JPS6219199B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、洗剤，仕上げ剤等の処理剤を所望の
行程で洗い槽内に投入できるようにした洗濯機等
の処理剤投入装置に関する。

従来の洗濯機において、所望の行程で処理剤と
しての例えば仕上げ剤を洗い槽内に自動投入する
ために、一回分の仕上げ剤を貯留する処理剤投入
容器を洗濯機の操作箱の下方に配置し、且つ仕上
げ剤を貯留可能に受ける投入待機位置とその仕上
げ剤を洗い槽内に放出する投入位置との間で回動
できるようになしたものがある。しかし、この種
のものによれば、処理剤投入容器の開口部の一部
を洗濯物の出し入れ口内に突出せしめ、その突出
した開口部から一回分使用量の仕上げ剤を処理剤
投入容器に供給し投入待機状態にせしめる構成で
あつたので、その突出部分が洗濯物の出し入れに
とつて邪魔になることが多かつた。また、仕上げ
剤の投入完了後、次回の投入に際しては投入位置
に回動している処理剤投入容器を再貯留可能な投
入待機位置へ手で復帰操作を行なう必要があり、
この復帰操作は洗濯物の出入れ口内に手を入れて
行なわねばならないこと、及び該出入れ口に開閉
操作が容易とは言えない大形な開閉蓋があること
等によつて極めて面倒な操作になつてしまうと云
う欠点があつた。

本発明は上記の欠点を除去すべくなされたもの
であり、その目的は処理剤投入容器を操作箱の操
作パネルの下方に配置することとしながらもこれ
が洗濯物等の出し入れにとつて邪魔になることを
防止できると共に処理剤投入容器への処理剤供給
操作及び投入位置にある処理剤投入容器の投入待
機位置への復帰操作を極く手軽に行ない得る他、
処理剤の誤投入も防止できる洗濯機等の処理剤投
入装置を提供するにある。

以下本発明を脱水兼用洗濯機に適用した一実施
例について図面を参照しながら説明する。１は上
部に操作箱２を設けた外箱、３は水受槽、４は洗
い槽兼脱水槽たる回転槽である。５は操作パネル
６の裏面に設けられたタイマーで、そのタイミン
グ出力軸７にはこれを押し引き及び回動操作する
タイマー摘み８を第８図にも示す如くピン９によ
り連結し、且つそのタイマー摘み８のボス部１０
にカム１１をこれと一体回動するように設けてい
る。１２は給水ホース１３に連通するようにして
操作箱２内に設けられた電磁ソレノイド１４付き
の給水弁、１５はタイマー５の取付位置と左方に
て隣接するように操作パネル６に形成された処理
剤供給用の開口部たる供給口部である。１６は第
９図及び第１０図に示す如く操作箱２の底板部１
７に一体に形成された上面開放形箱状の枠体部
で、内部が区分壁１８によつて注水室１９及び収
容室２０に区分された形態をなしている。そして
注水室１９内には給水弁１２の吐出口部２１が貫
通した通水ケース２２を配置しこれの内部に水勢
弱化部材２３を収容している。そしてその通水ケ
ース２２の前面及び右側面に多数の通水スリツト
２２ａ，２２ｂを形成していると共に枠体部１６
の前面に回転槽４内を臨む注水口部２４を形成し
ている。２５は下部に放出管部２６を延設せしめ
た案内ケースで、これを操作パネル６の裏面にそ
の供給口部１５を包囲するようにねじ止めしてい
る。２７は上端側に指掛凹部２８を形成した蓋部
材で、その下端の両側に形成した軸部２９，３０
を案内ケース２５の前縁側の開口縁に形成した切
欠部３１，３２に遊嵌させて操作パネル６の裏面
との間で挾着することによつて供給口部１５を開
閉する回動自在な構成となつている。この蓋部材
２７はその一方の軸部２９と一体の延出アーム３
３と、操作パネル６と一体の突起３４との間に張
設された引張りばね３５によつて常時閉鎖方向に
回動付勢されている。そして他方の軸部３０には
略中間部に押圧突起３６を形成した回動アーム３
７を一体に延設せしめている。３８は先端が放出
端３９となる略舟底状の処理剤投入容器で、その
後端の略中央に受け突起４０を一体に突設すると
共にその上端に円弧面４１を形成している。また
処理剤投入容器３８の後方両側に軸部４２，４３
を一体に突設しこれを軸受部４４，４５に回動自
在に支承させることにより、処理剤投入容器３８
を枠体部１６の収容室２０内に、第４図に示すよ
うな投入待機位置と第６図に示す投入位置との間
で回動自在となるように配置している。特に一方
の軸受部４５を受台部４６と押え板４７とから構
成して処理剤投入容器３８の組み付けを可能にし
ている。またこの状態では前記案内ケース２５の
放出管部２６の下端が処理剤投入容器３８の上方
に位置する関係になつている。４８は通水ケース
２２の通水スリツト２２ｂから吐出された水を受
けるように枠体部１６の注水室１９内に突設され
た水案内壁であり、これによつて受けた水を区分
壁１８との間に形成した通水間隙４９を介して投
入位置にある処理剤投入容器３８内に矢印５０で
示す如く流入させるようになつていて、これによ
つて流入された水を更に矢印５１で示す如く処理
剤投入容器３８内の奥方まで導びくように他の水
案内壁５２を処理剤投入容器３８内に突設し、以
つて処理剤投入後の処理剤投入容器３８内が洗浄
されるようにしてある。また、後述から理解され
るが、処理剤投入容器３８が投入位置に回動した
ときその内部の処理剤が放出端３９から収容室２
０内に放出されるもので、その放出処理剤が矢印
５３のように流れて最終的に注水口部２４から水
と共に回転槽４内に投入されるように、注水室１
９と収容室２０との間をその前方部分において通
路５４により互に連通させている。次にロツク機
構５５について述べる。即ち、前記カム１１の外
周には所謂標準コースと節約コースとに夫々対応
した二個のカム突起５６，５７を形成し、そのカ
ム突起５６，５７によつて押圧回動されるよう
に、作動杆５８の略中間を操作パネル６の裏面に
突設してあるボス５９に回動自在に支承させ、且
つこの作動杆５８を引張りばね６０によつて常時
矢印６１で示す保持作用方向にストツパ６２に当
接する位置まで回動付勢している。そして作動杆
５８の下端には処理剤投入容器３８の一側に形成
した係合突部６３に係脱する係合爪部６４を形成
し、その係合によつて処理剤投入容器３８を略水
平な投入待機位置に保持し得るようにしている。
６５は途中で略直角に折曲された形状の作動レバ
ーで、その折曲部に形成した支点孔６６を案内ケ
ース２５の一側前端付近に形成した支承突起６７
に回動自在に支承させている。この結果、作動レ
バー６５の支点は回動アーム３７の回動中心であ
る軸部３０に対して偏心した位置をもつことにな
る。６８は作動レバー６５の一端に形成した係合
受突部で、これは第４図に示す如く蓋部材２７を
開放した際にその回動アーム３７の背面部が当接
する位置関係にある。また、６９は作動レバー６
５の他端にこれの回動軌跡と略一致する円弧状を
なして突出するように一体に形成した延出片部で
あり、これは作動レバー６５が反時計方向に回動
したとき、処理剤投入容器３８をその受け突起４
０に当接してロツク機構５５により保持される投
入待機位置へ回動復帰させるように作用する。７
０は回動アーム３７及び作動レバー６５の回動領
域を他の領域から仕切るために案内ケース２５の
一側面に突設した保護壁であり、これによつて操
作箱２内の上部に保持してあるリード線７１が何
等かの原因で垂れ下がつてもこれが回動アーム３
７或いは作動レバー６５に引掛つたりする等のこ
とがないようにしている。

次に上記構成の作用について説明する。今、処
理剤投入容器３８が、第６図に示す如く、前回の
洗濯運転によつて反時計方向に、即ち投入位置に
回動したままになつているとする。この状態で処
理剤例えば仕上げ剤を今回の洗濯運転にて自動投
入すべく、蓋部材２７を第４図中実線で示す如く
反時計方向に回動操作するとこれと一体の回動ア
ーム３７は同方向に回動されて作動レバー６５を
その係合受突部６８との係合によつて第６図の位
置から反時計方向に回動させる。すると、作動レ
バー６５における延出片部６９の延出基端６９ａ
が処理剤投入容器３８をその受け突起４０に第４
図に示す如く当接することによつて時計方向に回
動させるので、処理剤投入容器３８は最終的にそ
の係合突部６３と作動杆５８の係合爪部６４との
係合が回復されて投入待機位置に保持される。こ
のような投入待機位置への復帰回動は第４図に示
す如く蓋部材２７の全開角θ_１よりも小さいθ_２
なる開放角で完了され、その後θ_１まで回動され
て作動レバー６５が更に回動進行しても、この間
では延出片部６９の円弧面が第５図に示す状態と
なるまで受け突起４０の円弧面４１を単に摺動す
るのみとなり、処理剤投入容器３８が投入待機位
置から更に時計方向に回動してしまうことを阻止
する。また、この場合において、蓋部２７の上記
のような全開角θ_１なる回動に対して作動レバー
６５は、その支点孔６６を回動アーム３７の回動
中心に対して偏心させてあるために、θ_１よりも
小さいθ_３となる。以上のようにして蓋部材２７
を開いた状態にて供給口部１５から仕上げ剤を供
給すると、これは案内ケース２５から放出管部２
６を通つて処理剤投入容器３８内に注入されこれ
に貯留される。この後蓋部材２７から手を離す
と、これは引張りばね３５によつて自動的に閉鎖
され、このとき回動アーム３７も一体に時計方向
に回動されその押圧突起３６が第６図に示す如く
作動レバー６５に当接してこれを時計方向に回動
させ、延出片部６９と受け突起４０の円弧面４１
との間の当接を解除する。しかし、処理剤投入容
器３８は係合突部６３と係合爪部６４との係合に
よつて投入待機位置に保持されたままである。従
つて処理剤投入容器３８が投入待機位置に回動復
帰された後は、蓋部材２７の開閉回動を故意に繰
返えしたとしてもその変位、即ち作動レバー６５
の回動変位が処理剤投入容器３８に伝達されるこ
とはない。

そして以上の状態にて洗濯運転が開始されるも
ので、所定の行程例えば最終すすぎ行程に移行さ
れると、このときに勿論給水弁１２が作動される
が、作動杆５８がカム１１のカム突起５７によつ
て反矢印６１方向に押圧回動されてその係合爪部
６４と係合突部６３との係合による保持を解除す
るので処理剤投入容器３８は重力によつて第６図
に示す如く投入位置まで回動して内部の仕上げ剤
を放出し、これが最終的には注水口部２４から回
転槽４内に放出され、仕上げ剤の所謂自動投入が
完了されるものである。

尚、上記実施例では処理剤投入容器３８の投入
位置への回動をその重力によつて行なつているが
ばね手段によつて行なつてもよく、また、ロツク
機構５５における保持の解除をタイマー５に連動
するカム１１によつて行なつているがこれに代え
て電磁石によつて行なつてもよく、更に蓋部材２
７を容器状に形成して計量機能を有するようにし
てもよい。尚また、処理剤は洗剤を含む概念であ
ることは勿論である。

本発明は以上の説明から理解できるように次の
ような効果を得ることができる。即ち、処理剤投
入容器は操作パネルの下方に配置しているので洗
濯物の出し入れにとつて邪魔になることがなく、
且つ処理剤の供給は操作パネルの開口部から行な
うので極めて容易な作業となり、また処理剤投入
容器の投入待機位置への回動復帰は処理剤供給の
ための蓋部材の開放によつて自動的になされるの
でその取扱いが容易になる。特にこの投入待機位
置への回動復帰は蓋部材を全開角よりも小さい開
放角で完了される角度関係になつているのでその
開放角を処理剤の供給が困難になる程度の小さい
値（実施例の例えばθ_２）に設定することによつ
て、処理剤の供給時に必らず処理剤投入容器が投
入待機位置に復帰されることになり、従つて投入
位置にある処理剤投入容器へ処理剤が供給されて
しまつてこれが直ちに洗い槽内に放出されてしま
うと云つた誤投入を確実に防止できる。

また、本発明の実施態様によれば、作動レバー
の支点を回動アームの回動中心に対して偏心させ
ているので、作動レバーの回動角が蓋部材の全開
角よりも小さくなり、操作箱内の限られたスペー
ス内に作動レバーの回動領域を容易に確保できる
上に、回動アーム及び作動レバーの回動領域を保
護壁によつて他の領域から仕切つているので操作
箱内のリード線が長期使用中に垂れ下がつてそれ
ら回動アーム及び作動レバーの動きを阻害してし
まう等の事故も防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を説明するためのもの
であり、第１図はタイマー取付け部分の縦断側面
図、第２図は案内ケース装着部分の縦断側面図、
第３図は給水弁装着付近の縦断側面図、第４図乃
至第６図は夫々異なる作用状態で示す処理剤投入
容器配置部分の縦断側面図、第７図は案内ケース
付近の分解斜視図、第８図はロツク機構の側面
図、第９図は枠体部付近を一部断面にて示す平面
図、第１０図は枠体部付近の斜視図である。 図中、２は操作箱、４は回転槽（洗い槽）、５
はタイマー、６は操作パネル、１１はカム、１５
は供給口部（開口部）、２７は蓋部材、３７は回
動アーム、３８は処理剤投入容器、４０は受け突
起、５５はロツク機構、５８は作動杆、６５は作
動レバー、６６は支点孔、６８は係合受突部、６
９は延出片部、７０は保護壁を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗い槽の上方に操作箱を備えたものにおい
   て、前記操作箱の操作パネルに形成した処理剤供
   給用の開口部と、この開口部に開閉自在に設けら
   れその開閉に伴い回動する回動アームを操作箱内
   に位置するように備えた蓋部材と、前記操作パネ
   ルの下方に設けられ前記開口部から供給された処
   理剤を貯留可能に受ける投入待機位置と貯留され
   た処理剤を前記洗い槽内へ放出する投入位置との
   間で回動する処理剤投入容器と、この処理剤投入
   容器を投入待機位置に保持し所望の行程でその保
   持を解除して投入位置に回動させるロツク機構
   と、前記回動アームに連動され前記蓋部材の開放
   に伴い前記処理剤投入容器を前記ロツク機構によ
   り保持される投入待機位置へ回動復帰させ且つ該
   投入容器に対する蓋部材の閉鎖方向の変位伝達を
   阻止する作動レバーとを設けて成り、前記蓋部材
   の全開角よりも前記処理剤投入容器の投入待機位
   置への復帰回動角が小さくなる角度関係に設定し
   たことを特徴とする洗濯機等の処理剤投入装置。 ２ 作動レバーの支点を回動アームの回動中心に
   対して偏心させることにより前記作動レバーの回
   動角を蓋部材の全開角よりも小さくしていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の洗濯
   機等の処理剤投入装置。 ３ 回動アーム及び作動レバーの回動領域を他の
   領域から仕切る保護壁を操作パネル内に設けたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の洗
   濯機等の処理剤投入装置。