JPS6040836Y2 - 内燃機関のアイドルアジヤスト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ＬＰＧ等の液化ガスを燃料とする内燃機関又
は吸気絞弁の下流に燃料噴射装置を装着した内燃機関等
吸気絞弁上流にガソリン燃料の供給がない内燃機関にお
けるアイドル空気量調整用のアイドルアジャスト装置に
関する。

この種の内燃機関では、アイドリング時の吸入空気量（
燃料噴射式の場合）若しくはガス燃料量（例えばＬＰＧ
機関の場合）を、絞弁をバイパスするバイパス吸気通路
の通路面積をアイドルアジャストスクリューで増減制御
してアイドリング調整を行うようにしている。

このため、従来では、例えば第１図に示したように（参
考文献、実開昭５０−１３５８２７号公報）、スロット
ルチャンバ１の外面から該チャンバ１に装着した吸気絞
弁２の上流に向って第１の通路３を貫通形成すると共に
、この第１の通路３と前記絞弁２の下流に至る第２の通
路４とを交差連通させて絞弁２のバイパス吸気通路を形
成し、前記第１の通路３に螺合挿入したアイドルアジャ
ストスクリュー５の先端の弁体６を第１の通路３におけ
る第２の通路４への開口（弁座）３′に対向させている
。

これによって、アイドルアジャストスクリュー５を進退
させるにともなって前記開口３′を開閉制御し、絞弁２
をバイパスして燃焼室に供給されるアイドル用の空気量
若しくはガス燃料（以下空気量で代表する）を調整して
いる。

ところが、このようなアイドルアジャスト装置にあって
は、一般にはアイドルアジャストスクリュー５の弁体が
ポペット式で前記第１の通路３の開口３′と該弁体との
距離を制御することによりバイパス吸気通路の開口面積
を制御する形成であるから必然的に第１の通路３より第
２の通路４が大径となり、弁体６と開口３′との間にリ
ング状の通路が形成される結果、弁体６がわずかに移動
しても通路面積が大幅に変わるため、アイドルアジャス
トスクリュー５による通気量の調整が極めて困難であっ
た。

又、新車においては機関連動系各部のフリクションが大
であるため、アイドリング時の燃料供給量は慣らし運転
を行った車に比較して大に設定し、成る程度の距離走行
後アイドルアジャストスクリューを絞ってバイパス通路
面積を減少調整するものである。

しかし、液化ガス機関或いは絞弁下流へ燃料を噴射する
方式の内燃機関等、吸気絞弁士流にガソリン燃料を供給
しないものにあってはガソリンの自浄作用が期待できず
、気体燃料中のタール分或いは吸入空気中に浮遊する微
細な塵埃が前記開口３′及び弁体６に付着堆積し時間の
経過と共に弁体６と開口３′とが相対的に接近して通路
面積を次第に減少させるので、従来では所定の時間ごと
にアイドルアジャストスクリュー５を調整し直す必要が
あった。

上記の如き塵埃の付着及び堆積は気体通路巾が狭い程、
又、気体流速が大きな程、成長することが確かめられて
おり、従来の如き弁体６を開口３′との構成するリング
状の通路形状では同一通路面積でも最も通路巾が狭いも
のとなるから塵埃付着に関して極めて不利となっていた
。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、絞弁の下
流に至る第２の通路と絞弁の上流とを結ぶ第１の通路を
、前記第２の通路より大径又は等しい直径に形成し、こ
の第１の通路に嵌合したアイドルアジャストスクリュー
の先端面を平らに形成し、前記第２の通路に対するスラ
イド弁として作用させることにより、アイドルアジャス
トスクリューの軸方向移動量に対する通路面積変化を小
さくして通気量の調整を容易化すると共に、アイドルア
ジャストスクリューの形成する通路形状を同一面積を得
るのに通路巾を大きくとれるようにしてアイドルアジャ
ストスクリューの先端に付着するタール及び塵埃等の量
を低減させ、かつ必要に応じて第１の通路内に付着堆積
したタール等を容易に除去できるようにしたアイドルア
ジャスト装置を提供するものである。

以下、第２図ないし第３図に示された実施例に基づいて
従来と同一機能を有する部分に同一の符号を付して本考
案を説明する。

第２図及び第３図に示した一実施例において、スロット
ルチャンバ１には、該チャンバ１の外面とチャンバ１に
装着した絞弁２の上流とを結ぶ第１の通路３を貫通形成
すると共に、この第１の通路３と前記絞弁２の下流に至
る第２の通路４とを交差連通させて絞弁２のバイパス路
を形成する。

第１の通路３は第２の通路４以上に大径又は等しい径に
形成されており、この第１の通路３にスロットルチャン
バ１の外面から螺入したアイドルアジャストスクリュー
５の先端には、第１の通路３に嵌合する円筒状の弁体６
を一体に装着している。

弁体６の端面ば平らにしである。平らにすることにより
塵埃の付着が少なくなる。

従って、アイドルアジャストスクリュー５を螺入し進退
させて弁体６を第１の通路３内で摺動させると、この摺
動にともなって、第２の通路４における第１の通路３へ
の開口４′が開閉制御され、バイパス路の通路面積が増
減される。

この場合第１の通路３を第２の通路４以上に大径又は等
しい径に形成したものであるから、第１の通路３の途中
に第２の通路４が開口４′を介して接続されることにな
るため、第１の通路３内で移動する弁体６（アイドルア
ジャストスクリュー５の先端）は前記開口４′に対して
スライド弁となり略円形の第２の通路４の開口部を弁体
６が徐々に閉鎖するので、前記従来の如きリング状の開
口形状とは全く異なる。

従って、アイドルアジャストスクリュー５によるバイパ
ス路の通路面積（絞弁２をバイパスする空気量変化）は
該スクリュー５の移動量に対して従来に比べて小さくこ
のためバイパス空気量の制御が容易になる。

又、リング状の開口部を有する従来のものと異なり、開
口４′は第３図に示す如く略三日月状であるから同一開
口面積を得るための開口４′周囲が小さく、従って吸気
中の塵埃或いはタールが開口４′、まわりの弁体６及び
通路３に付着する機会が少なく開口４′の面積減少が小
さいからアイドルアジャストスクリュー５の調整頻度を
少なくできる。

又、長期の使用中には、第１の通路３の内壁面がタール
等によって汚損され、通気抵抗を増大させることがある
が、この場合にはアイドルアジャストスクリュー５を一
杯に締め込んで弁体６をスロットルチャンバ１内まで突
出させれば、第１の通路３の内壁面に付着堆積したター
ル等が弁体６の先端で押し出されるので、第１の通路３
の清掃をも容易に行うことができる。

また、先端が平らなため、そこにタール等が耐着しても
流量に悪影響を与えることがない。

尚、実施例では、アイドルアジャストスクリューの先端
に弁体を装着したものであるが、アイドルアジャストス
クリューの先端をそのままで弁体としてもよいことは詳
述するまでもない。

以上述べたように、本考案は、スロットルチャンバに設
けた絞弁の下流に至る第２の通路と前記絞弁の上流とを
結ぶ第１の通路を前記第２の通路より大径又は等しい径
に形威し、スロットルチャンバの外面にネジ止めし前記
第１の通路に嵌合したアイドルアジャストスクリューの
端面の平らな先端で第２の通路に対するスライド弁を構
成したものであるから、前記スクリューの移動量に対す
る通路開口面積の変動が小さく内燃機関のアイドリング
時に絞弁をバイパスするアイドル空気量を容易に制御で
きると共に、液化ガス機関又は電子制御燃料噴射弁を備
えた内燃機関のように、ガソリンの自浄作用を期待でき
ない内燃機関においても、アイドルアジャスト部分にお
ける目詰りを防止できるため、アイドル調整頻度を少な
くできるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一例を示す断面図、第２図は本考案の一
実施例を示す要部の断面図、第３図は第２図の■−■断
面図である。 １・・・・・・スロットルチャンバ、２・・・・・・吸
気絞弁、３・・・・・・第１の通路、４・・・・・・第
２の通路、５・・・・・・アイドルアジャストスクリュ
ー ６・・・・・・弁体（スクリュー５の先端）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液化ガス機関及び燃料噴射式機関を含む内燃機関におい
   て、吸気通路壁に穿孔形成された吸気絞弁の上流に臨む
   第１の通路と、前記吸気絞弁の下流に至る第２の通路と
   、を交差連通させて吸気絞弁のバイパス吸気通路を形成
   し、前記第１の通路を第２の通路より大径又は等しい径
   に形成すると共に、第１の通路に吸気通路の外壁面さら
   先端面が平らなアイドル用アジャストスクリューを進退
   自在に嵌合して、バイパス吸気通路の第２の通路の開口
   面積をアジャストスクリューを動かすことにより変化さ
   せることを特徴とする内燃機関のアイドルアジャスト装
   置。