JP2003038045A - 有孔マルチフィルム - Google Patents
有孔マルチフィルムInfo
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Landscapes
- Protection Of Plants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】フィルムが被覆された土壌に、雨水や散水され
た水を効果的に供給できるマルチフィルムを提供するこ
と。 【解決手段】熱可塑性合成樹脂からなるマルチフィルム
であって、該マルチフィルムには、長さ2〜7mmのス
リット線がX状に交差することによって形成される透水
孔が、1m2あたり100〜1000個設けられている
ことを特徴とする有孔マルチフィルム。あるいは全光線
透過率が10%未満に設定された前記有孔マルチフィル
ム。
た水を効果的に供給できるマルチフィルムを提供するこ
と。 【解決手段】熱可塑性合成樹脂からなるマルチフィルム
であって、該マルチフィルムには、長さ2〜7mmのス
リット線がX状に交差することによって形成される透水
孔が、1m2あたり100〜1000個設けられている
ことを特徴とする有孔マルチフィルム。あるいは全光線
透過率が10%未満に設定された前記有孔マルチフィル
ム。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、農業用に用いられ
るマルチフィルムに関し、より詳しくは、マルチフィル
ムで被覆された土壌に降った雨水を、効果的に土壌の中
に取り込むことができるマルチフィルムに関する。
るマルチフィルムに関し、より詳しくは、マルチフィル
ムで被覆された土壌に降った雨水を、効果的に土壌の中
に取り込むことができるマルチフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業分野において、土壌の保温、
土壌の保水、土壌中の栄養分の流出防止、土壌の団粒構
造保持等を目的としてマルチフィルムが用いられてい
る。
土壌の保水、土壌中の栄養分の流出防止、土壌の団粒構
造保持等を目的としてマルチフィルムが用いられてい
る。
【0003】ところで、このようなマルチ栽培では、畝
に被覆したマルチフィルム上に降り注ぐ雨水や散水され
た水は、その一部が植付孔を通って土壌に到達するが、
その大部分は畝を被覆するマルチフィルムの表面を伝わ
り、畝の両側の土面に流れ去ってしまう。従って、マル
チフィルムで被覆された土壌には適度な給水が行われ難
く、土壌が乾燥してしまいやすいという問題がある。ま
たマルチフィルムは土壌からの熱の放出を抑制するとい
う機能を有しているものであるが、このような土壌の乾
燥は、とりわけ夏場において地温の過度の上昇を引き起
こすことがあり、作物の生育に深刻な影響を及ぼすこと
があった。
に被覆したマルチフィルム上に降り注ぐ雨水や散水され
た水は、その一部が植付孔を通って土壌に到達するが、
その大部分は畝を被覆するマルチフィルムの表面を伝わ
り、畝の両側の土面に流れ去ってしまう。従って、マル
チフィルムで被覆された土壌には適度な給水が行われ難
く、土壌が乾燥してしまいやすいという問題がある。ま
たマルチフィルムは土壌からの熱の放出を抑制するとい
う機能を有しているものであるが、このような土壌の乾
燥は、とりわけ夏場において地温の過度の上昇を引き起
こすことがあり、作物の生育に深刻な影響を及ぼすこと
があった。
【0004】また、通常のマルチフィルムを使用した場
合、雨水や散水によりマルチフィルム上に水が溜まって
しまうことがある。このようにしてマルチフィルム上に
溜まった水は、夏場においては高温となり土壌を局所的
に熱することとなり作物に悪影響を与えることとなる。
逆に冬場においては、マルチフィルム上に溜まった水は
低温化、あるいは凍結し、土壌を局所的に冷却すること
となり、この場合もやはり作物に悪影響を与えることと
なる。
合、雨水や散水によりマルチフィルム上に水が溜まって
しまうことがある。このようにしてマルチフィルム上に
溜まった水は、夏場においては高温となり土壌を局所的
に熱することとなり作物に悪影響を与えることとなる。
逆に冬場においては、マルチフィルム上に溜まった水は
低温化、あるいは凍結し、土壌を局所的に冷却すること
となり、この場合もやはり作物に悪影響を与えることと
なる。
【0005】このような問題を解決する一つの手段とし
て、マルチフィルムに円形の透水孔を設け、雨水や散水
された水をマルチフィルムに被覆された土壌に供給する
手段が知られている。しかしながら水の表面張力のた
め、透水孔は1mm以上の孔径を有することが必要であ
ると考えられており、通常は2〜4mmの孔径の透水孔
を有するマルチフィルムが用いられていた。しかしなが
ら、この程度の比較的大きな径の透水孔を有するマルチ
フィルムの場合、この透水孔から水が蒸散し、土壌の保
水性という点で問題があった。
て、マルチフィルムに円形の透水孔を設け、雨水や散水
された水をマルチフィルムに被覆された土壌に供給する
手段が知られている。しかしながら水の表面張力のた
め、透水孔は1mm以上の孔径を有することが必要であ
ると考えられており、通常は2〜4mmの孔径の透水孔
を有するマルチフィルムが用いられていた。しかしなが
ら、この程度の比較的大きな径の透水孔を有するマルチ
フィルムの場合、この透水孔から水が蒸散し、土壌の保
水性という点で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、フィルムが被覆された土壌
に、雨水や散水された水を効果的に供給できる有孔マル
チフィルムを提供することを目的とする。
況に鑑みなされたもので、フィルムが被覆された土壌
に、雨水や散水された水を効果的に供給できる有孔マル
チフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を行
った。この結果、マルチフィルムに設ける透水孔を、長
さ2〜7mmのスリット線がX状に交差したものとする
ことにより前記課題を解決できることを見いだし本発明
に至った。すなわち本発明は、熱可塑性合成樹脂からな
るマルチフィルムであって、該マルチフィルムには、長
さ2〜7mmのスリット線がX状に交差することによっ
て形成される透水孔が、1m2あたり100〜1000
個設けられていることを特徴とする有孔マルチフィルム
に関するものである。さらに本発明は、JIS K 6
714で測定した全光線透過率が10%未満のマルチフ
ィルムに、透水孔が設けられていることを特徴とする上
記の有孔マルチフィルムに関するものである。
った。この結果、マルチフィルムに設ける透水孔を、長
さ2〜7mmのスリット線がX状に交差したものとする
ことにより前記課題を解決できることを見いだし本発明
に至った。すなわち本発明は、熱可塑性合成樹脂からな
るマルチフィルムであって、該マルチフィルムには、長
さ2〜7mmのスリット線がX状に交差することによっ
て形成される透水孔が、1m2あたり100〜1000
個設けられていることを特徴とする有孔マルチフィルム
に関するものである。さらに本発明は、JIS K 6
714で測定した全光線透過率が10%未満のマルチフ
ィルムに、透水孔が設けられていることを特徴とする上
記の有孔マルチフィルムに関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の大きな特徴は、前述した
ように、マルチフィルムに設けられる透水孔が、長さ2
〜7mmのスリット線がX状に交差したものとしたこと
にある。透水孔をこのような形態のものとすることによ
り、雨水あるいは散水された水を効果的にマルチフィル
ムに覆われた土壌に供給できる。
ように、マルチフィルムに設けられる透水孔が、長さ2
〜7mmのスリット線がX状に交差したものとしたこと
にある。透水孔をこのような形態のものとすることによ
り、雨水あるいは散水された水を効果的にマルチフィル
ムに覆われた土壌に供給できる。
【0009】本発明の有孔マルチフィルムに用いられる
熱可塑性合成樹脂の種類は特に制限されるものでなく、
例えば塩化ビニル系樹脂フィルムやポリエチレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹
脂フィルム等を用いることができるが、中でも好ましい
のは、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系
樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、α−オレ
フィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン1、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1共
重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合
体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン
共重合体、エチレン−デセン共重合体等のエチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチル
メタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチ
ルメタクリレート共重合体、アイオノマー共重合体など
が挙げられ、これらが単独あるいは複数種組み合わされ
て用いられる。
熱可塑性合成樹脂の種類は特に制限されるものでなく、
例えば塩化ビニル系樹脂フィルムやポリエチレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹
脂フィルム等を用いることができるが、中でも好ましい
のは、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系
樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、α−オレ
フィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン1、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1共
重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合
体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン
共重合体、エチレン−デセン共重合体等のエチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチル
メタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチ
ルメタクリレート共重合体、アイオノマー共重合体など
が挙げられ、これらが単独あるいは複数種組み合わされ
て用いられる。
【0010】次いで本発明の有孔マルチフィルムに設け
られる透水孔について図面を参照しつつ説明する。図3
(A)〜(D)は本発明の有孔マルチフィルムに設けら
れる透水孔の例を示す模式図である。本発明の有孔マル
チフィルムに設けられる透水孔は、長さ2〜7mm、よ
り好ましくは3〜6mmのスリット線がX状に交差する
ことによって形成される。なお、スリット線がX状に交
差するとは、文字通り2本のスリット線がX状に交差す
る状態、あるいは2本のスリット線が+状に交差する状
態のみならず、図3(D)のごとく3本以上のスリット
線が交差する状態も含むものである。そしてそれぞれの
スリット線の長さは2〜7mmの範囲に入っていること
が重要である。それぞれのスリット線の長さが2mm未
満であると水が透水孔を通過できにくくなり好ましくな
く、逆にそれぞれのスリット線の長さが7mmを超える
とマルチフィルムで覆われた土壌から水分が蒸散し易く
なり好ましくない。それぞれのスリット線の長さが2〜
7mmの範囲に入っている場合、雨水あるいは散水され
た水が透水孔上に水が溜まると、該透水孔は図4に示す
ごとく下方に開き水はマルチフィルムで被覆された土壌
に到達する。その後透水孔は閉じられ、土壌からの水の
蒸散を防止する。ここでスリット線の長さが7mmを超
えると透水孔は閉じられることがなく、土壌からの水の
蒸散を防止できない。このようなスリット線を設ける方
法は特に限定されないが、刃金による方法が最も簡単で
ある。
られる透水孔について図面を参照しつつ説明する。図3
(A)〜(D)は本発明の有孔マルチフィルムに設けら
れる透水孔の例を示す模式図である。本発明の有孔マル
チフィルムに設けられる透水孔は、長さ2〜7mm、よ
り好ましくは3〜6mmのスリット線がX状に交差する
ことによって形成される。なお、スリット線がX状に交
差するとは、文字通り2本のスリット線がX状に交差す
る状態、あるいは2本のスリット線が+状に交差する状
態のみならず、図3(D)のごとく3本以上のスリット
線が交差する状態も含むものである。そしてそれぞれの
スリット線の長さは2〜7mmの範囲に入っていること
が重要である。それぞれのスリット線の長さが2mm未
満であると水が透水孔を通過できにくくなり好ましくな
く、逆にそれぞれのスリット線の長さが7mmを超える
とマルチフィルムで覆われた土壌から水分が蒸散し易く
なり好ましくない。それぞれのスリット線の長さが2〜
7mmの範囲に入っている場合、雨水あるいは散水され
た水が透水孔上に水が溜まると、該透水孔は図4に示す
ごとく下方に開き水はマルチフィルムで被覆された土壌
に到達する。その後透水孔は閉じられ、土壌からの水の
蒸散を防止する。ここでスリット線の長さが7mmを超
えると透水孔は閉じられることがなく、土壌からの水の
蒸散を防止できない。このようなスリット線を設ける方
法は特に限定されないが、刃金による方法が最も簡単で
ある。
【0011】そして、上記した透水孔はマルチフィルム
の透水性を付与しようとする部分1m2あたり100〜
1000個、より好ましくは200〜600個、さらに
好ましくは300〜500個設けられていなければなら
ない。透水孔がマルチフィルム1m2あたり100個未
満であると水を透過する速度が遅くなるだけでなく、マ
ルチフィルム上に水が溜まった部分が一部残ることがあ
り好ましくない。逆に1000個を超えるとマルチフィ
ルムの強度低下を招くとともに、土壌からの水の蒸散が
無視できなくなり好ましくない。透水孔を設けるパター
ンは特に限定されるものでなく例えば図1、図2のパタ
ーンが例示できる。なお、透水孔はマルチフィルムの全
面にわたって設ける必用はなく、例えば、被覆後、土中
に埋もれてしまう部分や、被覆後畝の傾斜部に位置する
部分には必ずしも透水孔を設けなくてもよい。
の透水性を付与しようとする部分1m2あたり100〜
1000個、より好ましくは200〜600個、さらに
好ましくは300〜500個設けられていなければなら
ない。透水孔がマルチフィルム1m2あたり100個未
満であると水を透過する速度が遅くなるだけでなく、マ
ルチフィルム上に水が溜まった部分が一部残ることがあ
り好ましくない。逆に1000個を超えるとマルチフィ
ルムの強度低下を招くとともに、土壌からの水の蒸散が
無視できなくなり好ましくない。透水孔を設けるパター
ンは特に限定されるものでなく例えば図1、図2のパタ
ーンが例示できる。なお、透水孔はマルチフィルムの全
面にわたって設ける必用はなく、例えば、被覆後、土中
に埋もれてしまう部分や、被覆後畝の傾斜部に位置する
部分には必ずしも透水孔を設けなくてもよい。
【0012】また、本発明は上記した機能に加え、雑草
の繁茂を防止する機能を備えた有孔マルチフィルムをも
提供するものである。すなわち、マルチフィルムに上記
した透水孔を設けるとともに、フィルムのJIS K
6714で測定した全光線透過率を10%未満、より好
ましくは5%未満とする。このようにして構成される本
発明の有孔マルチフィルムは、好天でフィルム上に水が
存在しない状態においては、透水孔が閉じられているこ
とから、透水孔からの太陽光の入射がほとんどなく、雑
草の繁茂を効果的に防止できる。これに対し、2〜4m
mの孔径で円形状の透水孔を設けた従来のマルチフィル
ムは、透水孔から入射する太陽光の量が無視できないも
のであり、畝に雑草が繁茂してしまう。全光線透過率を
10%未満とするためには熱可塑性合成樹脂にカーボン
ブラック、酸化チタン等の光遮断性フィラーを配合した
り、フィルム表面にアルミニウムなどの金属を蒸着する
方法などが用いられる。
の繁茂を防止する機能を備えた有孔マルチフィルムをも
提供するものである。すなわち、マルチフィルムに上記
した透水孔を設けるとともに、フィルムのJIS K
6714で測定した全光線透過率を10%未満、より好
ましくは5%未満とする。このようにして構成される本
発明の有孔マルチフィルムは、好天でフィルム上に水が
存在しない状態においては、透水孔が閉じられているこ
とから、透水孔からの太陽光の入射がほとんどなく、雑
草の繁茂を効果的に防止できる。これに対し、2〜4m
mの孔径で円形状の透水孔を設けた従来のマルチフィル
ムは、透水孔から入射する太陽光の量が無視できないも
のであり、畝に雑草が繁茂してしまう。全光線透過率を
10%未満とするためには熱可塑性合成樹脂にカーボン
ブラック、酸化チタン等の光遮断性フィラーを配合した
り、フィルム表面にアルミニウムなどの金属を蒸着する
方法などが用いられる。
【0013】本発明の有孔マルチフィルムを製造する方
法は特に限定されるものでなく、例えばインフレーショ
ン式押出成形法、Tダイ式押出成形法、カレンダー法等
によってフィルムを成形し、フィルム成形と同一の工程
で、あるいは後工程でフィルムに透水孔を穿孔するよう
にする。
法は特に限定されるものでなく、例えばインフレーショ
ン式押出成形法、Tダイ式押出成形法、カレンダー法等
によってフィルムを成形し、フィルム成形と同一の工程
で、あるいは後工程でフィルムに透水孔を穿孔するよう
にする。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例によりより詳細に説明す
る。なお、マルチフィルムので覆われた土壌の保水状況
の評価、ならびに雑草の繁茂状況の評価は、以下の手順
によった。
る。なお、マルチフィルムので覆われた土壌の保水状況
の評価、ならびに雑草の繁茂状況の評価は、以下の手順
によった。
【0015】<土壌の保水状態の評価方法>
・マルチフィルムの被覆
香川県丸亀市において圃場を耕作し、幅約800mmの
畝を長さ約2mにわたり形成する。そして、平成13年
1月12日から同年5月12日(3、4日前に雨を観
測)まで4月間、畝にマルチフィルムを被覆する。 ・耕土のサンプリング 平成13年5月12日、畝よりマルチフィルムを除去し
た直後、畝の中央部に内径φ100mmの鋼管を深さ1
00mmの深さ突き立てたのち、鋼管の周りの耕土を取
り除き、鋼管の底面を鋼板により塞いで引き抜くことに
より耕土をサンプリングする。 ・含水率の測定 サンプリングした耕土を直ちにステンレス製の皿に入
れ、耕土のみの重量W0を秤量する。次いで、ステンレ
ス製の皿に入った耕土を80℃の乾燥機に24時間保
つ。そしてその後23℃、50%RHの恒温恒湿室内に
24時間保つ。その後、耕土のみの重量W1を秤量す
る。そして下式により含水率R(%)を算出する。 R=100×(W0−W1)/W1
畝を長さ約2mにわたり形成する。そして、平成13年
1月12日から同年5月12日(3、4日前に雨を観
測)まで4月間、畝にマルチフィルムを被覆する。 ・耕土のサンプリング 平成13年5月12日、畝よりマルチフィルムを除去し
た直後、畝の中央部に内径φ100mmの鋼管を深さ1
00mmの深さ突き立てたのち、鋼管の周りの耕土を取
り除き、鋼管の底面を鋼板により塞いで引き抜くことに
より耕土をサンプリングする。 ・含水率の測定 サンプリングした耕土を直ちにステンレス製の皿に入
れ、耕土のみの重量W0を秤量する。次いで、ステンレ
ス製の皿に入った耕土を80℃の乾燥機に24時間保
つ。そしてその後23℃、50%RHの恒温恒湿室内に
24時間保つ。その後、耕土のみの重量W1を秤量す
る。そして下式により含水率R(%)を算出する。 R=100×(W0−W1)/W1
【0016】<雑草の繁茂状況の評価>平成13年5月
12日、畝よりマルチフィルムを取り除いた後、目視に
より畝に発生した雑草の状況を評価する。
12日、畝よりマルチフィルムを取り除いた後、目視に
より畝に発生した雑草の状況を評価する。
【0017】[実施例1]直鎖状低密度ポリエチレン
(密度:0.925g/cm2 、MI:2g/10m
in)100重量部に黒色トナー(カーボンブラック3
0重量%含有)を10重量部配合した組成物をインフレ
ーション押出成形機に供給し、厚み30μmのチューブ
状フィルムを得た。なお、フィルムの全光線透過率をJ
IS K 6714に準拠して測定したところ0.3%
であった。得られたチューブ状フィルムをフラットに切
り開いた後、刃金を備えた穿孔機に供給し、長さ4mm
のスリット線2本が図3(A)のごとくX状に交差する
ことによって形成される透水孔を、透水孔の配置が図1
に示したようになるように、1m2あたり400個穿孔
した。そして上述したようにして、畝上に被覆し、土壌
の保水状態および、雑草の繁茂の状況を観察した。その
結果を表1に示す。
(密度:0.925g/cm2 、MI:2g/10m
in)100重量部に黒色トナー(カーボンブラック3
0重量%含有)を10重量部配合した組成物をインフレ
ーション押出成形機に供給し、厚み30μmのチューブ
状フィルムを得た。なお、フィルムの全光線透過率をJ
IS K 6714に準拠して測定したところ0.3%
であった。得られたチューブ状フィルムをフラットに切
り開いた後、刃金を備えた穿孔機に供給し、長さ4mm
のスリット線2本が図3(A)のごとくX状に交差する
ことによって形成される透水孔を、透水孔の配置が図1
に示したようになるように、1m2あたり400個穿孔
した。そして上述したようにして、畝上に被覆し、土壌
の保水状態および、雑草の繁茂の状況を観察した。その
結果を表1に示す。
【0018】[比較例1]実施例1において透水孔を穿
孔しないこと以外は、全く同様にしてマルチフィルムを
得た。そして、実施例1と同様にして畝上に被覆し、土
壌の保水状態および、雑草の繁茂の状況を観察した。そ
の結果を表1に示す。
孔しないこと以外は、全く同様にしてマルチフィルムを
得た。そして、実施例1と同様にして畝上に被覆し、土
壌の保水状態および、雑草の繁茂の状況を観察した。そ
の結果を表1に示す。
【0019】[比較例2]実施例1において透水孔をφ
3mmの円形状とする以外は実施例1と同様にしてマル
チフィルムを得た。そして実施例1と同様にして畝上に
被覆し、土壌の保水状態および、雑草の繁茂の状況を観
察した。その結果を表1に示す。
3mmの円形状とする以外は実施例1と同様にしてマル
チフィルムを得た。そして実施例1と同様にして畝上に
被覆し、土壌の保水状態および、雑草の繁茂の状況を観
察した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例1と、比較例1ならびに比較例2と
の比較により、本発明の有孔マルチフィルムで被覆され
た土壌は、含水率が高く、水分の保持効果が高いことが
わかる。さらに光遮断性フィラーを配合して全光線透過
率を5%未満に設定された実施例1の有孔マルチフィル
ムは雑草の繁茂を防止できることがわかる。これに対
し、φ3mmの円形状の透水孔を有するマルチフィルム
が被覆された畝にはかなりの量の太陽光が入射したと見
られ、雑草が繁茂していた。
の比較により、本発明の有孔マルチフィルムで被覆され
た土壌は、含水率が高く、水分の保持効果が高いことが
わかる。さらに光遮断性フィラーを配合して全光線透過
率を5%未満に設定された実施例1の有孔マルチフィル
ムは雑草の繁茂を防止できることがわかる。これに対
し、φ3mmの円形状の透水孔を有するマルチフィルム
が被覆された畝にはかなりの量の太陽光が入射したと見
られ、雑草が繁茂していた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルムが被覆された土壌に、雨水や散水された水を効
果的に供給できるマルチフィルム、さらにはこの機能に
加えて、雑草の繁茂を抑制できるような有孔マルチフィ
ルムが提供される。このような性能を有する本発明の有
孔マルチフィルムは、農園芸分野において広く用いられ
るものであり有用であるといえる。
フィルムが被覆された土壌に、雨水や散水された水を効
果的に供給できるマルチフィルム、さらにはこの機能に
加えて、雑草の繁茂を抑制できるような有孔マルチフィ
ルムが提供される。このような性能を有する本発明の有
孔マルチフィルムは、農園芸分野において広く用いられ
るものであり有用であるといえる。
【図1】本発明の有孔マルチフィルムの模式平面図であ
る。
る。
【図2】本発明の有孔マルチフィルムの模式平面図であ
る。
る。
【図3】透水孔の形状を表す模式図である。
【図4】透水孔が下方に開いた状態を示す模式図であ
る。
る。
1.有孔マルチフィルム
2.透水孔
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂からなるマルチフィル
ムであって、該マルチフィルムには、長さ2〜7mmの
スリット線がX状に交差することによって形成される透
水孔が、1m2あたり100〜1000個設けられてい
ることを特徴とする有孔マルチフィルム。 - 【請求項2】 JIS K 6714で測定した全光線
透過率が10%未満のマルチフィルムに、透水孔が設け
られていることを特徴とする請求項1に記載の有孔マル
チフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001228861A JP2003038045A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 有孔マルチフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001228861A JP2003038045A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 有孔マルチフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003038045A true JP2003038045A (ja) | 2003-02-12 |
Family
ID=19061294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001228861A Pending JP2003038045A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 有孔マルチフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003038045A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005312443A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 農業用フィルム |
KR20060043733A (ko) * | 2004-03-31 | 2006-05-15 | 엠케이브이 플라테크 가부시키가이샤 | 농업용 필름 |
JP2007089493A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 農業用フィルム |
CN105638340A (zh) * | 2016-03-30 | 2016-06-08 | 福建省农业科学院茶叶研究所 | 一种茶树害虫防治装置和防治方法 |
JP2016208971A (ja) * | 2015-05-01 | 2016-12-15 | みかど化工株式会社 | 農業用マルチ資材 |
JP2019187250A (ja) * | 2018-04-19 | 2019-10-31 | 日本ワイドクロス株式会社 | ハウス栽培方法及びハウス内の散水部構造 |
JP2019208467A (ja) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | みかど化工株式会社 | 農業用マルチ資材及び農業用フィルム資材 |
-
2001
- 2001-07-30 JP JP2001228861A patent/JP2003038045A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005312443A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 農業用フィルム |
KR20060043733A (ko) * | 2004-03-31 | 2006-05-15 | 엠케이브이 플라테크 가부시키가이샤 | 농업용 필름 |
JP4563853B2 (ja) * | 2004-03-31 | 2010-10-13 | 三菱樹脂株式会社 | 農業用フィルム |
JP2007089493A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 農業用フィルム |
JP4563908B2 (ja) * | 2005-09-29 | 2010-10-20 | 三菱樹脂株式会社 | 農業用フィルム |
JP2016208971A (ja) * | 2015-05-01 | 2016-12-15 | みかど化工株式会社 | 農業用マルチ資材 |
CN105638340A (zh) * | 2016-03-30 | 2016-06-08 | 福建省农业科学院茶叶研究所 | 一种茶树害虫防治装置和防治方法 |
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