JPS6218673Y2

JPS6218673Y2 -

Info

Publication number: JPS6218673Y2
Application number: JP1981182014U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-07
Filing date: 1981-12-07
Publication date: 1987-05-13
Also published as: JPS5886448U; US4449498A

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、内燃機関のアイドル空気量調整装
置の改良に関する。

一般に、自動車用内燃機関においては、吸気絞
り弁が閉じられる機関アイドル時には、空気（又
は混合気）は吸気絞り弁をバイパスする通路を通
つて機関に供給され、この時にそのバイパス通路
を流れる空気量（又は混合気量）を制御すること
によつてアイドル回転数が調整されるようになつ
ている。

例えば、第１図の電子制御燃料噴射装置付内燃
機関に示すように、エアクリーナ１より吸入した
空気を機関本体２に供給する吸気通路３の途中に
介装されたスロツトルチヤンバ４に、その内部に
収装したスロツトルバルブ（吸気絞り弁）５をバ
イパスする通路６が一体的に形成され、このバイ
パス通路６に該通路６を流れる空気量を制御して
アイドル回転数を調整する調整ネジ７が外部から
螺じ込み自由に設けられる。

つまり、調整ネジ７は、上記バイパス通路６内
に突出した先端部に円錐面状（テーパ状）の弁体
８が形成され、この弁体８とバイパス通路６に設
けた弁シート９とで形成されるリング状の開口部
の断面積を、その螺じ込み度合によつて増減する
ことにより、アイドル空気量を調整するのであ
る。

尚、図中１０は、吸気通路３に介装されたエア
フローメータ１１からの信号を入力する制御回路
１２により、吸気量に応じた噴射量で燃料を吸気
通路３（吸気マニホルド）に噴射するように駆動
制御される燃料噴射弁、１３は排気還流通路１４
を通つて吸気通路３に還流される排気還流量を制
御する排気還流制御弁で、１５Ａ，１５Ｂはそれ
ぞれブローバイガス還元通路である。

また、、同様の方式を採用した気化器付内燃機
関として、特公昭48−35892がある。

ところが、このような従来のアイドル空気量調
整装置にあつては、上述したようにアイドル空気
量を調整する開口部形状がリング状であり、しか
もこの開口部を形成する調整ネジ７の弁体８が円
錐面状に形成されていたため、機関の使用過程に
おいて上記弁体８の円錐面状の平面部等にブロー
バイガスの油成分、吸気中のほこり、排気還流ガ
スのカーボン等が付着堆積しやすく、従つてこの
付着物により開口部の断面積が次第に小さくな
り、アイドリングに必要な流量を確保できなくな
つてアイドル回転数が低下するという不具合があ
つた。

つまり、アイドル回転数の低下により、アイド
リングが不安定もしくはエンストを起こし、更に
はバツテリ上がり等が発生するのである。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、上述した調整ネジの先端に、
先端面が開放された薄肉の筒状部を有する弁体を
設ける一方、この弁体の筒状部壁面により同時に
その開口断面積が増減される二つの薄板オリフイ
スを、調整ネジの軸心と直交するように配設され
たバイパス通路に直列に設けることにより、上記
不具合を解消することを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第２図に示すように、ハウジング１６には、そ
の内部に画成された弁室１７に対して、図中上下
方向から進退自由に調整ネジ７が螺合されると共
に、同じく図中左右方向（つまり調整ネジ７の軸
心と直交する方向）からバイパス通路６の上、下
流側通路６Ａ，６Ｂがそれぞれ接続される。

上記調整ネジ７は、その先端に先端面が開放さ
れた薄肉の筒状部１８を有する弁体８が一体形成
され、この弁体８の筒状部１８が上記弁室１７内
を進退するようになつている。

そして、この弁体８の筒状部１８壁面により同
時にその開口断面積が増減される二つのオリフイ
ス１９Ａ，１９Ｂが、上記上、下流側通路６Ａ，
６Ｂの弁室１７に対する開口部に位置して設けら
れる。なお、これらの通路６Ａ，６Ｂはハウジン
グ１６とは別体に形成される。

このオリフイス１９Ａ，１９Ｂは、ハウジング
１６側（通路壁面側）から上記開口部内方に向け
て突出した薄肉壁で形成される。

従つて、バイパス通路６には、二つの薄板オリ
フイス１９Ａ，１９Ｂが直列に配設されたいわゆ
る二段オリフイスが介設されることになると共
に、両オリフイス１９Ａ，１９Ｂの中間に位置す
る弁室１７は、両オリフイス１９Ａ，１９Ｂの最
大開口断面積よりも通路断面積が大きい中間拡大
通路となる。また、第２図に見られるように、弁
体８の先端部の筒状部１８と、二つのオリフイス
１９Ａ，１９Ｂはハウジング１６の壁部ないし通
路壁部等よりも薄肉に形成される。

更に、この中間拡大通路（弁室）１７の容積を
大きくするために、上述した弁体８の筒状部１８
の底部及び弁室１７の底部は凹状に深くえぐら
れ、これによつて上述した二段オリフイスの効果
を更に高めている。

尚、図中２０は調整ネジ７に焼付けられたシー
ル及び回転止め用のゴムシリングで、２１はハウ
ジング１６を機関等に取付けるための取付孔であ
る。

その他の構成は第１図と同様なので、第１図を
参照してここでは詳しい説明は省略する。

このような構成のため、今吸気絞り弁５が閉じ
られる機関アイドル時には、エアクリーナ１より
吸入した空気はバイパス通路６の上流側通路６Ａ
から調整ネジ７部を介して下流側通路６Ｂに流れ
て機関本体２の各シリンダに供給される。このバ
イパス通路６を流れる空気量は、上記調整ネジ７
部において調整ネジ７の螺じ込み度合を調整する
ことにより制御される。

つまり、調整ネジ７の螺じ込み度合に応じて弁
体８の筒状部１８壁面が弁室１７内を進退して、
弁室１７の側壁部に開口した二つのオリフイス１
９Ａ，１９Ｂを同寺に開閉（開口断面積を増減）
することにより、バイパス通路６の有効断面積を
増減してアイドル空気量を調整するのである。

そしてこの際、上記調整ネジ７部には、上述し
たように直列に配設された二つのオリフイス１９
Ａ，１９Ｂ及びその中間に位置した拡大通路（弁
室）１７により、二段オリフイスが形成されてい
るので、圧力勾配が生じる（つまり二段にわたつ
て圧力損失が生じる）ことから、従来例の一段オ
リフイスに比べ等空気量で若干大きめの開口断面
積に設定することができる。

しかも、二段オリフイス部（オリフイス１９
Ａ，１９Ｂ）は調整ネジ７により同時に開口断面
積を増減されるので、上記圧力勾配に広範囲に保
たれ、どの開口断面積においても二段オリフイス
の効果は有効に発揮される。

これらにより結局、第３図に示すように開口断
面積の変化率に対して空気量の変化率は小さくな
る。

この結果、所定の開口断要積を設定したのち、
オリフイス形成部（１９Ａ，１９Ｂ及び１８）に
前述したように付着物が堆積して開口断面積が小
さくなつても、開口断面積が変化した割には空気
量はさほど変化（減少）しないのでアイドル回転
数の低下代は少なく、アイドリングが不安定にな
つたりエンストを起すというような事態は生じな
い。

また、上述したオリフイス形成部はハウジング
１６等の壁部よりも薄肉になつているので、開口
断面内（開口縁部）の厚さが小さく、それだけ付
着物の堆積が制限されるという効果がある。

次に、第４図はこの考案の他の実施例を示すも
のである。

これは、電子制御燃料噴射装置付内燃機関にお
けるスロツトルチヤンバ４にスロツトルバルブ５
をバイパスする通路６が一体的に形成され、この
バイパス通路６の内壁部に更に、先の実施例にお
ける薄板オリフイス１９Ａ，１９Ｂを一体的に形
成すると共に、この薄板オリフイス１９Ａ，１９
Ｂの開口断面積を増減する同じく調整ネジ７を上
記スロツトルチヤンバ４に組み付けるようにした
例である。尚、図中２２は調整ネジ７の回り止め
スプリングである。

以上説明したようにこの考案によれば、調整ネ
ジの先端に、先端面が開放された薄肉の筒状部を
有する弁体を設ける一方、この弁体の筒状部壁面
により同時にその開口断面積が増減される二つの
薄板オリフイスを、調整ネジの軸心と直交するよ
うに配設されたバイパス通路に直列に設けるよう
にしたので、オリフイス形成部の厚さないし開口
縁部幅縮少により付着物の堆積を制限すると共
に、付着物の堆積により開口断面積が減少しても
二段オリフイスの効果によつて空気量の低下率を
小さくすることができ、これらが相俟つて長期間
に亘り良好なアイドリング状態が維持できるとい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の概略構成図、第２図はこの考
案の実施例の要部断面図、第３図は一段オリフイ
スと二段オリフイスの開口断面積と空気量との関
係を示す比較特性図、第４図はこの考案の他の実
施例を示す要部断面図である。５……吸気絞り弁、６……バイパス通路、６
Ａ，６Ｂ……上、下流側（バイパス）通路、７…
…調整ネジ、８……弁体、１８……筒状部、１９
Ａ，１９Ｂ……薄板オリフイス、１７……弁室
（中間拡大通路）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

吸気絞り弁をバイパスする通路に、該通路の有
効断面積を増減してアイドル空気量を調整する調
整ネジを介装した内燃機関のアイドル空気量調整
装置において、上記調整ネジの先端に、先端面が
開放された薄肉の筒状部を有する弁体を設ける一
方、この弁体の筒状部壁面により同時にその開口
断面積が増減される二つの薄肉のオリフイスを、
調整ネジの軸心と直交するように配設されたバイ
パス通路に直列に、かつ当該薄肉の開口縁部がバ
イパス通路壁面側から内方に向かつて突出するよ
うに形成するとともに、前記弁体先端の筒状部及
び前記二つのオリフイスの開口縁部の厚さをバイ
パス通路壁部よりも薄く形成したことを特徴とす
る内燃機関のアイドル空気量調整装置。