JPS6218873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、樹脂タンクを座板にかしめ付けるこ
とによつて構成される自動車用ラジエータ等の熱
交換器に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の熱交換器は、第１図及び第２図
に示すようにタンク本体１の開口部２側に座板爪
４をタンクフランジ５側に折り曲げることにより
パツキング材３を介して、上記タンク本体１を座
板６のタンク嵌合溝６′に取り付けた構造を有す
る。そして、間に介装したパツキング材３により
タンク本体１と座板６との両者の間の気密性を図
つている。

尚、上下の座板６，６間にはチユーブ８が取り
付けられ、また、このチユーブ８間にはフイン９
が取り付けてある。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし乍ら、上記座板爪４は、単なる平坦な突
起であり、一定の位置で折り曲げられず、従つて
パツキング材３を一定の締付力で締め付けること
ができない。そのために、締付力が弱いときには
ラジエータタンクの気密性が失なわれ信頼性に欠
け、一方締付力が強いときには弾力性が失なわれ
耐久性に欠ける問題があつた。しかも、座板６の
側面７は、単なるフラツトな板であるから、機械
的強度が弱く、従つて丈夫なものではなかつた。

〔考案の目的〕

本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、
タンクを座板に取り付ける際に、座板爪を常に一
定の位置で折り曲げることができ、因つて、タン
クを座板に一定の締付力を以つて確実に取付るこ
とが可能な熱交換器を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

斯かる目的を達成するために、本考案は、座板
側板に設けた座板爪をタンクフランジ側に折り曲
げ、パツキング材を介してタンク本体を座板周縁
部のタンク嵌合溝内に取り付けてなる熱交換器に
於て、上記座板の側面に、内方及び／又は外方に
突出する突起を設けると共に、当該突起の上記座
板爪側の端部を、座板爪が機械的に折れ曲がる際
の折曲部としたものである。

〔考案の作用〕

本考案によれば、座板爪をタンクフランジに折
り曲げる際、座板爪は、常に突起の座板爪側端部
で折れ曲がつてパツキン材を一定の締付力で締め
付けることとなる。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第３図及び第４図は、本考案に係る熱交換器の
第一実施例で、本考案をラジエータに適用した場
合を示したものである。

タンク本体１０はプラスチツクからなるもの
で、開口部１１側にタンクフランジ１２を有す
る。座板１３は前記開口部１１を覆う金属製から
なるキヤツプ状のもので、その周縁部にタンク嵌
合溝１３′を有し、また、その座板側面１４には
座板爪１５と、この座板爪１５をタンクフランジ
１２に機械的に折り曲げる際に、座板爪１５側の
端部が座板爪１５の折曲部となる台形状の外方突
起１６を有する。そして、タンク本体１０の開口
部１１側に、座板爪１５をタンクフランジ１２側
に折り曲げてパツキング材１７を介して、タンク
本体１０を座板１３のタンク嵌合溝１３′内に取
り付けた構造となつている。尚、図中、１８はチ
ユーブ、１９はフインである。

かかる構造のラジエータタンクは、座板爪１５
を有する座板側面１４に、台形状の外方突起１６
を設けてその座板爪１５を一定の位置、即ち、外
方突起１６の座板爪１５側端部で折り曲げられる
ように構成されているから、座板爪１５をタンク
フランジ１２側に折り曲げるときに座板爪１５が
一定の位置で折り曲げられ、タンク本体１０と座
板１３との間に介装したパツキング材１７は一定
の締付力で締め付けられる。

従つて、ラジエータタンクの気密性は、パツキ
ング材１７の適当な弾力性によつて良好となり、
これによつて、信頼性の高い、しかも耐久性のあ
るラジエータタンクが得られる。加えて、座板側
面１４に外方突起１６を設けることによつて座板
１３の機械的強度が増大し、丈夫なラジエータタ
ンクとなる。

第５図は本考案の第二実施例で、この実施例に
あつては、外方突起２０の座板爪１５側の端部を
座板爪１５の折曲部となるように設けると共に、
外方突起２０を上方から下方に向かつて幅広な形
状としたものである。

この場合には、下方に向かつて幅広くなつた外
方突起２０によつて座板１３の機械的強度がより
増大し、より丈夫なラジエータタンクとなる。こ
の場合にもタンク本体１０と座板１３との間に介
在したパツキング材１７が一定の締付力で締め付
けられ、ラジエータタンクの気密性が良好とな
り、パツキング材１７の弾力性も失われることが
ないから、信頼性及び耐久性のあるラジエータタ
ンクが得られる。

第６図及び第７図は本考案に係る熱交換器のさ
らに他の実施例で、座板１３の座板爪１５を有す
る座板側面１４に、その爪１５をタンクフランジ
１２に機械的に折り曲げる際に、一定の位置で折
り曲げできるように、座板爪１５側の端部が座板
爪１５の折曲部となる台形状の内方突起２１を設
けたものである。

この場合にも、座板爪１５を一定の位置で折り
曲げて間に介装したパツキング材１７を一定の締
付力で締め付けて気密性良好な耐久性のあるラジ
エータタンクが得られる。しかも、内方突起２１
によつて座板１３の機械的強度も増大できる。

尚、第５図乃至第７図に示した１８はいずれも
タンクの座板１３に取り付けたチユーブ、１９は
チユーブ１８間に取り付けたフインである。

上記実施例は、すべて自動車のラジエータタン
クに適用した例を示したが、その他の熱交換器の
タンクにも実施できることは言うまでもない。

以上説明したように、上記各実施例は、座板爪
を突起の端部にて一律に折り曲げることができる
ので、タンクと座板との間に介装したパツキング
材が一定の締付力で締め付けられ、従つてパツキ
ング材の弾力性が常に維持され、気密性が保持さ
れ、それによつて信頼性の高い耐久性のある熱交
換器のタンクが得られる。加えて、座板側面に設
けた内方又は外方突起によつてタンク本体の機械
的強度が増大し、丈夫な熱交換器のタンクが得ら
れる等の技術的効果が得られる。

〔考案の効果〕

このように本考案によれば、座板爪を常に一定
の位置で折り曲げることができるから、タンクを
座板に一定の締付力を以つて確実に取付ることが
可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のラジエータタンクを
示すもので、第１図は正面図、第２図はその断面
図、第３図及び第４図は本考案に係る熱交換器の
タンクの一実施例で、第３図は正面図、第４図は
その断面図、第５図は幅を変えた突起を有する本
考案に係る熱交換器のタンクの他の実施例の正面
図、第６図及び第７図は突起を内方突起にした本
考案に係る熱交換器のタンクの他の実施例で、第
６図は正面図、第７図はその断面図である。 １，１０……タンク本体、３，１７……パツキ
ング材、４，１５……座板爪、５，１２……タン
クフランジ、６，１３……座板、７，１４……座
板側面、１６，２０，２１……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座板側板に設けた座板爪をタンクフランジ側に
   折り曲げ、パツキング材を介してタンク本体を座
   板周縁部のタンク嵌合溝内に取り付けてなる熱交
   換器に於て、上記座板の側面に、内方及び／又は
   外方に突出する突起を設けると共に、当該突起の
   上記座板爪側の端部を、座板爪が機械的に折れ曲
   がる際の折曲部としたことを特徴とする熱交換
   器。