JPS6218436Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシングルフエーサ特にシングルフエー
サを構成する圧力ロールの改良に関するものであ
る。

従来のシングルフエーサは第１図に示すように
芯紙８が上段ロール１側に供給され、上段ロール
１と下段ロール２の噛合部に噛込まれ、波形状に
成形された芯紙８′となり、次いで該芯紙８′は下
段ロール２の回転とともに移送され、糊容器６内
の糊７が糊付ロール４ですくい上げられてドクタ
ロール５で糊膜の調整が行われた後糊付ロール４
によつて芯紙８′の段項部に糊付けされる。一
方、圧力ロール３側に供給されたライナ９と上記
糊付けされた芯紙８′は下段ロール２と圧力ロー
ル３の加圧部において接着されて片面段ボール紙
１０となる。

上記に示した従来のシングルフエーサでは一般
的に上段ロール１は下段ロール２に、また圧力ロ
ール３は下段ロール２に各々、線圧約20〜60Kg／
cmで押付けられている。前者は芯紙８に段繰りを
行うための加圧力であり、後者は芯紙８′とライ
ナ９の接着力を与えるための加圧力となる。ま
た、下段ロール２には上段ロール１と共に歯形状
の段がロール外表面に加工されており、一方圧力
ロール３は円滑な表面とされているので運転状態
においては下段ロールの段山が圧力ロール３の表
面を芯紙８′及びライナ９を介して高サイクルで
叩く構造となつている。上記構造では上段ロール
１、下段ロール２及び圧力ロール３は主に〔下段
ロール２と圧力ロール３間の加振変化〕×〔下段ロ
ール２と圧力ロール３間の接触ばね定数〕に基づ
く励振力によつて主要構成部分が上下段ロール
１，２の歯数サイクルNZ（段ロール回転数Ｎ×
歯数Ｚ）で振動し、ロール系の固有振動数に歯数
サイクルNZが一致すると共振し、特に３本のロ
ールが激しく振動する。このような共振時には殊
に圧力ロール３と下段ロール２が激しく衝突する
ために、そのロール間に挾まれた芯紙８′とライ
ナ９に大きな衝突荷重がかかり、同シートが破断
したり、振動の位相状態によつては、芯紙８′と
ライナ９の貼合がなされない現象が現われたり、
しかも大きな騒音となる。

上記のように、ロールの振動によるシート破
断、貼合不良及び大騒音等はシングルフエーサの
解決を要する重要課題であり、特に近年の機械高
速化、シート品質の劣化傾向に伴い更に問題化し
つつある。

本考案では上記観点より上記したロールなどに
流生する振動を低減し騒音を減少させるシングル
フエーサを提供するものである。

以下、本考案を第３図及び第４図に示す実施例
に基づいて具体的に説明する。

第３図及び第４図において圧力ロール３′は軸
心Ｃを中心に円筒状コア１４が形成されており、
同円筒状コア１４の外周には上記軸心Ｃを中心に
比較的薄肉（５mmないし20mm）の円筒状スリーブ
１３が嵌装され、円筒状コア１４と円筒状スリー
ブ１３との間には間隙部が形成されている。その
間隙部にはハンダ等低融点金属１５が封入され
る。この低融点金属１５としてはPb−Sb−Su系
が一般的であるが、これらの含有率と共に、その
他Bi，In，Ag等の含有比を変化させれば常温か
ら約320℃の間の融点温度のものを自在に得るこ
とができる。

上記円筒状スリーブ１３を比較的薄肉とする方
が好ましいのは、下段ロール２の回転に伴う衝撃
力が加わるとき、薄肉であれば剛性が小さいた
め、衝撃力を緩和する効果が生じるからである。
また、円筒状コア１４はロールとしての曲げ剛性
を維持する役目をもつ。さらに、間隙部に封入さ
れた低融点金属１５は円筒状スリーブ１３の振動
を減衰させる効果を狙つている。シングルフエー
サでは通常圧力ロールの中空部に加熱蒸気が封入
され、圧力ロール外表面を160〜220℃程度に保持
されている。この熱量は、下段ロールと圧力ロー
ル係合部でライナ９と中芯８′を接着する際に通
常使用されている液状でん粉糊を急速にゲル化し
て接着力を得るためのものである。従つて、間隙
部に封入される低融点金属１５としては運転時に
溶融して流体化し振動の減衰効果をもつと共に、
伝熱性の良いスズ、鉛を主成分とする合金のハン
ダ等が好ましい。

上記のように構成せられた本実施例において、
下段ロール２の歯は圧力ロール３′の円筒状スリ
ーブ１３を芯紙８′及びライナ９を介して断続的
に接触するが、円筒状スリーブ１３が比較的薄肉
構造をしているので、同スリーブ１３が弾性作用
をなし振動の緩衝作用が生じる。すなわち、（下
段ロール２と圧力ロール３′間の加振変位）×（下
段ロール２と圧力ロール３′間の接触ばね定数）
に基づく励振力はその後者のパラメータが大幅に
小さくなるので励振力は著しく小さくなる。ロー
ルの振動はこの励振力に対する応答であるから根
源である励振力を小さくすることにより定常時及
び共振時の振動は著しく低減し、振動に基づく騒
音も低下させることができる。さらに、円筒状ス
リーブ１３と円筒状コア１４の間の間隙部に封入
流体化した低融点金属１５が流動による粘性低抗
により衝撃に対する微小なシエル状弾性振動を減
衰し、さらに騒音の低減効果が発生する。

また、近年糊の開発が進んでおり、貼合温度の
低下がなされる傾向にあるが、圧力ロール３′の
低温化、常温化に際しても低融点金属１５の選定
次第で本実施例の効用を損うことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシングルフエーサを示す概略側
断面図、第２図はその正面図で一部を破断して示
す。第３図は本考案の一実施例を示す部分的側断
面図。第４図はその正面図で、一部を破断して示
す。 １：上段ロール、２：下段ロール、３，３′：
圧力ロール、８：芯紙、９：ライナ、１０：片面
段ボール紙、１３：円筒状スリーブ、１４：円筒
状コア、１５：低融点金属。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯紙を段成形する上段ロールと下段ロール、段
   成形された芯紙に糊付けする糊付装置、上記下段
   ロールに圧接する圧力ロールなどからなるシング
   ルフエーサにおいて、前記圧力ロールに形成した
   円筒状コア周面に円筒状スリーブを外装し、同円
   筒状スリーブと前記円筒状コアの間隙部にハンダ
   等低融点金属を封入したことを特徴とするシング
   ルフエーサ。