JPS5920998Y2 - シングルフエ−サ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧力ロールに特長を有するシングルフェーサに
関するものである。

第１図は従来の一般的なシングルフェーサの側断面図を
示し、１は歯形を有する上段ロールで、この歯形と噛合
う歯形を有する下段ロール２が設けられている。

３は下段ロール２に片面段ボール１１を介して接する圧
力ロールである。

４は糊付ロールで、糊容器６内の糊７が付着し、ドクタ
ーロール５で調節された所定厚さの糊が、基紙９の波頭
部に糊付けされるようになっている。

８はフィンガープレート、１０はライナーである。

次に第１図について作用を説明すると、上段ロール１と
下段ロール２の噛合いにより基紙９を段繰りし、この段
繰りの終った基紙９′はフィンガープレート８でガイド
され、同基紙９′の波頭部に糊付ロール４によって糊付
けされ、圧力ロール３でライナー１０を前記基紙９′に
押付けて貼合する。

ところが近年ライナー及び基紙の紙質の低級化に伴い、
シングルフェーサによる基紙とライナーの貼合時に段割
れ（ライナー、基紙共に切れる現象）及び貼合不良が生
じる欠点があった。

なお、段割れが発生する場合には振動振幅が大きいため
、ストッパー等により圧力ロールの変位規制を行なうこ
とがある。

しかしこの規制を行なうと段割れは発生しないが、ロー
ルは撓み振動をしているので、紙の両端付近で貼合不良
が生じる欠点があった。

段割れ及び貼合不良は機械の共振時に起ることが多く、
振動面からの対策が望まれていた。

ここで段割れ及び貼合不良の対策として考えられるのは
以下の通りである。

■ 共振時に於ける振動振幅及び振動加速度を下げるこ
と。

ＩＩ 共振速度を下げ、■の効果を狙うこと。

ＩＩＩ 共振時に於ける段ロールによる衝撃荷重を圧
力ロール幅全長に分布させること。

ＩＶ 紙を弾性体として動作させる効果を狙うこと。

次に従来の圧力ロールの一般的な構造を第２図に示すと
、第２図の如く内部を全長に渡り中空とする圧力ロール
１２に於いて、肉厚を増減するのみの対処では、前記Ｉ
−ＩＶの対策金てを満足することはできず、確実性が薄
い。

なお、１３はロール固足端、１４は軸受である。

ところで前記Ｉ ＩＩの対策としては、圧力ロール１２
の剛性を上げることで目的が遠戚される。

またＩＩＩの効果を狙うためには、下段ロール２と圧力
ロール３との貼合時にロール幅全長にわたり凹み変形す
ることが必要であるから、圧力ロールの剛性は低い方が
好ましい。

更にＩＶの効果を狙うためには圧力ロールの剛性を上げ
、撓み変形を抑制して均一に荷重がかかる状態にすれば
よい。

しかし前述の対策は、従来の圧力ロール構造をもってし
ては対処できなかった。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案されたも
ので、上下一対の回転する段ロールで基紙の段操りを行
ない、下段ロールに圧接して回転する圧力ロールで前記
基紙とライナーの貼合を連続的に行なうシングルフェー
サに於いて、両端全周を軸端部材に溶接で取付けた前記
圧力ロールの内部中空部にロール軸と平行に、円筒形状
の補強部材を、両端全周を軸端部材に溶接で取付けるこ
とにより設けることにより、曲げ剛性を向上させること
ができるシングルフェーサを提供せんとするものである
。

以下本考案の実施例を図面について説明すると、第３図
は本考案の実施例を示す圧力ロールを示し、第１図に示
すシングルフェーサの圧力ロール３に代えて用いるもの
である。

ここで本考案の実施例を示すシングルフェーサを第１図
及び第３図により説明すると、このシングルフェーサは
上下一対の回転する段ロール１゜２で基紙９の段繰りを
行ない、下段ロール２に圧接し２、軸受１４に支持され
て回転する圧力ロールで前記基紙９とライナー１０の貼
合を連続的に行なうようになっている。

そしてこのシングルフェーサに於ける圧力ロール１２の
内部中空部に、ロール軸と平行に補強部材１５が設けら
れている。

なお、補強部材１５は中実円筒或は円管なとでよい。

また断面変形バネ定数は圧力ロール１２の肉厚で決定さ
れるので、低く保持される。

以上詳細に説明した如く、本考案は圧力ロールの内部中
空部にロール軸と平行に補強部材を設けたので、軸端部
に於ける曲げモーメントを抑制し、曲げ剛性を著しく向
上させることができる。

このように圧力ロールの曲げ剛性が向上するので、撓み
振動を抑制し、従って紙に対する均一な荷重分布となる
ため、貼合系が紙を弾性体とする振動系となり、共振速
度は下る。

ロールの断面変形ばね定数は圧力ロールの肉厚によって
のみ決定されるので、本考案はロールの断面２次モーメ
ン）Ｉ＝１１（圧力ロールの断面２次モーメン））＋Ｉ
２ （補強部材の断面２次モーメント）となり、圧力
ロールのみの曲げばね定数に比べ（１モ仕）倍だけ曲げ
ばね定数は大きくなる。

また補強部材の中空内部に蒸気等の挿入も可能であり、
圧力ロールの加熱が出来る等の効果を奏するものである
。

また共振速度が下るとロールの慣性力が小さくなるので
、振動振幅、振動加速度の絶対値が減少し、貼合時の衝
撃力、衝撃エネルギーを小さくすることができ、共振時
の段割れ及び貼合不良等の障害を回避できる。

なお、圧力ロール内部に補強部材を設け、しかも肉厚を
薄くすれば、断面変形を生じ易くすることができるので
、下段ロールとの衝突当り面の長さは増加し、衝撃荷重
はロール全長に分布し、単位長さ当りの紙にかかる衝撃
荷重を減少させることができる。

従って衝撃荷重が中央部に集中化することを避けること
ができるため、共振時の段割れ及び貼合不良等を回避で
きる。

以上の如く本考案は、曲げ剛性を出来るだけ高く、逆に
断面変形剛性は出来るだけ低くすることを狙いとするも
のである。

即ち、第４図に示す如く、単に肉厚を増減するだけでは
実線のように（肉厚→増に伴い、曲げばね、断面変形ば
ね→増）となってしまう。

そこで図面の円弧状の矢印で示す如く、ある肉厚に於い
て断面変形ばねはそのまま低く保持し、曲げ剛性のみ向
上させるものである。

なお、第４図では圧力ロールの面長は２０００ ｍｍ、
外径は３０３φである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的なシングルフェーサの側断面図、
第２図は従来のシングルフェーサに於ける圧力ロールの
１部所面正面図、第３図は本考案の実施例を示すシング
ルフェーサに於ける圧力ロールの１部所面正面図、第４
図は同圧力ロールの断面変形ばね定数と曲げばね定数と
の関係を示す線図である。 図の主要部分の説明、１・・・・・・上段ロール、２・
・・・・・下段ロール、４・・・・・・糊付ロール、９
・・・・・・基紙、１０・・・・・・ライナー、１１・
・・・・・片面段ボール、１２・・・・・・圧力ロール
、１５・・・・・・補強部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下一対の回転する段ロールで基紙の段繰りを行ない、
   下段ロールに圧接して回転する圧力ロールで前記基紙と
   ライナーの貼合を連続的に行なうシングルフェーサに於
   いて、両端全周を軸端部材に溶接で取付けた前記圧力ロ
   ールの内部中空部にロール軸と平行に、円筒形状の補強
   部材を、両端全周を軸端部材に溶接で取付けることによ
   り設け、圧力ロールの断面変形剛性は変えずに、曲げ剛
   性を向上させたことを特徴とするシングルフェーサ。