は次の通りである。
(1)耐候性(単位:%)
サンシャインウエザーメーターを用い、200時間照射後の引っ張り強度の維持率で耐候性の良否を判定した。
(2)作物の成育度(単位:cm)
熊本県鹿本地区の圃場で、タバコの栽培テストを行い評価した。作期は、2月27日定植、4月2日にタバコの苗丈を測定して成育度の判定基準とした。
(3)雑草防止効果
上記タバコの栽培テストにおいて、雑草の繁茂が見られなかったものを(○)、雑草が少し繁茂したものを(×)とした。なお、フィルムによっては中央と両側で効果が異なるので、それぞれ別に評価した。
【0026】
実施例1〜4、比較例1〜7
表1に示すように配合した樹脂を押出機に供給し、インフレーション押出成形法により厚さ20μmのマルチングフィルムA〜Kを製造した。実施例1〜4、及び比較例1〜5のフィルムA〜Iは、フィルムの中央部と両側部では異なった原料樹脂を用いており、いわゆる配色マルチングフィルムの構成をとる。また比較例6、7のフィルムJ、Kは、フィルム全体が単一の原料樹脂から成るマルチングフィルムである。さらにまた、実施例4のフィルムDのみ配色層の上下に透明層を有する3層フィルムで、残りのフィルムは単層フィルムである。
【0027】
なお、実施例及び比較例で使用した粒状マグネタイト粒子はBET比表面積が5.4m2 /gのものである。また表中のLDPEとは低密度ポリエチレンを意味する。
【0028】
【表1】
【0029】
これらのフィルムA〜Kの耐候性、作物の成育度、雑草防止効果について測定を行った結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
実施例1、2及び比較例1、2より明らかなように粒状マグネタイト粒子の添加量が少ないと、成育促進効果ならびに雑草防止効果が悪化し、また多すぎるとフィルムの耐候性が悪くなる。さらに実施例3、及び比較例3、4から、カーボンブラックの添加によってフィルムの耐候性が向上すること、また多量に添加しすぎると作物の成育促進効果を妨げることが分かる。
【0032】
また、実施例1〜4、及び比較例1〜7より本発明による多機能性マルチングフィルムは、耐候性、作物の成育促進効果、雑草防止効果、すべてを兼ね備えていることがわかる。
【0033】
【効果】
本発明の多機能性マルチングフィルムは、特定量の粒状マグネタイト粒子とカーボンブラック粒子を含有した熱可塑性樹脂からなる部分を有しているので、該部分は雑草防止効果に優れるほか、作物の成育促進効果を有している。
【0034】
また、フィルム全体が単一の樹脂からなるのではなく、フィルムの長手方向に対して帯状に一部が成育促進効果と雑草防止効果に優れる部分で、残る部分が他の機能を有する部分であるので、更に複雑な機能をフィルムに付加することができる。
【0035】
更に、フィルムの少なくとも一方の最外層に害虫忌避剤が添加された透明層を設けると害虫の飛来を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多機能性マルチングフィルムの一実施例を表す(A)断面図と、(B)平面図である。
【符号の簡単な説明】
1 多機能性マルチングフィルム
2 配色層
21 成育促進層
22 他部
23 継ぎ目部
3 透明層
【産業上の利用分野】
本発明は、農作物の栽培効率を向上させるために畝等に敷くマルチングフィルム、更に詳しくはフィルムの所定位置に長手方向に対して帯状に、異なる性能を有する多機能性マルチングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、農作物の栽培を効率よく行うためにさまざまな機能を有するマルチングフィルムが提案されている。例えば、地温を上昇させる効果のある透明のマルチングフィルム、雑草の繁茂を防止する黒色マルチングフィルム、害虫忌避効果を有するシルバーのマルチングフィルム、また夏場に地温を抑制する場合に用いる白色のマルチングフィルムなどがある。
【0003】
しかしながら、単一構成のマルチングフィルムでは要求される多様な機能を充足するには限界があるため、一枚のフィルム中であっても部位によって機能が異なる、いわゆる配色マルチングフィルムが注目されつつある。例えば、フィルムを上面から見た場合、長手方向に対して帯状に両側が乳白色に、中央が黒色又は銀色に着色された農業用マルチングフィルム(実開平6−38484号公報)や、配色がそれとは逆転して、両側が黒色もしくは銀色で中央部が乳白色の農業用マルチフィルム(実開平6−38485号公報)などが提案されている。
【0004】
これらのフィルムは、播種又は植え付け時から成長期にかけては、作物の毛根がマルチングフィルムの中央部で被覆している土中に位置し、作物がかなり成育した時期にはマルチングフィルムの両側で被覆している土中に位置するという点に着目して提案されたもので、前者は中央部が黒色の場合は成育初期に地温上昇が必要でその後は地温抑制が必要な作物(例えば、春に植え付けして夏に収穫する作物)に適しており、後者は同じく両側が黒色の場合、前述したマルチングフィルムとは逆の、成育初期に地温抑制が必要でその後は地温上昇が必要な作物(例えば、夏に植え付けして秋から冬にかけて収穫する作物)に適している。
【0005】
このように地温上昇や雑草防止、害虫忌避、地温抑制等の機能のうちいくつかを合わせ持つマルチングフィルムはすでにいくつか報告されているが、これらの機能と作物の成育促進機能を兼備するマルチングフィルムは、未だ報告されていない。
【0006】
又、本発明者らは先に特願平6−194096号として、雑草防止機能と作物の成育促進に優れ、さらに耐候性に優れたマルチングフィルムとして、粒状マグネタイト粒子とカーボンブラックを特定量含有する熱可塑性樹脂からなるマルチングフィルムを提案したが、単一構成のマルチングフィルムであるので作物の種類やマルチングフィルムの使用時期に応じて新たな機能を付与することが困難であり、またコスト高につながることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、フィルム面内の一部が雑草防止と作物の成育促進効果に優れ、さらに目的に応じて異なる機能の付与された多機能性マルチングフィルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として本発明では、粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂からなる部分が、フィルムの長さ方向に対して帯状に形成されていることを特徴とする多機能性マルチングフィルムが提供され、
さらに、前記多機能性マルチングフィルムが少なくとも一方の最外層に透明層を有する多層フィルムであることを特徴とする前記多機能性マルチングフィルムが提供され、
さらにまた、前記透明層に害虫忌避剤が混入されていることを特徴とする前記多機能性マルチングフィルムが提供され、
さらにまた、粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂から成る部分が、フィルムの中央にフィルム長手方向に帯状に設けられていることを特徴とする前記多機能性マルチングフィルムが提供される。
【0009】
すなわち、太陽光線の中の可視光線及び紫外線を吸収して遠赤外線を放射するという特性を持つ(FeO x ・Fe2 O3 、0<X≦1)なる化学式で表される粒状マグネタイト粒子と、該粒状マグネタイト粒子の強い酸化作用によって引き起こされる熱可塑性樹脂の劣化を抑えることのできるカーボンブラックを含有する熱可塑性樹脂からなるフィルムが、成育促進効果及び雑草防止効果を有することに着目し、これらの機能をより効果的に発揮することのできるマルチングフィルムの構成を検討し本発明に至った。
【0010】
以下図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による多機能性マルチングフィルムの一例を表す断面図(A)と平面図(B)である。本発明の多機能性マルチングフィルムは、そのフィルム構成中に配色層2を有する。配色層2は、粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂からなる部分(以下、成育促進部と称す。)21とその他の部分(以下、他部と称する。)22からなる。配色層2中の成育促進部21の位置は、マルチングフィルムを展張する場所や時期に応じて適宜決定すると良いが、後述する共押出法によって連続的に多機能性マルチングフィルム1を製造する場合は、製造上の都合により成育促進部21がフィルムの長さ方向に帯状になる。特に図1に示すようにマルチングフィルムの中央に成育促進部21を設けると、種子の近辺で特に成育促進効果と雑草防止効果が高まるので良い。なおこのときの成育促進部21の幅は作物の種類や根の張り具合にもよるが、通常10〜50cm程度が好ましく、これよりも狭い幅であると十分な効果が得られず、又これより幅広になっても効果の向上がほとんどないばかりか、コスト高にもつながる。
【0011】
また、配色層2の成育促進部21以外の部分である他部22には、従来よりマルチングフィルムに用いられてきた樹脂を適宜選択して用いることができる。これによって多機能性マルチングフィルム1に、目的に応じた機能を付与するのである。例えば、他部22をカーボンブラックのみを含有する黒色の熱可塑性樹脂で形成すると、マルチングフィルム全体が被覆する広域にわたって雑草の成育を防止することができ、又他部22を透明な樹脂で形成するとフィルム内の広域にわたって地温を上昇させることができる。さらにまた、他部22をシルバー顔料を含有する熱可塑性樹脂で形成すると、害虫忌避効果が高まる。
【0012】
又、他部22を500nmにおける吸光度(A500 )と800nmにおける吸光度(A800 )の比A500 /A800 が4.0以上である酸化鉄粒子、及び紫色、青色、又は緑色から選ばれるいずれかの有機系顔料をそれぞれ1.0〜5.0wt%含有する熱可塑性樹脂で形成すると、広域にわたって雑草防止機能と地温上昇機能を付加することができる。なお、他部22に顔料や酸化鉄等を添加する場合、その量はフィルムの厚みや熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、1.0〜5.0wt%、特に1.5〜3.5wt%が、コストと機能及び強度の兼ね合いから好ましい。
【0013】
さらに、本発明の多機能性マルチングフィルム1は配色層2のみからなる単層フィルムであっても特に問題ないが、配色層2の少なくとも一方に透明層3を設けると、配色層2の継ぎ目23の強度が向上するため好ましい。更に、この透明層3に害虫忌避剤を混入すると害虫の飛来を防止することができるので特に好ましい。このとき混入する忌避剤としては、ピレトリン、アレスリン等のピレスロイド系や、ホキシム、ピリダフェンチオン、テトラクロルビンホス等の有機リン系の殺虫剤、また天然樹皮等から抽出されたオバクノン、ノミリン、リモニン、デオキシリモニン、更には3,6−ジクロロピリタジンとパラクロロメタキシレノールの混合剤等が例示される。
【0014】
本発明の多機能性マルチングフィルムに用いられる熱可塑性樹脂としては、通常の押出成形法やカレンダー成形に適する熱可塑性樹脂であれば特に制限なく使用でき、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも使用後の焼却処分が可能であり、安価に入手できるポリエチレン系樹脂を使用することが好ましく、特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、従来の黒色マルチングフィルムに使用されていた再生原料ももちろん使用可能である。
【0015】
本発明の多機能性マルチングフィルム1の成育促進部21に含有されるマグネタイト(FeO X ・Fe2 O3 、0<X≦1)粒子は、球形、八面体、多面体、不定形等のほぼ等方形状を呈するいわゆる粒状マグネタイト粒子であり、BET比表面積が2〜30m2 /g、平均粒子径が0.03〜1.00μmのものが好ましい。BET比表面積が30m2 /gより大きいか、平均粒子径が0.03μm未満では熱可塑性樹脂との混練性が悪くなる。一方、BET比表面積が2m2 /g未満か、平均粒子径が1.00μmより大きい場合は遠赤外線の放射効率が低下する。
【0016】
なお、マグネタイト粒子は成育促進部21を形成する熱可塑性樹脂中に1〜10wt%程度含有させることが好ましく、特に2〜5wt%程度が好ましい。1wt%未満では遠赤外線放射量が少なく作物の成育促進効果が不十分であり、10wt%を越えると樹脂の劣化が進みフィルムの強度が弱くなってマルチングフィルムとしての使用に耐えられなくなってしまう。
【0017】
一方、成育促進部21にマグネタイト粒子と共に添加するカーボンブラックとは、従来公知の農業用マルチングフィルムに用いられているカーボンブラック、例えばファーネスブラックやチャンネルブラック、アセチレンブラックであり、その平均粒径は0.01〜1.00μmのものが好ましい。
【0018】
なお、カーボンブラックは成育促進部21を形成する熱可塑性樹脂中に0.5〜4.0wt%程度含有させることが好ましい。0.5wt%未満の場合は、粒状マグネタイト粒子によって促進される熱可塑性樹脂の劣化、すなわちフィルムの耐候性の悪化を抑える効果が乏しくなるのに対し、カーボンブラックの含有量が4.0wt%を越えるとフィルム中への紫外光、可視光の入射量が少なくなるため、粒状マグネタイト粒子の遠赤外線の放射量が少なくなり、作物の成育促進効果が乏しくなる。
【0019】
さらに、本発明においては粒状マグネタイト粒子、有機顔料、害虫忌避剤の他に、従来公知の界面活性剤、カップリング材、滑材、ブロッキング防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、安定剤等を添加することももちろん可能である。
【0020】
本発明の多機能性マルチングフィルム1の製造方法であるが、例えば成育促進部21となるフィルムと他部22となるフィルムをあらかじめ別々に製膜しておき、これらを所望の形状に貼り合わせることによって得られる。又、連続的に大量生産できる工業的な製法としては、複数の押出機を用いた押出成形法を例示することができ、例えば配色層2のみからなる単層のフィルムを形成する場合は、二つの押出機に成育促進部21用樹脂と他部22用樹脂を供給して、インフレーション押出成形法もしくはTダイ押出成形法にて、これらの樹脂を縞状に製膜し、所望の幅にカットすると良い。また、耐候性向上や害虫忌避の目的で本発明の多機能性マルチングフィルム1は少なくとも一方の層に透明層3を有する多層フィルムであることが好ましく、前記配色層2を挟むように透明層3を両外層に有する多層フィルムであることが更に好ましい。この場合少なくとも三つの押出機を用い、上記樹脂以外に透明層3用の樹脂も供給して共押出成形を行うと良い。なお、多機能性マルチングフィルム1の厚みは利用用途によっても異なるが、概ね15〜60μm程度とするのが一般的である。
【0021】
【作用】
次に、本発明の多機能性マルチングフィルム中の成育促進部21が有する成育促進機能及びに雑草防止機能について説明する。
【0022】
成育促進部21に含有される粒状マグネタイト粒子は、その色味が黒色系で、紫外線はもちろん光合成に必要な可視光線の多くを吸収するため、通常のカーボンブラック同様雑草の繁茂を防止する機能に優れる。また、該粒状マグネタイトは光半導体としての特性も有しており、紫外線及び可視光線領域の光線を吸収すると励起されて導体となり、その状態から基底状態に戻る時に電磁波である遠赤外線を放射し、これが作物の成育促進に有効に作用する。
【0023】
なお、遠赤外線による作物の成育促進効果については、土壌の温度上昇や浸透圧の向上作用、あるいは酸素の溶解度や肥料の溶解度の向上作用によるものとみるのが一般的であるが、本発明者らはむしろ第3回遠赤外線技術シンポジウム予稿集(平成5年3月2日社団法人遠赤外線協会発行)第31〜34頁の「植物の成長に対する遠赤外線による促進効果の予察」(東京理科大学助教授井上康則著)に見られるように、遠赤外線の吸収による作物の温度上昇作用が大きく働いているものと考えている。
【0024】
また、該成育促進部21は、かかる粒状マグネタイト粒子に特定量のカーボンブラックを併用することで、粒状マグネタイト粒子の強い酸化作用に基づく熱可塑性樹脂の劣化が抑えられ、耐候性が大幅に改善された。このカーボンブラックの併用による耐候性の改善効果はおそらく熱可塑性樹脂の劣化にかかわる光線の遮蔽剤としての作用とラジカル補足剤としての作用の相乗作用よるものと推察される。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において行った物性の測定方法及び評価方法は次の通りである。
(1)耐候性(単位:%)
サンシャインウエザーメーターを用い、200時間照射後の引っ張り強度の維持率で耐候性の良否を判定した。
(2)作物の成育度(単位:cm)
熊本県鹿本地区の圃場で、タバコの栽培テストを行い評価した。作期は、2月27日定植、4月2日にタバコの苗丈を測定して成育度の判定基準とした。
(3)雑草防止効果
上記タバコの栽培テストにおいて、雑草の繁茂が見られなかったものを(○)、雑草が少し繁茂したものを(×)とした。なお、フィルムによっては中央と両側で効果が異なるので、それぞれ別に評価した。
【0026】
実施例1〜4、比較例1〜7
表1に示すように配合した樹脂を押出機に供給し、インフレーション押出成形法により厚さ20μmのマルチングフィルムA〜Kを製造した。実施例1〜4、及び比較例1〜5のフィルムA〜Iは、フィルムの中央部と両側部では異なった原料樹脂を用いており、いわゆる配色マルチングフィルムの構成をとる。また比較例6、7のフィルムJ、Kは、フィルム全体が単一の原料樹脂から成るマルチングフィルムである。さらにまた、実施例4のフィルムDのみ配色層の上下に透明層を有する3層フィルムで、残りのフィルムは単層フィルムである。
【0027】
なお、実施例及び比較例で使用した粒状マグネタイト粒子はBET比表面積が5.4m2 /gのものである。また表中のLDPEとは低密度ポリエチレンを意味する。
【0028】
【表1】
【0029】
これらのフィルムA〜Kの耐候性、作物の成育度、雑草防止効果について測定を行った結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
実施例1、2及び比較例1、2より明らかなように粒状マグネタイト粒子の添加量が少ないと、成育促進効果ならびに雑草防止効果が悪化し、また多すぎるとフィルムの耐候性が悪くなる。さらに実施例3、及び比較例3、4から、カーボンブラックの添加によってフィルムの耐候性が向上すること、また多量に添加しすぎると作物の成育促進効果を妨げることが分かる。
【0032】
また、実施例1〜4、及び比較例1〜7より本発明による多機能性マルチングフィルムは、耐候性、作物の成育促進効果、雑草防止効果、すべてを兼ね備えていることがわかる。
【0033】
【効果】
本発明の多機能性マルチングフィルムは、特定量の粒状マグネタイト粒子とカーボンブラック粒子を含有した熱可塑性樹脂からなる部分を有しているので、該部分は雑草防止効果に優れるほか、作物の成育促進効果を有している。
【0034】
また、フィルム全体が単一の樹脂からなるのではなく、フィルムの長手方向に対して帯状に一部が成育促進効果と雑草防止効果に優れる部分で、残る部分が他の機能を有する部分であるので、更に複雑な機能をフィルムに付加することができる。
【0035】
更に、フィルムの少なくとも一方の最外層に害虫忌避剤が添加された透明層を設けると害虫の飛来を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多機能性マルチングフィルムの一実施例を表す(A)断面図と、(B)平面図である。
【符号の簡単な説明】
1 多機能性マルチングフィルム
2 配色層
21 成育促進層
22 他部
23 継ぎ目部
3 透明層
Claims (4)
- 粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂からなる部分が、フィルムの長手方向に対して帯状に形成されていることを特徴とする多機能性マルチングフィルム。
- 前記多機能性マルチングフィルムが少なくとも一方の最外層に透明層を有する多層フィルムであることを特徴とする請求項1記載の多機能性マルチングフィルム。
- 前記透明層に害虫忌避剤が混入されていることを特徴とする請求項2記載の多機能性マルチングフィルム。
- 粒状マグネタイト粒子を1〜10wt%と、カーボンブラックを0.5〜4.0wt%含有する熱可塑性樹脂から成る部分が、フィルムの中央にフィルムの長手方向に対して帯状に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多機能性マルチングフィルム。
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